中島隆の輝く中小企業を探して 略歴

2016年08月24日

採用方法は「麻雀」?部活に全員参加の会社の狙いとは(第33回・前編)

3日、3カ月、3年

 みなさんは今、なにかクラブやサークルに入っていますか? 中学、高校のときはどうでしたか?
 それぞれ、好きなところに入って、がんばったことと思います。中には、しごかれた記憶しかない人がいるかもしれません。だいじょうぶ、後に、すべてが懐かしくて楽しい思い出になります。
 さて、会社に入ってからのことを想像したことがありますか。忙しいだろうなあ、担当する仕事が嫌で嫌でたまらなかったらどうしよう。そんな不安がよぎることでしょう。だれでも、そうです。
 「3日、3カ月、3年」という言葉があります。会社に入ると、3日目で「会社、辞めようかなあ」と思う。それを乗り切ると、3カ月目で「辞めようかなあ」と思う。次に、3年目で「辞めようかなあ」と思う。それを乗り切ると、何とかなる、というのです。
 ちなみに、わたしは入社して記者の仕事をはじめたものの、すべてが空回り。劣等生で、3時間おきに、会社を辞めようと思っていました。そんなヤツでも、何とか乗り切れるもんです。だから、みなさんは、ぜったい大丈夫です。

会社づくりを支援する会社

 仕事に忙しい日々ですが、なにか好きなものに打ち込めたらいいですね。
 そこで、今回は、「スターティア」という会社を紹介します。東京・新宿に本社、大阪、名古屋などに営業拠点がある、東証一部上場企業です。従業員は約600人。中小企業というよりは中堅企業ですが、1996年の創業以来、ベンチャー精神、そして中小企業魂を貫いている会社ですので、この欄で取り上げます。

 スターティアは、会社をつくりだす会社、です。みなさんご存じでしょうか、いま日本では企業が減り続けています。倒産、廃業……。日本が輝くカギは、企業が増えることです。その後押しをするのが、スターティアです。オフィス用品のレンタルから、ホームページづくりなどのIT支援、さらに、経営コンサルティングなどによる業績向上支援、などなど、会社を、そして起業する人たちを支援しています。
 おおくのテレビドラマづくりに、スターティアは協力しています。あのドラマにでてくるファクス、あのドラマに出てくる電話機……。スターティアがレンタルしているかもしれません。

社員はかならず全員……

 さて、なぜこの会社を取り上げたか、いよいよ本題です。
 この会社のおもしろいところは、これです。
「特別な事情がないかぎり、部活に全員参加」

 ここには、およそ30の部活があります。野球、バスケットボール、ペン字、料理、軽音楽、いまはやりのボルダリングなど。活動費として、会社から、ひとり月千円の補助がでます。5人あつまれば、あたらしい部もつくれます。4月と10月には部活変更OKです。

 もちろん、どこかの幽霊部員になってしまったとしても、査定に響くことはありません。けれど、部活で好きなことをしてね、と会社が言っているのですから、こんなにおいしいことはありません。さらに、いっしょに部活動をすることで、仲間の輪が広がります。先輩から、仕事での体験談やアドバイスも聞けます。
 好きな部活を楽しんで、社員同士のコミュニケーションも深められて。これは、仕事をつづけていくうえで大きな心の支えになります。
 ここには麻雀部もあります。会社ちかくの雀荘で、部員たちは、ジャラジャラやっています。
そもそも、この会社の人たちは麻雀好きが多いらしいのですが、とうとう悪のりをしてしまいました。
 なんと、就活生参加の麻雀大会をはじめたのです。ことしは4月と6月に開きました。いったいどんな様子だったのか、その様子は後編で。(写真は今年の大会の様子。女性プロも参加した)