住友生命保険相互会社
2015シーズン【第4回 住友生命】
人と共に人のために働ける人求める 泥臭い努力の経験聞かせて
住友生命 人事部人事室 次長兼室長 香山真(かやま・まこと)さん
2013年11月13日
――2013年度入社と14年度新卒採用の内定者の採用実績を教えてください。
2013年度は、総合職93名(女性14名、大学院卒11名)、一般職57名(全て女性)、総合営業職262名(全て女性)です。14年内定者は、総合職106名(女性16名)、一般職43名(全て女性)、総合営業職252名(全て女性)。毎年だいたい総合職の2割弱が女性です。
――「総合職」「一般職」「総合営業職」の仕事内容はどう違うのですか。
「総合職」は企画、営業、営業管理、資産運用など生保ビジネスの幅広いフィールドでプロフェッショナルとして活躍する職種で、転居を伴う異動もあります。
「一般職」は専門性の高い職種で、主に生命保険に関わる広範な事務手続きや営業現場のサポートをする仕事です。「総合職」との大きな違いは、転居を伴う異動がないこと。ただし転居を伴わない範囲内の異動はあります。
「総合営業職」は法人営業、主に企業や官公庁相手の職域活動での営業から始めますが、その後、人材を育成するトレーナー(育成職)やマネージャー(営業管理職)、銀行窓口販売など代理店事業の販売サポートをする仕事にキャリアをステップアップしていきます。営業のフィールドの中でいろんな仕事をしていくコースです。「総合職」とほぼ同じような仕事をすることはあっても、職種そのものが変わることはありません。転居を伴う異動はありませんが、地方出身の人を東京や大阪で採用して、3~5年間東京、大阪で勤務した後に、出身地(地元)に戻れるUターン制度もあります。
――生保といえばセールスレディーが思い浮かびますが、具体的にはどんな職種なのですか。
今はセールスレディーではなく「営業職員」と呼んでいます。正社員だが給与に歩合の要素が高い。新卒から入社する人はほとんどいません。何らかのキャリアからの転職や、いったん仕事をやめた主婦がもう一度社会で仕事したいといった理由で入社する。当社では四半期ごとに採用していて、約3万名以上います。うち男性は700名くらい。一部は、「営業職員」をマネジメントする仕事をしています。
――営業が主体の会社ですね。「総合職」というと、一般的には主に営業の仕事だと思いますが、住生では何がメーンですか。
職員が会社全体で4万2000名いて、うち営業職員が3万1000名です。「総合職」は「営業職員」を育成・マネジメントしたり、サポートしたりするのがメーンの仕事。入社以降の教育、スキルアップ研修など営業の指導・支援の仕事が最も多い。自ら営業する仕事では、「ホールセール」という企業保険を扱う仕事と、銀行窓販(まどはん)や取り扱いが増えている保険ショップへの営業があり、営業に絡む仕事が全体の約半分です。営業以外では、お客さまからお預かりした保険料を運用する資産運用部門、商品開発や販売戦略を立案するリテール部門、システム運用部門、契約からお支払いに至るまでの保険契約に絡むサービス部門、人事・総務・経理といったどの会社にもある一般管理部門などの仕事があります。銀行窓販では、4年目以降にキャリアアップしてきた「総合営業職」の人と机を並べて同じ仕事をすることもあります。
――近年の採用人数の傾向は?
例年、総合職は100名前後です。安定的に採用していく方針です。
――総エントリー数はどうでしょう?
プレエントリーは「総合職」で4万5000名くらい。エントリーシートの提出は「総合職」7500名、「一般職」5300名、「総合営業職」6000名ほど。近年少しずつ増えています。より多くの学生の皆さんに会社を見てほしいと思っていて、早い段階から積極的に情報を発信しているのが要因かなと思います。業界の人気も上がっているようです。
――人気上昇の理由は?
社会公共性みたいなものが最近の学生に響いているのかな。ここ数年、「社会に貢献したい」と言う学生が増えています。学生からは「東日本大震災で保険会社が世の中のお役に立っていると感じて興味がわきました」と言われることもあります。企業の安定感もあると思います。それほど浮き沈みが頻繁にあるわけではない。長い目で見たらあるのですが、1年ごとに赤字と黒字を繰り返すということはない。安定した中でこれからも広がりがあり、社会公共性も高いということではないでしょうか。
――「総合職」で男女の違いは?
ないと思いますよ。応募は男女比が7対3ぐらい。女性の中には会社説明会や面接で話すうちに、全国に転勤することがわかって「難しいかな」という人も出てくる。我々が男女で違うトーンで話をしているということはありません。学生にも男女で大きな違いはないと思いますね。女性の応募数は横ばいです。
――「一般職」と「総合営業職」を男子学生が受けに来ることはありますか。
なくはないです。ただ説明会で話を聞き、先輩も女性ばかりという状況を見て、おのずと辞退されるようです。
――「一般職」「総合営業職」は、なぜ女性だけなんですか。
「一般職」に関しては、女性の方が自分のライフイベント、生活設計と合わせて働きやすいと考えるのだと思います。転居を伴う異動はないので「ここで、こういう生活をしていける」と考えやすい。一方で、最終的なキャリアとしてポスト職や上位職に就きたくても、「一般職」は限界があります。男性の場合、生活とのバランスを考えるなかで、自分のキャリアを一定のところまででよいという人がそもそも少ない。昔のようにお茶くみやコピーは女性の仕事ということはないし、女性向けの仕事という訳でもないが、キャリアとして「一般職」は男性にとってイメージしにくいのではないでしょうか。
――「総合職」で応募した女性を「一般職」や「総合営業職」で合格させることはありますか。
併願はできて、それぞれで選考します。こちらが誘導して「こっちの方が向いているよ」と誘導することはありません。
■インターンシップ
――インターンシップは実施していますか。
夏と秋に東京と大阪でそれぞれやっています。計750人、期間は5日間です。中身は、夏は支部長職(営業管理職)の仕事を疑似体験しながら、販売戦略立案や組織のマネジメント、どうやったら売り上げが伸びるかというワーク、秋は10月と11月に新たな保険商品を開発するワークをしています。いま世の中にどんなリスクがあって、どんなニーズがあって、どんな商品を作ったらいいかを考えていく。応募数は定員の倍ぐらい。グループ面談の選考会を行い、そこでグループディスカッションをして、参加者を選考しています。
――インターンシップ参加者に、採用選考での優遇はありますか。
選考とは完全に線引きをしています。結果として、今年の内定者100人のうちの10人強、1割くらいがインターン参加者でした。インターンシップに参加したから人物評価を高めに見ようということはないので、選考において差はありません。ただ、学生の方がインターンシップに参加して色々な職員に会ってその職員に魅かれて、ということはあると思います。
3月にOB・OG面談を重ねて、4月上旬に人事面接、内々定
――2015年新卒採用の大まかな流れと時期、スケジュールを教えてください。
現在、12月からの合同説明会等の準備を進めています。学校内の説明会にも参加します。12月下旬からは自社単独の大型セミナーを開催します。1月には、ホテルのラウンジで女性職員と和やかな雰囲気のなかで話ができる女性向けセミナーも開催します。2月からエントリーシート(ES)を受け付け、その後はOB・OG訪問をご案内しています。その後、グループ面談やWEB適性検査を受けてもらい、それらを踏まえて4月上旬に人事面接をして即時内々定となります。
――OB・OG面談はどんな形式なんですか。
「OB・OGに会わせてほしい」という依頼があればできるだけ紹介していますが、自分から依頼してくる学生はそれほど多くはないですね。それよりも、ESを提出してくれた人にこちらから「先輩に会って話を聞いてみないか」とご案内をしています。大学のOB・OGを中心に当社職員に会ってもらって、こちらから伝えたいことを伝え、学生がどんな人か話を聞かせてもらいます。選考しているというより、当社のことを知ってもらう、学生のことを知るという場になります。当社への志望があるのかどうかを確認したり、どんな学生なのかを、当社職員が面談する中でストックしたりしている感じですね。面談は、基本、職員1対学生1で行っていますが、できる限りたくさんの学生に会うために職員1対学生複数で会うこともあります。学生のニーズになるべく応えられるよう、学生が聞きたい話ができる人を割り当てたりしています。多い学生は4~5回くらいそのような面談を行います。複数の職員が面談した結果、人物評価と志望度等を総合的に見て、その後の人事による選考面接に進めるかどうかを判断しています。
――人事面接後すぐに内々定を出すんですね。
ほとんどの場合、その場ですぐに決めます。人事面接は4月上旬です。人事部の職員が5人くらい、学生も5人くらいの集団面接を1時間くらい行います。人事面接には人事部長が入ります。
――WEB適性検査で足切りするのですか。
総合職はテストセンターで受けてもらっています。よっぽど悪ければここでちょっと……、という場合も。一般的に他社では最初にテストをやって、ある程度選考をしてから面談に入るようですが、当社は人事面接に上がる直前に確認の意味で行っています。なのでWEB適性検査をいわゆる足切りには使っていません。できる限り直接学生に会いたいので、ESやWEB検査でばっさりとは切りません。(エントリーした学生の)8割くらいには直接会っていると思います。
――ESは誰が読むのでしょう?
人事部で手分けして読みます。人事部は東京、大阪合わせて十数人。総合職の応募は東京が6割強、一般職は東京、大阪、半々ですね。
――面談は、何回くらい行っているのですか。
基本的には最低でも2回は面談を行っています。1回だけの人はよっぽどの場合。学生が全く生命保険会社や当社に興味がなかった場合とか。その後も面談を繰り返し、多い学生では4~5回行うこともあります。
――面談を担当する社員の数は?
1500人くらいですね。一人ひとりとの面談にじっくり時間をかけたいので、若手から中堅まで総動員します。
会話のキャッチボールが大事、凝った志望動機は不要
――評価するES、評価しないESは?
素のその人が見えるESがいい。「こんなことやりました」という中にも、その時の感情がしっかり伝わってくるES。悔しかった、嬉しかっただけでなく、どれくらい悔しかったか、どれくらい嬉しかったかが分かると良いですね。我々が読んで、この人の話を聞いてみたいと思えるかどうか。項目としては、学生時代頑張ったこと、志望動機、当社でどういうことをやりたいか、この三つくらいです。地区大会で何位だったとか、事実だけを書いてくる人はとても多いが、それだけだと何も伝わって来ません。そこに込めていた思い、その結果感じた感情などをしっかり書ける人は自己表現が上手だし、共感できるし、会ってみたいなと思います。一方で、誤字脱字があると残念な感じになっちゃいますね。ひどいのは他社名を書いていたり、「貴行は」と銀行あてのものだったり。自分の書いた文章はしっかり読み返してほしいですね。
――面接で見るポイントはどこでしょう?
その人の人間そのもの、人間性を見たい。ESに書いてきたこと、やってきたことはもちろんですが、会った瞬間から、どんな挨拶をするかとか、目を見ながら話すかとか、服の端を触って話すなど、しぐさ一つとっても気になります。人間の総合力を見たいので、会話のキャッチボールをすることで、その人のやってきたことと、そこにくっついてくる思いを掘り下げたい。
3月の面談では「君のこういうところよかったよ」とか「面接の時はここをもう少し意識した方がいい」など、学生に面談内容をフィードバックしています。直せるところは直してあげたいし、何らかのアドバイスになればいい。当社に来るかどうかは別にして、社会人の先輩としてアドバイスするよう、面談する職員に意識してもらっています。
面談する職員はチームで運営していて、「あの学生は、ここがいいよな」「彼は、ピカピカだよね」という情報を共有しています。人事面接は5人で1時間と時間が短いので、こうしたチームの情報も重視しながら、実際に話してみてどうだったかを見ています。
――印象に残っている学生はいますか。
泥臭く努力してきた話ですね。体育会などで運動してきた人でも、ものすごい才能があって結果も出た人だけでなく、才能はなかったが努力してしがみついて頑張ったというような人。例えば大きな大学の野球部の3軍4軍を行ったり来たりするレベルでも、ずっと必死に汗を流してきたとか、そういう中で自分はこうやって貢献できたとか。こういう話は本物だなって思うし印象に残りますよね。
――パターン化された、ありがちな志望理由ってありますか。
「人に役立つことを学生時代にやってきて、喜びを感じたので社会貢献性の高い会社で働きたい」など、表層的な部分で書いている人が多い。間違った話ではないが、どんな会社も社会貢献しているので、生保だからこそできる社会貢献はこうだとか、自分のどういう強みを当社でどう生かせるかとか、踏み込んで書いてほしい。もう少しリアルに当社で働く姿をイメージして何ができるかまで書けるといいと思います。
保険会社はどんな会社か、学生には分かりにくいと思います。メーカーなら、車好きなのでぜひ車に関わりたいなど製品からくる分かりやすさがある。銀行なら学生も利用するので、支店に行ってみたらこんな様子だったと書ける。生命保険は学生にはほとんど接点がないので「なんでそんなに生保に来たいんだ」って逆に僕が不思議に思うほどです。だから、あまり志望理由に凝る必要はない。幅広く見た中で社会貢献性もあるし、先輩職員が生き生きと働いているところに惹かれて、とかでもいいと思う。取って付けたような志望理由を書くより「合同説明会でいろいろ回っていて、たまたま話を聞いてみると、こんな生き生きした人がいて一緒に働きたいと思ったのがきっかけです」の方がいい。「自分がケガをした時にお金がかかり、保険の大切さが身にしみました……」。本当にこういう学生もいるかもしれないが、ちょっと取って付けた感じがすることもあります。
――応募してくる学生に多いタイプと求める人物像を教えてください。
「幅広いフィールドで人の役に立ちたい」という学生や「金融機関を考える中で生保も」という学生が多いですね。あと、学生時代の専門を生かしたいという人より、「これから幅広くいろいろチャレンジしたい」という人が多い。一方で「野心を持って、ギラギラしたタイプ」はそんなに多くないですね。
求めるタイプは、一つは素直に努力ができる人。あとは、人と一緒にする仕事が圧倒的に多いので、他人に共感・感動できる人です。今の学生はすごく素直で、アドバイスをするとすぐにそれを頑張ることができる。「いろんなことにチャレンジしてみました」「素直にやってみました」という人は多いのですが、その中でも本物の努力をしてきた人を採用したい。努力の度合いというか、ほんとに泥臭く努力した学生時代の実績や経験、取り組んだことがある人。やってきたことをつぶさに聞きたい。準備してきたことをバーッと言うのは皆さん上手ですが、我々はなるべく会話でキャッチボールして「その時どう思ったの?」と突っ込んで聞きます。リアルにやっていれば思ったことをすぐ言えると思う。半分以上脚色だと言葉に詰まります。キャッチボールする力も能力。それによって、本当の努力かどうかを見たい。おそらく、当社は、他社より一人ひとりの見極めにかける時間は多いと思います。1時間話そうと思ったら、それなりにお互いに中身がないともたないですからね。
人との関わりが好きな会社 一度話を聞きに来て!
――どんな社風で、内定者や新入社員にはどんな人が多いですか。
「人との関わりが好き」という風土があります。どの職場もそうですね。機械相手の仕事が増える中、極力生身の会話をしようとか、時間外のコミュニケーションとか。そういう話を聞いて志望してくるので、人と関わるのが好きという人が内定者にも多い。社員同士の飲み会も多い会社だと思います。
――「野心があってギラギラ」というタイプは求めていないのですか。
内に秘めたもの、燃える思いは持っていてほしい。ただ、「人を蹴落としても」という意味での野心はまったくいらないし、組織でやっていく仕事なので「自分だけよければ」という人はうまくいかないですね。「誰それに勝ちたい」というような、人との相対比較の中で目標を持っている人はあまりいないし、求めていません。ただ自己実現として「こんなことを仕事を通じてやりたい」という目標は持っていてほしい。例えば「保険業界はこうなっていけばいいのに」という考えを持っている人は大歓迎です。
――時代の変わり目ですし、商社をはじめとして、多少あつれきがあってもベンチャー的な気質を持った人を採用したいという会社が多いようですが。
1人で何か新しいことをするのはなかなか難しい業界だと思います。そういった意味で商社さんなどとはちょっと違う。仕事はできるけど、周りとうまく調和できないという人は、あまりなじまないですね。
――同業他社との違いは。
他社を見たうえで当社に決めた学生は「会った人の魅力」だと言います。「自分に対してここまで親身になって一緒に考えてくれるスタンスが、会社全体の風土なのかなと思って決めた」と。学生の目線で寄り添ってあげる、フィードバックなどで学生の役に立ちたい、何か彼らのプラスになれないかと考えている。「温かみがある」とよく学生から言われます。他社より人間的な温かみが強いと私も感じています。人と人とのつながりをキーワードとして大切にしていることが現れていると思います。
――「第一志望ですか」という質問をしますか。
もちろんします。他にどういう企業を見ているか聞き、その中で当社が入りたい会社の一つだという確認と合わせて、第一志望かどうかを聞きますね。本心かどうかは正直見抜けませんが。最終段階で「決められません」という正直な人もいました。こちらは、当社が第一志望だということが内々定を出せる条件だと言います。「決められないなら、まだ内々定は出せない。他を見たいのなら君の満足が行くまで見なさい。後日当社がまだ内々定を出す段階だったら、もう1回考えられるかもしれない」と。レアケースですけどね。
中には、決断を迫ることで「ここに決めよう」と踏ん切りがつくこともある。そういう風に聞いてあげること、言わせてあげることも必要なのかなと思います。
――内定者が競合する会社は。
生保、銀行、損保と、金融機関が多い。銀行や損保との併願には違和感はない。ただ、学生に私が言いたいのは、金融機関しか見ないのはやめた方がいいということ。メーカーなど他の業界も見て、金融機関がほんとに魅力的なのかどうか判断してほしいし、同じ金融機関の中でも銀行、生保、損保でそれぞれ特色があるので、いろいろ見てもらった方がいい。生保業界だけ3社4社回っている学生には、むしろ「他も見ろ!」と言っています。
■研修、配属、やりがい
――研修制度について教えてください。
総合職は入社後3カ月半の集合研修をしています。研修所で基本的な生命保険の仕組みやビジネスマナー、OAスキルなどを学ぶほか、お客さまを実際に訪問する経験をしてから配属されます。その後1年に1回くらいの追研修で5年目くらいまで研修をしています。
――総合職の配属は。
全国に支社・事業部が約90あります。各都道府県に一つはあり、東京や大阪など大都市には複数あります。総合職の最初の配属は、原則、全国の支社・事業部に1人ずつです。2年半から3年同じ支社・事業部で働いたあと、本社に配属になり、その後はそれぞれのキャリアを歩んでいきます。入社して最初の配属希望地は一応聞きますが、その通りになるとは限りません(笑)。
一般職の配属は、首都圏なら東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県までですね。関西は、大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山となります。
それとは別に総合職には「アクチュアリー」という保険数理のプロコースがあり、「アクチュアリー」として採用された場合は、最初から本社の配属になります。年に6~7人、理系の学生が中心で、数学に関して極めて高い能力を持った人を採用しています。
――生保の仕事のやりがいと厳しさを教えてください。
誰かの役に立っていくのがやりがいです。直接的にお客さまのため、または間接的でも実際にお客さまのために働いている営業職員を支えながら、その先にいるお客さまを守っていく。会社としては、お預かりした保険料の中から困ったことが起きた人に保険金をお支払いするのが存在意義、存在の目的です。営業職員を支援・指導していく中で「お客さまにありがとうって言われた。これも○○さんのおかげです」と言われるなど、お役に立てたと思う時がやりがいだと思う。社内でももっとお客さまの声を共有しよう、褒め合う風土を育てようという目的で、「いいねカード」というものがあり、「ありがとう」「素晴らしい」と感じたときに、その人にこのカードを渡す取り組みをしています。お客さまからの感謝の声の共有や、誰かの役に立ったと感じられるような機会を増やしているところです。
一方で厳しい面もたくさんあります。顕著に表れるのは営業の現場。生命保険商品は、お客さまの方から「売ってほしい」と言ってもらえる商品ではないので、どうやってお客さまに理解してもらい、ご加入いただき、その後も続けてもらえるか。苦労している営業職員をリードしたり支えたりする仕事は非常に大変です。ただ大変な仕事を一緒にやっているという連帯感みたいなものも、うちの会社の魅力の一つです。
――かなり年上の営業職員を指導するということもあるのでしょうね。
ベテランの営業職員に指導と言うのはおこがましいが、支援、支えるということですね。若くして組織を束ねていく仕事ができることは、当社の仕事のダイナミックなところの一つだと思います。総合職として入社後、5年目くらいから組織の長(支部長)として仕事をする職員も出てきます。20代後半から組織のマネジメントの仕事をしていくわけです。親より上の世代を含む営業職員20~30人を日々指導、マネジメントしていく仕事です。若手職員にとって大きな成長の機会になりますし、若いリーダーが各組織で活躍するというのは、会社が発展していく原動力にもなります。
――地方の学生を採用したいという思いは?
地方の大学からも継続して積極的に採用したいと考えているが、現実問題として全国全ての大学を回ることはできない。学生の地元志向が強くなり、難しくなっている気がします。例えば、名古屋大学の学生だったら中京圏の企業で働きたいとか。
■香山さんの仕事について
――なぜこの会社を志望したのですか?
最初から保険会社に絞り込んでいた訳ではありません。私は理系で、専攻の中で予防医学的な分野を勉強していました。生活習慣病の発生原因とか確率とか。予防医学や健康に関わる仕事は何があるか、メーカーも含めていくつかの会社を調べると、病気になる確率を踏まえてリスクヘッジするための商品として生命保険があると知りました。やってきたこととつながりがあると思いOB訪問すると、バブル時代だったので資産運用で何百億円ものお金を動かしている先輩が出てきた。「なんだ、この世界は」とカッコよさを感じる一方、自分に何ができるかわからないけど、こういう先輩たちと一緒に仕事をできたら、毎日忙しくて大変だけど面白いだろうなと思って志望しました。他業界や公務員も考えていましたが、いつしか生命保険会社が第一志望になっていました。他の保険会社も受けましたが、一緒に働きたいと思った人が「うちに来い」と言ってくれたので、最後は人の縁で決めました。
――これまでの仕事の経歴と印象に残っている仕事を教えてください。
支社の仕事と本社の一般管理の仕事を行ったり来たりしています。支社は3回、本社は経理部や人事部などが長い。入社5年目頃、本社の経理部にいたとき、決算の様式について他の会社と業界基準を作ることになり、そこに行かせてもらった。他社は10年目以上の人が来ている中で僕が断トツで若く気後れしましたが、当時の上司に「とにかくやってこい」と送り出され、若気の至りの怖いもの知らずで他社の大先輩に「僕はこう思います」とやり合った。自分が一人前になっていく、背伸びして頑張れているような感覚が持てたので、その後、自分が先輩になったとき、若い人に仕事を早く経験させてやりたいと思うきっかけになりました。
長野、千葉の柏、新宿など配属になった先々で、その都度尊敬できる上司と出会えたのが一番の財産です。真正面から自分のことを見て、叱るときは叱り、楽しく飲みに連れて行ってくれました。
――東日本大震災では、保険会社も大変だったと思います。
東日本大震災では、当社は「お客さまが困った時こそ、迅速に保険金を支払うのが保険会社の責務である」という考えのもと、約款上の規程を適用せずに災害保険金等の全額支払いを決定しました。その後、他社も同様に支払いを決めましたが、どこよりも早く自分たちの判断で支払いを決めた会社だというのも我々の誇りです。被災地の方だけでなく、その判断を褒めてくださった外部の方もたくさんいます。お客さまのためになってはじめて生命保険会社の意義がある。生命保険会社としてもお役に立てて良かったと思います。
みなさんに一言!
自分をしっかり出した就職活動をしてください。内定はゴールではない。ゴールであれば、人マネでもマニュアルに頼ってもたどり着けばよいが、実際の就活は自分の足で歩んでいくスタートに立つための活動です。自分を出し、会社で働いている人とぶつかり合って、ここで働きたいと思えるような就職活動をしてほしいです。その中で自分をちょっと背伸びさせてもいいと思います。何かで武装しまくるのは困るが、まるっきり素のままだと、この人は自分をより高めていこうと思っていないのかなと思ってしまいます。自分が今できる目一杯の背伸びをした姿を見せてほしい。ここが限界だと思っていた人がぎりぎりのところまで頑張ると、少しずつハードルが上がり、限界点が上がっていきます。会社に入ってから自分の限界に挑戦し続けられる人かどうかを面接では見たいです。学生時代に頑張ってきたことも聞きたいが、こんなことをやりたいという社会に出てからの夢もぜひ語ってください。
住友生命保険相互会社
【銀行・証券・保険】
「理想の会社を創ろう。」この創業の決意から住友生命は生まれました。 それから百年の時を超えて、「住友」の信頼と「お客さまの人生を守る」という使命感をもって歩みを続け、業界の常識に縛られることなく、革新を続けてきました。2011年より新たに「あなたの未来を強くする」というコーポレートメッセージを掲げ、真のお客さま中心主義を追求していくために、商品、サービス、営業スタイルなどお客さまとのあらゆる接点を刷新しています。私たちはもう一度、将来に向かって新しい「理想の会社」づくりを始めています。
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