
■GD
――グループディスカッション(GD)はどんな内容ですか。
テーマをこちらで与え、5人1グループで30分議論してもらい、それを人事担当者が見る形です。意見をまとめたり、発表したりはしません。テーマの内容はかつては時事ネタなどでしたが、2015年採用は「安川電機がつくる夢のある乗り物」「安川電機のCMをみなさんで作って下さい」など、安川電機のことを事前に調べないとできないテーマにしました。当社の志望度を確認できる指標にしたいと考えたためです。
GDは、発言すればいいというものではありません。私たちは、その場での役割を通じて学生の人物像を見ています。まずグループ内で役割を決めるのかどうか、決めた時にその役割をちゃんとやるのか。書記的な役割なのに必要以上に発言をしたり、じっと黙っているけど要所要所で的確な意見を言ったり、いろんな学生がいますね。どういうのがいいとか、正解があるわけじゃないと私は思います。
――文系と理系は分けるのですか。
文系と理系で一緒に議論しています。文系の方がしゃべり慣れしているのか、議論が得意なように見受けられたので、次からはテーマを事前にオープンにして、学生が当日議論できるように考えてきてという形にしようかと考えています。
――どんな人物に「○」をつけたくなりますか?
安川電機は自ら考え皆と協力しながら新しいことに果敢にチャレンジし続けられる人材を求めているので、自分で考えて意見を言える人に「○」をつける傾向はあると思います。マニュアルどおりの答えをする人ではなくて、自分の言葉で自分の意見が言える人。マニュアル通りという学生、結構いるんですよ。
■面接
――次の1次面接はどんな内容ですか。
3対3の集団面接です。理系の場合は技術部門の課長と人事総務部の司会担当と私の3人が対応します。3人で50分。面接官3人の役割は決まっていて、司会担当がひと通り自己紹介してもらい、次に就活に関するテーマを聞く。どんな業界を志望しているか、どんな軸で就活しているか、例えば電気業界を中心に就活していますとか、全然考えずにやっていますとか。もう一つ確認するのが、安川電機への志望度合い。どんなにいい人でも弊社以外のところに行くつもりで来ている可能性もあるので、この段階で確認します。次に技術部門の課長が、どんな勉強にどう取り組んできたのかを聞きます。最後に私が人物的なところをいろいろ聞きます。
――志望度合いを聞けば、学生はみんな「御社が第1志望です」って言いませんか。
そうですね。だからそういう聞き方ではなく、例えば「メーカー志望です」と言った学生には、「メーカーといっても広いですよね、できればメーカーの中でも具体的な業界を」などと尋ねて探っていきます。
――人物を見るポイントは?
例えば「あなただけが知っている安川電機の小ネタがあれば教えてください」とか、「ほかの2人が知らないと思う安川電機のことを言ってください」とか聞いて、当社をどの程度調べてきているのかを確かめます。ほかには、「今日の面接に臨むに当たってどんな準備をしてきましたか」といった質問もします。こうこうですと答えてきたら、なぜそうしたのですかと掘り下げていきます。
――2次面接は?
個人面接です。理系文系問わず人事総務部の役員が入って3対1、理系の場合は技術トップの役員が加わって4対1になります。時間は30分。1次面接の結果は基本的には上に上げません。
――最終面接から内定まではどれくらいに絞りますか。
4分の1から5分の1くらいには絞ります。
――理系だと研究室の「推薦」を受けた学生の採用もあると思いますが、大学の「推薦」をとってくる学生はどれくらいいますか。
「自分の実力を試したい」と自由応募で受ける学生も多いので推薦を持っている学生は50%程度でしょうか。安川電機は推薦を持ってきた学生と自由応募の学生を分け隔てなく面接しますが、推薦を持っているということは、当社への志望度が高いことになりますから、その分のアドバンテージはあると思います。
――理系、技術系の採用が多いわけですが、時事的な世の中への関心は必要ですか。
安川電機の事業形態はBtoB(Business to Business、企業間取引)なので、例えばロボットであれば自動車が売れなければ自動車メーカーの設備投資がありませんから、ロボットを自動車メーカーに売りたくても売れません。となると、どんな自動車が必要とされているのかなど、もう一つ先の市場を見ておくような事をしていないと顧客をつかまえられません。だから世の中の情報を頭に入れ、興味を持っているような学生のほうがよいと思います。常に多方面に興味を持つ、視野を広げるといったことのためには、新聞などを読んで情報収集しておくことが、重要だと思います。
――売り手市場なので複数内定をとって、内定を辞退する学生が増えています。他社に取られない工夫はしていますか。
当社も大手のライバル企業に逃げられるケースがありますから、リクルーター制度を導入し当社への志望度合いを上げる工夫をしていますが、内定を出した後にさらに志望度を上げる施策を実施するなどしています。施策の内容は企業秘密とさせてください。(笑)その結果、2014年入社に比べて今年は辞退率が半分くらいに減りました。
■インターンシップ
――インターンシップはどんな規模で実施していますか?
2014年夏のインターンシップは結構強化しました。今回初めて行ったのがワンデーのインターンシップ。10日間でのべ約200人の学生が参加しました。場所は北九州市の本社とさいたま市です。もう一つ、2~3週間のインターンもあって、これまでは大学の研究室とのつながりで学生を受け入れていましたが、採用実績のある大学に学生募集を呼びかけました。こちらも多くの学生が参加しました。安川電機を知って、体験してもらう機会になり、非常に良かったと思っています。今後は、秋冬のインターンも検討していきます。