話題のニュースを総ざらい!面接で聞かれる!就活生のための時事まとめ

2017年08月22日

メディア

マスコミ面接で必須!「フェイクニュース」を語れ

世界で大問題に 選挙にも影響

 「フェイク(偽)ニュース」が世界中で大きな問題になっています。マスコミの面接できっと話題に出ます。マスコミ志望ではない人も、だまされないようにしなければなりません。

 フェイクニュースは虚偽の情報でつくられたニュースのこと。主にネットで発信されて、ツイッターやフェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で拡散されます。憎しみをあおったり政敵を攻撃したりして、選挙結果を左右するなど人々の行動に影響します。実際、英国が欧州連合(EU)を離脱することを決めた2016年の国民投票やトランプ大統領を生んだ米国大統領選では、偽ニュースが投票行動に大きな影響を与えたと言われています。

 米国の首都ワシントンでは同年、「ピザ店を舞台に児童売春をしている」という偽ニュースを信じた男が武装してピザ店を襲撃する事件が発生。偽ニュースを真に受けたパキスタンの国防相がイスラエルへの核攻撃を示唆する投稿をツイッターに書き込む騒ぎもありました。日本でも、熊本地震の直後に「動物園からライオンが放たれた」との偽情報がネットで拡散。投稿者は偽計業務妨害の疑いで逮捕されました。

(写真は、トランプ米大統領がCNNに見立てた「敵」を打ちのめす映像。トランプ氏が自身のツイッターに投稿した=本人のツイッターから)

誰が、なぜ? トランプ氏はメディア攻撃に利用

 誰が、何の目的で偽ニュースを流すのでしょうか。愉快犯や個人に対する誹謗中傷を目的にしたものもありますし、ロシア政府の関与が疑われるなど政治的な意図が指摘されるケースもあります。米大統領選では、東ヨーロッパの国ジョージアやマケドニアの大学生らが広告費目当てに偽ニュースサイトを立ち上げ、トランプ氏支持の情報を大量に流して荒稼ぎしていたことがわかりました。

 偽ニュースの後押しもあって当選したと言われるトランプ氏は、大統領になってから、気に入らないメディアを「フェイクニュースだ」と攻撃しています。これに対し、最大の標的になっている米国のニュース専門局CNNのジェフ・ブッカー社長は「本当のフェイクではなく、自分が気に入らない報道や考えを指している」と指摘。米国ではメディア不信が問題となっていますが、CNNの視聴率は過去最高の水準で、トランプ批判を展開する新聞ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストの購読者数も伸びています。信頼される情報はむしろ求められています。

 CNN社長のインタビュー記事はこちら。
トランプ氏のメディア攻撃「関心の裏返し」 CNN社長(インタビュー動画あり)
トランプ氏と旧知→今は批判的報道 CNN社長に聞く
「アグレッシブな報道、時代を反映」米CNN社長

 一方、トランプ大統領は8月6日、フェイスブック上に「リアルニュース(本当のニュース)」と名付けた動画を掲載。トランプ支持者の女性コメンテーターが「トランプ大統領は経済を正しい方向に戻している」などと称賛しましたが、自らに都合のいいことだけをアピールする内容は「まるで北朝鮮のニュース」などの批判を浴びました。

広がるファクトチェック

 偽ニュースを防ぐ取り組みも広がっています。欧米のメディアが始めた検証報道「ファクトチェック(事実の確認)」は朝日新聞でも実施しています。米フェイスブックは利用者が怪しいニュースを通報できる仕組みを作り、第三者機関と提携して真偽がはっきりしないものについては警告表示をする方針です。米グーグルも、米英で第三者機関と協力してファクトチェックを始めるとしています。

 英国では政府が偽ニュースの監視・削除などの対策をSNS運営会社と協力して実施、選挙への影響を防ぐ方針です。ドイツでは偽ニュースの監視態勢強化するほか、SNS運営会社に偽ニュース対応を求める罰金つきの法律を整備します。

 日本では6月、IT企業幹部、大学研究者、NPO(非営利組織)代表らが発起人となり、ファクトチェックに取り組む組織「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」が設立されました。(ネットの情報、真偽検証 ファクトチェック団体が設立

 個人でできるファクトチェックもあります。SNSなどで見たニュースの「発信元」を必ず確認することです。新聞など信頼できるメディアの情報かどうか。ニュースをそのまま鵜呑みにせず、別のメディアで確認する習慣もつけましょう。最近は、感動的な話がシェアされて広まることも多いようですが、「いい話」だって本当とは限りません。簡単に信じ込まないことです。冷静に、ときに批判的に情報を受け止めて活用する「メディアリテラシー」は、社会人として身につけておかなければならない力です。

 こちらも読んでみてください。
SNSで拡散したらウソニュースだった!? メディアについて考えよう
メディア激変!SNSのニュースを見るとき気をつけること
偽ニュースにだまされるな!ファクトチェック始まる

キュレーションサイト問題も

 日本では2016年、多くのキュレーション(まとめ)サイトが科学的に根拠のない内容や著作権侵害の可能性のある記事を掲載していたことが分かり、大きな問題になりました。IT大手のDeNA(ディーエヌエー)の医療情報サイト「ウェルク」を皮切りに、リクルートグループ、サイバーエージェント、KDDIグループなどのサイトが相次いで記事の公開を中止したり、閉鎖したりしました。

 この問題については、「DeNAのサイト公開中止…信頼できるメディアで情報収集を」で書きました。

 マスコミ志望者は、朝デジ有料会員限定ですが、以下の関連記事も読んで自分の考えをまとめておくことをオススメします。