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(前編はこちら)
■面接
──面接の方法は?
植田 序盤の面接は40~50分のグループ面接です。
──なぜグループ面接を? 個人面接のほうがじっくり見られますよね。
植田 多くの人と協働で仕事をするのが当社のビジネスですので、集団の中で特性を見極める必要があります。
小竹 終盤の面接では、全事業本部の部長と人事部長が出席するので、内定者にとっては自信になるようです。全事業本部の人が見てOKしてもらえたんだと。
──学生は面接に向けて準備をしてきます。大事なことは?
植田 学生時代にやってきたことの「感想文」を述べる人が多いのですが、面接は自己表現の場。1人あたり10分~15分しかない面接では、自分の何を知ってもらいたいのかを吟味せねばなりません。表面的なものではなく、それぞれが持っている強みや特性を分析し、企業の求める人物像と照らし合わせ、なぜ商社なのか、なぜ当社なのかを、論理的かつ情熱的に伝えてほしいと思います。
小竹 もちろん、人間同士なのでフィーリングの部分もあります。私も受けたとき、この会社が一番自分らしくいられる気がしました。面接で準備してくるのはいいけれど、猫をかぶって自分を取り繕ってくる人がいるので、「それはしないでね」と伝えています。
植田 TPO(時間や場所にふさわしい対応)はしっかりしてもらいたいですが、自分を就活用に取り繕い内定だけを目指す、つまり、その先の「働く」ことを忘れている人がいます。そうではなく、素直にありのままで、納得いかなければ面接でも「それは違うと思います」と言ってくれる学生のほうがいいですね。僕は、取り繕って鎧(よろい)を着た人が面接に来ると、まずそれをはがせるような(その人の素が見られるような)質問をしていきます。
──どうやってはがすのですか。
植田 「○○をしました」と言ったら、「どうしてやろうと思ったの?」「いつも○○をしているの?」とその人の本質にアプローチする質問をして、素に近い状態を探ります 。また、「本当はこういう方じゃないのかな?」という予想を立て、質問を通じて仮説検証をしていくこともあります。
──「求める人物像」は?
植田 平たく言えば「コミュニケーション能力」「バイタリティ」「課題発見・解決能力」といったところではないでしょうか。社員に何人か会えば、おぼろげながらそれぞれの会社の「軸」は見えてくると思います。他の商社とも交流がありますが、会社によって社風というか、カラーが違うなぁと感じることがあります。 当社は比較的ざっくばらんでフランクかなと思います。会社の看板ではなく、自分の中身で商売をしている人が多い印象ですね。ですので、商社において求める人物像を探るうえでは、“人”に会うことも重要なことの一つかと思います。…続きを読む