人事のホンネ

スクウェア・エニックス

2023シーズン② スクウェア・エニックス《後編》
ゲーム業界入りに何が必要か考えて行動を ダブルスクールの学生も【人事のホンネ】

人事総務本部 人事部 新卒採用担当 利根川優一(とねがわ・ゆういち)さん

2021年09月15日

 人気企業の採用担当者インタビュー「人事のホンネ」2023シーズン第2弾、スクウェア・エニックスの後編です。「ゲーム会社に入るにはどういうことをすればいいのか」を考え、ダブルスクールで学んで選考に臨んだ学生がいたそうです。「何が必要かを考えて実行に移す」ことができる人はゲームやエンタメ業界に向いているといいます。(編集長・木之本敬介)
(取材はオンラインで行いました。)

(前編はこちら

■面接
 ──面接は何回ですか。
 基本は3回ですが、2回、4回の職種もあります。

 ──たとえば3回の場合、どんな形式ですか。
 1次、2次がZoomによるグループ面接です。1次は学生3人程度、2次が2人程度でそれぞれ60分ほど、最終は役員クラスによる個人面接で45分ほどです。社員側は原則2人ですが、職種により、面接官が増える場合もあります。

 ──しっかり時間を取りますね。
 できれば、もっと時間を取りたいという気持ちはあるのですが、できるだけ多くの学生とお話ししたいと思っているので、今はこれが精一杯です。

 ――WEBになってグループ面接を個人面接に切り替えた会社も多いようですが、WEBでのグループ面接は難しくなかったですか。
 もともと対面でグループ面接をしていたので、WEBでもそのままできるんじゃないかと思って踏襲しました。グループ面接だと、他の人が話しているときにどんな態度で聞いているかを確認できます。ただ、コロナ前の対面では学生4人だったのを3人に減らしました。学生もオンライン慣れしているので、とくに大きな問題はなく、進行できましたよ。

 ──WEBでも他人の話を聞いているかはわかりましたか。
 話していない人の顔も画面に映るので分かります。素の自分で先生やバイト先の上司と話すような感じで臨んでもらえればいいのですが、コンテンツ開発をはじめ他の職種でもチームで動くことが多いので、ちゃんと人の話を聞いているか、周りの意見を聞いているかは見たいですね。「今の話はどう思った?」と別の学生に聞くこともあります。

 ──それぞれの面接で聞くポイントや重視している点は?
 1次面接では人柄や当社への熱意といった観点から見ることが多いですね。2次は1次で見る点をより深掘りしたり、技術職ではこれまでの経験や技術に関して深く聞いたりします。基本的にその職種についてどんなビジョンを持っているか、キャリアに対する適性がどのくらいありそうかを見ます。
 最終面接は総合的な判断です。人柄をはじめ、1次、2次面接で見てきたところも再度確認しています。職種ごとに担当の役員クラスが面接してこれまでの経験や気持ちを深く聞いています。

「なんで面白いのだろう」「どんな工夫が」…「楽しい」の先を考えよう

■求める人物像
 ──求める人物像をあらためて教えてください。
 ゲームやマンガなどのエンタメコンテンツへの興味・関心が高い人。自分で考え、それを行動に移せる人は当社にマッチしやすいと考えています。
 また、「ゲーム業界=華やかで楽しい」というイメージが強いと思いますが、楽しいだけが仕事ではありません。会社組織に入って仕事をするということも考えておくといいと思います。「こういうものがあれば面白いのに」「こういうコンテンツがあれば絶対にユーザーが喜ぶと思う」と言ってくれる人もいますが、ビジネスとして展開できるのか、ユーザーが買ってくれる商品になるのか、エンタメを仕事にしたいのであれば、そこまで考えておくとより実りのある就職活動になると思います。プレーして楽しい、読んで楽しいだけで終わらず、なんで面白いのだろう、どんな工夫がされているのだろう、などその先を考えておくと良いと思います。

 ──ゲームや出版のビジネスビジョンまで求めるのですか。
 持っているとベターです。ただ、考えるプロセスが大事で、たとえば「ゲーム会社に入るには、まずどういうことをすればいいのか」を自分で考えて、「今のトレンドはこうだから、これを研究しよう」「こういう企画を練ってみよう」と行動する。それ自体、すごく評価できることです。小さなことでも構わないので、まず「何が必要かを考えて実行に移す」ことがゲーム業界やエンタメ業界を目指す人には必要だと思います。

 ──内定者には、そこまで考えて行動している人が多いのでしょうか。
 多いですね。数年前にゲームデザイナー職で入社した社員の例ですが、大学生時代からこの職種の志望が明確で、何を勉強すればいいか考えたそうです。当時すでにハイエンドな3DCG表現を用いるゲームも多かったことから、企画職といえどグラフィックの知識が必要だと考え、CG専門学校へのダブルスクールを決めたそうです。実際にグラフィックを描くアーティスト職志望ではないのに、というところがポイントです。面接でも「ゲームデザイナーになるために3DCGの勉強をして作品をつくってきました」とアピールして、とても印象に残りました。こうした行動が正解ということではなく、ゲームデザイナーになるにはどうしたらいいかを自分なりに考えて、そこに行き着いた経緯や行動力が当社にマッチしていると思いました。自分で考えて、どうすればいいかにつなげていく学生は当社にマッチする可能性が高いと思います。

 ──「楽しいだけではない」との話がありましたが、仕事の厳しさは?
 華やかなイメージのエンタメ業界ですが、一つのコンテンツを発表するまでにはたくさんの地道な努力の積み重ねがあります。地味でコツコツとした作業もあるので根気が必要です。成果物を出す職種ではリテイクを何回も求められたり、「ここを修正して」といったことが何度もあったりします。そんな環境でも心が折れずに一つひとつ積み重ねられる、努力できる人は、すごくマッチすると思います。

■ニュース
 ──世の中やニュースへの関心はゲーム業界で働くには大事ですか。
 大事です。エンタメ業界は動きが速いので、常にさまざまな情報にアンテナを張っていることは重要です。当社だけでなくエンタメ業界や世間の話題は収集していて損はないと思います。また、技術職系を志望している人はテクノロジー分野で、気になっている最新技術や話題について調べておくといいでしょう。

■インターンシップ
 ──2023年卒向けインターンシップは実施しますか。
 今のところ「予定」ですが、冬にゲーム開発系のインターンシップをできればと考えています。前年に実施したのはハッカソン型のインターンで、ゲームデザイナーとエンジニア、アーティストを目指している学生がチームになり、短期間でゲームを1本つくってもらいました。今年の内容については検討中です。

 ──総合職のインターンは?
 前年は実施しませんでしたが、今年は検討中です。 秋冬になるかなと思います。

 ── インターンから採用につながるケースは。
 あります。2022年卒採用では若干名いました。少し早めにエントリーしてもらい、選考に進みます。春ごろに内々定を出しました。