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(前編はこちら)
■エントリーシート
──2019年卒採用のエントリーシート(ES)はどんな内容?
WEB上で学生に入力してもらう形式で、履歴書的な内容とリーダーシップ経験を400字で書いてもらいました。今回、内容を大きく変え、実質的な質問はこれだけなので、入力の負担はそれほどないと思います。
──項目数や文字数をかなり減らしたんですね。
以前は「志望動機」「学生時代に力を入れたこと」も書いてもらっていました。金融激変の今、金融機関とお客さまは究極のベストパートナーとしてやっていかなければなりません。全社員共通の行動軸である「お客さま第一」をしっかりやっていくには、変革意欲とリーダーシップの素養が必要です。
――リーダーシップの素養とは?
失敗を恐れず困難な問題に立ち向かう強い当事者意識や、既成概念にとらわれず自ら考え決断し行動する力、周囲に働きかけてやり抜く力です。
リーダーシップというと「サークルで長をやった」「体育会で部長をやった」と、「長」をしていないと発揮できないと考える人がいますが、そうではありません。メンバーの一員であっても、問題意識を持って「こうあるべきだ」と発信し組織を変えていくことができます。そうした経験や素養を全員に問うために、シンプルに「リーダーシップを発揮した経験を教えてください」としています。
──志望動機欄をなくした理由は?
学生は、セミナーや社員の話を聞くうちに「みずほで働きたい」という気持ちが高まるものだと思います。ESを書く段階で志望動機がピシッと固まっているのは、むしろどうかなと。
──職種・コースが細分化され、しかもカタカナだらけで難しいですね。
学生の理解度は100点ではないと思いますが、メッセ→フォーラム→エクスペリエンスなどのさまざまなイベント・セミナーを順序だてて開催することで理解を深められるように工夫しています。
我々が「インタビュー」と呼ぶ面接の中でも学生からの質問に答えたり、みずほのビジネスについて説明したりする時間があるので、事業理解は深まると思います。
■面接
──インタビューは何回?
おおむね4~6回です。インターンの選考ではグループディスカッション(GD)もしますが、本番の選考はすべて1対1の個人面接で30分から40分間です。求める人物像に合致しているかどうかを最も重視します。
──なぜ「インタビュー」と?
学生と我々が対等だと思っているからです。学生にとっては一生をかける場。我々も、みずほのビジネスを一緒に創りあげる仲間を探すのに真剣です。我々は学生の良いところを引き出し、学生もみずほのビジネスを聞き出す場です。
「最後に質問は?」と聞く逆質問もあるし、学生の話に応じて社員が話す場合もあります。みずほへの理解が浅いと感じてどんどん説明することもあります。
──1対1にこだわる理由は?
多様な学生がいますし、いろいろな社員の目を通して選びたい。社員側が多くなると、見極める要素が強くなります。反対に学生が多くなると、一人ひとりの話を引き出せず表面的な話にとどまってしまいます。
──面接でニュースについて聞きますか。
はい。それで評価したりはしませんが、ニュースには関心を持っていてほしい。世の中で起きていることへの問題意識を学生時代に取り組んだ経験に絡めて話す学生にはとても魅力を感じます。
──求める人材が変わって、競合他社に変化は?
採用で競合するのは主に金融、商社、コンサルです。金融ではメガバンクはもちろん、証券、損保、生保も。近年は理系の学生にアプローチしているので、メーカーやスタートアップとの競合が増えました。金融のビジネス自体が変わってきているから起きる現象だと思います。…続きを読む