人事のホンネ

アウトソーシングテクノロジー

2025シーズン アウトソーシングテクノロジー〈後編〉
コミュニケーション能力は絶対必要 転職しなくても幅広い働き方選べる【人事のホンネ】

新卒採用部インテグレーション新卒採用課 課長 宮本真実(みやもと・まみ)さん

2024年04月17日

 人気企業の採用担当者に編集長が直撃インタビューする「人事のホンネ」の2025シーズン第3弾、機械から電気、電子、ITなど幅広いテクノロジー業界で開発請負、受託、アウトソーシング事業を手がけるアウトソーシングテクノロジーの後編です。幅広い業種があることから、転職しなくても次のキャリアを考えられるのも会社の魅力。人とかかわらなくてもよさそうな業界に見えがちですが、お客様のニーズを聞き出すコミュニケーション能力は絶対に必要といいます。学生時代の過ごし方はどうすればいいか、IT業界は大変なのか――ホンネを聞いてきました。(編集長・福井洋平)
(前編はこちらから)

人を思いやれるような経験を積んでほしい

■学生時代の過ごし方
 ──学生時代、してきてほしいことはありますか。
 「どんな社会人になりたいかを考えられるような経験をしてきてほしい」と話しています。社会人として単純に仕事がしたい人もいますし、マネジメントをやりたい、リーダーシップを取りたい、同僚と仲良くやりたいなど、本当にやりたいことならなんでもいいと思います。自分の中でそういう社会人イメージを膨らませていくために、アルバイトだったり、サークル活動だったりを通して、学校生活の中で自分がどういう立ち位置なのかを分析してきてほしいですね。サークルでリーダーをしている人もいれば、陰で支えるっていう人もいると思うので、陰で支えるのであればどういう支え方をするときが楽しいのか、自分でちゃんと判断できるよう意識して考えてほしいですね。
 なので、まずは学生生活の中で自分の特長を発見してきてね、と伝えています。アルバイトやサークルなど、組織の中で自分がどういう立ち位置なのかを理解するのが一番早く特長をつかめると思うので、「アルバイトはしてきてね」と話しています。できれば人と会話をするアルバイト、レスポンスが必要なアルバイトがいいですね。

 ──自分の特長をつかみ、自分の理想像を持ってきてほしいと。
 そうですね。「今はここまでしかできないんだ」と自覚すると、「もっとこうなりたい」という欲求が出てくるので、そういう欲求を見つけられると、より良いですね。会社に入ってから憧れの先輩を見つけるのもいいですが、学生時代から見つけていると入社してすぐに働くうえでの目標が見えてきます。

■コミュニケーション力
 ──人と会話する仕事をしてきてほしいとのことですが、極論、IT業界というと学生は「人と話さなくていいんじゃないか」と思うのでは。
 いえ、全部人と話す職種です。たとえば最終的なコーディングは黙々と作業することも多いですが、それをどんな方法で進めるのかという会議は絶対に発生します。弊社のアウトソーシング部門でも、受託請負でも、「お客様のニーズに応えていく」というところは変わりません。お客様のニーズに応える=お客様の悩みを丁寧にヒアリングするコミュニケーション能力は絶対に必要です。コミュニケーション力も、うまく喋れるかではなく、芯を持って会話ができるか、その人の考えに共感して理解できるかどうかが大事です。

 ――そのために必要なことは。
 しっかりと人を理解できるように、思いやりをお互いに持てるような経験をしてきてほしいなと思います。思いやりのある人は、チームに入ってからすごくかわいがられるので。
 エンジニア業界は単独での作業が多い業界ではあります。だからこそ弊社は、人を大切にして、孤独にさせない働き方を考えています。業務的に集中できる部分もある反面、仲間と働いて喜びを共有していくことを大切にしている人もいると思うので、そういう部分は会社としても尊重していきたいですね。

 ──思いやりという部分は面談などでチェックしますか。
 相手を気づかえるか、という部分はかなり見ています。相手の言葉をすぐに遮ってしまったりしないか、こういう質問だからこういう回答をしてほしいんだろうなと汲み取ってくれたりするかどうかなどは、面談で分かります。そういうところ「も」見ますし、挑戦意欲も見ます。一人ひとり、見るべきところも違います。

全国で勤務の可能性あり

■働き方
 ──全国転勤はありますか。
 結論は「全国的にあります」なんですが、セクションによって地方採用、地域限定採用もしています。ただ、地域限定で働くためにはその人が一定のレベルに達しているか、や「どんな人でも大丈夫だよ」と言ってくれるお客様先がそのエリアにあることが前提なので、全員が地域限定で働けるわけではありません。定義を設けて、「ここからここの人は地域限定できます」「ここからここの人は全国転勤があります」という伝え方をしています。
 文系でITリテラシーや理系知識がゼロですと、まずはベースを整えるところが大事です。地域に関係なくお客様先、配属先を異動しながら、3~5年ぐらいキャリアを積むのが平均的なペースです。
 全国転勤の場合は、寮規定があり、基本的にアパートを会社で借りて、家賃補助をしています。「新卒の給与で新しく一人暮らしするのが不安」という人もいますが、引っ越し手続きに関しても会社で全面的にサポートしているので、入社する人の半分以上は規定を使って、一人暮らしを始めていますね。

 ──全国どこでも配属の可能性があるということですか。
 本人の希望を最優先にしますが、特に希望がない人は全国で検討します。機械・電気電子系は青森から九州まで全国にありますが、IT系は北海道、東京、横浜、名古屋、大阪など主要都市がメインです。インテグレーション事業本部は、メインは東京ですが、地域創生事業などもあるので地方にも拠点があります。

若手のうちから仕事にチャレンジできる

■アウトソーシングテクノロジーの良さ
 ──改めて、学生に伝えたい御社の売りは何ですか。
 年齢、性別、経験に関係なく、チャレンジさせてくれるところです。弊社は年齢や経験で制限をする、「1~2年目だからこの仕事はやらせない」という業務は少なく、他のメーカーであれば5~6年の経験がないとできないような設計業務も1年目から担当可能で、サポート体制も整っています。
 また、各部署が「自分たちの部署は人が不足しています」「こういう人がほしいです」と示し、それに社員が応募してマッチすれば異動ができるキャリアチェンジ制度や社内公募などがあります。上長だけではなく、リーダー、営業担当、キャリアアドバイザーといったメンバーが、あらゆる側面からキャリアの悩みについて相談に乗ってくれます。
 ほかにも「昇格プレゼン」といって、昇格にチャレンジできる自己PRの機会もあります。最近では、技術部門入社2年目の社員がチームリーダー、いわゆる主任職になっています。

 ──自分で異動先を希望することもできますか。
 できます。基本的には本人のモチベーションが一番なので、「自分はこういうキャリアを積みたいから、こっちに行きたい」という意思は全力で汲むようにしています。
 営業から技術、技術から採用など、部署異動はもちろん、職種の異動も可能です。たとえば、自分が会社の代表としてお客様先に行って、現場を覚えていきたい、でも現場を覚えたからこそ今度は中で活躍していきたいという人もいます。まずはITのアウトソースとしてお客様先に常駐をする経験をしてから、インテグレーションで受託開発に異動する人もいます。転職しなくても、いくらでも働き方が選べます。
 私自身もこの会社で、採用というカテゴリーのなかでもいろいろな分野の仕事を経験しました。1つの分野に特化することもできれば、幅広い分野に手を伸ばすこともできます。1つの会社でセカンドキャリアを考えられるのはかなり新しい考え方ではないでしょうか。普通は職種を変えたり、業界を変えたり、転職するしかないのですが、1つの会社の中でそれができるというのも弊社の利点と考えています。

 ──研修の仕組みも整っている?
 「このスキルを取得すると、ワンランクレベルが上がります」という、まるでRPGのような制度も取り入れています。自分も周りの人も納得できる形で昇格ができるようにしていて、「何でこの人が上がったんだろう」と思われるような状況が起こらないように制度設計しています。

 ──特定のプログラミング言語や、情シスなどの資格が必要ということはありますか。
 資格がないとできない業務もあるので、勉強するに越したことはないです。アウトソーシング系であれば、資格取得すると自分の給与にダイレクトに反映されるところもあります。資格を持っているのは、それだけのスキル、人材価値があると証明できるということですね。

仕事の大変さも包み隠さず伝える

(写真は本社フリースペースでのミーティング、アウトソーシングテクノロジー提供)

■IT業界は大変?
 ──御社は2025年卒学生対象の就活人気企業ランキング(あさがくナビ調べ)、理系部門で4位に入りました。学生のIT業界志望熱は高まっていると感じますか。
 そう思います。ほとんどの学生がIT業界を1社は受けていますよね。ChatGPTなど、最近、AIやITに関するニュースが多く、それで興味を持った学生が急増しています。コロナ禍でDX化が進み、WEB=ITという概念で捉える人もいると思うので、ITの便利さを実感して、まずIT業界を受けてみようという学生が増えてきているのだと思います。

──「IT業界は大変だ」というイメージが先行していた時期があると思います。
 今はあまり聞かないんじゃないでしょうか。ITも運用保守系は深夜残業があるなど、この職種、この仕事が大変だというのが、今はもう見える化してきています。情報を得て、覚悟ができた状態で受けに来てくれる人が増えているように感じます。
 正直、憧れだけで受けに来る人もいますが、自分にとってのリスクを負ってでもこの仕事をする覚悟があるかどうかは確認しています。

 ──どのように確認をしていますか。
 会社に入ってから「何か違う」と思われても困るので、仕事の大変さだったり、楽しさだったりは面談で包み隠さず伝えています。事実を伝えずに入社が決まっても、結局は離職につながってしまいます。ちゃんと本当のことを伝えていくことは大事です。私たちも真摯に向き合っています。

 ──どういうところが大変と伝えていますか。
 誰にとっても、作っていく過程、技術、知識を覚えるのが大変なのは当たり前です。また、お客様先に常駐するという働き方だと、ある程度の経験、知識がないとコミュニケーションを取るのは難しい面も出てくるので、「最初はすごく大変だよ」と伝えています。自分がやりたいことをただ突き詰めていくのではなく、自分が会社の代表としてお客様先に対して支援をしていくという立場で働くので、そこは人として成長できる反面、大変な部分です。インテグレーション事業本部は働き方や求めるスキルが少し違うので、「期待を背負うという部分はすごく大変だよ」とも話しています。

「会社に必要な人間です」というメッセージ受け入社

■宮本さんの就活
 ──ご自身のことについて教えてください。大学時代はどういったことをされていましたか。
 学部は経済系で、バスケットボールのサークルに入り、カフェのスタッフと引っ越しのアルバイトをしていました。当時から何かを新しく立ち上げたいという謎の意欲があり、大学に入ってすぐオープニングスタッフを募集しているカフェを探して、食事の準備からレジ締めまで経験を積むことができました。面接時は、アルバイトの話を中心にしたと思います。

 ──入社後の経歴を教えて下さい。
 私は2014年の新卒入社で、1年目から新卒採用担当をしていました。当時は採用担当者の数も少なく、全部門の採用をしていました。入社4年目に主任、6年目に係長に昇進し、その半年後に中途採用への部署異動とともに課長になりました。そこで3年、課長職として経験を積んで、去年1月にインテグレーション新卒採用課という新しい部門の立ち上げに課長職としてかかわっています。

 ──どういう就活をされましたか。
 当時は就職氷河期の後期で、就活当初は「好きなことをやってみよう」とエンタメ業界などに絞り込んでいました。でも、ただエンタメが好きなだけで、仕事をするうえでの目標や目的がないまま就活をしていたので、全然うまくいきませんでした。それから自分の価値観、自分がどういうことをしている時に喜びを感じるかを分析していったら、ありがとうと言われることや人の成長が見える、例えば自分が教育したアルバイトの後輩が仕事をできるようになることが自分はうれしいということに気づきました。そこで、いま学生に話しているような「自分が将来どんな人間になりたいのか」を考えて、「周りに頼られる人間になりたい」と思ったんです。それなら採用や営業という人に関わる、人を導けるような職業もいいんじゃないかと思い、アウトソーシング業という人材業界を知りました。

 ――そのなかでも、アウトソーシングテクノロジーを選んだ理由は。
 弊社を受けたときに、当時の採用担当が「そういう希望なら、採用担当が向いているよ」と言ってくれました。当時は新卒が新卒採用や中途採用という採用組織に配属されるということ自体、初めての取り組みだったそうです。会社が「君にチャレンジしたい」と言ってくれたので、アウトソーシングテクノロジーに決めました。面談も「志望動機は」「あなたのキャリアビジョンは何ですか」と淡々と聞くような面談ではなく、本当に私のことをちゃんと理解しようとしてくれているのが伝わりました。
 4~5社から内定をいただいていたのですが、「会社に必要な人間です。会社があなたにチャレンジしたいです」と言ってくれたのはここだけでした。他社はジャッジされている感、「会社にどれだけ役に立ってくれるのか」という目線で見られることが多かったですね。

 ──ご自身もいま同じスタンスで採用活動をされていますか。
 そうですね。なるべく私が当時、採用担当に話してもらって嬉しかったことをするようにしています。
 また、今は内定を取ること自体のハードルは下がっていますが、会社を選ぶハードルは上がっています。学生は内定を取るために頑張るけど、その後の選び方は誰も教えてくれません。教授や保護者に相談しても、結局働くのは自分だと思うので、私は採用活動中には内定の取り方ではなく、最終的にどういうキャリアを選ぶのかという話をします。あくまで就活は1つの段階で、通過点であり、スタート地点を選ぶというだけです。

(インタビュー写真・植田真紗美)

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みなさんに一言!

 皆さん、一人ひとりがいろんな思いを抱えて就職活動をされていることと思います。いま、自分自身にとことん向き合う機会だからこそ、悩んだり慎重になったり、自分の決断を迷ったりすることもすごくあると思います。
 最終的に、それを正解にしていくのは自分自身だと思います。自分自身を信じてあげること、これがとても大切なことだと思います。その信じた正解の先が、我々アウトソーシングテクノロジーであれば、とても嬉しいです。
 我々の会社はさまざまなテクノロジー分野において、幅広い領域、業界にニーズがあります。本当にたくさんの選択肢があり、いろんなキャリアを選べる会社ですので、悩んだら、まずは相談しに来てほしいと思っております。私たちの会社で一緒に働けることがあれば、本当に嬉しいです。その日を楽しみにしています。

アウトソーシングテクノロジー

【人材サービス】

私たちアウトソーシングテクノロジーは、テクノロジー分野へのアウトソーシングのリーディングカンパニーとして、業界屈指のエンジニア人材を擁しています。エンジニアの技術力と集合知を融合することでお客様のビジネスの成長に貢献し、日本の次世代のイノベーションを推進しています。