中島隆の輝く中小企業を探して 略歴

2015年06月17日

昼休み3時間、毎年1カ月休業--意外な働き方の中小企業が続々登場(番外編)

 こんかいは、ちょこっと趣向を変えて、就活をしているみなさんにとって参考になる本を紹介します。
 タイトルは「やっぱり、へぇな会社 やる気と能力を引き出す意外な方法42」。朝日新聞出版から出たばかりで、税込み1512円です。

 みなさんは、就職してからの日々を想像したことがありますか? まずはポジティブな想像です。
 バリバリの営業担当として、革靴やヒールの音をコツコツと世の中に響かせている姿を想像しますか。
 企画やマーケティングの担当として、だれもが思いもよらなかったアイディアで、世の中をあっと言わせている姿を想像しますか。
 おそらく、それらの想像が、現実になると思います。中小企業は所帯がちいさいので、あなたにはさまざまなチャンスが巡ってきますから。

 こんなネガティブな想像もしませんか。
 総務や経理の担当になった。会社の裏方かよ、地味だなあ。
 会社の屋台骨を支える大切な仕事なのですが、なかなか光があたらないのも現実です。
 仕事が忙しくて、ヘトヘトだあ~、休みたいなあ、旅行に行きたいなあ~。
 昼飯くったら、眠くなっちまった。昼寝したいな~。
 これらのネガティブな想像を、みなさんは頭をたたいて消そうとするかもしれません。でも、これらもまた、みなさんの身に降りかかる現実なのです。
 会社からの評価が下がるだろうなあ、どうしよう。そう思うかもしれませんね。
 ところがどっこい。この本には、ネガティブな想像をOKにする会社があふれているんです。
 たとえば、東京は池袋にある空調工事などの「ローヤルエンジニアリング」。ここは、ふだんは目立たない縁の下の力持ちを表彰しています。
 長野は須坂市にある秘湯の旅館「岩の湯」は、旅館にとってかき入れ時である年末年始など、全館休業します。みんなが休みたいときは、旅館の従業員だって休みたいですよね。東京は新宿区にある結婚関連の「CRAZY」は、毎年、1カ月ちかく休業します。大阪は中央区にあるIT企業「ヒューゴ」は、午後1時からの3時間は昼休み、おすすめは昼寝だとか。

 もちろん、会社員になると、成果を求められます。給料ドロボーとは言われたくないですから、みなさんも頑張るでしょう。でも、息抜きも必要ですよね。その息抜きを認めている会社が、じつはたくさんあります。そして、そのほとんどが中小企業なんです。
 株式を証券取引所に上場している大企業の場合、会社の業績のためになることをしなければ、株主が納得しません。毎日お昼寝です、と株主総会で説明しようものなら、「ふざけるな」と株主からブーイングがおこるかもしれません。

 でも、中小企業なら大丈夫。株を上場していませんから、「好き勝手」なこと、仕組みをつくることができるんです。
 本に登場する42の会社は、すべてが新卒採用をしているわけではありません。でも、こんな会社もあるんだ、と知ることは、みなさんにとって参考になると思います。そして、ネットなどで、みなさんにとっての居心地がいい会社を探し、そこに就職活動で挑む、というのも、ありだと思います。
 この本、じつは、朝日新聞の東京、大阪両本社で発行する月曜の夕刊に連載している「へぇな会社」をまとめたもので、こんかいが第2弾です。2014年4月からの1年分をまとめたものです。ということは……。そうです、去年、第1弾が出て好評だったので、味をしめて第2弾、ということです。この「へぇな会社」は、現在も連載中です。
 そこでクイズです。なぜ私がここまで「宣伝」するのでしょうか? もちろん、輝いている中小企業がてんこもり、ということもありますが……。
 どうせ、おまえが関わっているんだろうですって。正解! 私も取材班に加わっています。『ぼく、オタリーマン。』でおなじみの漫画家・よしたにさんのイラスト(画像)や四コママンガもたくさん載っていますよ。ぜひ読んでください。