人事のホンネ

森ビル

2021シーズン⑦ 森ビル《前編》
「都市を創り、育む」を一気通貫で 理念知り社員に接して!

人事部 チームリーダー 深野有紀(ふかの・ゆき)さん

2019年11月13日

 人気企業の採用担当者に直撃インタビューする「人事のホンネ」の2021シーズン第7弾は、森ビルです。六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズと、東京の街を新しくつくりかえる会社。どんな仕事があって、どんな学生を求めているのでしょう。社員に直接会うのがポイントのようです。(編集長・木之本敬介)

■採用数
 ──2020年卒の採用はいかがでしたか。
 学生の注目度も高くなってきて、優秀な学生が受けてくれたと感じています。多様なバックグラウンドを持つ学生が多く、理系・文系もバランスよく採用できました。都市づくりの仕事は非常に幅が広く、たくさんの方を巻き込んで共に推進する仕事ですので、多様なタイプの人材が必要となります。そういった意味でも個性的なメンバーがそろってくれたことは嬉しいことです。
 内定者数は、「総合職」は34人(文系20人、理系14人)で、男性が21人、女性13人。「ビルマネジメント職」は6人、基本的に理系で、男性5人、女性1人です。

 ──2019年春の入社人数を教えてください。
 総合職が32人、ビルマネジメント職が6人です。男女は総合職が男性22人、女性10人。ビルマネジメント職は男性5人、女性1人でした。毎年大きくは変わっていません。来年も総合職が30人程度、ビルマネジメント職が5人程度で予定しています。

 ──理系は建築学科が多いのですか。
 建築学科とは限らず幅広い人材を採用しています。ただ、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズをはじめ、都市のランドマークとなるプロジェクトを手がけているので、建築や都市計画を学んでいる学生に身近な存在だとは思います。森ビルには設計部があり、初期の検討などから基本設計、実施設計を手がけるほか、外部のデザイナーや組織設計事務所ともやりとりしながらプロジェクトを進めていて、一級建築士も多数在籍しています。ディベロッパーの中でも設計部が社内にある企業は珍しく、発注者の立場で都市づくりに関わることができる点からも、建築学科の学生には魅力があると思います。
 最近は多様化して電子工学科、ロボット工学、生物工学のほか、メディアアートを学んでいる学生もいます。当社の都市づくりの事業領域も広がっていますし、実証実験などさまざまな新しい取り組みもスタートしているので、理系の学生が活躍するフィールドはどんどん広がっています。

六本木ヒルズは日々進化する“磁力”ある街

■事業内容と職種
 ──事業紹介を見ると、開発、営業、設計などのほかに「タウンマネジメント」があります。どんな仕事ですか。
 「タウンマネジメント」は、まさに森ビルらしい都市づくりに欠かせない事業です。当社は、確固たるビジョンのもと、「都市を創り、都市を育む」という仕事を一気通貫で行ってきており「育む」部分を担うのがタウンマネジメントです。ただ、学生にはなかなかイメージしづらいので、幅広い仕事をどうやって伝えるかが課題です。
 たとえば六本木ヒルズであれば、クリスマスイルミネーションやハロウィーンパレード、夏祭りなど、年間を通じていろいろなイベントが開かれますが、こうしたイベントもタダではできません。街のブランディングを確立し、それによって街への協賛やメディア化といった収益構造を築き、街自身が自分で稼げる仕組みをつくっています。日々進化し人々をひきつける“磁力”ある街にする取り組みです。その結果、六本木ヒルズには毎年約4000万人もの来街者が訪れています。
 不動産会社というとハード面の印象が強いかもしれませんが、ソフト面の「タウンマネジメント」とハード面の「ティベロップメント」の両輪がそろってはじめて都市の力が発揮されるんです。

 ──イベントの企画運営やソフト事業まであるんですね。
 六本木ヒルズができるまでは「タウンマネジメント」という言葉は今のような使われ方はしていませんでした。最近は六本木ヒルズをモデルとして、街にはにぎわいがあって人々をひきつけ続けることが大切だという考え方が広がってきたこともあって、こうした取り組みをする街が増えてきましたね。

 ──東京・お台場のデジタルアートミュージアムも森ビルが仕掛けた?
 「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless(森ビル デジタルアート ミュージアム エプソン チームラボ ボーダレス)」は、森ビルがチームラボと一緒に企画し、共同で運営しています。森ビルは、六本木ヒルズに森美術館、アークヒルズにサントリーホールというように、都市にアートや文化を取り込んできました。その流れの中で、「世界中の人をひきつける文化施設を東京につくるべきだ」という想いのもと、誕生した施設です。
 我々が手がける「文化」事業は、森美術館をはじめとする文化施設での展覧会の企画・運営のほか、森アーツセンターにあるアカデミーヒルズでのカンファレンスやイベントの開催、ライブラリー・会員制クラブの運営など、幅広いのが特徴です。

 ──「ビルマネジメント職」はなぜ別に採用するのですか。
 幅広い事業領域をもつ森ビルの仕事の中で、ビルマネジメント職はオフィス・マンション・商業施設などの管理運営を専門とする職種です。当社が、ビルマネジメントに取り組むのは、50年後、100年後も安全・安心な都市を育てる責任があるからです。その最前線を現場で担うのがビルマネジメント職の仕事。他のディベロッパーでは、別会社をつくるところが多いのですが、当社ではそれが社内にあるのが強みです。

 ──なぜ別会社にせず社内に?
 管理運営の現場はお客様に一番近いので、そこからのフィードバックが次の都市づくりにいかされます。現場で培ったノウハウを発信し、開発計画に反映させることで、都市に住み、働き、憩い、遊び、学ぶ人々の「安全・安心」を確実に確保し、快適に過ごせる施設づくりができます。開発から運営、ハードからソフトまで、街の計画に関わることこそ、森ビルが実行する現場密着型の「直轄統括管理」の醍醐味と言えます。