
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
PPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)〈前編〉
「権限委譲」「失敗を許容する」社風が根付く会社【人事のホンネ】
株式会社PPIH 人財本部 リクルーティングマネジメント部 新卒採用課 篠原一平(しのはら・いっぺい)さん
2025年03月05日

基本はリテール部門で採用
■2025年卒採用について
──PPIHは「ドン・キホーテ」や総合スーパーの「ユニー」を運営していますが、採用は一括で行っていますか。
両社の採用の入り口はわけていますが、会社全体として採用を進める流れですので、採用方法は同じです。両社間での異動も普通にあります。今、ちょうどPMI(Post Merger Integration)が進んでいて、営業の現場だけではなく間接部門も統合し、PPIH全体として運営していく形にしようとしています。
──2025年卒の入社予定者は何人ぐらいですか。
PPIH全体、ドン・キホーテ、ユニーを合わせて、現時点で約300人入社する予定です。
──ここ数年で、採用人数はどのように変化していますか。
採用人数自体に関しては大きく変化はなく、例年通りの人数にご入社いただいています。例えば、コロナ禍で他業界の採用数が少なかったときはこちらにエントリーする学生は確かに多かったのですが、採用数に関しては大きく変化はありません。
──2025年卒の総合職は、どういった部門で採用していますか。
基本的にはリテール部門、総合職になります。まずは営業現場の最前線を知っていただき、その後一人一人が思い描くキャリアに対して、主体的に進んでいきます。
──内々定はいつぐらいに出されましたか。
2025年卒ですと、内々定は2024年1月の後半から2月の上旬です。2026年卒は2024年12月初旬から出しています。ただ、早くなったからいいというものではなく、我々としては学生に多種多様な選択肢を持ってほしいと思っているということです。早ければ早いほどいい、ということもございません。
──PPIHは「ドン・キホーテ」や総合スーパーの「ユニー」を運営していますが、採用は一括で行っていますか。
両社の採用の入り口はわけていますが、会社全体として採用を進める流れですので、採用方法は同じです。両社間での異動も普通にあります。今、ちょうどPMI(Post Merger Integration)が進んでいて、営業の現場だけではなく間接部門も統合し、PPIH全体として運営していく形にしようとしています。
──2025年卒の入社予定者は何人ぐらいですか。
PPIH全体、ドン・キホーテ、ユニーを合わせて、現時点で約300人入社する予定です。
──ここ数年で、採用人数はどのように変化していますか。
採用人数自体に関しては大きく変化はなく、例年通りの人数にご入社いただいています。例えば、コロナ禍で他業界の採用数が少なかったときはこちらにエントリーする学生は確かに多かったのですが、採用数に関しては大きく変化はありません。
──2025年卒の総合職は、どういった部門で採用していますか。
基本的にはリテール部門、総合職になります。まずは営業現場の最前線を知っていただき、その後一人一人が思い描くキャリアに対して、主体的に進んでいきます。
──内々定はいつぐらいに出されましたか。
2025年卒ですと、内々定は2024年1月の後半から2月の上旬です。2026年卒は2024年12月初旬から出しています。ただ、早くなったからいいというものではなく、我々としては学生に多種多様な選択肢を持ってほしいと思っているということです。早ければ早いほどいい、ということもございません。
「小売業」だけではないと伝えたい

──応募条件で特にこれをやっておかなければいけないものはありますか。
オープンカンパニーなどの説明会、インターンシップといったエントリーの段階では特に条件は設けておらず、一人ひとり面接を通してその人のことを理解したいという思いがあるため履歴書も撤廃しており、気軽にご参加いただけます。また、説明会の前に一度ドン・キホーテなどのお店に足を運んでいただけると、より理解が深まると思います。
──オープンカンパニーを経由しないと面接には進めませんか。
選考を受けるにあたり、我々の事業規模や会社のことを知ってもらって双方の理解にアンマッチがないようにしたいと思っています。そのため、説明会などに出席していただいた後、選考に進む流れとしています。
──説明会、オープンカンパニーは何回ぐらい実施されますか。
弊社には「源流」という企業理念集があり、そのなかに「主語の転換」という項目があります。いかなる時も相手の立場を考えて発想するということです。例えば、ドン・キホーテでは売り場のことを「買い場」と呼び、買い物に来てくださるお客さまと同じ視点をもつことを心がけています。
説明会の日程に際しても学生を主語に置いて考えていますので、学生が参加しやすい曜日や回数を想定して一番多いタイミングだと月に10回以上、オンラインでも対面でも実施しています。
説明会はコロナ禍を経てオンラインが主流になっていましたが、弊社としては学生一人ひとりのことをより理解をしたいという思いもあり、対面で会ったり、説明をし終わった後に学生からの質問に答えたり、触れ合う時間を増やすことによって双方のアンマッチを防ぎたいと思っています。そのため、対面のイベントにも積極的に参加しています。
──アンマッチを防ぎたいとのことですが、特にどういうところに学生と御社の意識の差がありますか。
学生からすれば、弊社は中核となる事業であるドン・キホーテ、いわゆる小売業のイメージが主軸になっていると思います。もちろんPPIHグループ全体として営業現場が主役なのは間違いありませんが、一方で小売業以外にも多数の事業領域に活躍のフィールドがあり、さまざまなキャリアが描ける会社だということを伝えたいと考えています。事業領域では国内リテール、海外リテール、デジタル領域、不動産部門、金融サービスがございます。
説明会参加は必須、ES提出者は全員面接

──選考にあたっては、学生にはどういったことを中心に質問されますか。
学生がPPIHという企業のどういった部分に興味を持ってくれたのか、学生時代頑張ったことや、将来どういったことをしたいかなどをESに記入していただき、学生時代はどういったところに力を入れていたのか面接で深掘りさせていただきながら、将来どういうキャリアを描いているのかをヒアリングします。
──選考過程で、WEBテストやSPIはありますか。
私たちは人物像を重視した選考を行っているため、テストは設けていません。ただ、その人のキャリアや適性を見たいので、適性検査は実施しています。
■面接
──面接は最終までに何回ありますか。
面接は2回、1次面接と最終面接です。全国各地で採用させていただいていることや、留学されている方からのご応募もあるため、現状ではオンラインでの面接をメインでおこなっております。
―─最初の面接はどういう人が出てくるんですか。
基本的には我々リクルーター、もしくは全国各地に100人以上いる支社長が1対1で大体30分程度の面接をします。
――支社長とはどういう役職なのですか。
弊社には「ミリオンスター制度」といって、100万人商圏の店舗を管轄する「支社長」を立てる制度があります。支社長は本当に営業現場の中心にいる人なので、実際に最前線にいる人に一人ひとりに会って話をしてもらいたいという思いから、面接に参加していただいています。
──面接では学生のどういうところを見ますか。
ESをもとにその人がどういった経験をしてきたのか、あとは入社した後にどういう活躍をしてくれるのかももちろんではありますが、私たちが皆さんのやりたい事を叶える環境をご用意できるのかを見るので、経験談だったり、こんなことをやりたい、こんなことに興味があるかだったりと、想いやビジョンを多角的にお聞きします。
権限委譲の文化が根付く

──どういう学生が選考に通過するのでしょうか。
弊社の企業理念集「源流」では、理念に沿った人物像として大きく3つの要素を挙げています。1つ目は主体性を持って行動ができる人。次に変化を楽しみながら、挑戦しつづけられる人。最後に失敗から学び、自己の発展へ繋げられる人です。
──主体性は、面接のなかでどのようにチェックしますか。
本人の過去の経験を見ます。弊社には「権限委譲」の社風があり、従業員一人ひとりに大きな権限や裁量権があります。自由にできることが多い反面、その人自身が何をしたいのかも求められるので、実際に入社した後に何をしたいのかも聞きます。
「権限委譲」の社風を理解してもらうため、我々も説明会で「これだけ権限が渡されています」「店舗で価格設定や売り場のレイアウトもここまで変更できます」「仕入れの権限も持っていますよ」と話したうえで、実際にその権限を自分が持ったときに、どういう売り場をつくってみたいのかを聞きます。店作りに正解、不正解はありませんが、想いの部分を聞くこともあります。
──ちなみに仕入れはPPIH全体で判断するのですか、店ごとに判断しているのですか。
どちらもあります。例えば、お弁当も自社で作っているものにするか、企業に作ってもらったものにする場合もどの商品を仕入れたりするかは、店舗の売場責任者の判断になりますね。地域の商圏によって売れる商品も違えば、来店されるお客様も全然違いますので、店舗に合わせた商品の仕入れを判断します。
■失敗を許容する
──御社は「失敗を許容する」文化が特長だと思いますが、失敗を恐れないのは大事ですか。
そうですね。僕自身は学生時代を振り返ると安定志向の部分がありましたが、この企業に入って多くの挑戦をさせてもらい、大きく成長できました。挑戦ができるフィールドを与えられ、挑戦しないのはもったいないと僕自身が思っています。「必ず挑戦しろ」ということではなく、挑戦ができる文化のなかでぜひいろいろな挑戦をしてほしいという願いが込められています。
──具体的にはどういったところで「失敗を許容する」という文化を感じられましたか。
僕の経験談ですが、入社4年目に当時勤務していたMEGAドン・キホーテ環七梅島店(東京都足立区)店の改装を担ったことがありました。東南アジアのお客様がたくさん来店される店でしたが、そういった方々向けのカテゴリーの商品群の種類が少なく、お客様に刺さる売り場作りをするため思い切ってレイアウトを変更したのです。売れていない商品も出てきましたが、ほかに売れていたカテゴリーもあり、より売れるためにはどうするかという考えで、常に前向きなチャレンジができていました。チャレンジして仮に失敗したとしても、会社はプロセスの部分をしっかり見てくれて後押ししてくれるな、と自分のなかで信頼につながりました。
就活全般の悩みに寄り添う

――1次面接から最終面接まではどのような流れになりますか。
私たち採用担当は1次面接をしますし、1次選考を合格した人は1対1で我々リクルーターと話す時間をもうけています。面接に関しての振り返りだったり、今後の選考に向けてという話もしたりしながら、学生一人ひとりの理解をより深めてもらいます。
──リクルーターとして、月に何回ぐらい面談されるんですか。
多いときは1カ月に20~30件ぐらいは面談しています。
──学生からはどういった質問が多いですか。
私たちがどういうことを経験してきたのか、入社後にリテール以外の部門にはどうやって異動するのかといった質問が多いですね。福利厚生についても聞かれます。
──1人の学生に、最終面接まで何回ぐらい面談しますか。
多い人だと3回ですね。選考早期の人は会社のことを他社と比較検討もしていないなかで、なかなか自分のやりたい軸が醸成できていない場合もあります。そういった早期の人に関しては我々が面談の枠を設けますが、説明会に参加した人は強制ではなく任意で参加してもらうようにしています。本当に就活全般に悩みを抱えている学生は多いので、我々もできることならそこに寄り添いたいと思います。
──1次面接から最終の間は2~3カ月ぐらいですか。
エントリーした時期にもよりますが、早いと1~2カ月以内で内々定を獲得する人もいます。
■最終面接
──最終面接は何対何で行いますか。
これも1対1で、1次面接と同じく支社長が実施します。
──最終面接はどういうことを聞きますか。
最終面接も同様に、企業理念集の「源流」や弊社で活躍している人物の共通項に当てはまる人なのかどうかを中心にしています。限られた時間内でキャッチアップできなかった事項を最終面接で再度確認します。
──「こういう人は難しい」というのはありますか。
そこは本当にないですね。実際にPPIHで活躍している従業員も本当にみな個性もバラバラですし、各々の持っている強みも全然違います。多様性という観点で言えば、髪色の自由化や、服務規定を緩和していることも自分らしく働けることの一つの要素と言えますね。
──内々定者向けのフォローなどはされていますか。
内々定を獲得した人に向けては、オンライン、対面両方でイベントを実施しています。我々の面談や説明会を通してある程度は会社や事業への理解は深めていると思うのですが、より入社後に思い描いているキャリアだったり、我々以外の先輩社員と会う時間だったり、あとは入社後の研修など、学生が気になるフェーズに応じてイベントを実施しています。
インターンシップでは「買い場」体験

──内々定を出した学生にも、「他社を見てきてもいいよ」というメッセージを出されていますか。
人生で大きな決断のタイミングなので、そういった意味では選択肢があったうえで、他社と比較検討してほしいですね。後悔のない就職活動にしてほしいので、他社の選考を受ける際にはぜひ全力で臨んで欲しいと伝えています。
──どういった会社と併願されることが多いですか。
同じ小売業を志望しているという方も多くいらっしゃいますが、本当に様々な業界と併願されていると感じます。多様な商品を取り扱い、様々な事業を行っている弊社ならではかもしれませんが、「ドン・キホーテ」はただ買い物をするだけではなくお買い物体験も大事にしているので、アミューズメント業界にエントリーしたうえで、ドン・キホーテにエントリーしたという学生もいます。
■インターンシップ
──インターンシップはどのぐらいの規模でやっていますか。
夏と冬に実施していて、5日間のインターンシップと、全国主要都市では2日間のオープンカンパニーを実施する予定です。5日間のインターンシップは昨年夏からはじめ、前回のインターンシップは各回5人前後でした。
夏に向けてこれから募集しますが、だいたい各地の店舗で5人前後受け入れようと考えています。主要都市9カ所なので、年間トータルで150人ぐらい受け入れる予定です。
──5日間の5人はかなり狭き門ですが、どういった内容ですか。
先ほどお話した権限委譲を体感していただきます。弊社では売り場のことを「買い場」と呼んでいますが、買い場作りやPOPの作成をします。店にはPOPライターがいますので、実際に自分が売りたい商品のPOPを依頼したり、実際に商品の仕入れ業務だったり、それに当たって商談の場に参加していただいたりもします。ドン・キホーテの店舗で働く楽しい部分をまずは実感、体感してもらいます。「現場でこういうことをやっているんだよ」と知ってもらうための5日間のインターンシップです。
──インターンシップの選考はどのように行いますか。
動画選考です。興味を持ってもらったきっかけなど簡単な質問に答える動画を撮ってもらい、そこから人柄などを見ています。昨年の夏は「最近、ドン・キホーテで何を買いましたか」と聞きました。各回、狭き門です。今後も応募が増えると、かなり倍率が高くなるのではと思います。
──インターンシップを取り入れた狙いは。
実際の営業現場や店舗で何をしているかは口でも説明できますが、学生の各々の感じ方は全然違うと思います。仕入れや商談、売り場を作っている時間、商品を売り込むPOPを作っている時間が楽しいとか、それぞれ違うと思います。より深く企業を理解してもらうために「店舗ではこういった仕事をしている」ということを知ってもらう期間になっています。
──インターンシップ参加者は本選考で優遇はありますか。
1次面接をスキップできます。2026年卒では、もう既に内々定を獲得している人もいます。
(3月12日公開の後編へつづく)
(インタビュー写真・山本友来)
みなさんに一言!
選考のなかで我々リクルーターとお話しする機会を都度作っています。みなさん一人ひとりをしっかり理解をしたい、みなさんのことをしっかり知りたいという思いから、そういった時間を取っています。ぜひ、みなさんの挑戦と応募を心よりお待ちしております。今回、僕がお話した「ホンネ」ではなく、今度はみなさんの「ホンネ」をうかがえたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
【小売業】
当社はディスカウント業態である「ドン・キホーテ」をはじめ、「UNY」「DON DON DONKI」などのリテール事業を中核とする多様な業態フォーマットで、国内外の地域のお客さまにあわせたワクワク・ドキドキを提供しております。 流通業を通じてお客さまに喜びと感動を与え、社会に貢献することを目的としたグローバルカンパニー、それが私たちPPIHグループです。
2025/03/09 更新
- なぜアイリスオーヤマがお米を? いまや「柱」、本業でやる震災復興(10:00)
- 「本当の悪人見極めて」 船井電機の上田前社長が語る300億円流出(07:01)
- 申立人が語る船井電機破産 ミュゼ側へ資産消え「マグロの中落ち」に(07:00)
- 北海道新幹線延伸は「2038年度末開業」 政府、新目標を最終調整(17:14)
- 中野サンプラザ再開発、区が事業者と協定解除の協議へ 枠組み見直し(16:15)
※就活割に申し込むと、月額2000円(通常3800円)で朝日新聞デジタルが読めます。