人事のホンネ

日本生命保険相互会社

 人気企業の採用担当者への編集長インタビュー「人事のホンネ」2023シーズン第9弾、日本生命の後編です。面接で見るのは「自分の意見を持っているか」。自分という人間ややりたいことをきちんと説明できるかがポイントだそうです。女性の営業職が多い会社だけあって、早くから「働き方改革」に取り組んできたことで知られ、8年連続で「男性育休取得100%」を達成しています。(編集長・木之本敬介)
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■面接
 ──面接はどんな形式ですか。
 2022年卒では1対1でのWEB面接が多かったです。回数は人によってまちまちですが、基本的に全員少なくとも1回は対面で会いました。時間は1枠30分くらいです。

 ──面接ではどこを見ますか。
 きちんと自分の意見を持っているか、ですね。中身は何でもいいのですが、自分という人間や、やりたいことをきちんと説明できているかどうか。考えていない人は、「あ……」と沈黙するので分かります。それでも、その場で考えてしっかり答えを出してくれる学生もいます。
 採用ホームページに「ハートフル」とか「自分の可能性を信じている人」など求める人物像を挙げていますが、共通するのは「自主性」です。自分であれをやってみたい、これをやってみたいという思いが強くないと行動に移せません。当社は相互扶助の精神を大切にしており、お客様のために何ができるか、というお客様本位の考え方がとても重要ですので、そういった考え方に共感してくれる人だといいですね。

 ──最終面接は?
 幹部クラスによる1対1の対面面接で30分ほどです。ポイントは同じですが、対面でもしっかり話せるかどうかですね。

 ──面接で「気になるニュース」は聞きますか。
 必ず聞くわけではありませんが、金融や保険に興味を持っていれば自然と会話に出てくると思います。新聞やニュースを読んでいるかというより、そこから自分でどう考えるか、ちゃんとアウトプットができるかが大事です。入社してからも「いろんなことに興味を持ってね」という話はするので、アンテナを張るのは重要だと思います。

 ──人口減少で海外進出にも力を入れていますが、採用で語学力は重視していますか。
 もちろん語学力は一つの素晴らしいスキルなので、語学が強みならぜひ教えてほしいと思いますが、語学力だけを重視することはありません。先ほど申し上げた「自分の意見を持っているか」という点の方が大事だと思います。

■インターンシップ
 ──インターンシップについて教えてください。
 2023年卒向けのインターンシップは夏からWEBで開催して、計約700人が参加しました。就業体験型で、「マーケティング」「資産運用」「IT・デジタル」「ファイナンシャルプランニング」の4コースに分けています。実際の仕事を想定したグループワークをするのですが、それぞれの学生がどういう発言、進め方、参加の仕方をしていたかをファシリテーターの社員がしっかり見ており、最後に改善点も含めてフィードバックしました。参加者の満足度は高かったと思います。
 秋以降も引き続き、インターンを行っています。WEB形式でも、できるだけ会社の雰囲気を伝えられるよう工夫し、就業体験性を重視しています。学業の妨げにならないよう、基本的には平日の夕方や土曜日の計2~4日間です。

 ──WEBでのワークは対面と違いますか。
 WEBでのワークには今では学生のほうが慣れていて、参加しやすいという声を聞きます。実際にみなさん真剣に取り組みつつもフランクに話をする場面もあって、対面と変わらず充実したインターンが開催できていると思います。

デジタルインフラ整備で保険営業もハイブリッドに

■働き方と社風
 ──生命保険は対面営業のイメージが強いのですが、WEBでもできるものですか。
 これまでは営業職員が会ってしっかりお話をして、ニーズを引き出してご加入いただく、という、対面を通じたサービスを大切にしてきましたが、時節柄、それが難しくなりました。デジタル化は以前から進めてきましたが、コロナで一気に加速し、今ではほとんどの手続きがデジタルを活用して非対面でも行えるようになっています。
 ただ、「対面で説明を受けたい」というお客様も多くいらっしゃいます。コロナ禍で、「フェイス・トゥ・フェイス」の価値を再認識された方も多いのではないでしょうか。

 ──ハイブリッドになっていく?
 生活の多様化が進み、お客様のニーズも「非対面で話を聞きたい」、「対面で会ったほうがいい」とさまざまです。また、同じお客様でも、状況に応じて二つのニーズが混在することもあります。お客様の多様なニーズに応えるために、生命保険のご加入の手続きやアフターサービスを非対面で行えるようなデジタルインフラを整備しました。もちろんご要望があればご自宅や職場までうかがいます。全国1500カ所、津々浦々のご自宅までつながっているからこそ、できることだと思います。今後も、お客様のニーズに合わせて、リアルとデジタルを融合させた新しい活動モデルを定着させていくことが大事です。

 ──「男性育休取得100%」が8年間続いているそうですね。
 「男性育休100%」は社内でかなり浸透しています。今は子育てだけでなく、介護や持病など、さまざまな事情を抱えている人がいるので、みんなが働きやすい環境を整える、という思想です。働く場所や時間を柔軟にするインフラ整備と、何よりも意識改革が大事です。自己成長、自己研鑽の時間も大切なので、休暇取得促進、在宅勤務、早帰りなど、いろんな面で社員を支える制度を整えてきています。

 ──巨大企業ですが、どんな社員が多いのですか。
 営業職員が約5万人、それ以外の内務職員が約2万人、全国で合わせると計約7万人の会社です。人数が多いので当然と言えば当然ですが、多様な人材がいます。私はノリでグイッと行っちゃうタイプですが、こんな人ばっかりだと会社が回らないので(笑)、しっかりリーダーシップを取ってくれる人もいますし、論理立てて考えてくれる人もいます。
 一方で、自身の職務に責任感と熱い想いを持っている、そしてそれをしっかりアウトプットして進めていける推進力、といったところは共通しているように思います。

■やりがいと厳しさ
 ──やりがいを教えてください。
 仕事自体がチャレンジの連続です。私自身、当初から自分が主担当として業務に取り組むことが多くありました。どんな小さな仕事でも、「自分はこうやりたい」という思いを持って取り組むことが一番大切だと教えてもらいました。それがやりがいだと思います。
あとはチームワークですね。私も1人でやった仕事って一つもないので、いろんな人と協力してやっていくのが楽しいし、やりがいの一つだと思います。

 ――逆に厳しさは?
 物事がうまく進まないときはいつも厳しいのですが、そこから逃げずに一つひとつ解決していくことが仕事では求められます。厳しいけれどもやらないといけないことですね。