大和ハウス工業株式会社
2018シーズン【第8回 大和ハウス工業】
住宅はお客様の顔が見える仕事 ES課さずに会って判断
東京本社 人事部 採用・教育グループグループ長 和田光弘(わだ・みつひろ)さん
2017年04月13日
「仕事がきつくて離職率が高い」イメージもある業界だけに、ちょっと聞きづらい質問もぶつけてみました。「断られることが多い厳しい仕事」と認めつつ、住宅メーカーならではの誇りを率直に語ってくれました。(編集長・木之本敬介)
■採用実績
──近年の総合職の採用実績とエントリー数を教えてください。
2016年入社は694人、2017年入社は841人の予定です。内訳は、やや文系が多いですね。
エントリー数は、文系・理系あわせて約2万5000人。選考に進むのが5,000人くらいですね。
──2017年入社では採用数を増やしたんですね。
そうですね。本来は、業容拡大にあわせて2016年にもっと採用したかったのですが。その分、2017年は増やした面もあります。
2018年入社の採用人数は前年と同じくらいです。
──募集職種を説明してください。
総合職には「営業系」と「技術系」があり、「技術系」はさらに、図面を描く「設計部門」、現場でモノづくりを指揮する「施工部門」のほか、電気、空調、防災、給排水などの設備を設計、施工する「設備部門」、地盤の整備や宅地造成をする「都市開発部門」などに分かれます。「設計・施工部門」は建築学科などで専門的に学んだ学生がほとんどで、「設備部門」には電気学科や機械学科の人が多いです。「都市開発部門」で行う大型の宅地造成には土木の知識が必要ですから、土木学科出身の学生がほとんどです。
また、奈良県に研究所があり、研究職の採用もあります。もちろん建築の研究もありますが、新しい分野の研究をしている社員もいます。たとえば、当社は植物工場ユニットの開発もしていますので、大学院等で農学系の研究をしている人の募集もしています。グループ企業のリチウムイオン電池を開発・販売している「エリーパワー」と共に電池の研究をしていますので、そういった分野の研究をしている人も募集しています。
──2017年入社の男女比を教えてください。
総合職は男性646人、女性195人で、女性が2割強です。例年、女性の比率はこのくらいです。
──住宅業界は「男性の職場」というイメージもありますが、女性の採用は増やす方向ですか。
まずは3割くらいに増やすのが目標です。やはり、「男性社会」のイメージが強いので、職場の雰囲気や人事制度もさらに整えて、性別に関わらず働きやすい職場にしたいですね。
─――大阪本社、東京本社で採用の役割分担は?
エリアで分けています。新潟・静岡・長野より東が東京の担当。富山、岐阜、愛知より西が大阪担当です。大阪のスタッフが12人、東京のスタッフは10人です。
──「総合職」以外に「事務職」の採用もありますね。
事務職は全社一括採用ではなく、各支店や営業所、工場ごとに欠員補充をしています。転勤や異動はなく、地元の大学に求人票を出したり、キャリアセンターに相談したりして、地域特性にあわせて柔軟に募集しています。全社で年間40人くらいの採用です。
■採用スケジュール
──2018年卒採用のスケジュールを教えてください。
経団連の指針に合わせ、3月に企業広報を始め、WEBの筆記試験などを行い、6月から面接開始です。3月から6月までの間に、会社説明会や先輩社員との「質問会」を開きます。
──筆記試験はどんな形式ですか。
パソコンとネット環境さえあれば、自宅でも受験できます。能力適性検査の一種で、あまり詳しくはお伝えできませんが、簡単に申し上げると「計数読解力と言語読解力を問う問題」です。数学の公式や国語の熟語は問いません。限られた時間で、どれだけ早く正確に多く答えられるかが問われます。また同時に、性格適性検査も行います。これらの試験では、本質的な能力や潜在能力をしっかり見たいと思っています。
■履歴書
──エントリーシート(ES)がないそうですが、大手では珍しいですね。
選考途中で履歴書を提出してもらうのですが、根底にあるのは、「人には会ってみなきゃわからない」という考え方です。書類や経歴だけでは、学生の皆さんも思いを伝えきれないんじゃないかと思います。
──履歴書だと、志望動機などはあまり書き込めませんが。
志望動機などは面接で聞きます。事前に履歴書の記述で評価することはありません。ちなみに、志望動機は選考の後段階ほど重要視しており、最終面接でも聞きます。就職活動を通して、学生の皆さんは大きく成長します。その時一番新しい思いを、大切にしたいと思っています。
第一印象とコミュ力が大事 街づくりにも住宅メーカーの志
──「質問会」について教えてください。
1回あたり学生20~30人くらいで、グループに分かれて社員を車座で囲み、わいわいと本音を話しながら会社や仕事への理解を深めてもらいます。2~3人の社員と順番に話します。社員1人につき30分くらい。若手と30~40代の社員が出ます。入社後の近未来像と10年後の像の両方を見てもらいます。4月~5月中旬に連日開きます。そのうえで「この会社でやっていきたい」と思った人に、6月の選考に進んでもらいます。
──開催地は大阪、東京ですか。
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡が主な会場となりますが、状況を見ながら新潟、長野、広島などでも開きたいと思っています。
──質問会の狙いは?
当社は「同じ目標に向かってひたむきに頑張れる人」「共感を持ってくれる人」を求めています。質問会での会話を通じて、「大変な面もあるけれども一緒に頑張りたい」と社員と同じ目線で語ってくれる仲間を探したいと思っています。
質問会は任意ですから参加しなくても構いません。ただ、来てくれた学生は早めの日程で面接が受けられるなどして、お得感が出るようにしています。
──実態として質問会は面接に近い?
本当に、面接は一切していません。当社への志望が強い人は、質問会に参加して積極的に話し、そこで得た情報を持って面接に早めに来てくれます。私どもも一生懸命に面接をして、意欲のある人には早めに次のステップに進んでもらいます。
──質問会での学生の様子や情報は、人事部で把握していますか。
私たち人事部はアテンドするだけで中には入りません。基本的な判断は質問会で話をする社員に任せています。担当の社員には「いい人財がいれば、きちんと大和ハウスの良さを伝えて、受けるよう伝えてほしい」と話しています。
■面接
──その後、6月から面接ですね。
面接は3回実施します。最初は学生3~4人に社員1~2人が聞く集団面接、次は学生1人に対して幹部社員2人、最終面接は1対1です。
1次は約30分、2次は40~45分くらい。最終面接は40分の設定ですが、だいたい1時間くらい話していますね。
──1次面接のポイントは?
第一印象やコミュニケーション能力です。特に営業系は第一印象が大事です。「人は見た目が9割」という本が話題になりましたが、お客様は少し話しただけで「この人は話を聞いてくれそうだな」などと見定めますから、「お客様から見てどうか」を確認します。
ですから1次のポイントは、基本的な会話ができるか、身だしなみが整い、清潔感があるかどうか。「学生時代に頑張ったことは?」など普通のことを聞きます。大事なのはレスポンスですね。答え方や顔色を見て、「好印象を持たれる人物か」を見ます。1次では志望理由などはあまり聞きません。
――2次と最終は?
2次面接は経験や実績がある社員が判断し、最終面接では総合的に見るようにしています。
2次で聞く内容は担当者によって様々です。担当者の経験や実績をもとにした「勘」も含めた判断を、大切にしています。
1対1だとじっくり話せるので、最終面接はざっくばらんに「上着脱いでいいよ。ところでどうして競合他社じゃなくて当社なの?」という感じで始めます。「まずは自己紹介をどうぞ」といったかしこまった雰囲気ではありません。腹を割って時間をかけて話していると、当社との親和性や共感性が分かってきます。
■最終面接後の面談
──最終面接の後はどのような流れに?
最終面接後に合格通知を出し、当社に来る意思を確認します。他社の選考もあるでしょうし、学生に考えてもらうわけです。「決めました」と言ってもらえれば、「では、もう一度会いましょう」と面談します。
面談では「大和ハウスはこういう会社で、こういう気持ちがないと続かないよ」といった説明をきちんとします。「まだ気持ちが固まっていないな」と判断したら、一度帰ってもらうこともあります。私たちの意図がうまく伝わっていないようなら何回でも会います。
考えが合わなかったり共感できなかったりして、辞退する学生もいます。
──たとえばどんなケースが?
大半は仕事を「きれい」に見ているケースですね。「街をつくる大きなプロジェクトがあって、将来リーダーを任されて、社会の役に立つ……」といったイメージしか持っていない人がいます。しかし、現実には「きれいな仕事」だけでなく、「泥臭い仕事」もたくさんあります。
私たちの仕事では、一人ひとりのお客様に向き合って真摯に仕事をしたら、結果的に街ができるのであって、最初から街づくりを目指しているわけではありません。「ここに家がほしい」「この場所で事業がしたい」というお客様のために、一生懸命、建物をつくる仕事をしています。
企業と学生双方にとって良い道は何なのかを考えて接しているので、「国土交通省や地方自治体、NPOに行った方が良いかもしれないな」と思った時は、評価の高い学生でも、そちらの方面へ進めるようアドバイスすることもあります。
──ディベロッパーと呼ばれる大手の不動産会社は、「街づくり」をPRしていますが、そことは違う?
違いますね。確かに大手不動産会社には街づくりの案件があります。「街をつくった」と言えるのは、都心の街区を丸ごと開発するような規模のものだと思います。私どもも大規模な市街地開発を手掛けることがありますが、それが仕事の中心ではありません。
不動産会社の場合は、自社で広い土地を買って、自ら建物を建てて貸す仕事が多い。一方、私どもは、まずお客様がいらして要望に合わせて建築します。仕事の出発点が違うんです。
最近、当社の代表的建築を紹介する冊子を作りました。一般的には、こういった冊子を「作品集」と呼ぶことがあります。でも私どもは、どんな建物も「作品」とは呼びません。「○○様宅新築工事」「○○株式会社様施設新築工事」と言います。「自分のお金で作った『作品』ではない。創作活動をしているわけではない。あくまでもお客様の建物」という考え方です。
──大和ハウスは大規模な商業施設なども手がけていて、結果的には「街づくり」をしていますよね。
学生のみなさんには、企業選びの際にその違いを見てほしい。「街をイメージしながら実際に“建物をつくる”会社」と、「開発事業者として“街のコンセプトづくり”をする会社」。結果的には似たようなビルを手掛けることになるかもしれませんが、目的や手法は異なるわけです。
不動産会社を希望する人には、「うちは少し違うよ。住宅メーカーの志、顧客志向を持って、“ものづくり”をする会社です」と説明しています。
──家づくりから始まった会社だからですか。
最初は「パイプハウス」という倉庫をつくり、創業から数年後に住宅事業に参入しました。今も根底にはハウスメーカーとしての気質が流れています。
住宅はお客様の顔が見える仕事です。私どもは新卒採用とは別に、キャリア採用(中途採用)で年間400~500人採用しています。不動産会社からの転職組には、「自分の業務が何の役に立っているのかが分かりづらいので、お客様の顔が見える仕事がしたい」という人が結構います。
住宅事業の根底にあるのは、「この方のために何とかしたい」「この人の喜ぶ顔が見たい」という気持ちです。そういう気持ちの人は、当社のほうが向いていると思います。
「人」で売る仕事 名実ともに一流企業めざす
──就職活動に新聞を読むことは必要だと思いますか。
必要です。いろいろな大学で模擬面接やキャリア講座をしますが、新聞を読むことを学生に勧めています。営業の仕事では、新聞を読んでいないとお客様との会話がつながりません。お互いが同じ目線、同じ情報量を持って、初めてビジネストークができます。
幼稚園児に話しかけるときは、子どもの目線、知識に合わせますよね。それと同じで、ビジネスのプロと話すときには、プロと同じ情報量、知識、社会人としての素養がないと仕事は成立しません。「社会人としての常識を今のうちから身につけてください」と各大学で伝えています。
■働き方
──いま「働き方改革」が話題です。一般的に住宅メーカーは「仕事がきつく離職率も高い」イメージもあります。
入社3年以内の離職率は18%くらいです。同業他社と比べると、平均より少し低いほうだと思います。
──「土日に休めない」業務だからでしょうか。
大和ハウスでは、事業施設系は土日休みです。住宅系は火水休み、あるいは水日休みですね。ただ、社員からは休みの不満はあまり聞きません。逆に「平日休みだとテーマパークが空いている」「旅行やゴルフも安い」「銀行に行けて便利」といった話を聞きます。
土日に仕事をするのは、流通やサービス業も同じですから、それほど友人のコミュニティーから外れることもないようです。もちろん、土日にある子どもの行事などは休みを取ってきちんと行ってもらいます。
――すると、大変なのは?
厳しい面があるのは、休日よりも仕事の内容です。営業は断られることが多い仕事です。多くのお客様に声をかけますが、普通は「今はちょっと」「もう少し頭金が貯まってから」「今住んでいる家が売れたら」と断られます。断られ続ける精神的なきつさが、若手の離職理由には多いですね。
ただ、厳しい面があるのは住宅業界だけではありません。先日、他業界から転職して来た社員に「前職の方が厳しかった」と言われました。なにも住宅業界だけが厳しいということはないと思います。
──住宅は「人生最大の買い物」ですから、お客さんも真剣ですよね。
個人のお客様はご自身でお金を出されるので、とても強いこだわりをお持ちです。信頼関係を築けると、いただく感謝も大きいです。
また、住宅は数多く販売する商品ではありません。私どもの場合は月に1棟売れれば優秀社員、平均的には2カ月に1棟以上売ろう、という仕事です。低迷すると半年間くらい何も成果が出ないこともあります。
面接で学生に「営業はきついですか?」と聞かれたら、「そりゃあ、きついよ」と答えます。「商品がはっきりしている業界であれば、商品次第で誰でもある程度は売れる。でも、真摯に仕事に向き合えない人が住宅業界に来たら、一生かけても1棟も売れない。そういう厳しさはあるよ」と伝えます。
――たしかに、他のメーカー系商品と家では違いますね。
住宅は商品そのもので勝負しにくい面もあります。たとえば、車なら最初からあるメーカーの特定の車種をほしい人がいますが、「大和ハウスの住宅」というだけではキラーコンテンツにはなりません。どの住宅メーカーも良い家は建てられるし、家を建てるお客様の一番の夢は「幸せな生活」であって、大和ハウスの家を買うことが目的ではありません。
もちろん私どもの家の内部の構造やアフターサービスは充実していますが、外見は大手メーカーと地域の工務店で違いは分かりにくく、価格は工務店の方が安い場合が多い。
私はよく学生にこんな話をします。「大和ハウスの名刺を出せば、たいていの方は社名をご存知です。知名度では、規模の小さい会社様に勝てると思います。しかしビジネスにおいては、社員1万5000人の一部上場企業でも、規模が1000分の1以下の会社様に簡単に負けることがある。大企業の製品が圧倒的に有利な業界と違って、お客様は大和ハウスと他社様の商品競争力にそこまで差を感じておられない」。
「じゃあ何で差がつくんですか?」と聞かれたら、「君でつくんだよ。営業担当、工事担当、設計担当が一緒になって『人』で見せる。人で判断される仕事は厳しいよ」と伝えます。
──裏を返すと、人で判断されることがやりがいや魅力につながる?
そうですね。やればやった分だけ、お客様からの感謝の気持ちや、仕事の成果につながります。「自分でなければできなかった仕事」はやりがいになると思います。
──残業は多い?
2016年11月のNHK「クローズアップ現代」でも紹介されましたが、残業解消の取り組みを進めています。正直にいうと、昭和の時代は不夜城的な状態で、平成に入っても改善されない点がありました。労働基準監督署からの指摘もあり、十数年前から人事部が「本気で撲滅しよう」と様々な手を打ってきました。たとえば、このビル(東京本社)は20時を過ぎると電気がつきません。
10年以上前からやっていますが、2~3年前からは消灯後、翌朝6時まで再点灯できなくしました。エアコンも止まるので、冬は寒く夏は暑くて仕事になりません。
――朝日新聞に大和ハウスの「親孝行支援制度」(介護のための帰省費用を補助する制度)や「次世代育成一時金制度」(出産に対して子ども1人につき100万円を支給)の記事が載ったことがあります。介護や子育てでは先進的な取り組みをしていますね。
意識しているのは「優良企業」になることです。売上高も達成するけれども、労働環境や福利厚生も含めて、名実ともに一流と呼ばれる会社にしたいんです。
「働きやすさ」も大事ですが、一歩進めて「働きがい」「仕事に対するモチベーション」も高めたい。どうすれば社員が働きがいを持てるか。介護や育児、住まい方、業績評価など、ネックになりうる要素は解消し、手当などの制度を整える必要があります。
大和ハウスは、創業者の石橋信夫(1921年、奈良県出身。1955年、「建築の工業化」の理念をもとに大和ハウス工業を創業し、プレハブ住宅の普及などを通じて大企業に発展させた。2003年没)のDNAをしっかり受け継いでいる会社です。「働くことこそが最大の喜びである」という創業者の言葉がありますが、人生の充実感は遊びだけでは得られません。
遊びは楽しいですが、それだけだと後悔するでしょう。仕事で困難を乗り越えたり、できないことができるようになったりすることが、人生のやりがいや喜びにつながります。
それをサポートするのが、職場の福利厚生制度です。「創業者の意志をどうしたら実現できるのか」という考えが根底にあります。
熱量の高い会社 「できること」増やして発展めざす人求む
──大和ハウスって、どんな会社?
「熱い」「あったかい」会社だと思います。いろんな意味で熱量が高い。人に対しても熱くあたりますし、人間くさい会社ですね。時には温かく、時には厳しく、熱量の高い会社だと思います。
──体育会出身者は多いですか。
私が採用担当になってからは、新卒では3割くらいですね。社内には、体育会系も文化部系も理系も、多様な人財がいます。それぞれの特徴を発揮しつつ、ときにシンクロすると良い事業ができます。それが好調な業績につながっていると思います。
事業が幅広いので、多様な人財を採用したい。「住宅には向いていないかも」という学生も、活躍できる場所がどこかにあります。
──大阪発祥の会社ですが、大阪本社に加えて東京も本社ですね。大阪と東京はどちらの社員が多い?
今は東京のほうが多いですね。特に2020年の東京五輪・パラリンピックまでは、東京の仕事が増えています。新卒の配属では、関東1都3県が全体の3~4割です。大きなマーケットの近畿、名古屋圏、仙台、福岡が続きます。
──海外にも進出していますが、グローバル志向の学生もいますか。
いますが、新人がいきなり海外に行くことはありません。日本で培ってきたビジネススキームを海外展開する発想なので、まずは仕事ができる社員を日本で育て、その中で海外志向がある人が海外に行きます。
■和田さんの就職活動、仕事
──和田さんの就活について教えてください。
1999年入社です。商科大学出身なので友人の多くは銀行に行きましたが、私はモノづくりが好きで住宅メーカーやゼネコンを受けました。
──モノづくりにもいろいろありますが、住宅を選んだ理由は?
不動産のチラシを「いい家だなあ」と眺めるなど、家や間取りが好きだったんです。図画工作や手先を動かすことも得意でした。就活で自己分析をして、人の生活を支えるハードウェアを届ける仕事を目指しました。
また、住宅機器メーカーで働く兄から業界の話を聞き、家が好きだと改めて感じました。私が住宅メーカーに行ったら、兄の会社に発注する立場になれるとも思いました(笑)。
──大和ハウスにした決め手は?
当時の採用担当者が熱心に誘ってくれたのが大きかったですね。「来たい人は来なさいよ」というスタンスの会社もありましたが、大和ハウスは「君が必要だから来てほしい」と。やはり必要とされるところに行こうと思いました。
──入社後の経歴を教えてください。
大阪本社で人財育成、社内研修の仕事をした後、採用担当になりました。その後、横浜支社の総務責任者として事業所の運営に携わり、2014年から現職です。
もともと営業志望で、住宅を売るつもりで入ったのに、なぜか配属が人事部で……。今でも「営業もやってみたかった」という気持ちはあります。ただ、昔の上司に「人事の仕事を頑張って、どこかの営業所長に『お前、営業をやっても絶対に売れるよ』と言わせればいいじゃないか」と言われてからは、「営業に来いよ」と言ってもらえるような仕事をしようとやってきました。営業向きだと評価してくれる人も出てきて、「今の仕事も営業をしているようなものかな」と勝手に思っています。
──印象に残っている仕事は?
たくさんありますが、さきほどお話しした会社説明用の冊子もその一つですね。ビルや商業施設など一般建築部門の施工実績をビジュアルで紹介しています。2020年までに当社のゼネコンとしての力も認めてもらおうと、3カ月に1度発行しています。
──冊子はどのように活用しているんですか。
大学の先生や学生にお届けしています。たとえば就職担当の先生に、会社案内に加えて冊子を持っていきます。冊子のコンセプトは、指示があったわけではなく、私が課題を見つけ対策を考えた結果です。定期刊行物にすると決めたのも自分ですし、2020年という目標年限も自分で決めました。
冊子は一例ですが、当社は、やりたいと言えばやらせてくれます。費用は結構かかっていますが、「やりたいんです」と熱量を持って訴えると、「じゃあ、やるか」と言ってくれる。
──冊子に「できるだけ、できないことを」とありますが、これは学生へのメッセージですか。
大和ハウスは、積極型にチャレンジできる人財を求めています。「できないこと」が「できるようになっていく」のが一番楽しく、やりがいにつながります。いろいろな事業をしている会社で、さらにできることを増やして発展を目指す人を求めています、というメッセージですね。
みなさんに一言!
「働くことこそ最大の喜びである」と伝えたいです。私はずっと野球をしていましたが、「誰でも出られる甲子園」には感動しませんよね。出場までに相当な苦労やドラマがあり、それを乗り越えたときに喜びや感動があります。
仕事を選ぶときには、「『できることをできる範囲でやる』のではなく、『できないことをできるようにする』という目標を持ってほしい。仕事でワクワクする気持ちを持ってください。
ワクワクするのは、「もっと知りたい」という気持ちの表れです。例えば「野球を上手くなりたい」と思ったら、テレビで野球の試合を見るだけでワクワクします。そういう好奇心や関心を持てる対象を見つけてほしいですね。
それが大和ハウスの仕事の中にあれば、もちろんウェルカムですし、そうでなくても、皆さんそれぞれがワクワクできる仕事を見つけてくれれば、採用担当者として嬉しいですね。
そして、その道で成功したら、ぜひ大和ハウスで家を建ててください!(笑)
大和ハウス工業株式会社
【建設・不動産・住宅】
大和ハウス工業は、工業化建築のパイオニアとして、住宅や集合住宅、商業施設、物流施設などの建築に加え、環境エネルギーやロボット、農業など幅広い事業を展開しています。さらにアジアやアメリカなど、グローバル市場にも積極的に進出。「人・街・暮らしの価値共創グループ」として、世の中に必要とされる商品・サービスの提供を通し、新たな価値の創出に挑戦し続けます。
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