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研修を終え、最初に配属されたのが多摩センター支店です。今は、三井住友銀行のリテール営業は「エリア制」といって、全国で105エリアあるのですが、当時は「ブロック」という単位が全国36ブロック、その中の「小田急ブロック」に多摩センター支店はありました。
半年間研修したあと運用担当者になり、2年目の秋から「小田急ブロック」所属となって、つきみ野支店に常駐しました。2014年の4月にブロック制が「エリア制」にかわり、所属が「町田エリア」に。2015年4月からは、今のコンサルティング業務についています。
■同期は何人くらいいらっしゃいましたか?
当時は、CS(コンシューマーサービス)職が200人程度、総合職が400人程度でした。今は職種の区分がかわり、CS職は総合職リテールコースとビジネスキャリア職(いわゆる一般職)にわかれています。
■最初は、どんな仕事をされたのですか。
配属された支店の地区を担当しました。多摩センター支店では、ほとんど担当顧客はいませんでしたが、つきみ野支店時代から担当するようになり、多い時で400人くらいのお客様を担当しました。会社の役員をされている方や地権者の方が多かったですね。
■一番達成感のあった仕事は?
やはりリテールの仕事をしていると、お客様の信頼を得られた時が一番印象深いですね。
あるお客様が「次の世代に資産をスムーズに承継したい」というご相談をされてきたことがあります。「不動産の相続手続きは大変なので今から対策したい」というご要望で、私は遺言信託を提案しました。遺言信託は、事前に資産をどう分けるかを決める遺言書の作成を私たちがお手伝いし、将来の手続きもする仕組みです。
お客様は、「附言事項」(家族への気持ちや最後のメッセージなど)もじっくり考えたいということで、ご提案から1年以上かかりましたが、「井上君を信頼しているから、君が担当している間に作りたい」という言葉を頂き、ご家族への感謝の思いなども深く伺うことができました。
案件の大きさもさることながら、お客様の人生にかかわる重要な決定をお手伝いできたことがとても嬉しかったですし、「あなたが担当でなければ頼まない」と言って頂けたことも印象に残っています。実際に遺言書が執行されるのは相当先で、その時私が銀行にいるかも分かりませんが、長期間にわたり引き継いでいける仕事として、一番思い出に残っていますね。
ちなみに、メガバンク本体で遺言信託をできるのは、三井住友銀行だけです。1人の担当者が、色々なサービスを提供できるのは強みだと考えています。
■逆に、「失敗したな」というエピソードは?
営業で大きなミスをしたというのはないですね。もちろん、「前にこれを調べてと言っていた件どうなった?」というような、日常的なことはありますが。幸い今まで、お客様に顔を向けられないような失敗はありません。
■失敗をしないように心がけていることは?
例えばですが、値動きがある金融商品については、お客様にリスクやリターンをどれくらい理解頂いているか、そのお客様に本当にあっているものなのかをしっかり判断しようと心がけています。そうすれば、一時的に見込みが外れても。自分の言葉でお客様にしっかり説明できると思います。…続きを読む