中島隆の輝く中小企業を探して 略歴

2013年11月29日

中小企業で「オンリーワン」目指せ!(第1回)

中小企業への就職も考える、あなたへの手紙

 世間に名をとどろかせている大企業に就職する。あるいは、ほとんど知られていない無名の中小企業に就職する。どちらの選択も、ただしい。いいえ、みなさんが社会人として進む道に、間違いはありません。

 そして、中小企業への就職も考えているあなたに、わたしは、「ありがとう」とお礼を申し上げます。なぜなら、これからの日本を支えてくれるのは、あなただからです。
 日本にある企業の99%が、中小企業です。およそ7割の人が、中小企業ではたらいています。日本の経済、社会をささえているのは中小企業なのです。そこを就職先にしようとしているあなたは、日本を引っ張っていく役割を担うのです。

 「寄らば大樹の陰」という言葉があります。おおきな木の下に集まって安心する、という行動を、すこし批判していう言葉です。いま経営難に苦しんでいる、ある超有名企業があります。学生の就職人気ランキングでも上位にはいっていた会社です。そこの元重役は、経営難の原因について、わたしに言ったことがあります。
 「うちには、たしかに優秀な学生が入ってきた。でも、おおくが、寄らば大樹の陰、という意識の若者だった。彼ら、彼女らは、就職できたことに安心してしまい、そのまま中堅社員になってしまった」

 中小企業に入ろうとしているあなた。あなたに、「寄らば大樹の陰」という批判は当てはまりません。そこが、まず素晴らしい。社員がすくないわけですから、即戦力として、おおくの仕事を任されます。やる気があれば、そして経験をつんでいけば、あなたの存在価値は、ぐーんと上がっていきます。同期は少ないか、もしかしたらいないかもしれません。でも、会社の先輩がいますし、社外に友だちをつくっていけばいいだけです。
 売上高では、おおきな有名企業にかないません。知名度でも差をつけられています。でも、中小企業は、日本で大活躍しています。なぜでしょう。それは、簡単にはまねできない技術があるからです。簡単には作ることができない商品があるからです。ユニークなアイデアと工夫を凝らしたサービスをしているからです。そこには、「オンリー・ワン」をめざす挑戦の精神があるのです。

 きっと、あなたが入社してくることを、どこかの会社の社長さん、社員さんたちが待ってくれています。その会社は、あなたにとって、キラリと輝く会社に違いありません。その「中小輝業」にたどりつくヒントを探す旅を、このコラムではじめます。