
■宮本さんの就活
──ご自身のことについて教えてください。大学時代はどういったことをされていましたか。
学部は経済系で、バスケットボールのサークルに入り、カフェのスタッフと引っ越しのアルバイトをしていました。当時から何かを新しく立ち上げたいという謎の意欲があり、大学に入ってすぐオープニングスタッフを募集しているカフェを探して、食事の準備からレジ締めまで経験を積むことができました。面接時は、アルバイトの話を中心にしたと思います。
──入社後の経歴を教えて下さい。
私は2014年の新卒入社で、1年目から新卒採用担当をしていました。当時は採用担当者の数も少なく、全部門の採用をしていました。入社4年目に主任、6年目に係長に昇進し、その半年後に中途採用への部署異動とともに課長になりました。そこで3年、課長職として経験を積んで、去年1月にインテグレーション新卒採用課という新しい部門の立ち上げに課長職としてかかわっています。
──どういう就活をされましたか。
当時は就職氷河期の後期で、就活当初は「好きなことをやってみよう」とエンタメ業界などに絞り込んでいました。でも、ただエンタメが好きなだけで、仕事をするうえでの目標や目的がないまま就活をしていたので、全然うまくいきませんでした。それから自分の価値観、自分がどういうことをしている時に喜びを感じるかを分析していったら、ありがとうと言われることや人の成長が見える、例えば自分が教育したアルバイトの後輩が仕事をできるようになることが自分はうれしいということに気づきました。そこで、いま学生に話しているような「自分が将来どんな人間になりたいのか」を考えて、「周りに頼られる人間になりたい」と思ったんです。それなら採用や営業という人に関わる、人を導けるような職業もいいんじゃないかと思い、アウトソーシング業という人材業界を知りました。
――そのなかでも、アウトソーシングテクノロジーを選んだ理由は。
弊社を受けたときに、当時の採用担当が「そういう希望なら、採用担当が向いているよ」と言ってくれました。当時は新卒が新卒採用や中途採用という採用組織に配属されるということ自体、初めての取り組みだったそうです。会社が「君にチャレンジしたい」と言ってくれたので、アウトソーシングテクノロジーに決めました。面談も「志望動機は」「あなたのキャリアビジョンは何ですか」と淡々と聞くような面談ではなく、本当に私のことをちゃんと理解しようとしてくれているのが伝わりました。
4~5社から内定をいただいていたのですが、「会社に必要な人間です。会社があなたにチャレンジしたいです」と言ってくれたのはここだけでした。他社はジャッジされている感、「会社にどれだけ役に立ってくれるのか」という目線で見られることが多かったですね。
──ご自身もいま同じスタンスで採用活動をされていますか。
そうですね。なるべく私が当時、採用担当に話してもらって嬉しかったことをするようにしています。
また、今は内定を取ること自体のハードルは下がっていますが、会社を選ぶハードルは上がっています。学生は内定を取るために頑張るけど、その後の選び方は誰も教えてくれません。教授や保護者に相談しても、結局働くのは自分だと思うので、私は採用活動中には内定の取り方ではなく、最終的にどういうキャリアを選ぶのかという話をします。あくまで就活は1つの段階で、通過点であり、スタート地点を選ぶというだけです。
(インタビュー写真・植田真紗美)