人事のホンネ

アウトソーシングテクノロジー

2025シーズン アウトソーシングテクノロジー〈前編〉
幅広い事業分野が魅力 未経験者でも追いつける仕組みも【人事のホンネ】

新卒採用部インテグレーション新卒採用課 課長 宮本真実(みやもと・まみ)さん

2024年04月11日

 人気企業の採用担当者に編集長が直撃インタビューする「人事のホンネ」の2025シーズン第3弾は、機械から電気、電子、ITなど幅広いテクノロジー業界で開発請負、受託、アウトソーシング事業を手がけるアウトソーシングテクノロジーです。企画からカスタマーサクセスまでワンストップで手がけ、テクノロジーのアウトソーシング業界では類を見ない幅広い事業分野が魅力の同社。理系出身者はもちろんのこと、文系出身でも技術面では1~2年目で追いつける環境を整えていますが、ぜひチャレンジ精神をもった人に来てほしいといいます。仕事の中身や採用の方法、会社のカルチャーなど、前後編でじっくり聞いてきました。(編集長・福井洋平)

事業分野の「幅の広さ」に特化した会社

■アウトソーシングテクノロジーについて
 ──御社の業態はかなり幅広いですが、大きくわけるとどのような業態を手がけていらっしゃいますか。
 テクノロジー業界に対する「アウトソーシング事業」と「受託・請負」、「自社開発」の3本柱です。基本的に弊社はB to B(企業向け事業)で、エンジニアの力で、ものづくりメーカーやITサービス企業と日々新しい製品を生み出しています。機械、電気、電子、情報、化学、建築、医薬と、ものづくり全般、テクノロジー業界を対象にアウトソーシングを受け、技術者、技術力を提供しています。
 メインはアウトソーシング事業ですが、いまは受託・請負に力を入れているところです。アウトソーシング事業は、派遣元が登録されているスタッフを必要に応じて有期雇用し派遣先に送る「登録型派遣」と、派遣元が雇用しているスタッフを無期限で派遣先に送る「常用雇用型派遣」に大別されますが、弊社は常用雇用型派遣を行っており、弊社の社員をお客様先に派遣しています。お客様先で技術の部分だったり、機能やシステムを持っていなかったりして対応できないものに関しては案件を持ち帰り、弊社が対応して、できあがったものを納品します。これが「受託・請負」です。
 組織としてはアウトソーシング事業が機電系、IT系の2部門にわかれていて、2023年に新たにインテグレーション事業本部という受託、請負、自社開発を取りまとめる部門ができました。

 ──インテグレーション事業本部ではどういうお仕事をされていますか。
 IT分野の中でもワンストップで一気通貫し、お客様先の抱えているビジネス的な課題、システムや技術的な課題、セキュリティーの課題などに合わせて、オーダーメイドで解決策を提案、提供していく事業です。お客様先の課題に沿って対応しているので、「これだけをやっています」というわけではありません。

 ――たとえば、どういった分野の仕事があるのですか。
 ゼロからサービスをつくりあげる「開発系」や、社員が仕事しやすい環境を作るためネットワーク環境、サーバー環境、社内で使うセキュリティー環境などの社内インフラを整える「インフラ系」、すでにアプリケーションとして出来ているものにコードを組み合わせてシステムをつくる「ノーコード・ローコード系」などがあり、本当に0から100までといった幅広い分野の中でお客様先のニーズにこたえています。

 ──ここまで広いジャンルを手がけている同業他社はあるのですか。
 ここまでITの受託分野に力を入れているところはあまりないかなと思います。機械や電気電子系はアウトソーシング業が盛んですし、IT系だとシステム開発や運用、保守を担う「SES」(システムエンジニアリングサービス)に特化しているところはありますが、弊社はITコンサルタントやSIer(エスアイヤー、システム開発全体を請け負う企業)的な企画の部分からカスタマーサクセスまでワンストップで手がけているので、「幅の広さ」に特化しているといっても過言ではないですね。学生にも、何をやりたいか悩んでいたらいったんうちにおいで、と話しています。

社内研修の仕組み整えコロナ禍でも採用増やす

■アウトソーシングテクノロジーの採用

 ──2024年度の採用状況を教えてください。
 前年度よりは下がっていますが、コロナ禍の3年間は多くの企業が採用停止する中で弊社は逆に採用を伸ばしていたので、それ以前の数字に落ち着いたかなというところです。長期的には採用数は右肩上がりです。

 ──コロナ禍で採用数を増やしたのは、どうしてですか。
 メーカーが自社採用できなかったり、業務縮小・コスト削減を課題としたりする中で、「自社採用ができない部分はアウトソーシングの人材でカバーをしていこう」というニーズが逆に上がってきたからです。コロナ禍では新卒を採用しても研修したり、育てたりできないと懸念されていた中で、弊社はオンラインであったり、感染対策した上での研修に対応したりしていました。グループ会社に教育する機関があるため、コロナ禍でも派遣できるという体制を整えてお客様先のニーズにも応えられました。

 ──コロナの前から、オンラインで研修する仕組みがあったのですか。
 いえ、実はあまりありませんでした。弊社には創立35年の老舗IT系の研修スクールがグループ会社にあるので、そこと連携して探り探りでオンラインでの教育体制を整えました。コロナ禍に打ち勝てるような教育体制は、アウトソーシング業界だけではなく社会全体で見てもそれほど多くはないと思うので、そこは強みです。

■採用フロー
 ──採用の流れについて教えてください。
 基本的に面談ベースで判断します。部署によって採用フローが違い、機電系のアウトソーシング、IT系のアウトソーシング、インテグレーション、もう1つグループ採用という4つのセクションで採用しています。基本的には合同企業説明会、WEB、学校といった幅広い応募経路からエントリー後、説明会に来てもらい、面談希望者に対しては全員に面談をします。ESは選考過程の中で最終的に提出をしてもらいますが、マストだとは思っておらず、それで選考することはありません。

 ──ちなみにESではどういうことを聞きますか。
 学生時代に頑張ったこと、力を入れたこと、研究内容など、いわゆる一般的な履歴書に沿った内容です。そこに書いてある内容がその人の全てだと思っていないので、それでジャッジをすることはないです。

 ──説明会はいつごろありますか。
 2025年度採用の説明会は、一番早いものではオープン・カンパニーという形で、去年の5月から始めていました。8月、9月には長期インターンシップを実施しています。

 ──長期インターンシップは何日間ですか。
 これも部署ごとに違うんですが、オープン・カンパニーも含めてワンデー、ツーデー、スリーデー、ファイブデー、1カ月のものがありました。

 ──インターンは選考に活用されていますか。
 もちろん。選考でも基本的に本人が希望すれば全員、次の面談に進んでもらいます。オープン・カンパニーやインターンシップに出席して、こちらが「もう来ないでください」と不採用にすることは、その段階ではまずありません。

 ──長期インターンシップはどのように選考していますか。
 選考という概念では、正直行っていません。まずは会社を知ってもらう、理解を深めてもらうことをコンセプトにインターンシップやオープン・カンパニーを行っています。そのうえで、面接ではなく面談という形でちゃんと相互理解を深めていく場を設けて、お互いを理解できてから、やっとお互いに判断ができるようになると考えています。

 ──インターンシップに参加できなくても面談はするということですか。
 します。学生も一人ひとり都合や就活スタイルがあると思うので、インターンシップやオープン・カンパニーへ参加せずに、面談からスタートする人ももちろんいます。

学んできたことが違っても追いつくことはできる

■面談
──面談はいつごろからスタートしますか。
 基本的には9月からスタートします。通常は1対1で、オンライン、対面の両方で行います。地方の学生にはオンラインで、「面談に合わせて会社訪問もしてみたいです」という方には会社を見せながら、対面で面談をします。母集団は大きいですが、一人ひとりに合わせた選考をしています。面接してから入社承諾に至るのが30%くらいですね。

 ──1対1の面談の次はどういうフローになるのでしょうか?
 面談1回でそのまま最終面接に進む人もいますが、「もう1回、自己分析を一緒にやろうか」「もう少し考える時間が必要だったよね」となれば、フォロー面談という形で最終面接前に2、3回面談をはさむ人もいて、その回数は学生によります。その過程で、適性試験を受けてもらい、総合的な判断により配属部署を検討します。

 ──エントリーした部門とは違うところに配属されることもあるのですか。
 例えば機電系でエントリーはしたけれども、面談していく中で「実はITの受託がやりたかった」「適性的にIT系だよね」となった場合は、その他の部門に進むことも可能です。得意・不得意とか適性というのは自分では判断できない部分もあると思いますし、やってきた分野と違う分野をやってみたいという人もいます。そういった場合は私たちから助言をしたり、一緒に自己分析を進めたりして、他部署の選考を受けてもらうこともあります。

 ──最初の面談は誰が担当しますか。
 雇用戦略本部 新卒採用部という部署があり、その中に各部門の新卒採用課があります。採用担当全員で60人ほどいますが、メンバー全員が面談を担当します。新卒入社1年目から課長まで幅広いキャリアの採用担当がいます。

 ──最初の面談はどういった内容ですか。
 聞くことは本当に人によってさまざまですが、まずは自己分析、本人の今までの経験を聞いていく。それも大学時代だけではなく、その人が過去に経験してきたことから楽しかったこと、つらかったこと、要はその人の価値観の源泉となる部分を引き出します。「学校で何をやっているの?」という技術分野とか、研究内容は後々に聞くことが多いですね。一度目の面談はまず「就活どう?」というところから、就活で困っている部分、悩んでいる部分などをヒアリングしながら、本当の自分の価値観を一緒に探し出していこうか、という話をすることが多いですね。

 ──学生からよく聞かれる質問は。
 アウトソーシングという働き方だと「本当に自分のキャリアを実現できるのでしょうか」と聞かれます。また、例えば未経験の人、文系出身だったり、「本当は機械系を専攻したかったけれど大学受験のときにできなくて、情報系に行きました」という人もいたりします。「本来やりたい分野に自分みたいな未経験者でも行くことができますか」と質問されますが、基本的に私は「できるよ」っていう答えしか持っていません。

 ──できる、ということですね。
 できます。未経験でも、どれだけやってきたことが違ったとしても1~2年で追いつくことができるので。極論、文系でも全然大丈夫です。弊社は研修制度も非常に手厚く整っていますし、OJTとして育てる環境もあるので、苦労するのは最初の1~2年ぐらいです。また、部署の選択肢も幅広いので未経験者でも経験者でもどこかに合う部署があると思います。欲張りですけど、経験、未経験を問わずぜひ弊社に来てほしいですね。

どんなことでもチャレンジする人材がほしい

■求める人材
 ──最初の面談で、どういう人を取りたいですか。
 チャレンジングであることですね。何でもチャレンジングに取り組む姿勢があれば、未経験のところは補えます。新たな分野へのチャレンジだけではなく、例えばマネジメントだったり、新卒だからとおじけづかずに自分のやりたいことを実現したりするためにはどんなことでもチャレンジしますという精神がほしいですね。
 それから明るい人、アグレッシブに働ける人はお客様先にかわいがられます。明るくて、元気がよくて、ちゃんと自分から質問ができて、という人間力もほしいです。ただ、そういう人間力は社会人になってからでもいくらでも鍛えられます。なので、これからそういった部分が成長できそうだなと見込める人を求めています。

 ──最初の面談で、落とすこともあるのですか。
 落とすというと若干違いますが、「マッチングしなかったね」という判断をすることはあります。例えば学歴が足りないとか、うまくしゃべれなかったからダメですとか、何かが不足していることが理由で不採用にすることはありません。
 ただ、自分はやりたいことが決まっていて、こういう環境でしか働きたくないですというように自分の中での固定概念がある人は、弊社とはマッチングしないかもしれません。弊社は部門が多いので、マッチしない人の方が少ないとは思っていますが。

 ──最終ジャッジをするのは誰になりますか。
 配属する側の人間が最終ジャッジをしています。たとえばインテグレーション部門は扱う技術が高度なので現場の課長以上がジャッジしています。

 ──インテグレーション事業本部の採用では、技術的なハードルは設けていますか。
 そうですね。ちゃんとベースとなるITリテラシーは持っていてほしいですね。コーディングはできなくていいですが、IT業界は今どういうトレンドがあり、ITインフラの中にはネットワーク、セキュリティー、サーバーといろいろなものがある、といった基礎知識は知っていてほしい。ITというとアプリ開発というイメージが強いですが、ITの業務にはコンサルティングから企画の立ち上げ、開発、運用保守、カスタマーサクセスと、サービスをつくってからどう生かしていくかを考えるというところまで流れがあるということは知っていてほしいですね。

 ──ハードルが高いということはないですか。
 「大学でやっているからなんとなく知っています」というレベルだとインテグレーションでは足りません。自らITをやりたいのであれば、そこまで学んでくる姿勢というか、やりたいというからにはそこまで調べてくるのが当然だと。そのぐらいの気持ちで、ちゃんと意欲を持ってやりたいことを追求しているといいですね。「ITが好き」という気持ちが大切です。

■志望理由
 ──志望動機は聞きますか。それも部署によって違いますか。
 志望動機は基本的に聞きます。聞きますが、その志望動機がどんな理由であれ、ちゃんと一人ひとりの理由に対して、私たちがしっかりと噛み砕いて解釈をします。動機は「会社が大きいから」「働き方がいろいろある」「やりたいことが見つからないから」でもいいと思いますし、その理由を持ったうえで、どういうキャリアが描けるかを一緒に考えていくのが私たちの面談です。

 ──他業種と合わせて受けている人が多いですか。
 圧倒的に、メーカーやSIerが多いですね。

 ──「なぜ当社を希望したのですか」という質問はされますか。
 もちろんしますが、それがまだ決まっていない人のほうが圧倒的に多いです。メーカーでやりたいことを突き詰めたいけれど、いまは少なくなったかもしれませんが、年功序列であったり配属の問題であったりが理由で、そのメーカーで本当にやりたいことができるだろうかと考えてしまう。「だから悩んでいます」という段階で弊社に来る人はすごく多いです。
 アウトソーシングというのは聞いたことも見たこともない学生も圧倒的に多いので、どういう職種なのか、どういう仕事内容なのか知るために来てくれたのであれば、「こういう働き方だよ」と知ってもらいたいですね。知ってもらうと、「そういう働き方もあるんだ」という一種の発見になり、弊社の選考に進んでくれる人もいます。

 ──その中でもインテグレーション事業本部を希望する場合は、もう少し踏み込んで知っていてほしいということですね。
 インテグレーションに関しては少数精鋭の、会社を代表する技術力を持った部隊なので、自分で自社開発がしたい、というプライドを持っている人たちを採用したいと考えています。
(4月17日公開の後編につづく)

(写真・植田真紗美)

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みなさんに一言!

 皆さん、一人ひとりがいろんな思いを抱えて就職活動をされていることと思います。いま、自分自身にとことん向き合う機会だからこそ、悩んだり慎重になったり、自分の決断を迷ったりすることもすごくあると思います。
 最終的に、それを正解にしていくのは自分自身。自分自身を信じてあげること、これがとても大切なことだと思います。その信じた正解の先が、我々アウトソーシングテクノロジーであれば、とても嬉しいです。
 我々の会社はさまざまなテクノロジー分野において、幅広い領域、業界にニーズがあります。本当にたくさんの選択肢があり、いろんなキャリアを選べる会社ですので、悩んだら、まずは相談しに来てほしいと思っております。私たちの会社で一緒に働けることがあれば、本当に嬉しいです。その日を楽しみにしています。

アウトソーシングテクノロジー

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