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(前編はこちら)
■面接
――グループディスカッション(GD)は行いますか。
はい。テーマは申し上げられませんが、事前の知識にあまり左右されないような内容になっています。都市づくりは多くの人々や企業、行政を巻き込んでいかなければなりません。こうした人々を導き、共感と信頼を得て協働できて初めて成就する仕事です。間接的ではありますが、GDを通じて私たちの仕事に対する姿勢について感じてもらえる機会になれば嬉しいです。
──面接はどんな形式ですか。
面接は複数回行っており、現場の社員や部課長、最終面接は役員も参加して行います。
──ポイントは?
求める人材像という意味では、変化が激しく未来の予測が困難な時代の中で、新しいことや難しいことに挑戦でき、強力に事業を推進していくことのできる「強い個」が必要だと考えています。
とくに、我々が推進する都市づくりの領域は非常に幅広く、さまざまな個性や才能が必要です。こうした「強い個」をまとめ、プロジェクトを推進していくためには、多様な価値観を尊重しながら、他者と協働して推進していく力が必要で、我々はそれを「ダイバーシティ受容力」と呼んでいます。そのうえで、熱意をもち、それを行動に移すことができる「熱量」、さらに、既存の枠にとらわれず、問題意識を持ち、自ら課題設定をして、課題解決に向けて具体的な行動を起こすことができる「課題設定力」が欠かせないと考えています。
──面接でニュースについては聞きますか。
面接官次第ですが、直接的に聞くことはなかったとしても、新聞を読み、世の中にアンテナを張って、自分の意見を持つことは大切なので、ぜひ学生にはニュースを欠かさずチェックしてほしいですね。
■東京と地方
──東京以外での事業展開は?
学生にもよく聞かれるのですが、森ビルは、都市づくりの分野で長年蓄積してきたノウハウを活用し、東京だけではなく地方都市活性化のお手伝いもグループ会社を通じて行っています。
たとえば、香川県の「丸亀町グリーン」や愛媛県の「アエル松山」などの再開発プロジェクトがあり、それぞれの土地に根ざした文脈や潜在力をいかしつつ、新たな機能を備えた街づくりを推進することで、地方都市の活性化に貢献していると自負しています。
海外でもプロジェクトを展開しており、2008年に誕生した中国の「上海環球金融中心」をはじめとして、現在、インドネシアのジャカルタでも市を代表する新たなランドマークとなるプロジェクトを進めています。
──地方勤務は?
基本的にはありません。上海やジャカルタ、シンガポールにも拠点はありますが、ほとんどが東京勤務となります。
──受けに来る学生は首都圏ばかり?
そうでもありません。社内にも九州や関西、東北、北海道の大学出身者がたくさんいますし、地方からの学生も意外に多くいます。むしろ働くのであれば東京で、と思っている学生にとっては、勤務地が都心のど真ん中である当社は魅力に感じるようです。…続きを読む