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(前編はこちら)
■インターンシップ
──インターンシップについて教えてください。
8月末からオンラインで実施しました。前年比2倍くらいの応募があり、書類選考と人事部のオンライン面談で参加者を決めました。コロナ禍で不安だし、早めに準備しておこうという学生が多いのでしょう。オンラインになったことで参加のハードルが下がったこともあると思います。学事日程に縛られず、授業の合間でも受けられますから。
──どんな内容ですか。
2コースあり、5日間の「フィールドコース」は学生同士のグループワークやコミュニケーションがメインです。社員もメンターとして入って、最終的には幹部社員に提案してもらいます。もう一つは2週間の「スキルコース」。社員と完全に1対1で実習をします。実際に手を動かしてプロダクト開発をしてもらいます。
──2021年卒生向けでは、インターン参加者向けの限定セミナーなどはありましたか。
インターン後にフォローアップイベントを実施しました。2022年卒生向けでも、参加した学生に「富士通のインターンに参加してよかった」と思ってもらえる仕組み作りをしたいと思っています。
■ES
──2021年卒採用のエントリーシート(ES)はどんな内容でしたか。
基本情報に加え、希望職種は SE、営業といった職種を第1から第3希望まで聞き、職種約束コースの場合は志望理由も確認します(200~400文字以内)。その後に「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」(400~600字位内)を三つ、「自分のなかで自信を持ってやり遂げたこと」(400~600字位内)、「富士通のなかで挑戦したいこと」(400~600字以内)などを書いてもらいます。
──たくさん書かせますね。
学生の口コミも見ますが、「富士通はESが重たい」と書かれています(笑)。面接で聞けることは限られているので、事前の情報は多いほどいい。先入観にならない程度に、学生のバイタリティーやバックグラウンドが見えるのはきわめて大事なんです。
──とくに重視するのは?
求める人物像は「未知なるものに対して、楽しんで取り組むことができる人」「志を持って、挑戦・探求し続けることができる人」「困難なことに対して、最後までやり遂げることができる人」の三つです。これまでの経験を通して、富士通の求める人材にフィットしているか、適性があるかを見ます。
これに加え、DX企業へ変革する中で、「自律性」という観点は今後さらに重要度が増すと思います。
──ガクチカを三つも書くのは大変です。サークルやアルバイトの話が多いと思いますが、似通った経験の中でどこがポイントになりますか。
私個人の判断基準ですが、自分が主体的に動いたか、さらに周りを巻き込んで動けていたか、目先のことだけでなくどういう人たちに対しどういう思いを持って行動したのか――。背景に軸がある学生はしっかりしています。また、成長過程や経験を自分の中で理解し、次につなげる意識を持てているかも非常に重要だと思います。たとえば「留学前は〇〇だったけれども、留学後は〇〇になった」といったことですね。
──こんな学生がいたという例は?
データサイエンス領域の学生で、大手企業と共同研究しつつ、ベンチャー企業で社会人に統計学や深層学習の講義をしたり、自分の研究室の後輩に指導したりしている学生がいました。いろんな経験から吸収している学生はとても優秀でコミュニケーション力も高いので、ぜひ富士通に来てもらいたい、と思いました。
──適性検査では何を見ますか。
基礎学力やスキルレベルはもちろんですが、たとえばプレッシャーへの対応が弱いという結果だったとすると、これまでの経験でプレッシャーにどう対処してきたのか、会社で同じような場面に陥ったときの耐性が備わっているかなどを面接で確認します。…続きを読む