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2018年04月03日

経済

インバウンド消費4兆円、航空・ホテル・百貨店…潤う業界は?

5年連続増加

 「インバウンド」と呼ばれる日本を訪れる外国人観光客が増え続けています。2017年は前年より19.3%増えて2869万人と5年連続で過去最多を記録しました。東日本大震災があった2011年と比べるとなんと5倍近く増えています。ざっと2900万人と覚えておきましょう。

 旅行客はお金を使ってくれるため、日本の経済にとって大きなプラス要因です。2017年のインバウンドによる消費額は前年比17.8%層の4兆4000億円にのぼりました。航空、ホテル業界だけでなく、その恩恵はさまざまな業界に及びます。日本の人口が減る中、インバウンドのビジネスチャンスを生かせるかが、多くの企業にとって成長のカギを握ります。

2020年に4000万人

 インバウンドの急増にはいろいろな背景があります。中国や東南アジアの発展途上国では、経済成長で海外旅行ができる中産階級が急増。この数年の円安で日本旅行が割安になったこと、日本食ブーム、東京五輪・パラリンピックに向けて日本が注目されていることもあります。LCC(格安航空会社)が普及したことも大きな要因です。政府はインバウンドを成長戦略の一つと位置づけ、入国ビザの要件緩和などで後押ししてきました。東京五輪が開かれる2020年に4000万人、2030年に6000万人に増やす目標を掲げています。4兆円を超えた消費額は2020年に8兆円が目標。目指すのは「観光立国」です。

 国連世界観光機関の2016年の世界の外国人訪問者数のランキングでは、①フランス(8260万人)②米国③スペイン④中国⑤イタリアの順。日本は16位(2400万人)で、アジアでも中国、トルコ、タイ、マレーシア、香港に次いで6位にとどまっており、まだまだ伸びしろがありそうです。世界で観光旅行客が増えているので何とも言えませんが、4000万人は2016年だと世界トップ6に位置します。

(写真は、訪日客でにぎわう大阪・道頓堀=2017年12月14日、大阪市中央区)

地方誘致が課題、モノ消費から「コト消費」へ

 これだけ増えると、ホテルの客室数が足りなくなると言われていましたが、2016年末から2020年末の間に主要8都市のホテル客室数は約33万室となり、32%増えるとの試算もあります(不動産サービス大手CBRE調べ)。東京は3500室不足するものの、京都、大阪では1万室以上、供給が需要を上回る予測です。住宅宿泊事業法(民泊新法)施行されて民泊がルール化されたこともあり、2020年のホテル不足は解消されそうです。むしろ供給過剰の心配も出てきました。

 「東京―富士山―京都・大阪」がインバウンドのゴールデンルートと呼ばれますが、地方にも魅力的な観光地がたくさんあります。インバウンドの地方への誘致、受け入れのためのインフラ整備が課題です。

 中国人客の「爆買い」は下火になりましたが、化粧品や薬、日用品のほか、高級時計などのブランド品は相変わらず売れていて、百貨店などの売り上げを支えています。一方で買い物よりも体験やサービスを重視する「コト消費」が盛んになっています。テーマパークのほか、文化鑑賞などのエンターテインメントにはもっと外国人にアピールする余地がありそうです。

(写真は、OSK日本歌劇団による訪日客向けのショー。客と一緒に踊る時間を設けた=大阪市中央区)

インバウンドは一大産業

 インバウンド消費の4兆円は日本の鉄鋼製品の輸出額に匹敵します。インバウンドは一大産業なのです。 「新・観光立国論」(東洋経済新報社)を書いた日本在住25年の英国人元アナリスト、デービッド・アトキンソンさんは「気候、自然、文化、食事。日本は、観光大国の4条件がそろっており、潜在力は高い。ですが、GDPに対する観光業の貢献度は世界平均の9%程度に比べ、日本は2%程度。観光は大きな産業なのに、日本はまだ開拓が不十分で、伸びる余地は大きい」と語っています。

 インバウンドに関わる業界を考えてみましょう。
【運輸】航空、鉄道、バス、クルーズ船
【旅行】旅行会社、ホテル
【小売り】百貨店、家電量販店、ドラッグストア
【レジャー、エンターテインメント】テーマパーク、劇場
【外食】日本食レストラン
【メーカー】家電、化粧品、薬品、ファッション、ブランド品
【通信】Wi-fiサービス

 まだまだあると思います。自分が志望する業界がインバウンドにどう関わり、これからどんなビジネスチャンスがあるのか、関連のニュースなどを参考に考えてみてください。


(写真は、訪日客でにぎわう鶴岡八幡宮=1月12日、鎌倉市 )