そして、読んでいただいているあなたなら分かっていることだと思いますが、強調しすぎてもしきれないことがあります。
大企業に入社することと、中小企業に入社することは、まるっきり違うということです。何が違うか。それはあなたという存在の大きさです。
大企業に入ると、あなたは間違いなく、組織の歯車になります。自分が何かをしたくても、希望は簡単にはかなわないでしょう。もしかしたら、ずーーーっとかなわないかもしれません。
自分がある事業を企画したとしましょう。その企画、通りますか? 係長がOKをだし、課長がOKをだし、部長がOKをだし、担当役員がOKをだし……、でも役員会でダメだし。そんなこともあるかもしれません。そもそも、あなたがいなくても、大きな組織なので会社は回ります。
自分がいなくてもいいんじゃないか、自分はこの大企業で何をしているのか分からない。そう悩んで退社した人を、わたしは何人も知っています。
さて、横浜市に「シティコミュニケーションズ」という会社があります。飲食、ネットカフェ、パチンコ店、デザイン事業、食品開発など、幅広くてがける総合エンターテインメント業の会社です。1995年設立で、従業員はおよそ800人。
この会社、原則として、すべて社員の発案、考えにまかせているんです。思いっきり自主性にまかせているのです。
社員が、こんな事業をしたいとアイデアを提案します。もちろん、適当なアイデアではだめです、練りに練って立案するのです。その提案が幹部会にかけられ、社員の本気度とちょっぴり収益性を見極めて、OKがでたら社員は自分の提案の事業化につきすすめる、という仕組みです。