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日本航空の先輩にインタビュー

第2回 日本航空に決めた理由は?
2018シーズン 【日本航空】

日本航空調達本部調達第二部航空機グループ 大出めぐみ(おおで・めぐみ)さん

2016年12月22日

■就活でアピールしたポイントは?

 日本航空に限らず、どの企業でも「適応能力があります」というのはアピールしていました。「どこに追いやられても慣れるのは早いです」と。英語が共通言語じゃない場所でもキャッチアップできる、対応できるタイプだということを伝えていました。

■逆に就活であまりうまくいかなかった点は?

 大学時代頑張ったことを聞かれて、法律の資格やゼミの勉強に取り組んだ話をしたんです。ある企業の2次面接で、その話が面接官に響いていないように感じたので、「何を頑張った話が評価されますか?」と逆質問をしました。そうしたら、「チームで衝突しながら乗り換えて何かをやり遂げた話はありますか?」と。高校時代に部活動などを通して衝突を経験してから大学ではそういったことを避けていましたし、大学で所属していたダンスサークルでも中心人物として動いていたわけではないので、その点はあまり話せませんでした。その面接を受けてから、他の企業の選考でも面接官の興味を引く話題を意識しすぎてしまったことは少々後悔しています。

経営破綻が逆に強みに

■JALは受けてANAは受けなかった?

 エントリーはしましたが、音沙汰がなく“サイレントお祈り”だったのでしょうか、残念ながらご縁がありませんでした。

■決め手は「経営破綻」?

 先ほどお話したとおり面接でJALの社員の方が好印象だったこともありますが、「一度経営破綻した」という点にかえって良さを感じたところもありました。 
 こういった経験によって社員が問題意識を共有していることを、説明会を通して学び、若手の声でも吸い上げてくれるような雰囲気を感じ取れたことが大きいです。破綻に関しては、ネガティブな要素もありますが、同時に「新生JAL」というフレッシュなイメージ、強みも感じられました。

■JALとANA、ユーザーとしての差は?

 幼い頃から両方を利用しており、そこにこだわりはありませんでした。強いて言うならば、日本航空の持つフラッグキャリアとしてのブランドは魅力に感じました。それ以外の差でいうと、やはり経営破綻を経験している点が大きいかと思います。

■他の企業では自分を出せない?

 JALを含め、日系企業では多かれ少なかれ年功序列があるかと思いますし、入社して若いうちから自分の率直な意見を発信しにくい環境であれば、もどかしい思いをするのではないかな、という不安はありました。

■入社は業務企画職で

 JALの採用は、総合職に該当する業務企画職、自社養成パイロット、客室乗務職があります。客室乗務職は、専門のスクールや対策本があったりするようですが、総合職の場合は、特にマニュアルもありませんし、私自身も専門的知識などの対策はしていませんでした。JAL再生の立役者である稲盛和夫会長の本は入社してから読みました。

■あまり企業研究はしなかった?

 そうですね。対策本などは読みませんでしたし、採用の方も、入社してから勉強すればいいという雰囲気でした。

新人研修で墜落現場へ

■特に印象に残っている新人研修の内容は?

 二つあります。一つは「なぜJALが経営破綻したのか」という話を学ぶ研修です。私自身を含め「新生」という部分で破綻をポジティブに認識していた新入社員が多かったかと思いますが、「私はJALの人間です」と、堂々と道を歩いていていいのかと考えてしますようなテーマでした。JALのせいでどれだけの債権者が泣いて、苦しんだ人たちがいたことか。国に対しても責任と負い目があります。それを背負って、JALの一員として働くということで「どっしり」と重みを感じました。

■あの「御巣鷹の事故」を風化させない

 もう一つは1985年8月に起きた「日航ジャンボ機墜落事故」について学んだことです。JALの社員として生きている限り背負っていかないといけない。新人で成田空港で勤務していた頃に、事故現場の御巣鷹の尾根に実際に登りました。その場に行く、行かないに限らず、この事故を風化させないための意識徹底・社員向けのプログラムは充実しています。
日本航空

【航空】

 日本を代表する航空会社の一つ。従業員数は約11,224人、連結従業員数は31,986人(いずれも2016年3月末現在)。英語表記は「Japan Airlines Co., Ltd.」で、その頭文字から「JAL」の略称で親しまれている。2010年1月に会社更生法の適用を申請。京セラ創業者・稲森和夫氏を会長に招き再建を図った。破綻後わずか2年8カ月後の2012年9月、東京証券取引所に再上場を果たした。