
■パーム油
──ところで、パーム油って何に使うのですか。
まず、パーム油はアブラヤシという植物からとれる植物性油脂です。パームの果肉や種の部分には、常温で液状から固体まで異なる融点の油脂が含まれていて、それらを分別、精製、加工して製品化しています。フライ油用途と、チョコレート油脂用、クリームなどの幅広い製品に使用されています。フライ油としては、スナック菓子や即席麺の揚げ油として使われます。
チョコレート用油脂では、品質を安定させたり、特殊な物性を持たせたりするためにパーム油を使います。たとえば、夏と冬では気温が変わり溶け方が変わってくるので、同じチョコでも植物油脂を使って品質を調整していします。アイス用のチョコレートでも、口に入れた時にすぐに溶けるように油脂で調整しているんです。
──すごい技術ですね。
乳化・発酵素材事業では、「フィリング」といわれるクリームパンのクリーム部分のような素材や、やわらかなチーズ素材などをつくっています。たとえばカスタードクリームであれば、街のケーキ屋さんやパン屋さんなら自分で卵とミルクを混ぜてつくりますが、弊社製品では油を使って柔軟に固さを調整したり、日持ちが良くなるような加工をしたりして販売しています。ホイップクリームも植物油脂を使って口どけや保形性を変えることができます。
──植物油はパーム油がメインなのですか。
日本でもっとも多く使われているのは菜種油ですが、世界ではパーム油が一番で、次が大豆、菜種油の順です。弊社は国内のパーム油シェアでトップです。
■働き方
──SDGsには働き方や男女平等の課題もあります。
男女平等がよく言われますが、この会社で6年間働いてきて「女性だからこういう仕事をさせられている」「させてもらえない」と思ったことはありません。女性の先輩たちも産休・育休を取って復帰したり、子どもがいるから早く帰れるようにしていたり、働きやすい環境です。強いて言うなら、油脂の一斗缶を持たないといけないときに男性並みには積み込めないなあと感じたぐらいです(笑)。若手のときから「やりたい」と言った部署で働けることも大きいですね。希望が100%通ると確約はできませんが、私も一番やりたかった外食産業を2年目から持たせてもらいました。
──男女比は?
全社で女性社員は2割ほどです。外食と洋菓子メーカー、コンビニを担当する営業第二部は、半分くらいが女性です。
──コロナ禍で営業方法や勤務体系は変わりましたか。
コロナ禍ではずっとリモート営業をしていました。最近ようやくお客様から「来てもいいよ」って言われるようになり、訪問することが多くなりました。
テレワークが推奨されるようになって、どこでも仕事ができるようになりました。営業部門は出社する必要がなく、お客様のところから直行直帰することもあります。会社が駅の周辺に複数の事業者のサテライトオフィスを借りているので、そこで仕事をすることもあります。
それでも週に2日くらいは会社に来ます。お客様に出す前にサンプルの試食をしないといけないので。
──完成品ではないのに試食するんですか。
大豆ミートのハンバーグなら、弊社の開発担当者がレシピを組み立てたサンプルを私たち営業が事前に試食して確かめます。その後、お客様に「こういうレシピを組むとこういう製品ができます」と提案します。
サンプルをお客様に届けて、リモート試食会も行いました。私たちも手元に用意して「じゃあ1番のサンプルから食べましょう」と一緒に試食するんです。「このクリームは甘すぎる」といった意見を聞いて作り直すこともあります。