
(取材はオンラインで行いました。)
■コロナ禍での2022年卒採用
──2022年卒もコロナ禍での採用になりましたが、いかがでしたか。
WEBでの説明会や選考を継続しました。コロナ禍の採用も2年目となり学生はオンライン選考の準備ができていたようで、比較的スムーズに説明会やWEB面接に参加してくれました。
――コロナ禍でゲーム人気が高まりました。エントリー数は増えましたか。
コロナ禍で学生がエンタテインメントに触れる機会がすごく増えたようで、多くの学生が志望してくれてエントリー数が2割ほど増えました。2021年卒採用ではエントリー開始を3月1日から2月1日に早め、応募方式を変えたこともあって若干減ったのですが、2022年卒はこうしたことが事前に分かっていた事情もあると思います。
──なぜエントリー開始を早めたのですか。
1カ月間だったエントリー期間を、2月から3月末までの2カ月間とすることで、学生がエントリーシート(ES)をきちんと準備できる時間を設けました。
それから近年、多くの同業他社が選考を非常に早めているので、4月からの面接を少し早く始めるようにしました。
──応募方式はどう変えたのでしょう。
以前は、まず簡単なWEBアンケートに答え、説明会を経て正式にエントリーするステップでした。それを、ES提出と適性テストを経たうえでエントリーする方式に変えました。アーティスト職など一部職種では、この段階で作品も提出してもらいました。
最初からESを出してもらうようにしたのは、それなりの覚悟というか、熱量を持って応募してほしかったからです。エンタメ業界はすごく華やかで楽しそうなイメージがあると思いますが、「エンタメを仕事にする」ということをどう考えているのか、エントリーの段階で確認したかったんです。
──単に「ゲームが好きだから」という応募が多かった?
そういう学生もいます。「ゲームが好き」とか「マンガが好き」ということが入り口なのは大歓迎です。ただ、仕事にするとなると「楽しいから」だけではうまくいかないこともあると思います。ゲームやマンガなどのエンタメを仕事にするというのはどういうことなのか、しっかり考えてくれる学生と会いたいと思っています。
■WEB説明会・面接
──WEB説明会で工夫したことはありますか。
職種が複数あってIT分野、総合職、ゲーム開発系と職種ごとに分けて説明会を開いたのですが、日程が合わない学生もいるので、各回必ず全職種の説明をするとともに、「この日に集中的に説明するのはこの職種です」という事前アナウンスを徹底しました。あと、ZoomウェビナーのQ&Aを利用して、質問にはできる限り時間をとって手厚く答えました。たくさんの質問が寄せられて残念ながら全てにはお答えできませんでしたが、それだけ興味をもってもらえる学生が多く、うれしく思いました。
──説明会や面接がWEBになったメリット、デメリットはどう感じていますか。
セミナーも面接もWEBになって、遠方者が参加しやすくなりましたね。対面でセミナーや面接を行っていた際は1日がかりで本社まで来てもらうこともあったので、移動や交通費など苦労も多かったと思います。都内の学生も時間調整がしやすくなったようで、面接の欠席率が減りました。
面接について言うと、学生は慣れた環境で比較的リラックスして受けられるので話しやすいと思います。本音で語ってくれる学生も多かったのではないでしょうか。デメリットとしては、熱量や雰囲気は対面でないと感じ取れない部分もあると思いました。
──対面だと、熱量をどのように感じ取るのでしょう。
対面だと、話し方や身ぶり手ぶりから熱量を感じ取れます。会ったときの雰囲気や印象もWEBと対面では全然違うので、直接会った際はそういうところから得られる感覚を大切にしています。WEBではあまり緊張していない学生が多いのですが、対面だとほどよい緊張感があります。当社への志望度が高い人は結構緊張している分、気持ちが自然に伝わってきます。「本当に当社入りたいんだな」と感じることができて、とてもうれしく思います。WEBだけだとそこが難しいですね。
──2022年卒採用も前年に続いて全てWEB面接に?
当初は最終面接だけは対面にする予定だったのですが、緊急事態宣言が発出されてから、すべての選考をWEBに切り替えました。一部、宣言前から選考を進めていた人には対面で会いましたが、ほとんどの人はWEBのみでした。学生側にとっても一度は会社に来て、対面で面接官と話し会社の雰囲気などを感じ取りたいのではないでしょうか。2023年卒採用では、最終面接はできれば対面で行いたいと思っています。