楽天株式会社
2017シーズン 【第2回 楽天】
目指すは「世界一のインターネット企業」 会社とともに成長を!
楽天グローバル人事部採用推進課採用グループマネージャー 井上悠(いのうえ・ゆう)さん
2015年07月31日
■採用スケジュール
――楽天は経団連に加盟していないので「就活後ろ倒し」には左右されないと思います。2016年入社の採用はどんなスケジュールで進んでいますか。
当社は2014年12月からエントリーシート(ES)の受け付けを始めました。最初の選考は2015年3月ごろの1次選考から始まり、回を重ねて6月から4次選考です。
8月から選考を開始する経団連加盟の大手企業を同時に受ける学生もいるので、最終的な内定者数が確定するのはもう少し後の時期になると思います。
――6月現在でどのくらい内定、内々定を出していますか。
具体的な数字は言えませんが、順調にオファーは出しています。
――大手が8月まで正式に決まらないから、それまで何回かに分けて内定を出すわけですね?
そうですね。学生には様々な企業を比較したうえで楽天を選んでほしいし、納得して入社してほしいと思っています。中には8月まで結論を出せない学生もいるので、そこは待ちたいと思います。
――経団連指針や日本の採用システムについてはどう思いますか。
スケジュールに関しては、外資系企業が大学3年生のうちから採用に動くので、4年生の8月から選考を始めたのでは遅いと考えています。だから当社は8月より前に選考を始めました。スケジュールは学生にとって一番良い形にしてほしい。8月選考開始で学生の負担が減って学業優先になればいいが、現状は必ずしもそうなっていないように思います。
■採用実績
――2015年春入社の人数と男女比や文理を教えてください。
春入社の新卒だと全部で約320人で、男女比はほぼ半々です。全社的にも女性社員は4割を占めます。
文系、理系の比率データはありませんが、エンジニアも採用しているので理系の学生は多いですね。開発職は全体の約15%、春入社組みだと約320人中約50人がエンジニアとしての採用です。残りの約270人がエンジニア以外のビジネス総合職で営業、マーケティング、コーポレート系に配属されます。
エンジニアに関しては、2017年度入社の採用から中途採用と同じ通年採用に切り替えます。エンジニア採用は特に外国籍の方の志望者が多く、4月入社が都合いいわけではないので、「エントリーレベル」という、いつでも入社できる形に変えます。
――ビジネス総合職の入社時期は?
現在は従来通り10月と4月の入社です。今後会社のグローバル化が進めば採る人材や出身国も変わる可能性があります。そのあたりは柔軟に変化する会社なので入社時期も変えるかもしれません。
――新入社員の国籍は?
今年の春採用は約23%、約70人が日本以外の国籍です。アジア系も欧米系もいます。外国籍枠は特に設けていないし採用も一緒に行います。面接での使用言語は日本語と英語を選べるようにしています。1次面接はブースごとに、こっちは日本語、こっちは英語でという感じです。社内公用語が英語なので対応は問題ありません。
■採用フローとWEBテスト
――2015年入社採用の総エントリー数を教えてください。
登録ベースで4~5万人、本エントリーは1~2万人ですね。会社の知名度が向上したこともあり、エントリー数は順調に増え続けています。
――どんな選考フローでしたか。
時期によって変わりますが、基本的には会社説明会後にESを提出、WEBテストを受けてもらいます。面接を複数回、一般的には3回くらいやって内定です。2013年12月にスタートした第1次選考の場合、ESとテストが2014年1月末~2月、面接が3月で、早い人は3月中、基本的には4月ごろに内定を出しました。(編集部注:2017年卒採用はフローの変更あり)
―-WEBテストの内容は?
書類選考を通った人に受けてもらう適性検査のようなものです。言語や数学的な知能と、パーソナリティーのコンピテンシー(能力・特性)を見る内容です。言語や数学の要素は成績の良いほうから通します。
楽天には社員に求める行動規範「成功のコンセプト」があり、これを実現するための11のコンピテンシーがあります。これと学生のパーソナリティーとの合致度も見ています。テストは市販のものをベースに当社がカスタマイズしたもので、自宅でPCで受けてもらいます。
――楽天は経団連に加盟していないので「就活後ろ倒し」には左右されないと思います。2016年入社の採用はどんなスケジュールで進んでいますか。
当社は2014年12月からエントリーシート(ES)の受け付けを始めました。最初の選考は2015年3月ごろの1次選考から始まり、回を重ねて6月から4次選考です。
8月から選考を開始する経団連加盟の大手企業を同時に受ける学生もいるので、最終的な内定者数が確定するのはもう少し後の時期になると思います。
――6月現在でどのくらい内定、内々定を出していますか。
具体的な数字は言えませんが、順調にオファーは出しています。
――大手が8月まで正式に決まらないから、それまで何回かに分けて内定を出すわけですね?
そうですね。学生には様々な企業を比較したうえで楽天を選んでほしいし、納得して入社してほしいと思っています。中には8月まで結論を出せない学生もいるので、そこは待ちたいと思います。
――経団連指針や日本の採用システムについてはどう思いますか。
スケジュールに関しては、外資系企業が大学3年生のうちから採用に動くので、4年生の8月から選考を始めたのでは遅いと考えています。だから当社は8月より前に選考を始めました。スケジュールは学生にとって一番良い形にしてほしい。8月選考開始で学生の負担が減って学業優先になればいいが、現状は必ずしもそうなっていないように思います。
■採用実績
――2015年春入社の人数と男女比や文理を教えてください。
春入社の新卒だと全部で約320人で、男女比はほぼ半々です。全社的にも女性社員は4割を占めます。
文系、理系の比率データはありませんが、エンジニアも採用しているので理系の学生は多いですね。開発職は全体の約15%、春入社組みだと約320人中約50人がエンジニアとしての採用です。残りの約270人がエンジニア以外のビジネス総合職で営業、マーケティング、コーポレート系に配属されます。
エンジニアに関しては、2017年度入社の採用から中途採用と同じ通年採用に切り替えます。エンジニア採用は特に外国籍の方の志望者が多く、4月入社が都合いいわけではないので、「エントリーレベル」という、いつでも入社できる形に変えます。
――ビジネス総合職の入社時期は?
現在は従来通り10月と4月の入社です。今後会社のグローバル化が進めば採る人材や出身国も変わる可能性があります。そのあたりは柔軟に変化する会社なので入社時期も変えるかもしれません。
――新入社員の国籍は?
今年の春採用は約23%、約70人が日本以外の国籍です。アジア系も欧米系もいます。外国籍枠は特に設けていないし採用も一緒に行います。面接での使用言語は日本語と英語を選べるようにしています。1次面接はブースごとに、こっちは日本語、こっちは英語でという感じです。社内公用語が英語なので対応は問題ありません。
■採用フローとWEBテスト
――2015年入社採用の総エントリー数を教えてください。
登録ベースで4~5万人、本エントリーは1~2万人ですね。会社の知名度が向上したこともあり、エントリー数は順調に増え続けています。
――どんな選考フローでしたか。
時期によって変わりますが、基本的には会社説明会後にESを提出、WEBテストを受けてもらいます。面接を複数回、一般的には3回くらいやって内定です。2013年12月にスタートした第1次選考の場合、ESとテストが2014年1月末~2月、面接が3月で、早い人は3月中、基本的には4月ごろに内定を出しました。(編集部注:2017年卒採用はフローの変更あり)
―-WEBテストの内容は?
書類選考を通った人に受けてもらう適性検査のようなものです。言語や数学的な知能と、パーソナリティーのコンピテンシー(能力・特性)を見る内容です。言語や数学の要素は成績の良いほうから通します。
楽天には社員に求める行動規範「成功のコンセプト」があり、これを実現するための11のコンピテンシーがあります。これと学生のパーソナリティーとの合致度も見ています。テストは市販のものをベースに当社がカスタマイズしたもので、自宅でPCで受けてもらいます。
入社までにTOEIC800点が条件 海外へのあこがれだけでは通用せず
■ES~面接
――書類選考でかなり落とすのですか。
ESは落とすことを目的にしたものではなく、学生のみなさんが楽天に対する理解をより深めてもらうことと、楽天で働くことを考える機会、また面接官がより深い質問するための資料ととらえています。
――ESの項目を教えてください。
「就活の軸」「楽天のどこに興味を持ったのか」「利用したことのある楽天のサービス」といった質問に加え、サークル、部活、アルバイト、インターン経験などを書いてもらいます。英語能力、留学経験、資格、研究テーマを書く欄もあります。
――英語力が足りない人は落としますか。
当社は選考では英語の能力は見ず、あくまで参考情報です。我々がお願いしているのは、入社2週間前までにTOEICで800点とってくださいということ。とれない場合は内定を取り消します。2015年4月入社の際は選考時点で800点未到達者が100人弱いましたが、最終的に全員入社までに800点を取得し入社しました。我々も勉強法をアドバイスしたり、TOEICを無料で受験できる仕組みを整えたりしてサポートしています。
――なぜTOEICを基準にしているのですか。
あくまでいくつかある指標の1つという位置付けでTOEICだけで見ているわけではありませんが、会社の人事制度としてTOEICを導入しているためです。英語力=TOEICではないと考えていますが、我々のビジネスの進め方は、「目標を立て、それをブレークダウンして小さな目標に落とし込み、達成しながら成長していく」というものです。英語に関しても単純に「英語力を上げましょう」ではなく、第1フェーズとして「読み」「書き」の能力を高めることを目標にしているのでTOEICがその指標に最適と考えました。第2フェーズはコミュニケーション能力の向上。さらに第3フェーズとして海外での経験、就業体験を積むことも研修プログラムの一環として導入しています。
――「就活の軸」という質問の狙いは?
その人のキャリア観、どういう希望を持って会社を選んでいるのかを把握するためです。
――就活の軸や志望理由で、多くの学生が書くパターンは?
多いのは、グローバルな場でキャリアを築きたいというものですね。私個人の見解ですが、「グローバル人材」といっても世界中を股にかけて仕事している人はそれほど多くない。むしろ一つのローカル市場に専心して仕事をしていても、グローバルな視野や海外市場の情報を意識して持っているのがグローバル人材だと思います。
「海外で働きたい」というあこがれだけでESを書いてくる学生もいます。でも我々の世界展開は、eコマースなど日本での成功事例を世界に輸出し、海外に楽天市場のビジネスモデルを構築していくフェーズにある。だからまず日本で働いて成功事例を吸収してもらいたい。「最初から海外」ではなく、基礎的なビジネススキルを身につける期間、日本の成功事例を習得する期間が必要です。単に「海外で働きたい」というだけの希望だと、我々と学生が期待する働き方の間に齟齬が出てくるので、ESをもとに面接で深掘りして聞きます。
――志望度を見るポイントは?
我々は「世界一のインターネット・サービス企業になる」という目標を掲げていて、この企業理念に本気で共感しコミットしてくれる人を探しています。社内公用語を英語にしたのもこの目標のためですから。
だから、学生が考える今後の理想的なキャリア像と我々の方向性が合っていることが大事です。同じ野球をするにしても、甲子園を目指すチームと県大会で善戦できればいいと思っているチームでは関わり方が全然違いますよね。学生も、ただ食うために稼げればいいやと仕事を探している人と、仕事を通じて社会に価値を与えたいとか自分が仕事を通じて組織に貢献したい、世界一の企業を創り上げたいといった意思を持っている人では全然違うと思います。
■学生時代の経験
――ESの勉強、サークル、アルバイト、インターン経験欄がそれぞれ200~400字。こんなに書かせる目的は?
面接の材料の肝ですから。「Always Improve, Always Advance」(常に改善、常に前進)という楽天の成功のコンセプトを考えると、勉強でもサークルでも継続的に何かに力を入れて改善していく、より良くしていこうとする働きかけ、継続的な努力をしてきているかを注目して見ます。
――そこを面接で深掘りして聞くのですね?
具体的なアクションに対してその結果うまくいったのかいかなかったのか、うまくいかなかった場合はどう対処したのかを聞いたりします。ある一日すごく頑張った人より、長期的な目標を持って努力し、様々な困難にぶつかりながら何かを良くしていったり、いい成果が得られなくても何か学んでいたり、そういうことをしてきた学生は我々の価値観と合致する感じがします。
――たとえば、どんな学生が合致しましたか。
定番ですが、サークルや部活の部長を務めて、チーム全体の成果や順位を目指してチームをまとめていった、練習方法を変えていったという人。たとえば、部活で県大会に備えての練習中に顧問の先生が病気になった。そのとき役割を即座に変え、自分が練習メニューを考える立場に回り組織全体の練習方法を変えていった、という学生がいました。我々の価値観に合致しましたね。
――学生からは「ESに書けるような特別な体験がない」という悩みをよく聞きます。
特別でなくても、普通の飲食店アルバイトの経験でもいいと思います。その中で自分なりに考えながら工夫して取り組んだり、努力し続けたりしたことがあればいい。その努力の仕方を見ます。
――大学の勉強を頑張ったという経験でも?
いいと思います。たとえばゼミでも10人くらいのゼミ生の組織を動かす役割、ゼミの先生以外の人と交渉する渉外の役割など様々な役割があるわけで、ゼミの中でもいろんな経験をしている人がいますよね。
――小中学生からずっと続けてきた経験はプラスですか。
長く続けたからいい、というわけではありません。続ける過程の中で創意工夫し、継続的な改良をしてきたか、高い目標に挑戦する姿勢があるかを見ます。TOEICのスコアを上げた学生にも、ただ勉強時間を増やしたという学生と、自分の弱点はリスニングかリーディングか語彙力かを分析し、目標を分解して集中的に勉強して成果を上げた学生がいます。同じ結果に至ったとしても、その間のアプローチ、アクションの仕方は違う。そういったところから、我々の価値観と合致するかどうかはわかります。
――サークルやアルバイトは頑張っても勉強はしていないと、マイナス評価ですか。
そんなことはありません。サークルを頑張った学生も、アルバイトを頑張った学生も、勉強を頑張った学生もいる。すべて100%なんて珍しい。そこでどう頑張ってきたかを見るだけで、「君は勉強していないじゃないか」という見方はしません。
――大学の成績を判断材料にする企業もあります。
大学や学部によって評価のばらつきがあるので、判断材料の主軸にはしていません。
――書類選考でかなり落とすのですか。
ESは落とすことを目的にしたものではなく、学生のみなさんが楽天に対する理解をより深めてもらうことと、楽天で働くことを考える機会、また面接官がより深い質問するための資料ととらえています。
――ESの項目を教えてください。
「就活の軸」「楽天のどこに興味を持ったのか」「利用したことのある楽天のサービス」といった質問に加え、サークル、部活、アルバイト、インターン経験などを書いてもらいます。英語能力、留学経験、資格、研究テーマを書く欄もあります。
――英語力が足りない人は落としますか。
当社は選考では英語の能力は見ず、あくまで参考情報です。我々がお願いしているのは、入社2週間前までにTOEICで800点とってくださいということ。とれない場合は内定を取り消します。2015年4月入社の際は選考時点で800点未到達者が100人弱いましたが、最終的に全員入社までに800点を取得し入社しました。我々も勉強法をアドバイスしたり、TOEICを無料で受験できる仕組みを整えたりしてサポートしています。
――なぜTOEICを基準にしているのですか。
あくまでいくつかある指標の1つという位置付けでTOEICだけで見ているわけではありませんが、会社の人事制度としてTOEICを導入しているためです。英語力=TOEICではないと考えていますが、我々のビジネスの進め方は、「目標を立て、それをブレークダウンして小さな目標に落とし込み、達成しながら成長していく」というものです。英語に関しても単純に「英語力を上げましょう」ではなく、第1フェーズとして「読み」「書き」の能力を高めることを目標にしているのでTOEICがその指標に最適と考えました。第2フェーズはコミュニケーション能力の向上。さらに第3フェーズとして海外での経験、就業体験を積むことも研修プログラムの一環として導入しています。
――「就活の軸」という質問の狙いは?
その人のキャリア観、どういう希望を持って会社を選んでいるのかを把握するためです。
――就活の軸や志望理由で、多くの学生が書くパターンは?
多いのは、グローバルな場でキャリアを築きたいというものですね。私個人の見解ですが、「グローバル人材」といっても世界中を股にかけて仕事している人はそれほど多くない。むしろ一つのローカル市場に専心して仕事をしていても、グローバルな視野や海外市場の情報を意識して持っているのがグローバル人材だと思います。
「海外で働きたい」というあこがれだけでESを書いてくる学生もいます。でも我々の世界展開は、eコマースなど日本での成功事例を世界に輸出し、海外に楽天市場のビジネスモデルを構築していくフェーズにある。だからまず日本で働いて成功事例を吸収してもらいたい。「最初から海外」ではなく、基礎的なビジネススキルを身につける期間、日本の成功事例を習得する期間が必要です。単に「海外で働きたい」というだけの希望だと、我々と学生が期待する働き方の間に齟齬が出てくるので、ESをもとに面接で深掘りして聞きます。
――志望度を見るポイントは?
我々は「世界一のインターネット・サービス企業になる」という目標を掲げていて、この企業理念に本気で共感しコミットしてくれる人を探しています。社内公用語を英語にしたのもこの目標のためですから。
だから、学生が考える今後の理想的なキャリア像と我々の方向性が合っていることが大事です。同じ野球をするにしても、甲子園を目指すチームと県大会で善戦できればいいと思っているチームでは関わり方が全然違いますよね。学生も、ただ食うために稼げればいいやと仕事を探している人と、仕事を通じて社会に価値を与えたいとか自分が仕事を通じて組織に貢献したい、世界一の企業を創り上げたいといった意思を持っている人では全然違うと思います。
■学生時代の経験
――ESの勉強、サークル、アルバイト、インターン経験欄がそれぞれ200~400字。こんなに書かせる目的は?
面接の材料の肝ですから。「Always Improve, Always Advance」(常に改善、常に前進)という楽天の成功のコンセプトを考えると、勉強でもサークルでも継続的に何かに力を入れて改善していく、より良くしていこうとする働きかけ、継続的な努力をしてきているかを注目して見ます。
――そこを面接で深掘りして聞くのですね?
具体的なアクションに対してその結果うまくいったのかいかなかったのか、うまくいかなかった場合はどう対処したのかを聞いたりします。ある一日すごく頑張った人より、長期的な目標を持って努力し、様々な困難にぶつかりながら何かを良くしていったり、いい成果が得られなくても何か学んでいたり、そういうことをしてきた学生は我々の価値観と合致する感じがします。
――たとえば、どんな学生が合致しましたか。
定番ですが、サークルや部活の部長を務めて、チーム全体の成果や順位を目指してチームをまとめていった、練習方法を変えていったという人。たとえば、部活で県大会に備えての練習中に顧問の先生が病気になった。そのとき役割を即座に変え、自分が練習メニューを考える立場に回り組織全体の練習方法を変えていった、という学生がいました。我々の価値観に合致しましたね。
――学生からは「ESに書けるような特別な体験がない」という悩みをよく聞きます。
特別でなくても、普通の飲食店アルバイトの経験でもいいと思います。その中で自分なりに考えながら工夫して取り組んだり、努力し続けたりしたことがあればいい。その努力の仕方を見ます。
――大学の勉強を頑張ったという経験でも?
いいと思います。たとえばゼミでも10人くらいのゼミ生の組織を動かす役割、ゼミの先生以外の人と交渉する渉外の役割など様々な役割があるわけで、ゼミの中でもいろんな経験をしている人がいますよね。
――小中学生からずっと続けてきた経験はプラスですか。
長く続けたからいい、というわけではありません。続ける過程の中で創意工夫し、継続的な改良をしてきたか、高い目標に挑戦する姿勢があるかを見ます。TOEICのスコアを上げた学生にも、ただ勉強時間を増やしたという学生と、自分の弱点はリスニングかリーディングか語彙力かを分析し、目標を分解して集中的に勉強して成果を上げた学生がいます。同じ結果に至ったとしても、その間のアプローチ、アクションの仕方は違う。そういったところから、我々の価値観と合致するかどうかはわかります。
――サークルやアルバイトは頑張っても勉強はしていないと、マイナス評価ですか。
そんなことはありません。サークルを頑張った学生も、アルバイトを頑張った学生も、勉強を頑張った学生もいる。すべて100%なんて珍しい。そこでどう頑張ってきたかを見るだけで、「君は勉強していないじゃないか」という見方はしません。
――大学の成績を判断材料にする企業もあります。
大学や学部によって評価のばらつきがあるので、判断材料の主軸にはしていません。
「成功のコンセプト」に合致するか 頑張ってきたプロセスを見る
■面接の形式
――面接の形式は?
1次面接はグループ面接です。学生3人に対し、比較的若手の社員1人で約30分。「成功のコンセプト」にどれだけ合致する人材かが基本的な判断基準ですが、主にコミュニケーション能力や、常にチャレンジする姿勢があるかどうかを見ます。
具体的にはESをベースに深掘りし、頑張ってきたプロセスを見ます。「行動規範」はまさに仕事のプロセスに関わってくるので、学生のこれまでの行動のプロセスを深掘りすることで、我々の行動規範に合った行動がとれるか、価値観に共感できるのかを判断しています。
――2次面接は?
比較的シニアの社員が1対1で対応します。といっても当社は社員が若く入社5~6年目のマネジャーもいるので、年齢的にシニアということではなく管理職クラス。時間は30分くらいです。
1次面接はコミュニケーション能力やチャレンジ精神、楽天の社風に合っているかをゆるやかに見ますが、2次は楽天の「成功のコンセプト」を分析したコンピテンシーを持っているか、一つひとつ見極めていきます。ここでも、やってきたことのプロセス、具体的にどういうことをしたかを深掘りして聞きます。1対1で30分間あるのでかなり深く聞くことができます。
――3次が最終面接ですね?
はい。執行役員が1対1で30分くらい面接します。ただ状況によって4次面接をしたり、楽天を知ってもらうために別の面接官に会ってもらったりするケースもあります。優秀な学生でも、本当に楽天のことをわかっているのか確認する意味もあります。
――それぞれの段階で何割くらい通すのですか。
時期によって通過率は違います。3年生の12月から動いている学生は優秀な方が多く通過率が高い傾向があります。
――いずれベンチャーとして独立したいという学生も?
多いですね。
――そういう学生は「楽天で世界一を目指す」方向性とは違うのでは?
いざ実際に起業するとなったとき、自分で起業するのがいいか、それとも楽天という「経済圏」で自分の事業を進めるほうがいいかは、実際に働いてみないとわからない。楽天の中で楽天のサービスとしてやったほうが、やりたいビジネスの可能性や世の中に提供できる価値が高まることもあります。
――逆に「大企業だから」という志望理由の学生は?
増えていますね。「世の中に大きなインパクトを与えたいから大企業」ならいいが、安全だとか安定したいとか、そういう価値観で大企業を志望する人は、当社の考えとは合わないと思います。
■アンテナ
――面接で世の中への関心を問うことはありますか。
インターネットというサービス自体に興味関心があるかどうかは大切だし、チャレンジしていく学生を求めているので、新しいものに対するアンテナの感度は気になります。楽天以外にどんなインターネットのサービスを使っているのかも聞いたりしますね。
――新しいサービスの動向に詳しいほど有利ですか。
知っていればいいわけではありませんが、我々はインターネットサービス企業ですから、新しいサービスやテクノロジーに興味をもち、実際に使ってみたりする人かどうかは大事ですね。
――競合他社は?
業態が幅広いので、競合は幅広いですね。比較的多いのは商社、メガバンク、あとはメガベンチャーと言われるIT系企業です。コンサルティングや、最近だと外資系の消費材メーカーなども。
――求める学生像は総合商社と近いように感じます。
近いと思います。比較してもらったうえで、最終的に当社に入社する学生も増えて来ました。国内ECサービスをとっても年間2.7兆円の取扱高があり、商社に負けない規模感が出てきた。こうした規模であってもスピーディーに自分の裁量でビジネスを回せるという点に楽天ならではの良さがあります。そういうところに惹かれる学生は当社に来ると思います。
――就活後ろ倒しで内定辞退が増えると言われます。内定者に対するフォローは?
社員も含めた内定者懇親会やネットワーキングを通じ、内定期間中に楽天の理解を深めてもらう予定です。
■説明会とインターンシップ
――「成功のコンセプト」が大きなポイントのようですが、学生にはどんな説明を?
最初の段階の会社説明会で、現場の社員が実際の業務や「成功のコンセプト」を業務にどう落とし込むかを説明します。楽天は40以上の事業、70以上のサービスに関するビジネスをやっているので、その実態を認識してもらい、今後の戦略を共有してもらいます。
あと2次面接を通過した段階で「座談会」を実施しています。現場の人間が普段どんな仕事をしているかを話し、楽天をより理解してもらう取り組みです。
――説明会の規模は?
時期によりますが、1月の説明会は各回400~500人程度ですね。座談会も時期によりますが10人から多くても50人くらいで、より質問しやすい形式でやっています。
――インターンシップは?
2014年は夏に100人、4日間のプログラムを4回に分けて各回25人ずつ受け入れました。ビジネスプランコンテストもしましたが、2015年は1週間ほどの実際の就業に近いインターンと、参加しやすい1日インターンのようなものを組み合わせて用意しました。実施時期は7~9月です。
――採用に関係ありますか。
選考の優遇は検討していませんが、これを機に楽天を知って選考を受けてほしいと思っています。
――面接の形式は?
1次面接はグループ面接です。学生3人に対し、比較的若手の社員1人で約30分。「成功のコンセプト」にどれだけ合致する人材かが基本的な判断基準ですが、主にコミュニケーション能力や、常にチャレンジする姿勢があるかどうかを見ます。
具体的にはESをベースに深掘りし、頑張ってきたプロセスを見ます。「行動規範」はまさに仕事のプロセスに関わってくるので、学生のこれまでの行動のプロセスを深掘りすることで、我々の行動規範に合った行動がとれるか、価値観に共感できるのかを判断しています。
――2次面接は?
比較的シニアの社員が1対1で対応します。といっても当社は社員が若く入社5~6年目のマネジャーもいるので、年齢的にシニアということではなく管理職クラス。時間は30分くらいです。
1次面接はコミュニケーション能力やチャレンジ精神、楽天の社風に合っているかをゆるやかに見ますが、2次は楽天の「成功のコンセプト」を分析したコンピテンシーを持っているか、一つひとつ見極めていきます。ここでも、やってきたことのプロセス、具体的にどういうことをしたかを深掘りして聞きます。1対1で30分間あるのでかなり深く聞くことができます。
――3次が最終面接ですね?
はい。執行役員が1対1で30分くらい面接します。ただ状況によって4次面接をしたり、楽天を知ってもらうために別の面接官に会ってもらったりするケースもあります。優秀な学生でも、本当に楽天のことをわかっているのか確認する意味もあります。
――それぞれの段階で何割くらい通すのですか。
時期によって通過率は違います。3年生の12月から動いている学生は優秀な方が多く通過率が高い傾向があります。
――いずれベンチャーとして独立したいという学生も?
多いですね。
――そういう学生は「楽天で世界一を目指す」方向性とは違うのでは?
いざ実際に起業するとなったとき、自分で起業するのがいいか、それとも楽天という「経済圏」で自分の事業を進めるほうがいいかは、実際に働いてみないとわからない。楽天の中で楽天のサービスとしてやったほうが、やりたいビジネスの可能性や世の中に提供できる価値が高まることもあります。
――逆に「大企業だから」という志望理由の学生は?
増えていますね。「世の中に大きなインパクトを与えたいから大企業」ならいいが、安全だとか安定したいとか、そういう価値観で大企業を志望する人は、当社の考えとは合わないと思います。
■アンテナ
――面接で世の中への関心を問うことはありますか。
インターネットというサービス自体に興味関心があるかどうかは大切だし、チャレンジしていく学生を求めているので、新しいものに対するアンテナの感度は気になります。楽天以外にどんなインターネットのサービスを使っているのかも聞いたりしますね。
――新しいサービスの動向に詳しいほど有利ですか。
知っていればいいわけではありませんが、我々はインターネットサービス企業ですから、新しいサービスやテクノロジーに興味をもち、実際に使ってみたりする人かどうかは大事ですね。
――競合他社は?
業態が幅広いので、競合は幅広いですね。比較的多いのは商社、メガバンク、あとはメガベンチャーと言われるIT系企業です。コンサルティングや、最近だと外資系の消費材メーカーなども。
――求める学生像は総合商社と近いように感じます。
近いと思います。比較してもらったうえで、最終的に当社に入社する学生も増えて来ました。国内ECサービスをとっても年間2.7兆円の取扱高があり、商社に負けない規模感が出てきた。こうした規模であってもスピーディーに自分の裁量でビジネスを回せるという点に楽天ならではの良さがあります。そういうところに惹かれる学生は当社に来ると思います。
――就活後ろ倒しで内定辞退が増えると言われます。内定者に対するフォローは?
社員も含めた内定者懇親会やネットワーキングを通じ、内定期間中に楽天の理解を深めてもらう予定です。
■説明会とインターンシップ
――「成功のコンセプト」が大きなポイントのようですが、学生にはどんな説明を?
最初の段階の会社説明会で、現場の社員が実際の業務や「成功のコンセプト」を業務にどう落とし込むかを説明します。楽天は40以上の事業、70以上のサービスに関するビジネスをやっているので、その実態を認識してもらい、今後の戦略を共有してもらいます。
あと2次面接を通過した段階で「座談会」を実施しています。現場の人間が普段どんな仕事をしているかを話し、楽天をより理解してもらう取り組みです。
――説明会の規模は?
時期によりますが、1月の説明会は各回400~500人程度ですね。座談会も時期によりますが10人から多くても50人くらいで、より質問しやすい形式でやっています。
――インターンシップは?
2014年は夏に100人、4日間のプログラムを4回に分けて各回25人ずつ受け入れました。ビジネスプランコンテストもしましたが、2015年は1週間ほどの実際の就業に近いインターンと、参加しやすい1日インターンのようなものを組み合わせて用意しました。実施時期は7~9月です。
――採用に関係ありますか。
選考の優遇は検討していませんが、これを機に楽天を知って選考を受けてほしいと思っています。
のんびりタイプは向かない グローバル企業作り上げる醍醐味
■ワーク・ライフ・バランス
――女性が活躍しやすくする施策はとっていますか。
採用の段階でも女性を何人採りたいという意識はないですし、社内でも男性だから女性だからという分け隔てがない会社です。そういう意味ではキャリアを積んでいきたい女性に向いていますね。出産後に復職する社員がほとんどで、新しい社屋には託児所を用意する予定です。
――残業時間はどうですか。
世界一を目指しているため求める仕事の質は高くスピードも速いので、暇な会社ではありません。ただ、長く働けばいいということではなく成果をどう出すか、プロセスの中で生産性をいかに高くするかが基本なので残業自体には価値を置いていません。最近はだいぶ減っていると思います。
――夜の残業を減らすために朝早くから働く会社も増えていますが。
特段推奨はしていません。当社では毎週火曜日に朝会という、地方支店やや海外拠点も含めた「全社員ミーティング」があります。本社内に専用のスペースがあり、拠点の社員はビデオ会議システムで参加します。冒頭は会長兼社長の三木谷浩史が、今考えていることやビジョン、新たに見聞したこと、世界のベンチャーの現状などを共有します。そのあと、各事業の実績や戦略を全社員で共有して今の状況を確認したり、エンジニアから新しいテクノロジーの紹介があったり、マーケティングの成功事例を共有したりしています。朝8時からなので、その日は朝早いですが、終業時間も16時半にしています。
トップが今何を考えているのか直接聞けますし、情報が毎週アップデートされるのですごくいい仕組みだと思います。もちろん全部英語です。
――IT業界は離職率が高いイメージがあります。入社3年後の離職率は?
世の中一般のインターネット系企業と比べれば圧倒的に低いと思います。会社が成長し続けていて活躍できる機会が多いし、働きやすい環境づくりに本気で取り組んでいることもあると思います。カフェテリアでの食事の無料提供だけでなく、二子玉川の新社屋では社員が働きやすい環境を徹底的に考えた設計がされています。
■社風
――日常業務では、どの程度英語が必要なのですか。
会議はすべて英語で、社内の書類の書式も原則英語です。ただ隣の日本人の同僚と話すときなど、業務外の私語やちょっとした立ち話は日本語ですし、お客様など社外とのコミュニケーションは日本人相手であれば日本語です。
――井上さんも英語は得意なんですね。
前職で英語に関わる仕事をしていたので、読み書きはある程度できましたが、しゃべる機会はまったくなく、この会社に入ってから身につけました。今の私の上司はオーストラリア人、部下にも中国人とアメリカ人がいて、ミーティングも英語です。
――楽天にはどんな社員が多いのでしょう?
エネルギーレベルが高い人が多いですね。私もよくメンバーに「Work hard, play super-hard」(よく働き、超よく遊べ)、「メリハリをつけて働いてほしい」と言うのですが、そういうことができる人が多いですね。よく飲みに行ったり、会社仲間とテニスに行ったりもします。「のんびりやりたい人」向きの会社ではないと思います。
あとは、常に挑戦し続ける人、高い目標を持ってそれに向かって、こういう理由でできないじゃなくて、どうやればできるかというアプローチで物事を考えて行動する人が多いですね。インターネットのサービスなので様々な場面で数値を見ます。そういうカルチャーが会社に根付いているので、数字的な根拠を常に持ち論理的な思考力を働かせられる人、それを考えるだけでなくスピード感をもって行動をおこせるフットワークの軽さが重要だと思っています。
――女性が活躍しやすくする施策はとっていますか。
採用の段階でも女性を何人採りたいという意識はないですし、社内でも男性だから女性だからという分け隔てがない会社です。そういう意味ではキャリアを積んでいきたい女性に向いていますね。出産後に復職する社員がほとんどで、新しい社屋には託児所を用意する予定です。
――残業時間はどうですか。
世界一を目指しているため求める仕事の質は高くスピードも速いので、暇な会社ではありません。ただ、長く働けばいいということではなく成果をどう出すか、プロセスの中で生産性をいかに高くするかが基本なので残業自体には価値を置いていません。最近はだいぶ減っていると思います。
――夜の残業を減らすために朝早くから働く会社も増えていますが。
特段推奨はしていません。当社では毎週火曜日に朝会という、地方支店やや海外拠点も含めた「全社員ミーティング」があります。本社内に専用のスペースがあり、拠点の社員はビデオ会議システムで参加します。冒頭は会長兼社長の三木谷浩史が、今考えていることやビジョン、新たに見聞したこと、世界のベンチャーの現状などを共有します。そのあと、各事業の実績や戦略を全社員で共有して今の状況を確認したり、エンジニアから新しいテクノロジーの紹介があったり、マーケティングの成功事例を共有したりしています。朝8時からなので、その日は朝早いですが、終業時間も16時半にしています。
トップが今何を考えているのか直接聞けますし、情報が毎週アップデートされるのですごくいい仕組みだと思います。もちろん全部英語です。
――IT業界は離職率が高いイメージがあります。入社3年後の離職率は?
世の中一般のインターネット系企業と比べれば圧倒的に低いと思います。会社が成長し続けていて活躍できる機会が多いし、働きやすい環境づくりに本気で取り組んでいることもあると思います。カフェテリアでの食事の無料提供だけでなく、二子玉川の新社屋では社員が働きやすい環境を徹底的に考えた設計がされています。
■社風
――日常業務では、どの程度英語が必要なのですか。
会議はすべて英語で、社内の書類の書式も原則英語です。ただ隣の日本人の同僚と話すときなど、業務外の私語やちょっとした立ち話は日本語ですし、お客様など社外とのコミュニケーションは日本人相手であれば日本語です。
――井上さんも英語は得意なんですね。
前職で英語に関わる仕事をしていたので、読み書きはある程度できましたが、しゃべる機会はまったくなく、この会社に入ってから身につけました。今の私の上司はオーストラリア人、部下にも中国人とアメリカ人がいて、ミーティングも英語です。
――楽天にはどんな社員が多いのでしょう?
エネルギーレベルが高い人が多いですね。私もよくメンバーに「Work hard, play super-hard」(よく働き、超よく遊べ)、「メリハリをつけて働いてほしい」と言うのですが、そういうことができる人が多いですね。よく飲みに行ったり、会社仲間とテニスに行ったりもします。「のんびりやりたい人」向きの会社ではないと思います。
あとは、常に挑戦し続ける人、高い目標を持ってそれに向かって、こういう理由でできないじゃなくて、どうやればできるかというアプローチで物事を考えて行動する人が多いですね。インターネットのサービスなので様々な場面で数値を見ます。そういうカルチャーが会社に根付いているので、数字的な根拠を常に持ち論理的な思考力を働かせられる人、それを考えるだけでなくスピード感をもって行動をおこせるフットワークの軽さが重要だと思っています。
■井上さんの就活
――入社はいつですか。
2007年3月に中途入社しました。1社目は2002年から鉄道関係の会社で人事の仕事を、2社目では映画の字幕を翻訳する仕事をしました。
――なぜ楽天に?
翻訳は夢でしたし、仕事も面白かった。でも、あるとき自分の能力が向上しても利用者に影響を与えないし、ビジネスとしての利益向上に結びつかないことに気づきました。私が仮に誤訳をしても利用者にはわからないし、逆に翻訳の質が向上しても売り上げにつながらない。ビジネスとして、より直接的に社会に貢献できるサービスをしたいと思うようになり、楽天を選びました。
翻訳は人と人の価値をつなげる仕事だと思うのですが、インターネットは情報をつなげ、買い物という形で物と物をつなげ、トラベル事業で人もつないでいく点で共通点を感じました。楽天の「人々と社会をエンパワーメントする」という経営理念に共感したこと、1社目が比較的堅い業界だったのでもう少しチャレンジする環境で働きたいという思いがあったこと、年間600人は採用している楽天なら採用担当者としての経験値が積めると考えたのも大きな理由です。
――人事担当として採用されたんですね。
そうです。入社後は中途採用を担当し、2015年1月から新卒採用担当になりました。その間、社内公用語英語化プロジェクトにも携わりました。
――印象に残っている仕事は?
社内公用語英語化プロジェクトですね。2010年のプロジェクト立ち上げ時のミーティングで三木谷がこう言ったんです。
「社内公用語英語化プロジェクトの成功は従業員が英語をしゃべれるようになったらゴールではない、それは最低限。それよりも、我々がクライアントとしてお付き合いしている楽天市場の出店店舗などに、マーケットは日本国内1億人だけではなく世界の70億人だと伝えなければいけないし、それを伝えるエバンジェリスト(伝道師)にならなければならない。我々が社内公用語英語化を成功させることで、日本の他の会社も社内公用語英語化を導入し、ゆくゆくは英語の教育制度、システムも変えていく」
英語公用語化が、楽天だけでなく日本を元気にする“エンパワーメント”につながっているというメッセージを直接聞けたことがすごく印象に残っています。
――簡単ではなかったんでしょうね。
もちろん大変でした。当時の社内はTOEICを受けたこともない人が大半で、最初の平均点は520点くらいでした。多少時間はかかりましたが、いま平均点は800点を超え、さらに一人ひとりが英語力を伸ばして現在に至っています。
――社内公用語英語化の次のステップは?
グローバルな環境で働くには、単に英語ができればいいわけではありません。たとえば日本人同士だとあうんの呼吸で語らなくても伝わる部分を、外国籍の方を相手にするときは全部言葉で説明する必要がある。そういうグローバルな場面で働くビジネスパーソンの意識を育てていくことが重要だと考えています。
――楽天で働くやりがいと厳しさ、理想と現実を教えてください。
「世界一」に向けて急成長している会社なので、成長する機会がたくさんあります。だから自分を成長させたい人にとってはうってつけの環境だと思います。一方で世界一を目指す組織ですから、仕事の質や要求レベルは高いし、ついていくのは大変です。私自身も入社当時はついていくので精いっぱいでした。ただ、会社の成長に引っ張られて目の前のことをやり続けることで、会社に自分が成長させてもらっていると実感できます。
当社はグローバルカンパニーへ変化していくフェーズにあります。世の中には素晴らしいグローバル企業がたくさんありますが、多くはもう完成されています。我々には、これから日本発で作り上げていく面白さがある。他の会社にはない醍醐味(だいごみ)だと思います。
――入社はいつですか。
2007年3月に中途入社しました。1社目は2002年から鉄道関係の会社で人事の仕事を、2社目では映画の字幕を翻訳する仕事をしました。
――なぜ楽天に?
翻訳は夢でしたし、仕事も面白かった。でも、あるとき自分の能力が向上しても利用者に影響を与えないし、ビジネスとしての利益向上に結びつかないことに気づきました。私が仮に誤訳をしても利用者にはわからないし、逆に翻訳の質が向上しても売り上げにつながらない。ビジネスとして、より直接的に社会に貢献できるサービスをしたいと思うようになり、楽天を選びました。
翻訳は人と人の価値をつなげる仕事だと思うのですが、インターネットは情報をつなげ、買い物という形で物と物をつなげ、トラベル事業で人もつないでいく点で共通点を感じました。楽天の「人々と社会をエンパワーメントする」という経営理念に共感したこと、1社目が比較的堅い業界だったのでもう少しチャレンジする環境で働きたいという思いがあったこと、年間600人は採用している楽天なら採用担当者としての経験値が積めると考えたのも大きな理由です。
――人事担当として採用されたんですね。
そうです。入社後は中途採用を担当し、2015年1月から新卒採用担当になりました。その間、社内公用語英語化プロジェクトにも携わりました。
――印象に残っている仕事は?
社内公用語英語化プロジェクトですね。2010年のプロジェクト立ち上げ時のミーティングで三木谷がこう言ったんです。
「社内公用語英語化プロジェクトの成功は従業員が英語をしゃべれるようになったらゴールではない、それは最低限。それよりも、我々がクライアントとしてお付き合いしている楽天市場の出店店舗などに、マーケットは日本国内1億人だけではなく世界の70億人だと伝えなければいけないし、それを伝えるエバンジェリスト(伝道師)にならなければならない。我々が社内公用語英語化を成功させることで、日本の他の会社も社内公用語英語化を導入し、ゆくゆくは英語の教育制度、システムも変えていく」
英語公用語化が、楽天だけでなく日本を元気にする“エンパワーメント”につながっているというメッセージを直接聞けたことがすごく印象に残っています。
――簡単ではなかったんでしょうね。
もちろん大変でした。当時の社内はTOEICを受けたこともない人が大半で、最初の平均点は520点くらいでした。多少時間はかかりましたが、いま平均点は800点を超え、さらに一人ひとりが英語力を伸ばして現在に至っています。
――社内公用語英語化の次のステップは?
グローバルな環境で働くには、単に英語ができればいいわけではありません。たとえば日本人同士だとあうんの呼吸で語らなくても伝わる部分を、外国籍の方を相手にするときは全部言葉で説明する必要がある。そういうグローバルな場面で働くビジネスパーソンの意識を育てていくことが重要だと考えています。
――楽天で働くやりがいと厳しさ、理想と現実を教えてください。
「世界一」に向けて急成長している会社なので、成長する機会がたくさんあります。だから自分を成長させたい人にとってはうってつけの環境だと思います。一方で世界一を目指す組織ですから、仕事の質や要求レベルは高いし、ついていくのは大変です。私自身も入社当時はついていくので精いっぱいでした。ただ、会社の成長に引っ張られて目の前のことをやり続けることで、会社に自分が成長させてもらっていると実感できます。
当社はグローバルカンパニーへ変化していくフェーズにあります。世の中には素晴らしいグローバル企業がたくさんありますが、多くはもう完成されています。我々には、これから日本発で作り上げていく面白さがある。他の会社にはない醍醐味(だいごみ)だと思います。
みなさんに一言!
自分が目指したいキャリアのイメージや働きたい仕事の内容を、きちんとイメージして楽天を選んでほしい。それを知るためには、様々な会社を見る必要があります。会社説明会やインターンシップなどで、いろいろな可能性を積極的に探り、自分が本当にやりたいものを見いだしてください。それが楽天が向いている方向と合致する人と一緒に働きたいですね。
楽天株式会社
【通信・インターネット関連】
楽天グループは、eコマース、電子書籍、トラベル、銀行、証券、クレジットカード、電子マネー、通信、ポータル&メディア、オンラインマーケティング、プロスポーツなど、消費者および企業向けの各種サービスを提供する世界でも有数のインターネット・サービス企業です。現在、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアにて事業を展開しており、グローバル展開を拡大しています。創業は1997年。本社を東京に、全世界で1万2000人以上の従業員およびスタッフを擁します。
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2024/11/21 更新
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