ヤマト運輸株式会社
2017シーズン 【第13回 ヤマト運輸】
失敗責めるより挑戦をほめる 出世も仕事もチャンスは立候補制
人事戦略部人事戦略部長 渡邊一樹(わたなべ・かずき)さん
2016年04月15日
――2015年春の入社数と2016年入社予定の内定者数、男女比を教えてください。
2015年は事務が147人(男性67、女性80)、乗務(SD=セールスドライバー)は35人(男性33、女性2)です。2016年入社は大卒事務が143人(男性63、女性80)、乗務は19人(男性19、女性0)です。文系、理系は問わず採用しています。大学院卒は昨年2人、今年5人採用しました。
――採用数の傾向は?
ここ十数年はあまり変わりません。ヤマト運輸の社員は16万人いますが、ほとんどが中途採用。新卒採用者には将来的に経営を担って欲しいと考えているので、毎年一定数採用するようにしています。2017年卒採用もこれまでとほぼ同数を採用する予定です。
――特に積極的に採用している分野や学部などはありますか。
当社はモノを運ぶのも重要ですが、その際にはITの知識が必要ですし、SDの配置などについても時間帯や業務量によって変動し綿密な計算が求められるなど、実はIT系や情報系を学んでいる方のフィールドが増えていると感じます。もっとこの分野の人に来て欲しいですね。現在は結果的にではありますが、経済系の学生が多く志望してきています。
■職種
――事務系総合職とSD職は大卒対象ですが、どちらの職も受けることは可能ですか。
はい、事務とSDは併願できます。この2職種は入り口が違うだけで、どちらの職種であっても将来的に経営を担ってもらいたいと考えているので、採用時にどちらから入社してもらっても構いません。
――SDで入社して、途中から事務系の仕事に転じることも可能ですか。
経営を担うまでのステップの一歩目は営業所、弊社では支店と呼んでいますが、その事業所の所長です。SDが50~60人、アルバイトも100人くらいいる支店の責任者をまず目指してもらうわけですが、そこまでに事務でキャリアを積むのかSDでキャリアを積むのかという違いがあるということです。支店長を経験した後は主管支店長、さらに全国10カ所ある支社の支社長、あるいは本社勤務……とステップアップしていきます。支店長になるのはだいたい入社5年目以降ですね。
――SDも支店長になっていくのですか。
そうなってもらいたいと考えています。ずっと現場にいたいという希望があれば、それも可能です。
当社は自主性を尊重していて、自分のキャリアアップも基本的には立候補制をとっています。SDでも事務職でも役職者になりたいと考えたら手をあげてもらい、その中から選抜する仕組みにしています。逆に言えば、自分で手をあげなければ、役職者にはなれません。
――事務職とSDは給与体系も同じですか。
基本部分は同じですが、若干インセンティブのルールが違います。
■エントリー数
――2016卒採用のプレエントリー数を教えてください。
約6600人です。前回が約6400人なので200人程度増えました。そのうち実際にエントリーした数は約1100人です。
これまでは広報開始から徐々にエントリー数が増えてそれから減っていっていたのですが、今回は3月に一気にエントリー数が増え、そこからは微増にとどまりました。短期決戦という印象が強かったのか、業界を絞って選考に臨んだ学生が多かったようです。そのぶん、その業界がだめで他の業界に行こうとしてももう選考が終わっているということで苦労している学生も見受けられました。
――業界を絞っているということは、企業研究はしっかりしていた?
そうでもなかったですね。業界の研究はしているけれど、たとえば弊社に対する研究はそこまでできていなかったりする。業界内で企業を絞りきれなかったのかなという印象は受けます。
――リクルーター制はとっていますか?
社員訪問のリクエストがあった時にすぐに応えられるような社員の体制は整えていますが、選考には関与していません。
■女性
――女性の採用数が多いですが、目標数があるのですか。
結果的に、女性の数が多くなっているということです。エントリー数は男性のほうが多いですが、女性のほうが企業研究をしっかりしていて、働くことに対する意識が高いという印象を持っています。当社への熱意、当社で何をしたいのかについて具体的なイメージを持っているのは、女性のほうが多い気がしますね。
女性は自分の今後の人生についてしっかり考えている学生が多いように感じます。将来的に結婚したり子どもが生まれたりすることを考えて、本当にここは働きながら子育てができる会社なのかをしっかり研究して、質問してくる学生が多い。そういった中で、そもそも自分は何のために働くのかということをしっかり考えて就職活動しているのではないでしょうか。
――30代前後の女性支店長もいるんですか?
女性の管理職の数がまだ少ないことが我々の課題と考えていて、親会社であるヤマトホールディングスは2014年にダイバーシティー推進室を新設し、積極的に女性活躍を進めようとしています。
――昇進に立候補する女性は多いんですか。
主管支店の課長という役職もあり、こちらは専門職的要素が強いのでこちらを目指す人が今のところ多いです。支店長など現場の責任者に手をあげる人はまだ少ないですね。
ESでは足切りなし 全員面接で積極性みる
――2016卒採用のスケジュールを教えてください。
経団連指針通り3月に説明会を行い、8月から選考を開始して、8月終わりまでで内々定を出しました。
――新潟など地方都市でも説明会を開いていますね。
そうですね、本社だけではなく北海道から九州まで10ある支社でも説明会を行っています。基本的には会社の説明のみです。パワーポイントや動画を使って当社の概略を説明し、先輩社員が入社後にどんな仕事をするのかを話して、興味を持ってくれた学生は選考に、という形です。
――職種を選択するのはプレエントリーの時点で、ということですね。
そうです。それから説明会に参加し、選考にという流れです。
――ESはいつごろ締め切りましたか。
最終的に、9月上旬まで受け付けを行いました。基本は面接重視で、ESでは選考せず全員面接します。当社のESはしっかり書く必要があり時間がかかるので、ESをしっかり書いてくる学生は当社に興味を持っていると判断しています。空欄で出してくる学生はあまりいないですね。
――2017年卒採用のスケジュールはどうなりますか。
経団連の指針に沿って動こうと思っていますので、広報は3月スタート、面接は6月スタートです。選考方法も基本的に変わりません。
■面接
――面接の形式を教えてください。
全部で3回、1次面接はグループディスカッション(GD)、2次面接が人事担当責任者による20分程度の面接、3次が最終でこちらも約20分、人事の責任者と採用責任者で面接します。
――GDはどういう形式ですか。
参加者は6~7人で、テーマを決めていろいろな結論を出してもらう形です。業務にかかわるものではなく、その場で気軽に話し合えるようなテーマを選んでいます。
――そこではどういうところを見ますか。
積極的に発言をするかどうか、それと「傾聴」の姿勢ですね。1次面接では当社に入りたいという熱意の部分はわからないので、ここで絞り込むというより一人ひとりの性格を見極めます。半分以上は通過します。
――2次面接、3次面接ではどういうところに注目しますか。
一番大きいのは当社に対する熱意があるのか、企業理念に対する共感性があるのかどうかです。いま提供しているサービスの改善点など学生なりに考えてきたことを話したり、実際に入社した後、どんな仕事をしたいのかをしっかり伝えてくれたりすると、やる気を感じますね。自分の人生の中で、ヤマト運輸というフィールドで何をしたいのかという話を聞くこともあります。
――どんな学生の話が響きましたか。
いま「国際宅急便」という商品を扱っており、国内と同じように海外の住所を送り状に書くだけで先方に届くようにしたいと取り組んでいるのですが、こういう話をあえてしなくても、学生のほうから将来そういったことをしたいという話を聞くと、弊社について真剣に考えてくれているのかなと感じますね。
■ES
――ESはどんな内容ですか。
基本的な質問が多いです。履歴書的な部分と志望動機、学生時代何に取り組んだのか、「社会で活かせると思うあなたの強みやそれを使って当社で実現したいこと、チャレンジしたいこと」などです。WEB上で打ち込んでもらう形で、字数制限はありませんがスペース上に収まるようにしてもらえれば。だいたい400字ですね。ESで選考はしないので、これをもとに面接で深掘りしていく資料と考えています。
――大学の成績については聞きますか。
成績証明書は提出してもらいますが、我々の業界と関連するテーマでなければ特に聞きません。
――どのようなインターンシップを実施していますか。
疑似的なゲームを使って経営のシミュレーションをするなどヤマト運輸の仕事を経験してもらったり、あとは実際にSDと一緒に集配の経験をしてもらったりします。
「利益の前にサービス」に共感できるか? 社員一人ひとりがヤマトの代表
――求める人材について教えてください。
将来の経営を担う人材になってほしいので、弊社の理念に共感できる人に入ってもらいたいです。理念の中で一番大きいのが「ヤマトは我なり」という社訓。すなわち自主性があり、自律的であることです。それと「サービスが先、利益は後」という言葉があって、サービスを提供し、お客様の喜びを自分の喜びとして感じられる人に来てもらいたいとも考えています。その二つの要素と、あとは経営者になりたいというモチベーションがある人を求めています。
――学生時代にやってきたことから見極めるのですか。
そうですね。会社が自分に何をしてくれるかというスタンスではなく、自分はヤマト運輸に入ってこんなことをしたいという考えを持っている人に来てほしいです。
――アルバイトやサークルの経験を書く学生が多いのでしょうね。
以前はそういった経験を書く学生が多かったですが、最近は勉学、ゼミとボランティアについてアピールする学生が増えましたね。我々のころよりもまじめに学生生活を送っていると思います。
――印象に残っているエピソードはありますか。
東北の震災を機に、ボランティアをはじめた人が多い印象は受けますね。
――勉学についてはどんな話が印象に残りますか。
勉学の内容より、どう打ち込んできたかを見ています。ただ、勉学に打ち込んでいる人はそもそもすごい人が多いですね。一つの真理に対して突き詰めていく作業は大変ですし、それに学生時代打ち込んできたのはすごいなと思います。
――アルバイトで多いのは?
接客業のアルバイト経験者が多いですね。当社をサービス業として見ている学生が多いからだと思います。我々も物流業ではありますがサービス業という意識で仕事をしているので、そこの部分に共感してくれているのかなと思います。
――勉学のほうがアルバイトやサークルよりもアピールする?
そうは思わないですね。サークルでもアルバイトでも、何かしらの集団の中で動いているので、その中でどういう役割をしてきたかを聞きます。我々の仕事も単独よりチームで動くので、チーム内での動きは見ます。
――どんな役割をしてきた人が向いていますか。
必ず引っ張るタイプの人間が欲しいということではなく、フォローする人も必要です。ただ、チームで何か困難があったときにどう対処したのか、どういう動きをしたのかには興味があります。
――これだけ大きな会社で「経営者になりたい人」を求めるのは珍しいですね。
我々サービス業はお荷物をお客様にお届けする瞬間が重要です。いちいち上司に相談する余裕はなく、その場その場でお客様との間で判断することが必要なので、当社はなるべく権限を現場に委譲しているんです。だから営業所は人やモノ、お金の管理の権限がある一つの会社のような組織で、支店長はその権限をすべて握る存在になる。意欲のある人だと、20代後半で支店長になるケースもあります。その段階でもう経営のセンスが必要になってくるので、そういった人材を求めているということです。
――日本全国で支店はいくつありますか。
お荷物の集荷・集配を行う営業所は約4000、そのうち支店は1500~2000店です。二つ~四つの営業所をたばねているのが支店です。
――支店によって運営方法が違うのですか。
当社には必要最小限の接客マニュアルをのぞき、いわゆるマニュアルはありません。我々の言葉では全員経営、自分がお客様にとってはヤマトの代表者であるという意識で瞬間瞬間を大切にしていきましょうという考えです。「サービスが先、利益は後」の精神のとおり、一人ひとりが対峙しているお客様にとって何が一番いいサービスか常に考えなければいけない。事細かな接客応対のマニュアルがあるとそのマニュアルに沿っての応対しかできないことになりますので、あえて作っていません。どのような応対がふさわしいかなどはそれぞれ状況に応じて行う必要があります。
――支店や支店長によって、雰囲気もやり方も違うんですか。
マネジメントの仕方はかなり変わります。先頭を切って走るタイプもいれば後ろから支えるマネジメントもあるし、それは人それぞれですね。
■新聞
――時事問題について聞いたり、新聞を読んでいるかは確認しますか。
私自身の考えでいえば、社会人は世の中の動きを把握するうえで新聞を読むのが必要最低限の心得だと思います。ネットでニュースは見られるからいいという意見もありますが、一つの事件に関して検証したり深く掘り下げる部分はネットよりも新聞が優れていると思っているので、読むべきだと思います。面接で直接聞くことはありませんが、基礎知識を形成するうえでは大事ではないでしょうか。
――内定者が競合する会社は?
多種多様ですね。サービス業という観点で選ばれているからだと思いますが、金融や商社や流通系など、バラバラです。
社員のアイデアを大切にする 「待ち」の姿勢の人には厳しい
――ヤマト運輸にはどういう社員が多いですか。
自主性、自律性を尊重している会社なので、手をあげた人にチャンスを与えてくれる会社だと思いますね。自分がやりたいことには積極的にチャレンジできますし、失敗を責めるよりチャレンジしたことを褒める、認める文化がありますので、積極性のある社員が多いです。
――積極性を促す社風がある?
いろんな仕事に対してこういった部分を改善したいと提案すると、じゃあやってみてごらん、ということが多いと思います。まだ改善しなければいけないことはたくさんありますから。これでいいんだと思ってしまうとなかなか自分から改善しようとはしないものですし、そういった提案は大事にしています。
――創業者の理念が影響していますか。
そうですね。自分がヤマト運輸の代表者であり、お客様にとって一番いいことは何かを考えようと言っているので、創業者や創業時からも受け継がれている精神は大きいと思います。
――社員のアイデアで実現したものは?
弊社はどちらかというと本社が何かを企画するよりも、現場の意見を吸い上げて改善したり商品を開発したりすることが多い会社です。たとえば「スキー宅急便」というのは長野県のSDがアイデアを出したもの。リンゴの集配が終わって暇になる時期、スキー板を抱えている人を見て大変そうだなと考え、我々で運べないかとまず長野で商品化したらすごく好評で、全国に発売されたという経緯があります。
――アイデアはどこで提案するのですか。
経営戦略会議という会議が毎週金曜日にあり、社員が経営者に対して提案できる場になっています。現場は主管支店や支社に提案し、本社ではその担当員がこの会議で役員に提案する、という流れになっています。提案が通れば即商品化にすることもあります。商品だけではなく、業務の改善に関する提案もあります。
――社内では議論が多い?
最近は一つの部署で解決できない問題が増えているので、部署の垣根を越えて対処する例が多いですね。「クロネコたまご」というシステムがあり、だれでも直接その業務を担当する部署に改善などを提案することができます。センターの受け付けで働いているゲストオペレーターは、送り状の書き方の提案や「HPがわかりにくい」というお客様からの意見など、小さなことでも改善を提案できるようになっています。このような点については、自らさまざまなことに気付き、議論を交えながら解決策を考える必要があります。
■研修
――どんな研修システムがありますか。
まずは1年次と2年次に2泊3日のフォローアップ研修をします。あとは若手のころから経営的な感覚を持ってもらうため、若い世代を対象とした研修(ジュニアリーダー塾、次世代リーダー塾など)やグローバル研修制度があります。若いうちに海外で仕事を経験したいという入社4~5年目の社員を対象に、半年から1年間ほど海外で仕事をしてもらいます。これらは基本的には公募制です。
役職に立候補する際には、「兼務役職者」「経営役職者」という社内資格をもつための養成研修を受けてもらいます。その資格を持ったうえで、役職に立候補してもらうという形をとっています。役職者になるためには半年の間に8~10回、経営役職者になるためには1年間の間に5回程度、座学や現場研修を受けます。資格を取るか取らないかも、いつ取るのかも社員本人に任されています。
■仕事の理想と現実
――ヤマトで働くことの理想と現実、やりがいと厳しさを教えてください。
弊社はお客様に向けて商売を行うわけですので、お客様から直接ありがとうと言っていただける。それが仕事のやりがいにもなりますし、もっと良いサービスを提供しようというモチベーションにもなります。
「サービスが先、利益は後」の精神で、時間帯お届けサービスを始めたり、SDの携帯電話を導入して、お客さまが直接連絡できるようにしたりするなど、少しでもいいサービスを提供しようと取り組んでいます。最初はお客様も喜んでくれますが、だんだんそれが当たり前になってくるし、我々への期待が高い分裏切ったときには厳しいおしかりも受ける。いいサービスを維持していく苦労はあります。
――ご自身の就活を振り返ってください。
1997年入社です。あまり業種はしぼらず、年齢に関係なくチャレンジできる会社で働きたいと思っていました。物流に興味があったわけではないのですが、たまたまヤマト運輸の説明会を聞き、「将来の経営者になってもらいたい」「若いうちから意欲があれば権限を与えられる」という説明を聞いてすごく興味をひかれ、入社しました。
――入社してからの仕事を教えてください。
人事の仕事が多く、若い時に人事の制度設計や制度改定に携わり、ホールディングス制に移行したときにも人事を担当、グループ会社でも人事全般を担当してきました。ヤマト運輸の中では異端ですね。
――入社すると総合職でも配送の現場を経験するんですか。
します。現場は最低1年、職場は全国に散ります。ただ、珍しいケースなのですが私は現場での仕事を経験していません。
――これまでで一番印象的な仕事は何ですか。
意欲さえあれば若い人にもチャンスを与えてくれる会社です。同期でも20代半ばで支店長になった人がいました。私も入社6年目にSDのインセンティブの改定案からシミュレーション、最終的な運営まで約1年半にわたり全部やらせてもらいました。もちろん上司がフォローしてくれたのですが、シミュレーションが一つ間違えば会社の収支にもSDの給料にもかかわってくるというプレッシャーの中で仕事をやり遂げたことに大きなやりがいを感じました。
――その仕事には立候補したのですか。
はい。私自身も一人でやってみたいという思いがありました。新たな評価指標などを上司に提案し、労働組合に対しても提案しました。ただ、6年目の社員がここまでの仕事をするというのは、弊社では結構普通のことだと思います。
――異動は全国ですか。
基本的には一般社員の間は自宅から通えるところでと考えているので、大卒の新入社員の多くは自分の出身地から通えるエリアで働いてもらいます。全国転勤は役職者になる条件なので、ずっと地元で働きたければ役職者にならないという選択肢もあります。現場配属時は集配業務や、接客応対、支店の事務管理などの業務を行いますが、2年目以降は日本全国に70ある主管支店に配属されてジョブローテーションを通して経験を積みます。
――採用も全国からするのですか。
そうです。だから10支社でも採用をやっています。2次面接までは支社で行い、最終面接だけ本社で実施しています。
――地方勤務の学生を採るのは難しいのでは?
各地域に必ず大卒社員を入れなければいけないとは考えていません。社員に対するOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)はどこの営業所でも身につくと考えています。将来的に経営者になってもらいたいし、基本的に全国転勤で海外勤務の可能性もあるという話をすると、地元志向だからといって辞退する人が多いですね。地元に居続けたいという人とはミスマッチが起こると思っています。
――海外展開に向けて英語力を選考の基準にすることは?
そこは考えていないです。英語力も必要だと思いますが、それよりも積極的にコミュニケーションをとる姿勢のほうを重視していますね。海外にいくと特に現場、現地の社員の中にどんどん入っていけるかが大切。それができないと問題は解決しませんし、それができる人は片言でも現地の人と話し合い改善することができると思います。
みなさんに一言!
就職活動は人生にとって重大な出来事なので、すごく緊張もするでしょうし、不安な気持ちになると思います。でも、就活はいろいろな企業と対等に話ができるチャンスでもあります。社会人になると同じ業界の人としか話ができませんが、就活のときは様々な業界の人と話ができて、これは社会人になったときにすごく役に立ちます。このチャンスをできるだけいかしてほしい。自分の知っている会社や業界だけではなくまったく知らない業界や知らない会社も回ってみたほうが社会人になったときに大きな糧になりますので、たくさん企業を見てください。その中で、ヤマト運輸を選んでいただければうれしいですね。
ヤマト運輸株式会社
【運輸】
1919年11月29日に創立し、路線便の事業などを行いました。1976年1月20日に、宅急便サービスを開始し、以降、お客さまの利便性をさらに向上したいと考え、「スキー宅急便」「クール宅急便」や「時間帯お届けサービス」などの商品・サービスを提供してきました。1日目に11個だったお荷物は、現在は年間約16億個で、一日では約450万個のお荷物を取り扱っています。海外では上海、シンガポール、香港、マレーシアの4か国・地域で宅急便事業を展開しています。今後は、お客さまの利便性を図り、社会で一番身近で、一番愛される企業に目指して、さまざまな取り組みを行っていきます。
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