大都市には、超がつくような高級ホテルが、いくつも建っています。利用する立場から見れば、じつに華やかです。でも、あなたが入社したとしたら、を想像してみてください。
まず、まちがいなく、みなさんはそれぞれの担当に分かれます。
最初は、到着した客の荷物をもつベルボーイさん、ベルガールさんあたりでしょうか。チェックイン、チェックアウトをするフロント係さん、でしょうか。
演劇チケットの予約、航空チケットの手配など、客のさまざまな要望、相談にのるコンシェルジュさんもいますが、これはベテランの仕事でしょう。
さまざまな宿泊プランをかんがえる企画担当者さん。この仕事も、すぐにさせてもらえるかどうか、微妙なところです。
でっかいホテルですから、分業しなくては運営できません。だから、分業が悪いわけではありません。
でも、就職したあなたにとって、この分業制って、つらい側面があります。あなたが新入社員として入社し、たとえばベルボーイ、ベルガールとしてはたらきはじめた、と想像してください。
毎日、客の荷物を運びます。お客さまの大切な荷物なのですから、こころをこめて、笑顔いっぱいに部屋へ届ける日々です。
しばらく時が過ぎました。担当が、フロント係にかわりました。
そして、またしばらく時がたち、コンシェルジュになりました。
そして、またまた時がたち、企画を担当するようになりました。
やっと、ホテル業務の全体像を把握できましたね、おめでとう。でも、入社してからここまでになるには、数年、10年かかるかも。いいえ、もっとかかるかもしれません。