中島隆の輝く中小企業を探して 略歴

2014年07月22日

特許とお客様第一主義でリピーター獲得 (第18回)

でっかいメガネ屋「メガワールド」

 あなたはメガネをしていますか。ど近眼のわたしは、高校時代から欠かせません。最近は、年のせいでしょう、新聞や本をよむときは、メガネをかけないほうが楽になってしまいましたが……。

 さて、今回ご登場いただくのは、株式会社「メガネ流通センター」。愛知県豊橋市に本社があり、愛知県内、さらには東京・八王子に、あわせて15ほどの、どでかい店をかまえるメガネ屋チェーンです。従業員はあわせて200人ほどです。

 店の名は、「メガワールド」。メガネと、メガ(MEGA、でっかいという意味ですね)をかけています。
 店内は、とーっても広い。国道などのヨコにある紳士服チェーンの店、をイメージしてください。店内には、メガネ、メガネ、メガネ。3000~5000ほどが、ずら~っと並んでいます。シャネル、グッチといった高級ブランドのメガネもありますが、7割が、メガワールドのオリジナル商品です。売れてます。
 まず、オリジナル商品についていいますと、この会社、特許をつぎつぎにとっています。たとえば、レンズがゆがまない特許、度付きのスポーツサングラスの特許、などです。
 24歳のときにちいさなメガネ屋からはじめた社長、神谷馨さん(56)は、中小企業の夢を見事に実現していますね。それは、下請け仕事ではなく、自分の会社のオリジナル商品をつくり、消費者に売ることです。
 商品の良さだけではないのです。お客さんのために徹しているので、一度ここで買った客は、またメガネを買うときはメガワールドへ、と思ってしまうのです。
(写真:オリジナルのメガネをもつ神谷馨さん。中学のときから日本拳法で鍛えています。頼りになる社長さんです=愛知県豊橋市のメガワールド豊橋本店)

 どんなところがお客さんのためなのか、ですって?
 まず、店には必ず、眼科が併設されています。メガネを買うときは、眼科でしっかり検査を受けてから、を徹底しているのです。その人に最適なレンズを選ぶことができますね。さらに、目の病気を発見した、なんてこともあります。
 さらに、少年、少女時代にメガネを買うと、半年ごとに検眼し、そのときの目の状態にぴったりのレンズへと無料交換してくれます。それが、3年間つづくのです。

 わたしのような凡人は思います。3年間、レンズ交換タダなんて、商売あがったりだよな、と。
 でも、神谷さんはいいます。「メガネをかけ始めると、どうしても視力は悪くなってしまいます。度があわないメガネをしていたら、目を悪くするだけ。お客様の目を守りたいのです」
 メガワールドの店では、ちょっと前までは、水槽でサメを飼っていました。お客に、ゆうゆうと泳ぐ姿を楽しんでもらうためです。
 神谷さんがいつも考えてるのは、「店でどんなことをしたら、お客様が喜んでくれるだろう」ということばかりです。

 新卒を、毎年10~30人ほど、採用しています。情熱をもち、前向きで、誠実で。何よりも、お客様第一主義に徹してくれそうな人材を求めているとのこと。新規出店への意欲満々で、オリジナル商品、特許開発にも、ますます力を入れていくとのこと。若い人材が求められています。
 給与水準はどうでしょうか。ほかのメガネチェーンと比べた数字を見せてもらいました。具体的な数字は、やめときます。おそらく、業界1、2位を争う水準です。もちろん、神谷さんは満足していません。従業員の待遇向上にも、なみなみならぬ決意で取り組むとか。

 あっ、そうそう。土日はメガネ半額、みたいなことも、ときどきしています。まるでスーパーの安売りです。もちろん、それもお客様第一主義だからできることなのです。