人事のホンネ

日本生命保険相互会社

2023シーズン⑨ 日本生命《前編》
社員1000人態勢でOB・OG訪問受ける 多彩な5職種知って【人事のホンネ】

人材開発部 課長代理 青山えりかさん

2021年12月15日

 人気企業の採用担当者に編集長が直撃インタビューする「人事のホンネ」の2023シーズン第9弾は、日本生命です。700人以上を採用する巨大企業ですが、総合職、エリア総合職、法人職域ファイナンシャルコーディネーターなど職種は多彩。ITデジタル、資産運用といったスペシャリストの仕事もあります。エントリーの後に社員1000人の態勢でOB・OG訪問を受け付ける仕組みがあるので、これを利用して自分に合う職種を探してほしいと言います。(編集長・木之本敬介)

■コロナ禍での採用
 ──2022年卒採用を振り返っていかがでしたか。
 コロナ禍での採用は2年目でしたが、学生の質・人数ともに計画は達成し、優秀な人材を確保できました。
 オンラインでの選考については、学生は非常に慣れている実感がありましたし、私たちも2年目だったので少しずつ慣れてきました。

 ──WEB選考のメリット・デメリットは?
 当社はたくさんの学生が全国から受けに来てくれるので、ロケーションフリーでできるのは非常に便利ですし、近場の学生も移動時間がないので効率的な就活ができたと思います。
 デメリットは、対面なら分かる学生の雰囲気が画面越しだと分かりにくかったことです。学生側にもちゃんと伝わったか分からない不安があったと思います。そのあたりのコミュニケーションが対面とは少し違いますね。

 ──もともと全国規模の会社ですが、地方からの応募や採用は増えましたか。
 私も鹿児島県の出身なんですが、応募者も内定者も地方の学生はけっこう増えました。インターンシップも地方の学生が気軽に応募できるようになったと思います。

 ──WEB面接で工夫したことはありますか。
 学生の緊張をほぐすアイスブレイクですね。話を聞きながら「学生本来の雰囲気じゃないのかな」と感じたときには、私は少しくだけた話し方にして学生の素を引き出せるように意識しました。

 ──どんな話をしたのですか。
 趣味やコロナ禍での過ごし方について聞きました。趣味は学生時代に頑張ったことにつながることもあります。コロナ禍で友だちどういうコミュニケーションをとっていたか、どうやって部活動をしていたのかとか。私も学生が学校に行けない中でどう過ごしていたか知りたかったですし、そういう話をするうちに自然と本音を引き出せました。

■説明会
 ──会社説明会もWEBで実施したのですか。
 2022年卒は対面とWEBと両方で行いました。対面の説明会は主に、参加人数の多い主要都市で開きました。並行して、「内定者が語る」「採用担当者が語る」といったテーマを設けてWEB説明会を配信しました。
 これとは別に、2021年卒から「My Town, My Life」と銘打って、「地域」をキーワードに、その土地の有力企業3~4社とコラボした合同パネルディスカッションもWEBで配信しました。コロナによって対面での合同説明会が減り、偶然通りかかった企業のブースで話を聞く機会が少なくなくなるなか、「どこかの企業に興味があったら、ついでにこちらも見てみてね」ということが実現できる取り組みです。地域を切り口としていますが、全国、世界中のどこからでも見てもらえます。学生の評判は上々で、のべ数千人が参加してくれました。

■選考プロセス
 ──2022年卒採用の選考スケジュールを教えてください。
 エントリーシート(ES)は3月から募集を始め、通年採用の形式をとっています。段階的に選考に進むプロセスになりますが、多くの学生が募集を開始した3月に応募してくれて、その中で筆記試験を通過した人に、6月から採用面接に進んでもらいました。

総合職、エリア総合職、法人営業、ITデジタルのスペシャリストも

■OB・OG訪問
 ──応募開始から6月の面接まで時間がありますが、その間、学生との接点は?
 希望者にはオンラインでOB・OG訪問をしてもらいました。アトランダムに社員を決める場合もありますが、学生から「こういう部門の人の話を聞きたい」と言われた場合は、こちらでマッチングをしてなるべく希望をかなえるようにしました。たとえば資産運用に興味があるなど、実際にその仕事をしている人の話を聞けたほうが学生にとっても意義があると思います。

 ──応募者は大変な数だと思いますが、全員に対応したのですか。
 はい。採用担当者だけでは対応できないので、1000人近い、たくさんの社員にも協力してもらいました。

 ──すごい数ですね。大学の先輩を紹介するのですか。
 大学の先輩であることも多いですが、そうとは限りません。たとえば、学生から資産運用の話を聞きたい、女性社員の話を聞きたい、という希望があれば、紹介の場をセッティングします。
 1回の面談の時間は「30分くらい」が目安ですが、社員に任せています。私も「ちゃんと伝わった」と思えば切り上げますが、「もうちょっと伝えたい」とか、学生が「もっと聞きたい」という場合は時間が許す限り話しました。

 ──「次はこういう社員の話を聞きたい」というのはあり?
 ありです。深く知ってもらいたいので可能な限り紹介します。中には何人もの社員と会う学生もいます。我々は学生に当社のことを知ってほしいですし、社員1人よりも複数の社員に会ってもらったほうが、「自分と合うのかな」と判断できると思います。今年入社した新入社員の中でも、OB・OGとの面談によって理解が深まったという社員も少なくありません。

 ──いわゆるリクルーターのような役割かと思いますが、選考とは関係ないのですか。
 選考を兼ねた面接とは一線を画しています。

■職種別採用
 ──職種別採用をしていますね。それぞれの仕事内容や勤務地を教えてください。
 当社の新卒採用は、「総合職」「営業総合職」「エリア総合職」「法人職域ファイナンシャルコーディネーター」「エリア業務職」の5職種です。
 「総合職」は、企画立案・執行、経営管理、営業などといった幅広い業務を担う職種で、勤務地は海外を含む全事業所です。総合職の中にはスペシャリストの職種もあります。「アクチュアリー」という統計計算を行う専門家と、「ITデジタル」「資産運用」の三つで、今回は計20人ほど採用するこができました。ただし、当社のスペシャリスト採用はちょっと緩やかなジョブ型採用で、入社後ずっと一つの部署に勤務し続けるとは限らず、他部門に異動する可能性もあります。

 ──「営業総合職」とは?
 営業部の管理者として、営業職員のマネジメント業務を行う職種です。勤務地は全国で、一定期間の実務経験を経た後、営業部の管理職を目指します。営業拠点は全国に1500カ所ほどあります。

 ──「エリア総合職」は?
 首都圏と近畿、いずれかに働くエリアを限定した職種で、職務内容や期待される役割は総合職と同じです。人口が多く、会社としても東京と大阪に本部機能を置いていますので、この二つのエリアで採用しています。首都圏は1都3県、近畿圏は大阪、京都、兵庫、奈良の2府2県で、そのエリア内で転居を伴う異動が生じる場合もあります。

 ──「法人職域ファイナンシャルコーディネーター」はどんな仕事ですか。
 大都市圏のエリアを限定した全国11カ所、首都圏、近畿、札幌、仙台、新潟、静岡、広島、岡山、福岡、北九州、熊本で仕事をします。企業にお勤めの従業員に生命保険のコンサルティング営業を行い、将来的に、フロント業務を中心としたさまざまな職務に従事します。中にはキャリアの途中で、企画や事務などの分野に異動する人もいます。
 エリア総合職と法人職域ファイナンシャルコーディネーターは、現時点では全員が女性です。

 ──「エリア業務職」はいわゆる事務職ですか。
 保険手続きに関する事務処理や営業サポート業務全般のほか、お客様に対するご相談・お手続きの応対、保険コンサルティングといったお客様対応業務など、事務だけではなく幅広い職務を担っています。勤務地は採用されたエリア限定です。当社の保険の契約事務を担う部署は大阪に集約していることもあり、「エリア業務職」の採用は現時点では近畿で多くなっています。首都圏や全国約100カ所の支社でも、必要に応じて採用しています。

 ──職種が多くて説明が大変ですね。
 はい(笑)。説明会では概要しか話していないので、興味を持ってくれた学生は、ぜひOB・OG訪問で、直接、働いている社員の話を聞いてもらいたいですね。

集団での役割書いて 「民間最大級の機関投資家」として資産運用も

■採用実績
 ──2022年卒の内定者数を教えてください。
 現時点で、「総合職」163人、「エリア総合職」71人、「営業総合職」71人、「法人職域ファイナンシャルコーディネーター」404人、「エリア業務職」28人、トータルで740人です。

 ──男女比はどのくらいですか。
 5職種すべて合わせると女性が7割くらいですが、3総合職(総合職、エリア総合職、営業総合職)の男女比はおよそ半々です。

 ──理系の割合は?
 全体では、学生時代に主に数学などいわゆる理系科目を専攻してきた人は少ないですね。一方で、スペシャリスト採用である「アクチュアリー」では数学のスペシャリストが多く、「ITデジタル」ではデータサイエンスや統計学を学んできた人が多いと思います。「資産運用」は文理両方います。

 ──保険会社に「ITデジタル」の仕事があることを知らない学生も多いのでは?
 インターンシップにも「IT・デジタルコース」を設けており、IT部門で活躍している社員がファシリテーターとして具体的な職務を紹介するなど、日本生命のITデジタルコースに興味を持ってもらえるように努めています。営業現場では約5万名の営業職員が生命保険の手続きをタブレット行いますし、アフターサービスでもデジタルを活用しています。生命保険とITは切っても切り離せないくらいです。

■エントリー
 ──2022年卒採用のエントリー数はどのくらいでしたか。
 プレエントリーは全体で約3万人、エントリー(ES提出)が1万1000人ほどです。2021年卒に比べると若干増えました。2022年卒はコロナ禍で対面で話を聞けないなど学生の就職活動にもたくさんの影響があったと思いますが、たとえばデジタルを駆使したインターンシップやセミナーができたことで、WEB経由でも多くの学生を呼び込めたと実感しています。

■ES
 ──総合職のESを拝見します。「学生時代に力を入れて取り組んだこと」(ガクチカ)は、「組織の中でどのように行動したか」を書くのですね。「組織」がポイントですか。
 我々は無形商材を扱う会社であり、チームでの仕事がメインです。集団の中でどういう役割を果たしてきたか、リーダーじゃなくてもいろんな役割があるので、そこを知りたいんです。

 ──コロナ禍で「ガクチカ」が書けないと悩む学生が多くいます。
 我々、読む側としても、人となりを判断するのが難しかったですね。行動が制限され、たとえばサークル活動でも「WEBでどう頑張ったか」など「コロナ禍の工夫」を書いているESが多く、どうしても内容が似る傾向がありました。塾講師の体験が多かったのは、飲食のアルバイトと違ってコロナ禍でも続けられたからでしょうか。あとは、高校時代の話を書く人も増えた印象です。

 ──ガクチカの基本は大学時代だと思いますが、高校時代の話でもいいのですか。
 大学でも高校でも、その話を掘り下げて、その人の考え方や価値観を聞くようにしていますが、ガクチカに高校時代の話を書いた人にも、大学時代のことも聞くようにしています。

 ──コロナ禍の学生にアドバイスを。
 行動が制限された中でも、何かを突き詰めることはできると思います。楽しいことでも部活でもアルバイトでも、「コロナだから何にもできない」じゃなくて、取り組んだことを書いてもらえれば人間の深みが出ると思います。

 ──志望動機は会社を選んだ理由ではなく、「日本生命で取り組みたい分野・仕事」を書かせるんですね。
 本質では同じ質問なのかもしれませんが(笑)。就活も終盤になると、ありがたいことに多くの学生が「日本生命に入りたい」と言ってくれます。学生時代までは生命保険とのご縁がある人は多くないので、最初からそういう人は少ないのではないかと思います。もちろん中には「民間最大級の機関投資家としての日本生命で資産運用をやりたい」など、明確な目標を持って志望する学生もいますが、多くは、社員の話を聞くうちに「いろんなことができるんだな、じゃあ面白いかも」と分かって志望してくれます。ESの段階で、もし日本生命に入って働くとしたら、をイメージしてもらうことで、そのあたりの思考の変化も見ることができて非常に興味深いと思っています。

 ──「取り組みたい分野・仕事」を第5希望まで書く欄があります。
 「リーテイル」「ホールセール」「資産運用」「海外事業」「コーポレート」「IT」「代理店営業」「お客様サービス」から選択してもらいます。選んだコースにしか行けない、ということはもちろんないので、ESを書く時点での希望を書いてください。
後編に続く

(写真・植田真紗美)

みなさんに一言!

 日本生命の新卒採用のコンセプトは「ひらけ、世界。ひらけ、自分。Support Every Life.」です。学生のみなさんには就職活動を通して、何に興味があって、何が嫌か、今まで気づかなかった自分を見つけてもらいたいですし、新しい世界や新しい自分を切り開いてもらいたいです。日本生命は、保険という仕組みを通じて世界中の人の生活、家族、大切な人を支えている会社であり、就活生のみなさんのことも支えたい、サポートしたいと考えています。就活では大事な決断が求められるので、みなさんの背中を押したいですし、悔いのない就活をするためのお手伝いができたらと考えています。

日本生命保険相互会社

【生命保険】

 日本生命は、グループ全体で約1400万人のお客様数と約80兆円の総資産を有するなど、世界各国の生命保険会社の中でトップクラスの水準を誇る、生命保険業界のリーディングカンパニーです。常に頂点のその先を見つめ、挑戦的な取組みを続けてきた日本生命。頂点に立つからこそ見える厳しい現実も受け止め、金融機関としての絶対的な健全性や、それを支える豊富な人材で、1つひとつの問題に対して、信念を持ち、誠実に、そして確実に応えていきたい。我々はこれからも生命保険を通じた「安心」の提供はもちろん、国内最大級の機関投資家として日本経済を支え、そして社会を支えていきます。