人気企業の採用担当者インタビュー「人事のホンネ」の2021シーズン第7弾、森ビルの後編です。東京を世界一の都市にしようと、明確な企業理念やビジョンを掲げる会社です。そんな「森ビルのDNA」って? じっくりうかがって来ました。(編集長・木之本敬介)
(前編はこちら)
■面接
――グループディスカッション(GD)は行いますか。
はい。テーマは申し上げられませんが、事前の知識にあまり左右されないような内容になっています。都市づくりは多くの人々や企業、行政を巻き込んでいかなければなりません。こうした人々を導き、共感と信頼を得て協働できて初めて成就する仕事です。間接的ではありますが、GDを通じて私たちの仕事に対する姿勢について感じてもらえる機会になれば嬉しいです。
──面接はどんな形式ですか。
面接は複数回行っており、現場の社員や部課長、最終面接は役員も参加して行います。
──ポイントは?
求める人材像という意味では、変化が激しく未来の予測が困難な時代の中で、新しいことや難しいことに挑戦でき、強力に事業を推進していくことのできる「強い個」が必要だと考えています。
とくに、我々が推進する都市づくりの領域は非常に幅広く、さまざまな個性や才能が必要です。こうした「強い個」をまとめ、プロジェクトを推進していくためには、多様な価値観を尊重しながら、他者と協働して推進していく力が必要で、我々はそれを「ダイバーシティ受容力」と呼んでいます。そのうえで、熱意をもち、それを行動に移すことができる「熱量」、さらに、既存の枠にとらわれず、問題意識を持ち、自ら課題設定をして、課題解決に向けて具体的な行動を起こすことができる「課題設定力」が欠かせないと考えています。
──面接でニュースについては聞きますか。
面接官次第ですが、直接的に聞くことはなかったとしても、新聞を読み、世の中にアンテナを張って、自分の意見を持つことは大切なので、ぜひ学生にはニュースを欠かさずチェックしてほしいですね。
■東京と地方
──東京以外での事業展開は?
学生にもよく聞かれるのですが、森ビルは、都市づくりの分野で長年蓄積してきたノウハウを活用し、東京だけではなく地方都市活性化のお手伝いもグループ会社を通じて行っています。
たとえば、香川県の「丸亀町グリーン」や愛媛県の「アエル松山」などの再開発プロジェクトがあり、それぞれの土地に根ざした文脈や潜在力をいかしつつ、新たな機能を備えた街づくりを推進することで、地方都市の活性化に貢献していると自負しています。
海外でもプロジェクトを展開しており、2008年に誕生した中国の「上海環球金融中心」をはじめとして、現在、インドネシアのジャカルタでも市を代表する新たなランドマークとなるプロジェクトを進めています。
──地方勤務は?
基本的にはありません。上海やジャカルタ、シンガポールにも拠点はありますが、ほとんどが東京勤務となります。
──受けに来る学生は首都圏ばかり?
そうでもありません。社内にも九州や関西、東北、北海道の大学出身者がたくさんいますし、地方からの学生も意外に多くいます。むしろ働くのであれば東京で、と思っている学生にとっては、勤務地が都心のど真ん中である当社は魅力に感じるようです。
森ビル
「森ビルらしさ」伝えるDNA研修
■社風
──ズバリ、どんな会社ですか。
六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズなど都市を象徴するプロジェクトを手がける街づくりの会社です。
森ビルは、「国際都市間競争に勝たなければ日本全体が沈んでしまう。その戦いを勝ち抜くためには磁力ある都市づくりが必要」だと長年にわたって訴えてきました。「都市はどうあるべきか?」ということを絶えず考え続けてきた森ビルがつくりあげてきたのが、ヒルズシリーズです。
そのヒルズの未来形として新たに誕生するのが、2019年8月に着工した「虎ノ門・麻布台プロジェクト」です。「Modern Urban Village」をコンセプトに、一般的な開発手法とはまったく逆のアプローチで、まず広大な中央広場を街の中心に据え、オフィス、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、商業施設、文化施設など、多様な都市機能を高度に融合させています。
――新しいことが好き?
もともと森ビルには、既成概念を打ち破り、常に新しいことにチャレンジする企業風土があります。都市づくりのトップランナーとしてイノベーションを起こし、自らの手で未来を切り開いてきました。森ビルが最初に挑戦したもので、現在世の中のスタンダードとなっているものもたくさんあります。
こうした「森ビルらしさ」「森ビルのDNA」を少しでも学生に伝えたいと思っています。
──深野さんはDNAに共感したから入社したのですか。
はい。理念やビジョンがしっかりしている点にひかれましたし、そのために新しい挑戦をし続けていることも魅力的でした。現在も、ヒルズを舞台に様々な実証実験も進めていて、非常に幅広い分野でトップランナーたちと手を組んで研究をしています。
──ビジョンや理念は研修で教育するんですか。
組織として「森ビルらしさ」を強化していくことは非常に重要です。会社説明会といった場で入社前から理解を深めてもらっていますし、入社後も「社長講話」や「社長コラム」など、トップ自らが情報発信する機会も多々あります。
研修としては、森ビルの理念を伝えるDNA研修という位置づけで、様々な機会を設けています。1年目には「事例演習」という研修を数カ月かけて行っています。実際の敷地を題材にグループごとに一つのプロジェクトをつくりあげる研修で、商品企画から採算計算、管理計画まで行い、最後は、社員の前で発表して採点もされます。このほか、ビル管理の現場を2週間かけて体験する「ビル実習」や地域のお祭りに参加する「祭礼研修」等、1年間を通じて学び、成長する機会を設けています。
――DNA研修はその後も?
DNA研修の一つである「街育(まちいく)研修」は、入社3年目の夏休みに六本木の街の魅力や裏側を紹介するツアーを運営するもので、子どもから大人まで幅広い年齢層の一般の人に向けてそれぞれのチームが工夫を凝らしたツアーを企画・運営します。子どもからの素朴な疑問にも、森ビルの代表として答えなければならないので、会社や街のことを一生懸命に調べることになります。普段は現場の業務が中心になっている社員の学び直しの場にもなっています。ほかにも、入社4年目向けの「若手社員よ!社長と語ろう」という企画もあり、社長と社員がお酒を飲みながらコミュニケーションをとって、経営者の問題意識や関心事を自ら社員にダイレクトに伝えています。
──ズバリ、どんな会社ですか。
六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズなど都市を象徴するプロジェクトを手がける街づくりの会社です。
森ビルは、「国際都市間競争に勝たなければ日本全体が沈んでしまう。その戦いを勝ち抜くためには磁力ある都市づくりが必要」だと長年にわたって訴えてきました。「都市はどうあるべきか?」ということを絶えず考え続けてきた森ビルがつくりあげてきたのが、ヒルズシリーズです。
そのヒルズの未来形として新たに誕生するのが、2019年8月に着工した「虎ノ門・麻布台プロジェクト」です。「Modern Urban Village」をコンセプトに、一般的な開発手法とはまったく逆のアプローチで、まず広大な中央広場を街の中心に据え、オフィス、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、商業施設、文化施設など、多様な都市機能を高度に融合させています。
――新しいことが好き?
もともと森ビルには、既成概念を打ち破り、常に新しいことにチャレンジする企業風土があります。都市づくりのトップランナーとしてイノベーションを起こし、自らの手で未来を切り開いてきました。森ビルが最初に挑戦したもので、現在世の中のスタンダードとなっているものもたくさんあります。
こうした「森ビルらしさ」「森ビルのDNA」を少しでも学生に伝えたいと思っています。
──深野さんはDNAに共感したから入社したのですか。
はい。理念やビジョンがしっかりしている点にひかれましたし、そのために新しい挑戦をし続けていることも魅力的でした。現在も、ヒルズを舞台に様々な実証実験も進めていて、非常に幅広い分野でトップランナーたちと手を組んで研究をしています。
──ビジョンや理念は研修で教育するんですか。
組織として「森ビルらしさ」を強化していくことは非常に重要です。会社説明会といった場で入社前から理解を深めてもらっていますし、入社後も「社長講話」や「社長コラム」など、トップ自らが情報発信する機会も多々あります。
研修としては、森ビルの理念を伝えるDNA研修という位置づけで、様々な機会を設けています。1年目には「事例演習」という研修を数カ月かけて行っています。実際の敷地を題材にグループごとに一つのプロジェクトをつくりあげる研修で、商品企画から採算計算、管理計画まで行い、最後は、社員の前で発表して採点もされます。このほか、ビル管理の現場を2週間かけて体験する「ビル実習」や地域のお祭りに参加する「祭礼研修」等、1年間を通じて学び、成長する機会を設けています。
――DNA研修はその後も?
DNA研修の一つである「街育(まちいく)研修」は、入社3年目の夏休みに六本木の街の魅力や裏側を紹介するツアーを運営するもので、子どもから大人まで幅広い年齢層の一般の人に向けてそれぞれのチームが工夫を凝らしたツアーを企画・運営します。子どもからの素朴な疑問にも、森ビルの代表として答えなければならないので、会社や街のことを一生懸命に調べることになります。普段は現場の業務が中心になっている社員の学び直しの場にもなっています。ほかにも、入社4年目向けの「若手社員よ!社長と語ろう」という企画もあり、社長と社員がお酒を飲みながらコミュニケーションをとって、経営者の問題意識や関心事を自ら社員にダイレクトに伝えています。
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2024/11/22 更新
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