就活体験レポート

新聞社(全国紙)ビジネス部門 内定者の就活体験

直前に書くESは「不良品」 ネット情報はバレバレ、志望理由は足で稼げ!

T.Y.先輩

新聞社(全国紙)ビジネス部門 内定 社会学部社会学科 男性

2020年01月15日

周りを笑顔にする「ダイナマイトムードメーカー!」

 周りの人を一気に笑顔にする「ダイナマイトムードメーカー!」です。私は大学野球部の活動で、雨の日は部室で一発芸をして皆を盛り上げ、練習中は自ら声を出してチームを活気づけていました。
部活が休みの日には、車に釣り竿を積んで朝から海釣りをした後、趣味のゴルフ。私の底知れない体力を見た友人たちからは「バイタリティーの鬼」と呼ばれていました。

説明会では「社員と話す」「メモをとる」「質問する」

 就活を始めたのは3年次の6月です。きっかけは、何となく立ち寄ったインターンシップの合同説明会でした。「とにかく社員と話す」ことを意識していました。後ろで立っている社員と話したり、講演した人事の方にセッション終わりに話しかけたりしていました。それを機に、合同説明会や学内で行われるマスコミ講座に通い始めました。

 会社説明会で大事にしていたのは、「聞いて大事だと思ったことをメモする」ことです。また、どこの企業も質疑応答の時間を必ず設けてくれているので、質問をすることです。当日までに企業ホームページを閲覧して質問を最低でも2~3個用意して準備をしていました。

インターンで連絡先を聞きOB・OG訪問

 9月からは、マスコミ業界を中心に食品飲料メーカーなど、様々な企業のインターンに足を運びました。計18社参加しました。自分の志望業界は複数日程のインターンを行う企業。それ以外は1day開催を選んでいました。複数日程のインターンに参加したメーカーからは早期選考に招待されることもありました。

 インターンで人事の方に顔や名前を覚えてもらえました。社員との関わりが増え、1月からはOB・OG訪問を行いました。インターンで会話した社員に連絡先を教えてもらい、後日再び会う機会を設けてもらいました。

「就活ノート」常に持ち歩く 大きなイベントより小さな体験にヒントが

 自己分析は、「自分史を作る」イメージで、常に持ち歩いていた「就活ノート」に簡単な年表を作成していました。自分がいつ、どのような体験をして、その時に何を感じたのか。大きなイベントに限る必要はなく、むしろ身近で小さな出来事ほどヒントが隠されていました。例えば、小学校に通っていた頃どんなテレビが好きだったのかなど、どんなに些細なことでも構わないので書き出します。そこから「なぜ自分は〇〇が好きだったのか」を見つけ出し、自分の特徴を把握していきました。

「なぜ○○新聞なのか」他社と比較し相手を納得させる

 「仕事選びの軸」は、自分の好きな物事に携われる仕事内容があるのか、でした。また、自らそれを生み出せるような環境があるのかどうかを大切にしていました。

 「ここが第1志望だとアピールする」ために、綿密な企業・業界研究は欠かせません。私は新聞社の面接で、「なぜマスコミか、マスコミの中でもなぜ新聞社か、その中でもなぜ○○新聞社か、なぜビジネス部門か」を徹底的に聞かれました。こうした質問には、他社(特に全国紙)との比較を通じた○○新聞の特徴を盛り込みながら、相手を納得させる必要がありました。
 私は、下のようなピラミッド型の図を頭に描いて「なぜ、なぜ」と深掘りをしていました。

ESは社会人に読んでもらい、締め切り3日前には完成させる

 ESで心がけていたことは、「提出締め切りの3日前には完成させる」「書いたESは必ず社会人に読んでもらう」ことです。
 提出ギリギリに書いたESは、その大体が不良品です。焦って書いても大抵通りませんでした。「提出締め切り3日前」を目安に仕上げ、そこから提出までの残された時間で誤字脱字や文章構成を再度チェックしました。1日や2日で及第点のESは書けないと考えた方がいいと思います。私の経験上、ESは時間をかければかけるほど良くなりました。じっくりと取り組みながらブラッシュアップしていきました。しかし、この作業には多くの時間を要します。だからこそ、早めからESに取り組む必要がありました。

 また、「学生の視点」と「社会人の視点」は多くの場合異なります。社会人に評価されるESを書くには、社会人に見てもらうことが一番の近道だと私は考え、ゼミの先生やマスコミ講座の先生、親や姉に見てもらっていました。ビジネスの世界では「結論ファースト」が求められます。各設問で結論から真っ先に書けているかもチェックしていました。

想定質問でイメージトレーニング

 3月からは本格的に就職活動が始まり、ほぼ毎日面接でした。反省点としては、1日に2社以上の面接の予定を入れてしまったことです。やはり、体力的、精神的に大変でした。

 面接の事前準備としては、ESのコピーをノートに貼り、その横や下に聞かれそうな質問とその答えを付せんにまとめ、面接のイメージトレーニングを何度もしていました。面接官との相性の良し悪しは誰にでもあると思います。私自身、「この面接官は会話しづらいな」と感じることは何度もありました。しかし、相性が悪いから面接に落ちたというのはあまりにも悲しいです。どんな面接官でも太刀打ちできるように、できる限りの準備をしました。

 業界や企業によって異なりますが、面接はグループ面接、個人面接など3~4回行うことが多かったです。選考が進むにつれ、学生より面接官の数が上回るようになります。

マスコミ面接では突拍子もない質問も

 特にマスコミ業界の面接は、突拍子もない質問をされることが多かったです。例えば、「今日、面接に向かう途中で何か面白いことや疑問に思った出来事ありましたか?」と聞かれたことが一番印象に残っています。こういった質問をする意図としては、対応力と、常日頃から社会の出来事にアンテナを張っているのかを見たいからだと、面接官がおっしゃっていました。

 第1志望、第2志望の企業から内々定を頂けたため、5月で就職活動を終了しました。内定した企業に決めたのは、切磋琢磨して成長できそうな環境であり、それが私の就職活動の軸そのものだったからです。

50人超にOB・OG訪問 自分の足で詳報収集

 就活を振り返って、やっておいて良かったと思うことは以下の三つです。
 一つ目は「自らの足を使って情報を集めたこと」。面接では「ここが第1志望である理由」を繰り返し聞かれます。この質問には、競合他社と比較してその企業の特徴を盛り込みつつ、自分の言葉で答える必要がありました。この質問に対応するためには、情報を「足で稼ぐ」ことが大切です。ネットで調べられる情報では面接官にバレバレです。少しでも興味がある企業の説明会には、必ず足を運びました。OB・OG訪問は50人近くの方々にしてきました。実際に社員に会うことで、貴重な情報を入手することができます。

 二つ目は「就活ノートを作って常に持ち歩いていたこと」。「就活ノート」を作って常に持ち歩くことを強くオススメします。新聞をスクラップしたり、説明会などでメモをとったりできるとともに、ノートを作ることで「自分の考えを言葉にすること」ができました。悩んだ時は、悩んでいる事をとりあえずノートに書き出してみる。書くことで頭の中が整理でき、意外な突破口を見出せるケースも多くありました。就職活動を通じて計6冊使いました。

 三つ目は「積極的に息抜きしたこと」。私は、つい自分を追い込んでしまう性格のため、友人とともに気分転換する時間をほぼ毎日確保するようにしていました。部活動に打ち込んだり、同期と語り合ったり、学部の友達や先輩と一緒に飲みに行ったり。とにかく、一人で悩んでストレスをためないように気をつけていました。人と話すことで、自分の考えを整理することや考えの甘さに気付くことができました。

WEBテスト対策を早く!

 後悔しているのは、SPI、WEBテスト対策を始めるのが遅かったことです。私が具体的に対策を始めたのは、就職活動が本格化した2月からでした。就職活動を始める前、姉から「テスト対策は早めにしておけ」と言われていたにも関わらず、ぎりぎりでも間に合うし、何とかなると考えていたのが甘かったです。特に非言語分野で苦労し、なかなか正答率を上げることができませんでした。もっと早くから準備を進めていれば、就職活動が変わったかもしれないと後悔しています。

 親との関わりでは感謝することばかりです。動画選考の撮影、ESの誤字脱字チェックをしてくれたほか、面接後の晩御飯には私の好きな料理を作ってもらえました。とにかく温かく見守ってくれたことが一番嬉しかったです。

■目指した志望業界 マスコミ、食品飲料
■説明会に行った企業数 50社
■プレエントリーした企業数 60社
■ESを提出した企業数 30社
■面接を受けた企業数 12社
■内定(内々定)した企業数 2社(新聞社+大手飲料メーカー)