
――楽天は経団連に加盟していないので「就活後ろ倒し」には左右されないと思います。2016年入社の採用はどんなスケジュールで進んでいますか。
当社は2014年12月からエントリーシート(ES)の受け付けを始めました。最初の選考は2015年3月ごろの1次選考から始まり、回を重ねて6月から4次選考です。
8月から選考を開始する経団連加盟の大手企業を同時に受ける学生もいるので、最終的な内定者数が確定するのはもう少し後の時期になると思います。
――6月現在でどのくらい内定、内々定を出していますか。
具体的な数字は言えませんが、順調にオファーは出しています。
――大手が8月まで正式に決まらないから、それまで何回かに分けて内定を出すわけですね?
そうですね。学生には様々な企業を比較したうえで楽天を選んでほしいし、納得して入社してほしいと思っています。中には8月まで結論を出せない学生もいるので、そこは待ちたいと思います。
――経団連指針や日本の採用システムについてはどう思いますか。
スケジュールに関しては、外資系企業が大学3年生のうちから採用に動くので、4年生の8月から選考を始めたのでは遅いと考えています。だから当社は8月より前に選考を始めました。スケジュールは学生にとって一番良い形にしてほしい。8月選考開始で学生の負担が減って学業優先になればいいが、現状は必ずしもそうなっていないように思います。
■採用実績
――2015年春入社の人数と男女比や文理を教えてください。
春入社の新卒だと全部で約320人で、男女比はほぼ半々です。全社的にも女性社員は4割を占めます。
文系、理系の比率データはありませんが、エンジニアも採用しているので理系の学生は多いですね。開発職は全体の約15%、春入社組みだと約320人中約50人がエンジニアとしての採用です。残りの約270人がエンジニア以外のビジネス総合職で営業、マーケティング、コーポレート系に配属されます。
エンジニアに関しては、2017年度入社の採用から中途採用と同じ通年採用に切り替えます。エンジニア採用は特に外国籍の方の志望者が多く、4月入社が都合いいわけではないので、「エントリーレベル」という、いつでも入社できる形に変えます。
――ビジネス総合職の入社時期は?
現在は従来通り10月と4月の入社です。今後会社のグローバル化が進めば採る人材や出身国も変わる可能性があります。そのあたりは柔軟に変化する会社なので入社時期も変えるかもしれません。
――新入社員の国籍は?
今年の春採用は約23%、約70人が日本以外の国籍です。アジア系も欧米系もいます。外国籍枠は特に設けていないし採用も一緒に行います。面接での使用言語は日本語と英語を選べるようにしています。1次面接はブースごとに、こっちは日本語、こっちは英語でという感じです。社内公用語が英語なので対応は問題ありません。
■採用フローとWEBテスト
――2015年入社採用の総エントリー数を教えてください。
登録ベースで4~5万人、本エントリーは1~2万人ですね。会社の知名度が向上したこともあり、エントリー数は順調に増え続けています。
――どんな選考フローでしたか。
時期によって変わりますが、基本的には会社説明会後にESを提出、WEBテストを受けてもらいます。面接を複数回、一般的には3回くらいやって内定です。2013年12月にスタートした第1次選考の場合、ESとテストが2014年1月末~2月、面接が3月で、早い人は3月中、基本的には4月ごろに内定を出しました。(編集部注:2017年卒採用はフローの変更あり)
―-WEBテストの内容は?
書類選考を通った人に受けてもらう適性検査のようなものです。言語や数学的な知能と、パーソナリティーのコンピテンシー(能力・特性)を見る内容です。言語や数学の要素は成績の良いほうから通します。
楽天には社員に求める行動規範「成功のコンセプト」があり、これを実現するための11のコンピテンシーがあります。これと学生のパーソナリティーとの合致度も見ています。テストは市販のものをベースに当社がカスタマイズしたもので、自宅でPCで受けてもらいます。