
(前編はこちら)
■スケジュール
──採用スケジュールを教えてください。
2019年の年末からエントリー受付を始め、3月から面接、これが第1クールです。企画職、営業・企画職、技術職、デザイン職があり、企画職および営業・企画職は5クール、技術職は6クール、デザイン職は2クール行いました。5~6クールは秋採用です。春採用の内々定は6月ごろまでに決まりました。
──5クール、6クールまで設定したのはなぜ?
社内に「就活プロが集まる会社はイヤだよね」という意見がありました。「就活プロ」と呼んでいるのはGDや面接を練習し尽くして「この会社にはこうやって言おう。TOTOはお堅そうだから自分の真面目な部分を強くアピールしよう」と対策しすぎている学生です。訓練して成果を出すのも大事ですが、大学までの偏差値的な感覚が強いと会社に入ってから活躍できないかもしれません。3クールまでの就活前半は、内定をたくさん取ることが目的になっている学生が多い気がします。内定をたくさんもらえば自己肯定感は高まりますが、会社に入ったら関係ないし、本当に自分に合った会社に入ることが大事です。
一緒に働きたいなと思う人は「就活プロ」とは違います。「就活がうまくいかなくて」「やっぱり金融じゃなかった」という人や、部活動で時間がなくてそれでも自分に合う会社を探している人が、最後に現れるように思います。そんな学生と出会いたくて募集期間を延ばしました。
──会えましたか。
会えました。部活動を一生懸命やっていた人、「もう一度自分を見つめ直して就活し直しました」という人、海外留学中のコロナ禍で帰国できなかったけれども日本企業で働きたい人などに内定を出しました。もちろん、1クールや2クールでも「就活プロ」は減って胆力があるタイプが残ったと思います。
■求める人材
──学生を見極めるポイントは?
「準備していない部分をどれだけ引き出せるか」です。学生時代に頑張ったことや志望動機はある程度準備してきますが、どうしてそう思ったのか、「原体験」を深掘りします。ぶっちゃけて「本当に興味があるのは住宅設備とは違うんじゃない?」と聞くと、「いや、実は〇〇で……」と新しい価値観が分かることがあります。価値観や物の見方を引き出してどういう人か知りたいと思っています。
「住宅設備が好き」「人の生活を支えることに興味があります」といっても、業界から日本を支えたい人もビジネスを推進したい人もいます。「いつ思ったの?」「就活のとき? 以前から?」と聞くと、「昔、体が不自由なおばあちゃんと一緒に住んでいました」「お腹が弱くてけっこうトイレにお世話になっていました」など、いろんな体験が出てきます。そこで「トイレにお世話になったって、どんな少年時代だったの?」と深掘りしていくと、どう育ってきたのか、どんな思いで生きてきたのか、ひもとくことができます。一つの質問から広げて全体像を見る形です。
──求める人物像は?
採用ホームページ(HP)に「自律人財」と書いていますが、自分で考えて目標に向かって頑張れる人です。総合職で入社すると、営業か、トイレやウォシュレットをつくるセクションに配属されるのか、間接部門で活躍するのか分かりません。会社生活の中でのさまざまな出会いやご縁をいかしながら、いろんな場所、仕事で頑張る素養のある人、懐の広い人、いろんなことに興味を持っている人が必要です。個人的には、それが社会人になっても成長し続ける人の特徴ではないかとも感じています。
選考の場面を例に挙げると、野球や研究など一つのことに深く取り組んできた人なら、社会に出たとき「野球や研究を軸に、ほかに興味を持てるか」を探ります。
──面接でニュースについては聞きますか。
流れの中で話題になることが頻繁にありますね。懐の深い人は、自分の世界よりさらに外に関心がある人が多いので、そうした意識があるかどうかを見ています。自分自身もそうなのですが、自分の関心のある話題だけスマホでクリックして読む人が増えているので、昨今のニュースについて幅広い見識を持つ学生に会うと、思わず感心してしまいます。