就活体験レポート

大手音響メーカー 内定者の就活体験

展示会に通い詰め企業に本気度アピール 有名大でなくても第一志望に内定!

S.Y.先輩

大手音響メーカー 内定 現代生活学部 女性

2015年01月09日

ヘッドホン専門店に飛び込みでバイト開始 土日は展示会巡り

 3年生の6月頃から、将来どんな風に仕事をしていきたいのかを考えるようになりました。もともとバンド活動をしていたので音楽業界で仕事をすることも考えたのですが、そのうち音楽よりも音へのこだわりに興味がわくようになり、音響メーカーに就職したいと考えるようになりました。そう決めたものの、音響メーカーはなかなか関わる機会がなく、悶々した毎日を送っていました。

 8月、先輩のライブに行く途中にたまたまヘッドホンの販売店の前を通り、その場でアルバイトを申込みました。そこからはヘッドホンやスピーカーにのめりこみ、夏休みは週3日ほどアルバイトをし、週2日は家電量販店に入りびたり、土日は「また来たの」と言われるほど各社の展示会に足を運びました。たくさんの製品に触れられただけでなく、社員さんやお客さんから色々なお話を聞くことができたため、自分でも意識しない間に楽しみながら業界研究ができました。

「朝日学生キャリア塾」でESの基礎磨く

 8月から始めたヘッドホンの販売店でのアルバイト、家電量販店巡り、各社の展示会では、お客さんの様々な要望を聞くことができ、業界研究は進んでいる方だったと思います。しかし私は児童学科に在籍しているため、同級生の就活は4年生の夏からでした。ESや面接対策なども9月頃から意識し始めましたが、大学の就職課もまだ動き出していないため頼れる人もおらず、とても焦っていました。

 そんなとき、神の思し召しの様に朝日新聞社から「朝日学生キャリア塾」秋講座の案内メールが届き、片道2時間かけて通うことを決意しました。キャリア塾では、ESのベースとなる自分の長所などを書き出し、先生が添削をしてくれたので、いざESを書くときにとても書きやすかったです。その時、音響メーカーだけでなく、他にも視野を広げてみたらとアドバイスもいただきました。

 他には1度、面接対策の講座に参加しました。その時一緒に参加していた学生と仲良くなり、情報交換や、時事問題について話し合うことができるようになりました。就活が終わった今でも、月に1度は集まっています。

就活開始! でも中だるみ……

 12月1日に就活が始まりましたが、最初は企業へのプレエントリーだけで、特にすることはありませんでした。プレエントリーしたのは音響メーカーのほかに、補聴器メーカーや音楽関係の会社であわせて20社ほどです。メーカーは会社説明会が遅く、合同企業説明会も行きたい企業が出展していないと行く気がしなかったので参加しませんでした。この頃は就活が解禁になったのに会社説明会などはまだ始まらず、気持ちばかり焦ってしまい中だるみをしてしまった時期でした。やったことといえば、面接対策の講座で仲良くなった友人との情報交換会(忘年会)と、証明写真を撮りにいったくらい。証明写真は、顔の整体に行ってから撮るほど気合いを入れていきました。

 1月に入るといくつかの企業から会社説明会や選考の案内が届きました。いくつか学歴フィルターで説明会の案内が来ない企業がありましたが、他大学の学内説明会に潜り込んで話を聞きに行きました。説明会は、東京のほかに、大阪、神戸、名古屋に行きました。旅行気分で楽しかったです。

 また、補聴器メーカーの選考に参加しました。会社の店舗での一日研修が選考の内容でしたが、あまりにも社風が合わず、午前中で「辞退します」と言って帰ってきてしまいました。他にも2社、音楽関係の会社を受けましたが、ESを書くのも身が入らず、書類選考で落ちてしまいました。

音響メーカーに志望絞る ESは若者目線を重視

 2月は、会社説明会に少しずつ参加しながら、3月のES提出期限に向けて準備をしました。第一志望業界の音響メーカーの説明会なども始まりました。1月の失敗でもう辛い思いはしたくなかったのと、士気が高まっていたこともあって、もう音響メーカーと音響に関わる会社だけを受けようと腹をくくりました。

 ESについては、本エントリーをした企業は、1月に受けた3社と合わせても12社と少なかったため、各社にゆっくりと時間をかけることができました。キャリア塾でベースを作っていたので、書くことはもう決まっており、あとは肌で感じたオーディオ業界の問題提起と解決案をまとめる必要がありました。“若者の視点”と“女性の視点”は、自分の実体験なども含めて話すことができるため面接で話しやすくなります。特にオーディオ好きな方は年配の男性の方が多いので、あえて若者の視点の方が、きっと自分のペースにもっていけるだろうと、少し打算的にESを書きました。また、選考にSPIではない筆記試験を採用している企業があったため、すぐに問題集を買って試験当日までに4回解きました。遅ればせながらOB訪問をしたのも2月です。

面接盛り上がり30分伸びたことも 4月に内定獲得

 3月は、週に1日、多くて3日ほど、選考が入るようになりました。面接は、オーディオ業界や、製品について、面接官と会話をしている様な雰囲気で進むように心がけました。

 面接官をしているのは、人事部の方のほか、部長や役員クラスの方です。「こんな方に話を聞いてもらえる機会は今後絶対無い!」と思い、会社の製品のどこがお客さんに好まれるのかだけでなく、逆に改善すべき点も、笑いを交えて語りました。あまりに話が盛り上がってしまい、面接が30分延びたこともあります。

 そんな笑いをとりながらの面接でしたが、実際にはすごく緊張していて、ほとんど話したことを覚えていないときもあります。正確に答えられたかわからず、最終面接の次の日はあまりにも不安だったので、1日ぼーっとしていました。

 3月31日に第一志望の企業の最終面接を受け、それからしばらく面接の予定は入れていませんでした。4月4日に連絡があり、内々定の通知をいただきました。それからは親戚や先生に内々定の報告をし、卒業までにやりたいことをリストアップしていました。

後輩に伝えたいこと

 私は、有名大学に通っているわけではないので、大学名や専攻で目に留まるような学生ではありません。留学経験もなく、TOEICで高得点をとったことも、スポーツで結果を残したこともありません。それでも、行きたい会社でやりたい仕事をしたい!と強く思っていました。そして、とにかくやりたいことに関わろうとしていたことや、関わることで見つけた課題に自分なりに解決策を練ったことが、一番のセールスポイントだったと思います。

 私が就活で大切にしていたことは、“私”を企業に売り込むためにどうしたらいいか、ということです。営業と同じ気持ちですね。そのために大切なのは何か考えたときに、「個性をもつこと」、「存在を知ってもらうこと」、「企業を知ること」だと考えました。

 まず、私がほかの学生とは違う、型にはまらない個性を持っている必要があります。私の場合、ヘッドホンの販売店でのアルバイトや家電量販店巡り、各社の展示会は、11月まで金髪に近い明るい髪、冬になり就活がはじまってからは、スーツの上に鮮やかな緑のコートを着て参加していました。

 次に、私という存在を知ってもらう必要があります。私は、展示会に行ったときは必ず社員の方に声をかけ、質問をしました。何度か参加しているうちに、名前を覚えていただいたり、「久しぶり。」と声をかけていただいたりしました。そういう情報が、人事部の方や、面接官となる方に伝わっているときもあります。情報収集もできて、企業に本気度をアピールできる機会でもあります。

 そして、行きたい企業を知ることも大切です。展示会などで製品のことだけでなく、社風なども感じることができます。その時感じた雰囲気は、だいたい面接のときにも同じように感じました。笑いをとるのか、とらないのかなど言動も気を付けることができます。どんな人と働きたいかについても、会社説明会だけではなく色々な方向から考えることができます。製品については、「うちの営業より詳しい」と言われるくらい詳しくなっておくと、ちょっと自信になったりもします。

 辛いこともたくさんありますが、周りと一緒ではなく、オリジナルの就活をぜひ!