話題のニュースを総ざらい!面接で聞かれる!就活生のための時事まとめ

2017年10月24日

就活

就活生が押さえるべき10の数字㊥ おカネの話

④政府の予算額=100兆円

 就活生が知っておくべき10の数字の第2弾は、国のお金にまつわる分野をまとめます。国の予算や借金などは巨額でイメージしづらいと思いますが、第1弾の人口編と同様に大ざっぱな数を押さえることが大切です。関連するニュースに接したとき、どのくらい大変な話なのか意味合いを理解しやすくなり、話題にもできるようになりますよ。

 政府は、1年間の収入(歳入)の見通しと、お金の使い道(歳出)を決める予算案をつくり、国会で議決された予算に従ってさまざまな事業を実施します。2017年度の基本的な国の活動に必要な一般会計の予算総額は約97兆5000億円。高齢化で、年金、医療、介護などの社会保障費が膨らむほか、防衛費や公共事業費も増えて5年続けて過去最大になりました。2018年度予算について、財務省は98兆円程度にする方針で、さらに増える見通しです。ざくっと、「あとちょっとで100兆円」と覚えましょう。災害などで新たにお金が必要になると補正予算を汲むため、最終的に100兆円を超える年もあります。

 毎年夏、各省庁が次の年度の事業にいくら必要かを各省庁が求める概算要求をまとめ、財務省が査定して年末までに予算案として閣議決定。翌年の1月からの通常国会で審議され、議決されます。

 グラフを見てください(2017年度の予算案)。100兆円規模のお金を使う予算ですが、国の税金の収入は57~58兆円しかありません。全然足りませんよね。この差額を埋めるのが国債という国の借金で、2017年度は約34兆円分を発行しました。つまり、使うお金の3分の1以上を借金でやりくりしている構図で、家計は火の車です。借金は返さなければなりません。2017年度予算では23兆5000億円が過去に発行した国債分の借金返済に充てられました。借金返済のために新たな借金をしているわけです。

⑤国の借金=1000兆円超

 日本の国と地方の借金残高は1000兆円超えています。国債を毎年大量に発行してきたからです。いまや⑥のGDP500兆円の2倍を上回り、先進国では最悪の「借金大国」です。国民1人あたり800万円以上の借金を抱えていることになります。

 借金が急増したのはバブル経済が崩壊した1990年代からで、景気が悪くなって税収が減る一方、公共事業など予算の支出を増やして景気を良くしようとしてきたからです。高齢化が進み社会保障費が年々膨らんでいることも借金が増える原因です。

 数年前、欧州のギリシャが借金を返せなくなって国の財政が破綻しました。欧州連合(EU)の救済などによっていま再建中です。日本がギリシャより多額の借金をしても破綻しないのは、いずれ返せると信用されているからです。ギリシャの国債は外国人が多く買っていましたが、日本の国債は日本銀行(日銀)や金融機関など主に国内で買われているため簡単に投げ売りされるようなことはないだろうと思われています。ただ、今後何らかの要因で信用が落ちれば、国債の買い手がいなくなり、日本の財政も破綻しかねません。

 借金返済のために2019年10月に消費税率を10%に上げることになっていますが、今回の衆院選で安倍首相は増税分の使い道を教育無償化などに振り向けると公約しました。高齢者に手厚いお金の使い道を若い世代にメリットがあるように変える政策ですが、借金返済は先送りされます。みなさんのような若い世代や、これから生まれる未来世代が返さなければならないため、負担の先送りという面があることも知っておきましょう。

⑥日本のGDP=500兆円

 「GDP」は国内総生産(Gross Domestic Product)の略。1年間に国内で生産されたモノやサービスの価値の合計額で、国の経済力を表す指標として使われます。実際の取引の価格を示す名目GDPと、そこから物価変動の影響を除いて経済の本当の実力をみる実質GDPがあります。日本の名目GDPは約500兆円。安倍政権は成長戦略「アベノミクス」で、2020年ごろに600兆円に引き上げる目標を掲げています。

 日本のGDPは長く米国に次いで世界2位でしたが、急成長してきた中国に2010年に抜かれて今は3位です。表・グラフは、2016年の各国の名目GDPの順位です(外務省の資料から)。米国が圧倒的で日本の4倍近く。中国は日本の2倍超です。トップ10を見ると、中国、インド、ブラジルの新興国を除く7カ国が主要7カ国首脳会議(G7サミット)のメンバーです。1997年にはこの7カ国で世界のGDPの67%を占めていましたが、2011年には50%を割りました。2008年のリーマン・ショックの後にはG7だけでは問題は解決できないと、新興国も加えた20カ国の集まりG20が始まりました。今では、G7、G20の2本立てで世界の問題が話し合われています。