総合商社 内定者の就活体験
退社時に社員を「出待ち」して話聞く 面接練習は壁に向かってひたすら話す【就活体験レポート】
A.M.先輩
総合商社 内定 法学部国際関係法学科 女性
2020年01月08日
「海外」を軸に商社、海運、メーカー狙う
長期での留学経験はなく、帰国子女でもありませんが、「海外」というキーワードは常に頭に置いて就活をしていました。変わった国に行くことが好きで、高校3年時にバングラデシュ、大学2年時にはカメルーンに1カ月間ほど滞在しました。現地の優秀な学生たちに出会ったことで、将来は彼らと同じ舞台で活躍したいと思うようになり、商社、海運、グローバルメーカーなどを中心に選考を受けました。
航空会社に内定した憧れの先輩の頑張り聞き「人生の正念場」自覚
大学3年生の5月くらいから就活は意識していました。まずは、合同説明会に行って様々な企業の説明を聞き、何も知らない状態から脱却しました。6月には夏のインターンシップに申し込むため、悪戦苦闘しながら初めてのESを書きました。しかし、説明会やインターンがやる気にはあまり繋がらず、「就活面倒だな」という気持ちの方が強かったです。そんな私にやる気を与えてくれたのは、夏休みにお話を伺った航空会社に内定した先輩の存在でした。私からすれば完璧で憧れの先輩ですら、寝る間も惜しんで頑張ったという話を聞いて、「今が人生の正念場だ、私も貪欲に頑張って希望の企業に入りたい」と思うようになりました。
無駄だったインターンはない
インターンは5社参加しました。夏インターンは、サークルやゼミの先輩が内定した企業や、社名を見て興味を持った企業に申し込みました。冬インターンは、やみくもに申し込むのではなく、「グローバルに働きたい」という軸に合う企業を選んで申し込みました。
優遇ルートになる企業、インターン後に社員さんを紹介してくれる企業、選考フローは全く変わらない企業など、企業によってインターンの位置づけは本当に様々でした。しかし、自信を持って言えるのは、「インターンに行って無駄だった」ということは1回もありません。たしかに、興味を持てずに3日間が終わったインターンもありましたが、それはそれで自分がよほど興味を持てない分野なのだと分かって、良い経験になりました。
優遇ルートになる企業、インターン後に社員さんを紹介してくれる企業、選考フローは全く変わらない企業など、企業によってインターンの位置づけは本当に様々でした。しかし、自信を持って言えるのは、「インターンに行って無駄だった」ということは1回もありません。たしかに、興味を持てずに3日間が終わったインターンもありましたが、それはそれで自分がよほど興味を持てない分野なのだと分かって、良い経験になりました。
説明会で「志望理由に使えそう」なキーワードをメモ
OB・OG訪問は、商社や海運など行きたい会社を中心に計20名ほどに行いました。ゼミの先輩が希望の会社の内定者だったので、まずはその先輩にお話を伺いました。しかし、当然ですが内定者の方よりも実際の社員からお話を伺う方が、会社の雰囲気や仕事内容についてよく知ることができます。せっかちな性格なので、誰かに繋いでもらうよりも直接お願いに行こうと思い、退社時間に合わせて会社の前で「出待ち」をしました。複数の企業が入っているビルだったので、違う会社の方に声をかけては振られての連続でしたが、無事に希望の会社の方から名刺を頂けた時はとても達成感がありました。
3月からの会社説明会では、行きたい企業は全て録音しました。説明会でのキーワードは志望理由を書く際にとても役立ちます。説明会に慣れてきた3月中盤からは、「この言葉は志望理由に使えそうだな」などと考えながら、メモを取るようにしていました。同じ会社の説明会でも、役員クラスの方、女性の方、若手の方など様々な視点からの説明会が開催されている場合が多いので、気になる企業は何度も足を運んで企業研究するようにしていました。
3月からの会社説明会では、行きたい企業は全て録音しました。説明会でのキーワードは志望理由を書く際にとても役立ちます。説明会に慣れてきた3月中盤からは、「この言葉は志望理由に使えそうだな」などと考えながら、メモを取るようにしていました。同じ会社の説明会でも、役員クラスの方、女性の方、若手の方など様々な視点からの説明会が開催されている場合が多いので、気になる企業は何度も足を運んで企業研究するようにしていました。
自己分析はES、面接通してその都度
自己分析については、正直なところ、就活を終えた今でも自分のことが100%分かっているとは言い切れません。自分史を書いたり、就活生のバイブル『絶対内定』をもとに自己分析をしたりと人並みには頑張りましたが、たった半年ほどで22年を分析するのはやはり難しかったです。個人的には、「ESを書きながら分析していく」というスタイルが効率的でおすすめです。数十社ものESに真剣に取り組んでいけば、必ず嬉しかったこと、困難だったこと、仲間と取り組んだこと、ガクチカなどは答えられるようになります。「何月までに自己分析を完璧にする」などと目標は決めず、ESや面接を通してその都度、反省して分析し直すやり方が自分には合っていました。
「本当にグローバルに働けるのか」で企業選び
企業選びで最も大事にしたのは、「本当にグローバルに働けるのか」ということです。今や、グローバルというキーワードは当たり前で、そこを説明会などでアピールする企業は非常に多いです。しかし、社員の方に日々の業務や駐在率などについて伺うと、思っていた印象とは違ったという企業も多く、説明会だけでは分からないことも沢山あると感じました。①駐在できる国の豊富さ②20代のうちに駐在を経験できるのかなどを主に重視して、企業の優先度を決めていきました。
ガクチカ、自己PRは30回以上書き直し ESは大人に見てもらう
ESでは、ガクチカや自己アピールなど、多くの企業で求められる題材は30回以上書き直しました。夏インターンのESは、今見ると「よくこれで提出したな」と思うレベルですが、早めから書き始めて、挫折を味わっておいて良かったと思います。ある程度、内容が固まったら両親や文章のプロの方に見てもらいました。個人的には、学生の先輩よりも誰か大人に見てもらうことをおすすめします。もちろん、中にはしっかりと添削やアドバイスをしてくれる学生の方もいますが、内容まで踏み込んでズバズバと指摘してくれる人は少ないと思います。多くの方にお願いしすぎても、どの意見を取捨選択すれば良いのか分からなくなってしまうので、厳しいことも言ってくれる人を中心にお願いしていました。
面接準備は箇条書きで エピソード5つは用意
面接対策では、「箇条書きでポイントをまとめ、壁に向かってひたすら話す」練習をしていました。面接用に文章を作ることは一度もせず、毎回その場で面接官の方の雰囲気に合わせて手短に話したり、長めに話したりしていました。ついつい、自分の成果を伝えることに必死になりがちですが、「伝える」と「伝わる」は違うので、まずは謙虚にそして面接官の反応を見ながらここぞという時にはしっかりとアピールできるように、事前に想定質問などを作って家でシミュレーションしていました。
企業によって様々ですが、金融業界以外は大体3回目が最終面接であることが多かったです。金融業界は、若手社員の方と4月中旬頃から毎週のように面談をし、6月の面接解禁までには10回弱面談を行いました。
最終面接に近づくにつれ、表面的なことよりも考え方や性格について質問されることが多くなります。「なぜそれをやろうと思ったの?」「苦手な人とどう関わる?」「価値観が変わった出来事は?」など自身の行動をよく振り返っておかないと、ぱっと答えるには難しい質問が多かったです。想定外の質問ではありましたが、ESやそれまでの面接を通して「なぜ」をよく考えるようにしていたので、エピソードを交えながら落ち着いて答えることができました。これについては語れるというエピソードは5個くらい用意しておいて、そこから繋げられる強み、弱みなどは整理しておくとどんな質問にも焦らず答えられると思います。
企業によって様々ですが、金融業界以外は大体3回目が最終面接であることが多かったです。金融業界は、若手社員の方と4月中旬頃から毎週のように面談をし、6月の面接解禁までには10回弱面談を行いました。
最終面接に近づくにつれ、表面的なことよりも考え方や性格について質問されることが多くなります。「なぜそれをやろうと思ったの?」「苦手な人とどう関わる?」「価値観が変わった出来事は?」など自身の行動をよく振り返っておかないと、ぱっと答えるには難しい質問が多かったです。想定外の質問ではありましたが、ESやそれまでの面接を通して「なぜ」をよく考えるようにしていたので、エピソードを交えながら落ち着いて答えることができました。これについては語れるというエピソードは5個くらい用意しておいて、そこから繋げられる強み、弱みなどは整理しておくとどんな質問にも焦らず答えられると思います。
「こんな風に年重ねたい」と思える社員が多く
内定した企業を選んだ決め手は、「私もこんな風に年を重ねていきたい」と思える社員の方が多かったことです。内定先を目指すようになったきっかけは、カメルーンで事業を目にしたことですが、説明会やOB訪問に足を運ぶ度に社員の方の親しみやすさや人としてのかっこよさに惹かれていきました。どんなに憧れの企業に入っても、希望の部署で働けても、この先必ず辛い仕事や理不尽なことに直面すると思います。そのような時に、素敵だなと思える先輩や同期がいることは支えになり、モチベーションに繋がるはずです。実際、ある社員の方が「人の良さには何度も救われた」「ミスした人ではなく、その原因を突き詰める文化がある」と仰っていて、やりがいも大切ですが、それを達成できる環境であるか否かも重要だと感じました。面接では、「人に惹かれた」だけだと皆が言うことで志望動機としては弱いので、自分なりのエピソードを交えて具体的に話すことを心掛けていました。
見た目と行動力の「ギャップ見せ」意識…でも「正直」も大切
就活全体を振り返ると、戦略的な面では「ギャップを見せる」ことを意識していました。ある面接のフィードバックで、「見た目の雰囲気と違って、行動的で芯があるんだね」と言われ、自身の第一印象はふんわりとした柔らかい印象に捉えられることに気付きました。希望の業界が、商社や海運など性別に関係なく、ガッツがあることを求められる業界だったので、海外駐在などへの不安は全くないことやどのような環境にもすぐに馴染めることなどを、留学や度重なる転校の経験を交えながらアピールするように心掛けていました。
こうした戦略も多少は必要ですが、就活生の皆さんに一番伝えたいことは「正直でいる」ということです。綺麗ごとだと思うかもしれませんが、なかなか皆が出来ないことだからこそ価値があり、評価にも繋がると思います。面接で無理に良い人や完璧な人を演じる必要はなく、非常識ではない範囲で率直に答えることで好印象に思ってもらえる場合が多かったです。実際、内定先の最終面接で、「こつこつと努力するのは苦手?」と聞かれ、苦手な私は「はい、テスト勉強なども前日になってしまうことが多いです」と答えました。後のフィードバックでは、努力型ではないという印象よりも素直だなという印象があって好感を持てたと言って頂けました。面接官も鬼ではなく、私たちと同じように大学生活を謳歌(おうか)した人たちのはずです。完璧な人を望んでいるわけではないと頭の片隅に置いて、少し気楽に頑張ってください。応援しています!
■目指した志望業界 商社、海運、金融、メーカー
■説明会に行った企業数 30社
■プレエントリーした企業数 40社
■ESを提出した企業数 30社
■面接を受けた企業数 20社
■内定(内々定)した企業数 4社
こうした戦略も多少は必要ですが、就活生の皆さんに一番伝えたいことは「正直でいる」ということです。綺麗ごとだと思うかもしれませんが、なかなか皆が出来ないことだからこそ価値があり、評価にも繋がると思います。面接で無理に良い人や完璧な人を演じる必要はなく、非常識ではない範囲で率直に答えることで好印象に思ってもらえる場合が多かったです。実際、内定先の最終面接で、「こつこつと努力するのは苦手?」と聞かれ、苦手な私は「はい、テスト勉強なども前日になってしまうことが多いです」と答えました。後のフィードバックでは、努力型ではないという印象よりも素直だなという印象があって好感を持てたと言って頂けました。面接官も鬼ではなく、私たちと同じように大学生活を謳歌(おうか)した人たちのはずです。完璧な人を望んでいるわけではないと頭の片隅に置いて、少し気楽に頑張ってください。応援しています!
■目指した志望業界 商社、海運、金融、メーカー
■説明会に行った企業数 30社
■プレエントリーした企業数 40社
■ESを提出した企業数 30社
■面接を受けた企業数 20社
■内定(内々定)した企業数 4社
2024/11/21 更新
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