
■面接
――面接はどんな形式ですか。
1次面接は1対1で30分間の面接をしています。2016新卒採用では、人事2人に学生1人の形式で30分間、複数の目で見るように変える予定です。
――2次選考は?
2次選考はほぼ丸1日、終日の選考です。これもグローバルでスタンダードになっている選考プロセスです。内容を全部はお伝えできないんですが、2次選考からは基本的に部門のマネジャーが選考します。まず1対1の個人面接を1時間して、あとはグループディスカッション、プレゼンテーションもしてもらう。各部門の幹部が少なくとも3人は出て、複数の社員で選考するようにしています。
朝8時半ぐらいに来てもらい、終わるのが16時半ごろ。学生には「ちゃんと朝食を食べてきてください、お昼のお弁当はこちらで用意します」とアドバイスしています。学生にとってもやりがいのある選考のようで、毎回最後に感想を言ってもらうんですが「これくらい自分のすべてを見てもらったら、落ちても受かっても悔いはないです」というコメントが必ず出ます。
――グループディスカッションのテーマと形式は?
1次面接では、ユニリーバ・ジャパンに関連するお題を出します。人数はだいたい6人。1次は20~30分くらいで、プレゼン力というより議論をメインに見ています。2次も形式は同じですが、テーマがまったく違います。実際にチームの中でどうコミュニケーションできるのかもポイントです。
――最終選考はどのような形式ですか?
部門のトップと人事取締役の2人が学生1人とお会いします。20~30分の面接です。
――面接で見るポイントは?
ESと同じで、基本的にリーダーシップを見ます。さらに志望動機の中の「何を大切にしているか」や、「将来こういうことがやりたい」「こういうふうになりたい」という夢について聞きます。夢がうちの会社に入ってかなえられるのかどうかをすりあわせるイメージです。この学生の希望をかなえるには日本の企業のほうがいいかもしれないと感じたら、人事として、率直に「そういう道もあるかもしれませんよ」と伝えます。
――一般的に外資系の仕事は、日本企業より厳しいと聞きますが。
入社後も毎年毎年キャリアウィッシュ(希望)を聞きます。そのうえで、「ストレッチ」と言っていますが、身の丈以上の仕事を与えて実務の中で成長していってもらう。人間は「これをしたい」「これを成し遂げたい」というウィッシュがあって初めて厳しい仕事、ストレッチな仕事にも取り組めるんだと思います。100%キャリアウィッシュの通りにはいきませんが、大切にしています。
内定を出す際、私たちはキャリアカウンセリングもします。無理に引っ張るようなことは絶対にしません。そうしないと入った後にミスマッチになってしまう。学生も十分「大人」です。何がやりたいのか、それはユニリーバでできるのかできないのか、どうしてそう思うのかなどを率直に話し合って最後は本人に選んでもらいます。
――内定を辞退する学生もいますか。
ごく少数ですが、最後に内定を受諾しない方ももちろんいらっしゃいます。ただ、最終の内定を出すまで、、じっくり面接するので、学生もユニリーバ・ジャパンをよく知ってくれている状態になっています。ですから、最終の段階であまり齟齬(そご)はありません。
――内定を辞退した学生はどんな会社に行くんでしょう?
職種によって違いますが、ダイレクトにバッティングする外資系消費財メーカーのケースもあるし、営業職(カスタマーデベロップメント職)だと商社のケースもあります。マーケティング職だとコンサルティングファームとバッティングすることもあります。
――ESや面接にもグローバル基準があるんですか。
コンピテンシーベースのインタビューをするというところは、世界中まったく同じです。
■インターンシップ
――インターンシップはどのようなものですか。
夏は今のところマーケティング職限定のサマーインターンシップ。秋からは、インターンシップではありませんが、就活中の学生に弊社をもっと深く知ってもらう「ユニリーバグローバルキャリアセミナー」も開いています。職種別に行っていて、たとえばサプライチェーンはどんな仕事かをケーススタディーを通して深く知ってもらいます。
――キャリアセミナーは何人参加できるのでしょう?
できるだけ多くの学生に来てほしくて弊社会議室に入れる人数マックスの70人前後を毎回お呼びするため、「暑い」「狭い」との苦情を頂くこともあります。ただ、こればっかりは改善が難しいので、堪忍してくださいね! と毎回冒頭でお伝えしています。各部門の若手社員がボランティアでものすごく情熱をもってケーススタディーなどを実施します。
――仕事じゃなくてボランティアなんですか。
セミナーを理由にして担当している自分の仕事の期日を遅らせたり、責任を少なくしたりすることはない、ということですね。社員にとってもタフですが、みんな自分たちの経験を学生に伝えたい思いが強くあるんです。
――何回開くのでしょう?
1回4時間くらい、各部門4回実施しました。先着順ですが約70人×4回と少ないので、募集開始後、かなり早いタイミングで予約は埋まってしまいます。ただ、このセミナーと選考はまったく関係ありません。だから「聞きたい質問は全部聞いて」と言っています。本当に楽しんで、自分のキャリアを考えるためのヒントにしてほしいと思って開催しています。
――サマーインターンのほうはどんな規模ですか。
2014年は8人、2013年は10人でした。5日間のプログラムで、実際の業務を見てもらったり、私たちのプロジェクトに実際に関わってミーティングに参加してもらったり、キャリアセッションをしたり、ものすごく密度の濃いプログラムです。人事も含め社員が15人くらい毎日張り付きます。
――採用に大学名は関係ありますか。
関係ありません。エントリーシートを読むときも大学名は見ません。