人事のホンネ

株式会社朝日新聞社

★2016シーズン第一弾!!!★ 第1回 朝日新聞社
若者意識したコンテンツ好評 SNS時代のメディアの役割考えて

朝日新聞社 人事部採用担当部長 岡本峰子(おかもと・みねこ)さん

2014年07月10日

■学生の印象
 ――いま秋採用を募集中ですね。
 朝日新聞社では例年、春と秋の年2回採用選考を行っています。2015年新卒採用の人数は春採用と秋採用を合わせて前年と同じくらいだと思います。2014年春入社は計77人、記者部門は53人、ビジネスが18人、技術部門が6人。男女比は6対4です。春採用の方が若干人数は多いですが、秋採用も積極的に行います。

 ――昨年も聞きましたが、求める人物像を改めて教えてください。今年の春採用では求める人材を採ることができましたか。
 従来と同じですが、いろんなことを知りたい、体験したいという好奇心にあふれていて、なおかつ周囲に対する配慮や調整能力のある人。知力、体力、人間力のバランスのとれている人。あとは冒険心ですね。今年の春もこのような人材を採用できたと思っています。秋採用で求めている人物像も同じです。

 ――今年の春の選考で印象に残ったことはありますか。
 「他社に内定したので最終面接を辞退します」と連絡してきた学生がいました。ところが後から「やっぱり受験させてください」と言ってきた。結果的にその人は朝日新聞社に内々定して入社意思を固めたのですが、後でなぜ辞退連絡をしてきたのかと聞いたら、他社で「朝日の選考を辞退すれば内定を出す」と言われたそうです。「つい就活のプレッシャーに負けて朝日の選考を辞退してしまったが、もともと朝日新聞に入りたくて記者を目指して就活してきたのに、なんでここで諦めないといけないんだ」とふと我に返り連絡してきたというんですね。

 その人の背景を聞くと、朝日新聞にとっても思い入れが強い人。それでも他社の甘言に屈してしまいそうになった。短い期間に多くの会社の選考を受ける就活生にかかる重いプレッシャーでしょうか。皆さん、そんなプレッシャーに押しつぶされそうになりながら就活しているんだな、ということがよくわかるエピソードでした。

 ――学生全体の印象は?
 私が今まで一緒に仕事をしてきた40代や30代後半くらいの人に比べると、ワークライフバランスに関する考え方がしっかりしているなと思います。働き方というよりは人生設計というか、ライフプランについて問われることが多い。女性に限らず男性もですね。

学生へのプレッシャーが厳しい時代

■他社との競争
 ――新人記者は地方勤務からスタートしますが、気にする学生が多いのでしょうか。
 地方から東京に出てきて一人暮らしをしている大学生の割合は我々のころに比べると下がっていると感じます。一人暮らしをしたことがない人が多い。もともと東京生まれや大阪生まれで自宅から大学に通う人が多く、転勤の多い仕事に対する耐性があるかどうか不安なところがあります。学生も「転勤が多い職場ってどうだろう」と非常に不安に思っていて、だから新聞社を志望しないケースも非常に多いんじゃないでしょうか。

 そんな学生がうまく仕事になじめるように、いま朝日新聞では、最初に配属する地方総局は比較的大きな「拠点総局」として、指導役の先輩記者を配置したうえで1年生教育、若手教育をやっています。

 ――朝日新聞社の今年の新入社員に東大卒が1人もいなかったと週刊誌に報じられて話題になりました。
 学校名で選んでないから結果的にそうなったわけで、朝日新聞社の採用に「学歴フィルター」がないことの証明かなと思っています(笑)。東京大学の学生もたくさん受けてくれていますが、昨年は残念ながらマッチングしなかったということです。仕事や就職って恋愛みたいなもので、相性がありますから。

 ――昨年のインタビューで地方出身者など多様な学生を採用したいという話をしていましたが、今年はどうでしたか?
 地方出身者は北海道から九州まで各県から集まっていますが、在学している大学の所在地でみると、首都圏と関西圏に偏っていて、残念に思っています。採用説明会は北海道、東北、中国、九州など各地で開き、いろんな学生に来てもらってはいます。けれどなかなか採用まで至らなくて、課題だと考えています。

 もっともっと地方都市で学んでいる学生に来てほしいと思っています。まずはインターンシップに参加してもらい、そこで東京や大阪の学生に出会い、しょぼんとするのではなく、「僕も私もがんばろう」と思ってくれる人が増えるといいなと思っています。

 ――他社との人材確保の競争は毎年あると思いますが、今年はどうでしたか。
 朝日新聞社は前年と同じ4月2日に筆記試験を実施しましたが、昨年の春より欠席率が高くなりました。休んだ学生が多かったのは、1日や2日に内々定を出した一般企業が多かったためかなと思っています。筆記試験を受けてもらえないのは悩ましいですね。さきほども言いましたが、「朝日の選考を辞退したら内々定を出す」というプレッシャーに負けてしまう時代なのだと思います。
 以前なら「それくらいのプレッシャーに負けるような学生はいらない」と厳しいことを言ったと思いますが、メディア業界を志望する人が全体的に少なくなっている中では、そうも言っていられません。優秀なのに自分に自信がない人も多くて、そういう人たちに自信をもってチャレンジしてもらうためにどうしたらいいのかな、と考えています。

■人気ランキング順位アップのわけ
 ――一方、「就職人気企業ランキング」で朝日新聞の順位が上がりましたね。
 各調査でかなり上がりました。考えられる要因としては、まず会社全体としてデジタル展開など若い読者を意識したコンテンツを作っていることがあります。ここ数年、劇的にグラフィックの質が向上しています。ニューヨークタイムズなどをお手本に進めてきたのですが、ソチ冬季五輪後に朝日新聞デジタルに掲載したフィギュアスケートの浅田真央選手の特集「ラストダンス」は、メディアに関心が薄い学生の皆さんからも高い評価を得ました。

 調査報道といった内容の深さに加え、芸術性の高さや自由なコンテンツ発信のあり方が、読み手にうまく伝わり始めたと感じています。こうした新しいコンテンツは、トップダウンではなくボトムアップでないとできません。「社の雰囲気もそうだよ」と言ってもなかなか信じてもらえないところがありましたが、成果物で実感できるようになったんでしょうね。

 また、2015年新卒向けから採用ホームページ(HP)もリニューアルしました。文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所のランキングについて、東洋経済オンラインで「マスコミ全体の人気が下落するなかで朝日新聞社だけがアップしている」とあり、その理由として学生への情報提供がよかったのではと書かれていました。
 一般的に新聞社や朝日新聞は堅いイメージに見られがちですが、なるべく実像が伝わるように、親しみやすい、クリックしやすいゲーム感覚のHPにしました。そういう点が学生への情報提供の充実と評価してもらえたのではないかと思います。

 ――リニューアルした採用HPについて、学生の反応は?
 内々定者アンケートなどでHPの感想を聞いたところ、「社の雰囲気をよく知ることができた」という声がありました。特に計75人の社員が登場する「先輩の声」は、何度も社員を訪ねて働くイメージが伝わるように作りました。日本語の直しは多少入れましたが、ほぼ本人が書いてきたとおりです。社員からは「ほんとにそのまま載るんですか(笑)」って反応でした。

 会社説明会で登壇する社員は好き勝手に発言するので、良い点も悪い点も自由に話していることが学生に伝わり、非常に人間味を感じてくれたのかなと思います。

 ――デジタル展開など新コンテンツに対し、学生の関心は強いのでしょうか。たとえば朝日新聞社は昨年、従来のメディアにとらわれずに新事業を考える実験工房「メディアラボ」をつくりましたが、学生は知っていますか。
 ビジネス部門はもちろん、記者部門の志望者もみんな知っていますよ。「ラストダンス」の前提としてそれがある。メディアラボの取り組みについては、面接を担当する社員よりも学生の方がよく知っているケースもありましたね(笑)。

春から秋に成長する学生、就活は鍛錬の場

■春採用と秋採用
 ――秋採用について教えてください。
 記者部門とビジネス部門で募集中です(記者部門は7月27日、ビジネス部門は7月14日ES必着)。記者部門の試験の概要は春と変わりありません。今回ビジネス部門では、まず書類選考をしたうえで、通った人に面接や筆記試験を受けていただきます。この方法は初めてですが、仕事に対する理解度や自身の体験、志望を具体的な言葉で伝える表現力を備えているかを見てES選考することになると思います。

 ――筆記試験は、春と秋で違いはありますか。
 試験問題はもちろん変えますが、同じ形式、傾向です。

 ――秋採用をする意味は?
 春と同じです。秋採用はもともと海外留学組が帰国後に受けられるように考えたものです。ただ、春から秋までの数カ月間にすごく成長してくる人がいる。春に不満足な結果だった人が再度秋採用に挑戦してくれるのですが、周りのみんなが内々定をもらってお気楽に過ごしている中、自分を振り返り、鍛錬して受け直してくるので、目覚ましい成長ぶりを見せてくれる人がいます。今の内々定先に満足していない人や「やっぱり朝日新聞で働きたい」という人は、ぜひ秋の採用試験を受けてもらいたいと思います。

 受験者の多くが春受けて秋に再挑戦する人です。秋の試験までの間に他の新聞社や通信社、一般企業に内々定をもらったが、そのうち「本当にこれでいいのか」「自分はどういう風に生きたいのか」と再度問い直し、よく考えている人は歓迎です。中には、春に一般企業だけ受けて「でもやっぱり自分は新聞記者になりたい」と思って受け直してくる人や、春は周りに流されてしまったが、もともと自分のやりたかったことを考え直してマスコミだけ秋に受ける人もいます。
 複数回のチャレンジの機会を残しておくことで、そういう人たちの迷いを吸収できる仕組みになっているのだと思います。

 ――昨年、春落ちて秋採用で内々定した学生の例を教えてください。
 春にマスコミだけ受けたものの全部落ちて、「自分の何が悪かったんだろう」と人生で初めて反省したという学生がいました。一見変わり者で、能力が高い自信家。他社では春の採用試験で「きわもの扱い」されたが、朝日の面接官だけは正面から向き合ってくれたから、落ちたら大学院進学するつもりで秋は朝日だけを受験したといっていました。
 
 内定した後、「春に全社落ちたことで、自分のどこが悪かったのか非常に深く考えることができた、そして行動を変えることができた」と言っていました。人に合わせて自分の行動を変えるのは彼にとって初めてだったそうで、「非常に勉強になりました」と。就活は人間を鍛錬する場でもあるんだなと思いました。

 ――春に筆記試験で落ちた人と、最終面接で落ちた人と、秋の採用で何か影響しますか。
 関係ありません。有利にも不利にもなりません。有利にも不利にもするのは、受験される方自身の心の持ちようです。自分で春の試験をどうとらえ、どう立て直してくるかです。

 ――筆記試験対策には、新聞を読むほかにどんな勉強をするといいのでしょう?
 英語、国語、算数。中3ぐらいまでの算数をしっかりやる。英語は時事英語が大切なので、英字紙「朝日ウィークリー」や、朝日新聞記事をベースに編集した海外読者向けの「Asia & Japan Watch(AJW)」を読み込む、「語彙・読解力検定」を受ける、といったところですね。

 ――「語彙・読解力検定」を受けると、どんなメリットがありますか。
 準1級と2級を持っている人を筆記試験で少し加点しています。

 ――「朝日学生キャリア塾」参加者は原則としてみんな検定を受けるので、これを合わせると存在感はすごくあるんじゃないでしょうか。
 人数は多くないですが、よい試験準備にはなるんじゃないでしょうか。人事の採用担当者としては、有料なのが心苦しくて、なかなか就活生に勧めにくいです(笑)。

■インターン
 ――インターンについて教えてください。
 夏季インターンの参加者は、7月下旬まで募集中です。去年のインタビューで「今年は拡充しますよ」と言いましたが、その拡充したレベルで今年もやります。昨年度は夏と冬に実施しました。冬のインターンについては今検討中ですが、8~9月には発表できると思います。

 ――来年から就活の解禁時期が後ろにずれます。この期間をどう活用しますか。
 朝日新聞に関心をもち企業研究に生かしてもらえる、直接朝日の社員を、あるいは朝日新聞社そのものを知ってもらえるようなイベントを開きたいと思っています。単に朝日新聞社を受けてほしいというだけでなくジャーナリズムの仕事を知ってもらうとか、それを支える仕事を知ってもらいたいという思いからです。

 今は自分が発信すればすぐに世界中に情報が広がります。そんな時代のメディアの役割は何か、ジャーナリズムの意義は何なのか、何をどう伝えるのか、学生にはもっと深く考えてもらいたい。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)隆盛の中でのジャーナリズムの意義こそ私たちの仕事の肝だと思ってます。ジャーナリズムの理念を失ったとしたら、そんな朝日新聞社は存在しなくていいと私は考えます。

 そういうことを伝えるのって、1回しゃべるだけじゃ無理です。繰り返し繰り返しいろいろな機会にジャーナリズムを伝えていきたい。就活解禁までの期間が長くなって、就活生のみなさんと同じく採用担当者もしんどいのですが、むしろ好機ととらえて、業界全体のことを伝えたい。

大人と話ができるコミュニケーション能力、体験で語って

■記者、ビジネス、技術3部門の特徴
 ――改めてエントリーシート(ES)の特徴を教えてください。
 ESは記者、ビジネス、技術の3部門で内容が異なります。記者は、朝日新聞社を志望する前に「記者」という職業を志すと思います。社会において極めてまれな職業だと思います。社の利益のためではなく公益のために仕事をしているので、会社を超えて連帯意識がある。記者という職業をどういう風に考えて志望動機を形成しているのか、その中でなぜ朝日新聞か、媒体の違いや企業の違いを理解しているか、その理解力と表現力を見たい。突き詰めると、今のESの質問項目になっていく。

 記者はどの会社ということに関わらず、プロフェッショナルで形成されている職種なので、その志望度をまず聞きます。そして朝日新聞社に対する志望度と理解度ですね。

 ――朝日のESにもある「つらかったことをどうやって乗り越えたか」の質問の狙いは?
 自分という人間を相対化できているかと、成長する可能性があるかを聞きたい。「相対化」というのは、自分の感情を人に伝わる言葉や聞いた人が納得できる言葉で定義できるか、自分のことを表現できるかです。

 社会に出て仕事するというのはそういうことだと思います。「あれ、これ、それ」という指示語だけでわかってくれるのはすごく楽ですが、それは特殊な関係です。普通は何も知らない人に対して失礼がないよう、気持ちよく働いてもらうために、相手のことをよく理解してウィンウィンの関係になれるようにもっていく。記者は、相手のことを調べたうえで、あなたにこんなに気をつかっていますとアピールできてなんぼの世界。ビジネスも一緒で、そういう表現力や相手の状況を理解して折衷案を持っていける、調整できる能力を見る。

 ES、面接、筆記を総合して、そういう能力があるか、あるいは能力を伸ばしてうちで活躍してくれるか、を見る。今はなくても将来こういうところがもっと伸びるんじゃないかと期待できる人を採用しています。

 ――ビジネス部門のESには自由記述欄がありますね。学生からは「何を書いたらいいかわからない」という声をよく聞きますが、ここは何を求めているのでしょう?
 自由な発想や発想力です。一番個性が表れますから。自由記述欄は最近、他の会社でも多いですね。でも、「立体はやめて」って言っているのに、折り紙とかを付けてくる人がいます。コピーできないから困りますので、指定は守ってくださいね。

 ――どういう内容が多いのでしょう?
 作文を書いてくる人、写真を貼ってくる人、いろいろですね。写真デコの人もいるし、やっぱり絵と文字の組み合わせが多いかな。

 ――技術部門は何を見ていますか。スキルですか?
 技術部門は、新聞の工程、生産管理、ITシステムの開発とかメンテナンス、パートナー企業と合同での開発、グループ調整といった仕事です。理系出身者が多いのは事実ですが、いわゆるITスキルを求めているわけではありません。

 たとえば、まったくITとは関係ない、生物学や化学出身者もいます。スキルより、新聞やメディアに対する考え方、愛着といったところを重視しています。何のために働くのか、何のために自分の仕事があり、それを人生でどう位置づけていくのか、といったことを考えることの方が大切だと思います。

 ただし部門の併願はできず、どれか一つを選んでもらいます。文系で技術部門に入社する人もいるし、記者やビジネス部門に理系の人もいます。理系・文系にはこだわっていません。

 ――では、理系の学生に求めるものは?
 理系って何だと思います? 論理的思考力は文系でも求めていますから。法科学、社会科学とかはそうですよね。大事なのはビジネスでいう「PDCAサイクル」(業務管理の手法の一つで、Plan=計画、Do=実行、Check=確認、Action=行動を繰り返すプロセス)がちゃんとできるかどうか。理系だから、文系だから、ではありません。

■学生を見るポイント
 ――そのほかに学生を見るポイントはありますか。
 同じ大学に通っている友人は、お互いユニークだと思っていてもやはり育ってきた背景が似通っていると思います。でも社会で働くと、いろんな人と付き合わなきゃいけない。とくに記者職は、自分とは人生の背景がまったく違う人に、施しでも同情でもなく、話を聞いて相手に受け入れられなければなりません。その素養があるか、ですね。

 だから、大人と話ができるかは大事です。世の中には日本語を話していても、思いを言葉にできない人が非常に多い。そういう人たちとどうコミュニケーションし、その人のために考えることができるか。これはビジネスの上でも取材の上でも大事なコミュニケーション能力だと思う。

 コミュニケーションというと、単に「誰とでも仲良くなれます」とか「親しみやすいと言われます」と言う人が多いが、そうではありません。人にとってつらいことをうまく伝えられるか、嫌なことをいかにしてやってもらえるかがビジネスのうえでのコミュニケーション能力だと思う。そういう能力の土台を私たちは見たい。「私はできます!」と言葉で言ってもだめ。いろんな体験に裏付けられていると説得力があって、「あ、そうだよね。こういう人だったらこういう仕事もできそうだよね」と納得できるんです。

 ――面接の回数形式は?
 3回です。ほかにグループディスカッション(GD)があります。

 ――学生の見た目や印象は、選考に影響しますか。
 逆にね、外見には騙されないように意識しています。記者や外回りの営業の仕事は外の人と出会う職ですから、人当たりとか、感じ、第一印象が仕事を左右することも多くあり、外見を無視するわけではありません。でも、仕事をやり遂げるにあたって大事なのは中身です。

 ――かつては一般記者と別に行っていた「写真記者採用」がなくなったんですね?
 今年の採用からです。写真記者の採用をやめた理由は、これからのメディアにおいては写真だけで表現できる人の役割は非常に小さくなるだろうということです。すでにスチール写真だけで生きている人はいなくて、今は「スチール+動画」ですが、これからはプラスして文章による表現もきちんとできる人が必要です。だから、総合力のある記者、つまり「記者総合職」を採ろうということにしました。

 今年の記者内定者から将来的にカメラマンになる記者が出ます。入社後4年間くらい地方勤務でさまざまな経験を積むんですが、4年後に政治部、経済部、社会部など本社の専門部に上がる段階で写真記者の候補者を決めます。今までも「素人だけど写真が好き」という人を写真記者として採用していたので、そういう意味では同じだろうと。記者部門のESを見ると、カメラマンになりたいという人もいる。いずれは本人の希望と適性で配属されます。校閲記者は今も1人採っています。

 ――岡本さん自身は、数年後にどういう仕事をしていたいですか。
 現場で取材する記者に戻りたいですね。学生と会うのも刺激はありますが、私は飽きっぽいので、やはり外の世界に出たい。採用は1~2年やったら十分って感じ(笑)。記者としては、ここ15年くらい医療や福祉の現場を取材してきたので、その現場に戻りたいと思っています。
 
→掲載しきれなかった朝日新聞の採用あれこれは2015年のインタビューを見てみよう

【2015年シーズン】㈱朝日新聞社「人事のホンネ」はこちら
落とすES、筆記試験、面接、ほしい人材など詳細に聞いています!

みなさんに一言!

 就活に惑わされるのではなくて、自分は本当にどういう風に生きたいのか、何をしたいのか、真剣に向き合ういい機会だと思うので、ぜひ悩みに悩んでください。

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