人事のホンネ

人事のホンネ

 6月1日に面接が解禁され、経団連加盟の大手企業も続々と内々定(内定)を出し始めました。最終面接では、たいてい他社の選考状況を聞かれます。悩ましいのが「うちと他社と両方内定したらどうする?」への対応です。「人事のホンネ」特別編の第10回は、就活生みんなが悩む「第1志望って言わないと落とされる?」問題についてアドバイスします。(編集長・木之本敬介)

(写真は、採用選考が解禁され面接に訪れた大学生ら=6月1日、東京都新宿区の損害保険ジャパン日本興亜の本社)

ウソでもいいから…

 まだ内定を持っていない就活生からこの質問を受けると、私はたいていの場合、「ウソでもいいから、第1志望と言ったほうがいい」と答えています。そう言わないと内定を得られない会社があるからです。人気企業では、多くの学生が「第1志望」と答えます。そうではない学生はよほど魅力的じゃないと採る理由がありません。「営業職だから、ウソでも『第1志望です』と言い切ってしまう人がほしい」という企業まであります。「第1志望」に対する答えは、ウソである可能性も織り込み済みということですね。

 しかし、例外もあります。
オリエンタルランド】お願いしたいのは、本音で話してほしいということ。「第1志望です」と言っていただけるのは嬉しいのですが、「他社も受けていて、まだ迷っています」と正直に言ってもらって構いません。第1志望と言わなければ落とす、なんてこともありません。内定を出した後に「実は……」ということもあるので、本当の思いを聞かせてほしいですね。

 オリエンタルランドはじっくり時間をかけた個人面接をします。根掘り葉掘り、深掘りされますから、ウソはばれます。「特別編Part7『面接はありのままで』の落とし穴!万全の準備で初めて『自然体』」でも書きましたが、本音で話さないと評価すらしてもらえません。面接だけでなく、それまでの間に採用担当者らと打ち解けて話す機会があった場合は、正直に話したほうがいいでしょう。そんな会社の担当者なら、親身になって一緒に考えてくれるはずです。