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株式会社セブン-イレブン・ジャパン
セブン-イレブン・ジャパン〈前編〉日本で一番多くプラスチック容器包装を使う事業者 だからこそできること【SDGsに貢献する仕事】
2023年08月30日
SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする「SDGsに貢献する仕事」の第10回は、コンビニエンスストアチェーンのセブン-イレブン・ジャパンです。日本で最も多くのコンビニ店舗を展開するセブン-イレブンは、日本で一番多くプラスチック容器包装を使用した商品を販売している事業者でもあります。そのため同社では積極的に、プラスチック使用量を減らす取り組みを続けています。店舗での設置を進めているペットボトル回収機も、その取り組みのひとつ。お客様の利便性と、環境配慮を両立させる試みが続いています。(編集長・福井洋平)
(冒頭のSDGsアイコンは、セブン-イレブン・ジャパンが重視するゴール)
【お話をうかがった社員のプロフィル】
●笹林綾子(ささばやし・あやこ)さん=株式会社セブン-イレブン・ジャパン サステナビリティ推進室。2006年立教大学社会学部卒業、同年セブン-イレブン・ジャパン入社。直営店勤務、OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー、店舗経営相談員)、株式会社セブンカルチャーネットワークで旅行商品の企画や販売、建築設備本部で既存店の設備手配業務を経て、2020年から現職。
(冒頭のSDGsアイコンは、セブン-イレブン・ジャパンが重視するゴール)
【お話をうかがった社員のプロフィル】
●笹林綾子(ささばやし・あやこ)さん=株式会社セブン-イレブン・ジャパン サステナビリティ推進室。2006年立教大学社会学部卒業、同年セブン-イレブン・ジャパン入社。直営店勤務、OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー、店舗経営相談員)、株式会社セブンカルチャーネットワークで旅行商品の企画や販売、建築設備本部で既存店の設備手配業務を経て、2020年から現職。
日本で一番プラスチック容器包装使う商品を販売
■笹林さんの仕事
――入社後の経歴を教えてください。
2006年に入社しました。そのあと6年間は直営の店舗で店長や副店長を経験後、OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー、店舗経営相談員)として加盟店を担当。店舗の売り上げ利益を上げるために加盟店オーナーさんと本部の橋渡し役を担ってきました。
――OFCとは何ですか?
店舗のほとんどは、独立した経営者さん(加盟店)が経営されています。OFC(=店舗経営相談員)は加盟店を定期的に訪問し、経営をサポートします。店舗経営に有益な情報を伝え、売上や販売数などのデータから分析を行い、商圏をふまえた商品の選定や陳列、店内の体制づくりまで、店舗への様々なカウンセリングを実施します。セブン-イレブン・ジャパンの中心的職種です。
――社員のみなさんの多くがOFCを経験されるんですね。
そうです。私はそのあと、セブンカルチャーネットワークに出向して旅行商品の企画や販売業務につきました。それまでは加盟店のオーナーさんや従業員さん としか接点がなかったのですが、この部署で取引先や他会社から出向されてきた方とやり取りをするようになり、外からセブン-イレブンという会社を見ることができて、改めて会社の魅力、店舗という現場の大切さを再認識しましたね。そのあとは産・育休を経て建築設備本部に異動し、店舗の売り上げなどの状況に応じ、店舗に設置されている冷蔵庫や販売什器等の設備の手配をする業務につきました。
――いろいろな仕事があるんですね。
設備の手配をすることで店舗の売り上げや店舗で働くみなさんのロイヤリティーが向上し、現場が好循環することにもつながることがわかりました。2回目の産・育休を取得し、そのあと現部署のサステナビリティ推進室に移り、SDGs関連のプロジェクトにたずさわることになりました。
――入社後の経歴を教えてください。
2006年に入社しました。そのあと6年間は直営の店舗で店長や副店長を経験後、OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー、店舗経営相談員)として加盟店を担当。店舗の売り上げ利益を上げるために加盟店オーナーさんと本部の橋渡し役を担ってきました。
――OFCとは何ですか?
店舗のほとんどは、独立した経営者さん(加盟店)が経営されています。OFC(=店舗経営相談員)は加盟店を定期的に訪問し、経営をサポートします。店舗経営に有益な情報を伝え、売上や販売数などのデータから分析を行い、商圏をふまえた商品の選定や陳列、店内の体制づくりまで、店舗への様々なカウンセリングを実施します。セブン-イレブン・ジャパンの中心的職種です。
――社員のみなさんの多くがOFCを経験されるんですね。
そうです。私はそのあと、セブンカルチャーネットワークに出向して旅行商品の企画や販売業務につきました。それまでは加盟店のオーナーさんや従業員さん としか接点がなかったのですが、この部署で取引先や他会社から出向されてきた方とやり取りをするようになり、外からセブン-イレブンという会社を見ることができて、改めて会社の魅力、店舗という現場の大切さを再認識しましたね。そのあとは産・育休を経て建築設備本部に異動し、店舗の売り上げなどの状況に応じ、店舗に設置されている冷蔵庫や販売什器等の設備の手配をする業務につきました。
――いろいろな仕事があるんですね。
設備の手配をすることで店舗の売り上げや店舗で働くみなさんのロイヤリティーが向上し、現場が好循環することにもつながることがわかりました。2回目の産・育休を取得し、そのあと現部署のサステナビリティ推進室に移り、SDGs関連のプロジェクトにたずさわることになりました。
■ペットボトル回収機に関わる業務を担当
――それはどのようなプロジェクトですか?
前部署で設備関連を担当していたこともあり、現在、全国で約3000店舗に設置しているペットボトル回収機(写真)に関わる業務を最初に担当することになりました。設置に向けた打ち合わせや、回収機の手配といった業務のほか、ペットボトル以外のプラスチックを店頭で回収する仕組みづくりもしていました。今年からは、セブン-イレブンのサステナビリティ全般に関するPRを手がけています。
──セブン-イレブン・ジャパンにとって、ペットボトルをはじめとするプラスチックごみの回収はどういう意義があるのでしょうか。
セブン-イレブンは、実は日本で最も多く、プラスチック容器包装を使用した商品を販売しています(日本容器包装リサイクル協会調べ)。私たちが社会とともに発展していくためには、できるかぎり環境への負荷を下げていかないといけません。プラスチック容器包装を多く使用している分、きちんと回収して、それをリサイクルするスキームを組み立てたいと考えています。商品部を中心に容器や包装用のプラスチック使用量を減らしたり、環境負荷の小さいものに変えたりする取り組みを続けていますが、サステナビリティ推進室では出てしまったごみを回収してリサイクルすることができないかなど、色々な視点で日々試行錯誤しています。
――それはどのようなプロジェクトですか?
前部署で設備関連を担当していたこともあり、現在、全国で約3000店舗に設置しているペットボトル回収機(写真)に関わる業務を最初に担当することになりました。設置に向けた打ち合わせや、回収機の手配といった業務のほか、ペットボトル以外のプラスチックを店頭で回収する仕組みづくりもしていました。今年からは、セブン-イレブンのサステナビリティ全般に関するPRを手がけています。
──セブン-イレブン・ジャパンにとって、ペットボトルをはじめとするプラスチックごみの回収はどういう意義があるのでしょうか。
セブン-イレブンは、実は日本で最も多く、プラスチック容器包装を使用した商品を販売しています(日本容器包装リサイクル協会調べ)。私たちが社会とともに発展していくためには、できるかぎり環境への負荷を下げていかないといけません。プラスチック容器包装を多く使用している分、きちんと回収して、それをリサイクルするスキームを組み立てたいと考えています。商品部を中心に容器や包装用のプラスチック使用量を減らしたり、環境負荷の小さいものに変えたりする取り組みを続けていますが、サステナビリティ推進室では出てしまったごみを回収してリサイクルすることができないかなど、色々な視点で日々試行錯誤しています。
ペットボトルをペットボトルに戻す「循環型リサイクル」
■セブン-イレブン・ジャパンの取り組み
――プラスチックを使用する分、回収にも責任をもって取り組むということですね。
その最初の取り組みとして、2017年に本格的に導入を始めたのが「ペットボトル回収機」です。店舗で回収されたペットボトルは、回収機の中で約3分の1に圧縮した上でリサイクラーに運搬し、再資源化された後、再びペットボトルに生まれ変わり、店頭の商品として並びます。「ペットボトル回収機」の設置を進めることで、ペットボトルの再利用を促進する、完全循環型リサイクルの取り組みを推進しています。また、ペットボトルを入れると、5本で1nanacoポイントがためられる仕組みになっています。この回収機の設置拡大が私の仕事でした。
──ペットボトルは資源ごみとして自治体が回収しているところも多いですが、御社の回収事業はそれとは違う特色がありますか。
ペットボトルは資源として繊維になったりフィルムになったりさまざまな再利用方法がありますが、弊社では「ボトルtoボトル」、つまり回収したペットボトルをペットボトルに戻してずっと使い続けていただくという「循環型リサイクル」の構築にこだわって、取り組みを進めています。2019年6月からセブン&アイグループのペットボトル回収機で回収したペットボトルを100%使用し、再びペットボトルにリサイクルした「セブンプレミアム一(はじめ)緑茶 一日一本」の発売を開始しました。商品パッケージにペットボトル回収からリサイクルまでの流れの説明を印字し、お客様にもこの「循環型リサイクル」への理解をしていただくよう啓発に取り組んでいます。
──ペットボトル回収機を広めるために、具体的にはどのようなことをしていたのですか。
店舗への回収機設置手配作業のほか、ペットボトルやプラスチックゴミを事業所から回収する際、これを資源として扱いができるよう各自治体と交渉したり、ペットボトルをどの運送業者に依頼してどう回収し、リサイクルに回していくかといったスキームをつくる仕事もありました。
──設置台数を増やしていくには、どういったハードルがあったのですか。
各自治体との交渉もありますし、回収機の機械自体も安くはなく、ランニングコストも発生します。弊社は、2020年7月にレジ袋の有料化が定められてからレジ袋の本部収益の一部をペットボトル回収機の設置費用にあてています。また、集まったペットボトルを管理するのは加盟店のオーナーさんの仕事になるので、店舗の負担も増えます。オーナーさんにはOFCを通じて理解を求めています。
――プラスチックを使用する分、回収にも責任をもって取り組むということですね。
その最初の取り組みとして、2017年に本格的に導入を始めたのが「ペットボトル回収機」です。店舗で回収されたペットボトルは、回収機の中で約3分の1に圧縮した上でリサイクラーに運搬し、再資源化された後、再びペットボトルに生まれ変わり、店頭の商品として並びます。「ペットボトル回収機」の設置を進めることで、ペットボトルの再利用を促進する、完全循環型リサイクルの取り組みを推進しています。また、ペットボトルを入れると、5本で1nanacoポイントがためられる仕組みになっています。この回収機の設置拡大が私の仕事でした。
──ペットボトルは資源ごみとして自治体が回収しているところも多いですが、御社の回収事業はそれとは違う特色がありますか。
ペットボトルは資源として繊維になったりフィルムになったりさまざまな再利用方法がありますが、弊社では「ボトルtoボトル」、つまり回収したペットボトルをペットボトルに戻してずっと使い続けていただくという「循環型リサイクル」の構築にこだわって、取り組みを進めています。2019年6月からセブン&アイグループのペットボトル回収機で回収したペットボトルを100%使用し、再びペットボトルにリサイクルした「セブンプレミアム一(はじめ)緑茶 一日一本」の発売を開始しました。商品パッケージにペットボトル回収からリサイクルまでの流れの説明を印字し、お客様にもこの「循環型リサイクル」への理解をしていただくよう啓発に取り組んでいます。
──ペットボトル回収機を広めるために、具体的にはどのようなことをしていたのですか。
店舗への回収機設置手配作業のほか、ペットボトルやプラスチックゴミを事業所から回収する際、これを資源として扱いができるよう各自治体と交渉したり、ペットボトルをどの運送業者に依頼してどう回収し、リサイクルに回していくかといったスキームをつくる仕事もありました。
──設置台数を増やしていくには、どういったハードルがあったのですか。
各自治体との交渉もありますし、回収機の機械自体も安くはなく、ランニングコストも発生します。弊社は、2020年7月にレジ袋の有料化が定められてからレジ袋の本部収益の一部をペットボトル回収機の設置費用にあてています。また、集まったペットボトルを管理するのは加盟店のオーナーさんの仕事になるので、店舗の負担も増えます。オーナーさんにはOFCを通じて理解を求めています。
ペットボトル以外にも プラスチック回収拡大にチャレンジ
■今後の見通し
──ペットボトルをごみ箱に捨てず、水で軽くゆすいでセブン-イレブン店舗に持ってきてもらうために、どのような呼びかけをしていますか。
自治体との連携を強化しています。行政の広報誌に載せてもらったり、設置開始の際にそのエリアの市長やキャラクターと一緒に、使用方法についてSNS投稿するなどの告知をしています。小中学校の出張授業などで取り組みについて授業することもあります。
──笹林さんがこの仕事で一番大変だったことは何ですか。
ペットボトル以外のプラスチック回収スキームの構築です。弊社で扱っているプラスチックのうちペットボトルは2割弱で、その他が8割なので、ペットボトルの回収だけの取り組みでは不足していると考えています。しかしこれらを、ペットボトルのようにきれいな状態で、資源価値の高いリサイクル可能なプラスチックとしてお客様から回収することが難しいため、回収することに対する理解を得るのに苦労しています。資源として集められないと実施する店舗の負担も大きくなるため、いまは試行錯誤を続けている状況です。また、ペットボトルは5本につき1ポイントという形でポイントを付与することができますが、その他のプラスチック容器は一つひとつ大きさや厚さが違うため、ポイントをどれだけ付与するか判定するのも難しいです。
──ペットボトルをごみ箱に捨てず、水で軽くゆすいでセブン-イレブン店舗に持ってきてもらうために、どのような呼びかけをしていますか。
自治体との連携を強化しています。行政の広報誌に載せてもらったり、設置開始の際にそのエリアの市長やキャラクターと一緒に、使用方法についてSNS投稿するなどの告知をしています。小中学校の出張授業などで取り組みについて授業することもあります。
──笹林さんがこの仕事で一番大変だったことは何ですか。
ペットボトル以外のプラスチック回収スキームの構築です。弊社で扱っているプラスチックのうちペットボトルは2割弱で、その他が8割なので、ペットボトルの回収だけの取り組みでは不足していると考えています。しかしこれらを、ペットボトルのようにきれいな状態で、資源価値の高いリサイクル可能なプラスチックとしてお客様から回収することが難しいため、回収することに対する理解を得るのに苦労しています。資源として集められないと実施する店舗の負担も大きくなるため、いまは試行錯誤を続けている状況です。また、ペットボトルは5本につき1ポイントという形でポイントを付与することができますが、その他のプラスチック容器は一つひとつ大きさや厚さが違うため、ポイントをどれだけ付与するか判定するのも難しいです。
──ペットボトルの次にうまくいきそうな回収事業はありますか。
他社と共同の実証実験として、2店舗でパウチゼリー容器の回収を行いました。これも洗って店舗まで持ってくる必要があるため、まだ回収実績があがっておらず、これからの課題です。※現在は終了しています。
──今後はどのようにプラスチック回収の取り組みをPRされていきますか。
ペットボトル回収機を中心にという形ではなく、環境と社会貢献活動とガバナンスというところで、それぞれの告知活動をトータルでやっていきたいと思っています。トータルバランスを見て、たとえば環境展などに出展するといったときにペットボトル回収機を現場に置いて多くの人に体験してもらうことも考えています。
(後編はこちらからどうぞ)
(インタビュー写真・山本倫子)
他社と共同の実証実験として、2店舗でパウチゼリー容器の回収を行いました。これも洗って店舗まで持ってくる必要があるため、まだ回収実績があがっておらず、これからの課題です。※現在は終了しています。
──今後はどのようにプラスチック回収の取り組みをPRされていきますか。
ペットボトル回収機を中心にという形ではなく、環境と社会貢献活動とガバナンスというところで、それぞれの告知活動をトータルでやっていきたいと思っています。トータルバランスを見て、たとえば環境展などに出展するといったときにペットボトル回収機を現場に置いて多くの人に体験してもらうことも考えています。
(後編はこちらからどうぞ)
(インタビュー写真・山本倫子)
SDGsでメッセージ!
SDGsやESG、サステナブルという言葉に関心を持っている人の中には、セブン-イレブンをはじめ、コンビニエンスストアに対してあまり環境に良くないイメージを持っている人もいると思います。かつての私もそうでした。そのイメージを変えていくため、いま試行錯誤しながら取り組みを進めようとしています。何をするにもお客様の理解、取引先、加盟店、いろいろな方と連携して、協力し合いながら進めていくことが必要だと感じています。全国の2万店以上の店舗を通じてお客様と直接の接点を持てることは、弊社にとっても大きな強みです。そこで社会で求められているような取り組み、環境にも良い取り組みをステークホルダーに皆さまと共に進めていきたいと思っています。一気にジャンプアップした取り組みを実現するのは難しいのですが、これだけの規模で取り組みを進められる会社はほかにはなく、たくさんの可能性がある会社だと思います。
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
【流通・コンビニエンス】
1973年、セブン‐イレブン・ジャパンの前身となるヨークセブンを設立し、翌年5月に国内セブン‐イレブン1号店を開店。『既存中小小売店の近代化と活性化』『共存共栄』を創業の理念とし、これまで加盟店様との信頼関係に基づいた独自のフランチャイズシステムや優れた商品開発力、情報ネットワークを通じて、常に変革への挑戦を続けています。本年、創業50周年を迎えた今、「次の便利の扉を開く」ため、セブン‐イレブンはさらに変化し続けていきます。
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※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。
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