就活体験レポート

新聞社(全国紙)記者職 内定者の就活体験

2月選考開始に焦る ES間に合わず夜中に大泣きするもインターンから内定!

A.Y.先輩

新聞社(全国紙)記者職 内定 現代教養学部 女性

2019年04月25日

聖歌隊に哲学…ジャーナリズムと縁遠かった私が…

 中学から合唱を続けており、大学では聖歌隊に所属して、ひたすら歌うことに熱中していた4年間でした。専攻は哲学で、その中でも古代ギリシア哲学・キリスト教学を主に学んでいました。ジャーナリズムとは縁遠い学問を学んでいた私が内定をもらうまでの話が、皆さんのお役に立てば幸いです。

夏インターン2社、冬も2社

 初めてエントリーシートなるものを書いたのは大学2年生の時です。たまたま大学の就職セミナーで「朝日学生キャリア塾」のことを知り、参加したのがきっかけでした。就活とはこんなに大変なものか、と大きな刺激になりました。キャリア塾には3年の夏にも参加しました。夏インターンはESを5~6社に提出し、参加できたのは2社でした。秋のインターンは、サークル活動が忙しかったため応募できませんでした。冬のインターンは全国紙など3社ほど応募しましたがすべて落ち、まだ空きがあったブロック紙2社のインターンに参加しました。
 インターンは座学ではなく実践的な内容のものを選びました。結局、インターンからの選考・面接に呼ばれ、そこから内定につながりました。
(※編集部注:「朝日学生キャリア塾」は、朝日新聞社が主催するES添削、模擬面接、時事問題対策などを学ぶ就活セミナー。今年度の実施は未定です。)

続けたのは、①コラム書き写し②新聞読み比べ③記事スクラップ

 日常的に取り組んでいたことは、大きく分けて三つあります。一つは「余禄」(毎日新聞)や「天声人語」(朝日新聞)など1面のコラムの書き写しです。これは作文対策として行いました。
 二つ目は新聞の読み比べです。毎日すべての新聞に目を通すのは無理ですが、大学の図書館などでできる限り読むようにしていました。これを続けることで業界研究(マスコミに限りません)や企業研究にもつながりました。
 三つ目は記事のスクラップです。新聞社ごとに、日付などをつけてまとめていました。特にテーマなどは意識せずに、その日気になった記事を切り取り、ノートに貼っていました。ESの「最近気になった記事」という質問のネタになるだけでなく、スクラップして可視化されることで、自分が何に興味をもっているのかを知ることもできました。

ES書くことが自己分析に 一人で考え込まず知人に聞こう

 自己分析には、あまり意識して取り組んでいませんでした。恐らくESを書く中で、自分を振り返る時間はたくさんあったのだろうと思います。それが結果的に自己分析につながったのかもしれません。強いて言うなら、ひとりで考え込むのではなくて、自分を知っている人たちに客観的に私について話してもらうことが役立ったかもしれません。

 仕事選びの軸は、「変化に富んでいて、常に学び、自分が成長できる仕事」。そして、学歴や資格重視ではなく、私そのものを見て、受け入れてくれる会社であることです。
 マスコミ以外も考えましたが、報道にかかわる仕事がしたいという気持ちが強く、結局マスコミ一本で就活をしていました。私はあまり器用なほうではないので欲張って多く受けても失敗するだけだと思い、自分のできる限りの範囲しかエントリーせず、就職浪人覚悟で臨んでいました。

説明会では「明日から働いたらどうなる?」想像してたくさん質問

 会社説明会では、もちろんメモは取りますが、何かしら吸収せねばと思い、たくさん質問していました。「明日からここで自分が働いたらどうなるのだろう」と考えながら質問すると色々聞きたいことが出てくると思います。臆せず質問したほうが新しい情報を得られるかもしれませんし、社員の方の受け答えを通して会社の雰囲気を知ることもできます。人事の方はあまり見ていないようで見ているので、「見られている」という意識は持つ必要があります

マスコミ志望者はやること多い SPI、一般常識の勉強は早めに

 3年の1月から3月にかけては、マスコミ志望者向けの説明会やイベントに積極的に足を運びました。会社説明会やESなどやることは多いですが、実際に働いている人に話を聞くのが一番だと思うので、就活中はなるべく足を使って多くの人に会うようにしていました。

 4月ごろから面接が始まると思っていたのですが、2月から実質の選考が始まり、とても焦りました。毎日とても忙しく、精神的にも体力的にもかなりきつかったです。反省点は、SPIなどの準備に時間をかけることができなかったことです。時事問題や作文練習に時間を取られ、1週間程度しか勉強できませんでした。マスコミ志望者はやることが多いと思うので、SPIや一般常識などは早めに勉強を進めておいたほうがいいと思います。

 3月は連日会社説明会がありますが、私はESの期限や面接が迫っていたので、大規模な合同企業説明会にはあまり行かないようにして、行きたい企業の説明会だけ絞って行くようにしていました。マスコミは選考が年々早まっているので、準備が間に合わなくて本当に焦りました。何もかも中途半端になってしまうよりは、すべて出来なくてもいいので優先順位をつけて、一番行きたい企業の選考に通過することを考えたほうがいいと思います。

 反省点は、スケジュール管理がうまくできずに、早期選考の機会を逃してしまったことです。インターンからの選考に呼ばれていたのですが、ESを締め切りまでに提出できず、夜中の12時にパソコンの前で大泣きしたことを覚えています。当たり前ですが、忙しくてもESを提出できないと選考に残ることはできないので予定の管理をしっかりして余裕をもって3月を乗り切ってください。
 そんな私ですが、第1志望の新聞社のインターンから選考に進み、運良く4月の中旬に内々定をもらうことができ、就活を終えました。

ESは記者、キャリセンに何度も見てもらう

 ESは、論理的に(A→B→Cというように)書くように心がけました。自分の感情が先行してしまうと自分で読む分にはわかるのですが、他人が読むと時系列や理由などがバラバラで読みにくい文章になってしまいます。書きたいことを箇条書きにしてパズルのように組み合わせて書いていけば、文章が整理されると思います。
 多くの人に添削してもらってアドバイスをもらうことも必須です。私は知り合いの記者の方や大学のキャリアセンターで何度も見ていただきました。
 細かいことですが、なるべく一文を短く簡潔に書くことと、文字の大きさをなるべくそろえることです。人事は何百枚ものESに目を通すと思うので、最後に全体の読みやすさも確認してから提出していました。

面接は前日までの準備が大切 想定質問の答えを整理

 面接は、新聞社などマスコミを受けた先輩方からいただいた問答集があったので、それを参考に準備していました。面接は前日までの準備が一番大切だと思います。その場で何とかなるようなものではないので、想定される質問はどのように答えるか全て頭の中で整理してから臨むようにしていました。当日の緊張も和らぎ、面接の部屋に入っても落ち着いて受け答えできると思います。

 内定した会社の面接は全部で3回でした。グループ面接はなく、初めから1対3の個人面接でした。その後、1対7の役員面接がありました。最後に人事との面接がありました。
 聞かれたのは、「記者を目指す理由」「志望動機」「記者になってどんな取材がしたいか」「体力に自信はあるか」「学業について」「その内容と、なぜその分野を勉強しているのか」。そして逆質問。

自分を作らないとならない企業には行かないほうがいい

 就活全体を振り返って。新聞記事のスクラップとコラムの書き写しは蓄積なので、思い立ったらすぐに始めたほうがいいと思います。ESなどでも役に立ちました。面倒くさいと思うことばかりだと思いますが、自分に必要だと思ったことは何でもやってみてください。

 あとは自然体でいることです。これは意外と難しくて、よく思われたいと見栄を張ってしまうものですが、かえって緊張してうまくいかないことが多いです。自分を作らないとならないような環境の企業には行かないほうがいいです。

 必須アイテムは、クリップファイル・ボードと手のひらサイズのメモ帳です。説明会やインターンでは、狭いスペースに座ることも多く、メモが取りづらいので、しっかりしたファイル付きのボードや小さいメモが役立ちました。

一切聞かず支援してくれた親に感謝

 親は就活について一切聞いてきませんでした。恐らく、私がどこを受けていたのかもあまり知らないのではないかと思います。たまにESを見てもらったり、悩みを聞いてもらったりしていました。交通費などお金もかなりかかったので、金銭的な支援があったことで不安なく就活に集中することができたと思います。本当に感謝しています。

■目指した志望業界 新聞、出版、テレビ
■説明会に行った企業数 30社
■プレエントリーした企業数 50社
■ESを提出した企業数 4社
■面接を受けた企業数 3社
■内定(内々定)した企業数 1社