「イカすニモカ」が登場
北海道函館市の公共交通で、福岡市に本社がある西日本鉄道(西鉄)の交通系ICカード「ニモカ」が使えるようになりました。カードの名前は「イカすニモカ」。さて、どこがイカしているのでしょう? 導入の背景には、路面電車の函館市電と私営の函館バスの二つの公共交通を組み合わせ、便利に使えるようにしたいという函館市の方針がありました。
(写真は、新カード導入をアピールする函館バスの車両です)
(2017年3月30日朝日新聞デジタル)
北海道函館市の公共交通で、福岡市に本社がある西日本鉄道(西鉄)の交通系ICカード「ニモカ」が使えるようになりました。カードの名前は「イカすニモカ」。さて、どこがイカしているのでしょう? 導入の背景には、路面電車の函館市電と私営の函館バスの二つの公共交通を組み合わせ、便利に使えるようにしたいという函館市の方針がありました。
(写真は、新カード導入をアピールする函館バスの車両です)
(2017年3月30日朝日新聞デジタル)
ニモカは、Nice Money Cardの略で、2008年に西鉄でサービスを開始した非接触型ICカード。鉄道、バスの乗車のほか電子マネーとしても使え、SuicaやPASMOなど全国10の交通系ICカードと総合利用できます。「バスにも、電車にも、買い物にも」使えるのをウリにしています。
西鉄のほか熊本、佐賀、大分、宮崎などで採用されていますが、九州外進出は函館が初めてです。一方、函館市は、1992年に北海道では初めて磁気カードを公共交通に導入、「イカす」と名付けました。「函館市の魚」イカからの命名ですね。機器の更新時期にあたり、ニモカが採用され、二つの名前を合体し「イカすニモカ」となったわけです。
(写真は、函館市電車内の「イカすニモカ」の表示です)
それにしても、いくつもある交通系ICカードの中から、なぜ、ニモカなのか。函館市が2015年に策定した「地域公共交通網形成計画」を見ると、函館市の公共交通網の特徴を「鉄道・市電を基軸として、主要な道路にはバス路線が組み込まれています」と分析しています。バス路線網の課題として「他の交通機関との連携が不十分」という指摘があり、「……市電・路線バス間のICカード導入による乗換利便性の向上」との記述もありました。
じつは西鉄は鉄道とともに、日本最大級の輸送人員・保有バス台数を誇る西鉄バスを持っています。ニモカは、そんな鉄道とバスの複雑な路線・運賃体系にも対応できるカードだったのです。
函館市では、市電とバスの間で「乗継割引」が受けられます。しかし、これまでの現金や磁気カード「イカす」による乗り継ぎでは、乗る時に整理券を取り、降りる時に乗務員に目的地を伝えて料金を精算し、乗継券を受け取る……など、手間がかかっていました。
「イカすニモカ」なら、乗車と降車のときにリーダー(読み取り機)にタッチするだけ。整理券も不要です。なかなかイカしていますね。鉄道はじめ輸送業界を目指す就活生には、「利用者のニーズは何で、それにどう応えるか」を利用者の目線で、ぜひ考えてほしいものです。
2024/11/23 更新
※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。
1
2
3