あすの科学を担うスターはあなたかもしれない!
わたしの学生生活では……、ひどいもんです。学問は超、超、最低、底抜けにサイテーでした。それでも卒業できちゃうんですから、いい時代でした。みなさんに謝りたい気分です。
さて、学問にいっしょうけんめい取り組んでいる方の中には、こんなことを思っている人がいるでしょう。
「おれは、科学を使って世の中を変えてやる!」
「わたしは、社会学や経営学のノウハウで新しいビジネスをしたいわ」
でも、どうすればいいんだ。何をすればいいのかしら。うーん。悩むところです。
そんなとき、ヒントをくれそうな会社が、東京・四谷にあります。およそ50人の科学技術者集団「リバネス」(資本金・6千万円)という会社です。10年ほどまえ、大学院生たちが出資して起業しました。
会社名には、「leave a nest」、つまり「巣立つ」という意味を込めたそうです。
ひたすら科学を愛することからはじめ、独創的な発想のもとに、あらたなイノベーション(革新)という卵を生み、育てて立派な事業に仕上げていく。社員も一人前の科学者として巣立っていく、というのです。もちろん、科学は、自然科学でも人文科学でもOK、つまり学問ならエブリシングOKです。
取引先は、たとえば大企業の研究所です。行き詰まった研究所の相談にリバネスの社員が乗り、ときにはピンチヒッターとして研究開発をします。また、大企業などに「この特許をつかって、こんな事業をしませんか」と提案します。手がけてきた分野は、微生物、農業、畜産業、ロボット、宇宙開発などなど。
さらに、学校に出向いて、「出前実験教室」をして回っています。リバネスは、科学の楽しさを知った子どもたちが大人へと成長していくための「巣づくり」もしているのです。