SDGsに貢献する仕事

東京海上日動火災保険株式会社

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東京海上日動〈後編〉SDGs意識した新規事業を保険で後押し 誰かのために動ける人多い【SDGsに貢献する仕事】

2022年10月12日

 「SDGsに貢献する仕事」をしている若手・中堅社員に聞く新シリーズの第3弾、東京海上日動の後編です。国内初の養殖保険やエネルギー貨物保険などを担当するお二人のSDGsへの関心の原点は、ゼミ活動をはじめとする学生時代にありました。さまざまな産業、企業を支える損害保険会社を志した理由は? やりがいは? SDGsに関心のある学生の参考になるお話が盛りだくさんです。(編集長・木之本敬介)
前編はこちら

(冒頭のSDGsアイコンは、東京海上日動がとくに重視するゴール)

【お話をうかがった社員のプロフィル】
●野中菜央(のなか・なお)さん(写真左)=海上業務部 貨物業務グループ 課長代理
2015年、一橋大学商学部経営学科卒、同年入社、福岡中央支店(地場企業マーケット担当)、総合営業第二部(総合商社担当)などを経て現職。総合職グローバルコース。
●西山みどり(にしやま・みどり)さん(写真右)=海上業務部 貨物業務グループ
2021年、津田塾大学学芸学部国際関係学科卒、同年入社。総合職エリアコース。

ゼミの学びから損保に関心 「社会課題解決に挑戦する人をサポートしたい」

■エネルギー貨物
 ──野中さんの仕事について聞かせてください。
 野中 貨物保険のアンダーライティングで、原油、LNG(液化天然ガス)、バイオマス、アンモニアといったエネルギー貨物と、洋上風力に使うケーブルの敷設作業や、海外でのプラント建設など大規模プロジェクトの貨物を中心に担当しています。エネルギー貨物は商社や石油元売り会社が主なお客様です。カーボンニュートラルやSDGsの社会の動きには、彼らがビビッドに反応していました。たとえば、バイオマス燃料に変える、航空燃料をSAF(持続可能な航空燃料)に変える、水素・アンモニアの輸送にシフトする……などと表明するお客様が多い中で、リスクはどう変わるのか、営業部と一緒に研究してお引き受けしています。脱炭素に向けた新規商品開発の打ち合わせも行っています。

 ──日々の業務で「SDGsへの貢献」を感じることは?
 野中 商社がSDGsを意識した新規事業に積極投資するなど、企業の行動が変わりつつあります。商社が新しいビジネスをする際には「投融資の案件に保険がつくか」が先方の社内審査項目に入っています。我々が後押しすることで実現できる事業もたくさんありますし、新しい取り組みにも寄り添って保険を提供することでSDGsに貢献していけたらと思っています。
 さまざまな企業の成長を支えたいとの思いから当社に入ったので、お客様のサプライチェーンをお守りする貨物保険の営業やアンダーライティングを通じて、ビジネスリスクを考えて一緒に対応することにやりがいを感じています。
■西山さんの就活
 ──西山さんは今の部署を希望したのですか。
 西山 部署名から業務内容が想像できなかったので、最初は「海上業務部」と言われたときに「どこですか?」と(笑)。
 野中 西山さんは採用面接で「再保険をやりたい」と希望したと聞きました。私たちは個人や法人のお客様から保険を引き受けますが、安定的に事業を運営するために、引き受けたリスクの一部を海外のマーケットや日本で再保険を行う会社に分散させています。学生ではなかなか見えない領域なので、入社時に再保険に携わるという希望を持つのは珍しいと思います。

 ──なぜ再保険に興味を?
 西山 大学では国際関係論の授業で、SDGsの誕生の歴史や17の目標の意義を学んで、自分たちに何ができるかを議論しました。国際政治学国際機構論という政治と機構論がミックスされたゼミで、国連大学主催のグローバルセミナー合宿にも参加しました。その年のテーマは「テロ」で、SDGsの観点から貧困や平和について話し合う中で、保険会社から来ていた講師から「リスクを分散していたおかげで助かった人が多い」との話が出て、再保険を知りました。再保険によって引き受けられるリスクの量が増えます。
 野中 再保険の機能を使えば、10だったものを100でお客様に提供できます。

 ──大学での学びが仕事に直結したんですね。
 西山 ゼミでの研究を通し、公益性や国際社会の課題に関心を持ったことで、損害保険会社や再保険業務に興味を持ちました。面接では「ぜひ、再保険ができる企業営業や再保険手配の業務をやりたい」と伝えました。2年目から希望していた再保険業務に携わることができています。

 ──社会課題に興味を持ったきっかけは?
 西山 高校時代に4カ月ほどカナダに留学し、国際社会がどう動いているのかに興味を持ち、大学では国際関係学を専攻しました。その中で社会課題の解決に向けて新しいことに挑戦していく人たちの下支えをしたいと思うようになりました。挑戦にはリスクがつきものなので、そこをサポートしたいなと。そうすれば、ある企業に入ってSDGsに取り組むよりも幅広く社会課題に影響を与える仕事ができると思いました。業界としては損害保険会社と公的な銀行などを見ていました。

 ──なぜSDGsや新しいことに挑戦する人を支えたいと?
 西山 小さいころから人を助けて、「ありがとう」と言われたときに喜びを感じていました。自然環境も自分のサポートでより良くなることに喜びを感じます。大学のとき、オーストラリアに森林や動物保護のボランティアに行きました。炎天下で赤土にまみれながらの肉体労働でしたが、「自分が何かの役に立っている」「下支えができている」ことに喜びを感じ、それがモチベーションになっているんだと。自己分析でそう気づき、就活の軸にしました。

 ──東京海上日動を選んだ決め手は?
 西山 当社の就活イベントで理想的な人がいたからです。その人は事故時の保険金支払い業務の中で食品ロスなどの社会課題に興味を持ち、解決に向けて新たな保険設計に果敢に挑戦している姿が印象的でした。そのような人がいる環境で働きたいと思い、入社を決めました。

就活のベースは「日本企業が世界で活躍する役に立ちたい」

■野中さんの就活
 ──野中さんの大学での専攻は?
 野中 財務分析とディスクロージャーをベースにしたゼミで、企業の事業内容を見て証券分析をしたり、企業価値が今後どうなるかを予測したりしていました。カンボジアのメコン大学と合同ゼミを行ったときには、カンボジアの証券市場の発展のためには何が必要かをテーマに議論しました。当時はまだSDGsという言葉もなく、ESG投資が今後の主流になるんじゃないかという発表をしましたが、まさか今のようにメインストリームになるとまでは思っていませんでした。

 ──就活での業界選びは?
 野中 海外旅行に行く中で「やっぱり日本が好きだな」「日本の製品はいいものが多いな」と感じていました。一方で、就活をした2013~14年は日本の国際的地位がどんどん下がり始めていて、「日本の企業が世界で活躍する役に立ちたい」が就活のベースになりました。それには一つの会社で経営に携わるのと、金融やコンサル業界で間接的に経営に携わる2パターンあるなと。一企業で経営に携われるようになるまでには時間がかかりますが、間接的な支援なら若いうちからいろんな業界に触れられると思い、金融・コンサル業界を見ていました。

 ──最終的にはどう選んだのですか。
 野中 業界より、一つひとつの会社を見てどこが好きかで選びました。銀行なら融資、保険なら損害保険、コンサルだと戦略系など、事業形態ごとにその会社で働いたらどう支えられるかを考えました。ただ、やっていることより一緒にいる人たちのほうが大事だと思い、最終的には「人」を見ました。
 私は高校時代まで体育会系の部活動に所属していたこともあり、みんなが一つのものに向かって全力を投じる、何かを目指す組織が居心地がいいんです。大学では、熱量がバラバラの人たちと一緒に取り組むことに、もどかしさやモチベーションの続きにくさを感じたので、同じような熱量の人たちと一緒に働きたいと思いました。

 ──東京海上日動も「人」で選んだと。
 野中 採用選考では、損害保険業界・当社を好きかより、自分がどういう人間かを表現することが求められ、一人ひとりに真剣に向き合ってくれました。会う人みんなが優しくて、想いがあって、同じ温度感で働くことができると感じました。
 単に優しいだけじゃなく、他人に関心がある人がすごく多い会社です。何かあったら手を差し伸べてくれる人、話に真剣に耳を傾けてくれる人がたくさんいます。他人のために時間や労力を費やすことをいとわず、それを損得勘定で考えない人が多いと思います。人材育成にも丁寧に取り組んでいますし、新入社員や転入者をみんなで育てる、みんなで支え合う文化があります。誰かのために動ける人が多いからこそ、相次ぐ自然災害の中でもお客様にいち早く保険金をお届けするために全社一丸で取り組めているのだと思います。

部署の3分の2が女性 ライフイベントに応じた制度や環境

■働き方改革と女性活躍
 ──働き方改革や、女性活躍もSDGsの目標につながります。
 西山 私がいる貨物業務グループでは3分の2が女性で、小さな子どもがいる人や介護をしている人も時短勤務や有給休暇などを利用して活躍していて、ライフイベントに応じた制度や環境が整っています。働く時間や場所は柔軟性が高く、コロナ中はリモートワークを活用しましたし、午前5時から午後10時までの間で所定の7時間労働を15分ごとに自由に選べる制度があります。

 ──朝5時から!?
 野中 朝5時に仕事を始めてもOKです。全員にノートPCとスマホが配布されているので自宅でパソコンを立ち上げることも可能です。

 ──6時まで働いてからお弁当をつくって、次は9時から……なんて働き方ができるんですね。普段の生活でSDGsや社会貢献を意識していることはありますか。
 野中 常にプラスチックバッグを小さく折り畳んで持ち歩き、ゴミを回収できるようにしています。できるだけペットボトルを買わないようにしています。
 西山 いつも水筒を持っています。会社では水筒一つでは足りないので、お茶とコーヒーを入れて2本持ちしています。あと、マリンスポーツが好きなのですが、日焼け止めは油分で海を汚してしまうので、オーガニックの日焼け止めを使っています。ダイビング、サーフィン、シュノーケリングも好きですし、ボートやカヤックに乗ったりするのも好きです。海大好きです。

(写真・山本倫子)

SDGsでメッセージ!

 当社の経営理念がSDGsに通じますし、今後もお客様と一緒にSDGsの目標達成に向けて取り組んでいく機会は増えると思います。当社には「挑戦」の風土があるので、挑戦する人が多いし、周りもそのような人たちをサポートする姿勢が強く、自分がやりたい思いを実現する環境が整っています。社会課題やSDGsの観点で当社を選んでくれる就活生がいれば、一緒に社会課題に取り組んでいきたいです。(西山さん)

 SDGsにそもそも興味がある人も、そうでない人も含めて、自分の50年後や将来の家族、子どもたちが「どんな世界で暮らしていたいか」を想像することが大事で、まずはそこがスタートだと思います。社会課題や企業、個人の「こうありたい」を実現するために当社として何ができるか、ぜひみなさんと一緒に考えていきたいです。(野中さん)

東京海上日動火災保険株式会社

【損害保険】

 日本初の保険会社として、創業以来保険引受を通じてお客様の“いざ”をお守りすることをパーパスに事業を展開しています。具体的には、リスクに応じた商品・サービスの提供、迅速な保険金支払いとサポートに加え、多様化するお客様のニーズに対し「事業戦略パートナー」として新規事業の戦略構築や社会課題の解決を支援しています。こうした取組により、“いつも”支えることができる存在になるよう、社会課題解決のトップランナーとして挑戦し続けます。