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■コロナ禍3年目の採用
──コロナ禍3年目だった2023年卒採用を振り返ってください。
吉田 コロナ禍1年目は対面でのイベントを中止にしたり、急きょ面接をオンラインに切り替えたりと、不慣れな環境で学生も会社も対応に戸惑う場面がありましたが、3年目となるとお互いに慣れてきました。ソニー株式会社では学生の夏休みと春休みに合わせてインターンシップを積極的に受け入れていますが、ちょうど実施時期とコロナの感染拡大が重なり見送らざるを得ない状態が続きました。一部オンラインでインターンシップを実施しましたが、やはり会社に来て実際に社員と会って雰囲気を感じてもらいたかったですね。そういう声は学生からも上がってきました。
──対面とオンラインで、面接に違いは?
吉田 技術系の面接では研究内容をプレゼン形式で発表してもらいます。対面のときはホワイトボードに手書きで説明してもらいましたが、今はパワーポイントを事前に用意してもらい、資料を踏まえて説明や質疑応答を行うので論理的な思考はむしろ見えやすくなりました。
浅井 面接員に「オンラインで見極めに問題があるか」のアンケートを取りましたが、ほとんどが「問題ない」でした。その人の本質は入社してしばらく経たないと分かりませんが、面接の質が落ちたとは思いません。課題は「等身大のソニー」をいかに伝えるか。会社に来てオフィスを見たり、社員が話しているところを生で見たりするとソニーのカルチャーを感じられます。どう伝えるかに腐心しています。
──工夫したことはありますか。
浅井 説明会で社員同士が話す姿を見せるようにしました。ほぼ打ち合わせなしで2~3人の社員を呼びライブ中継をします。「ソニーを辞めたいと思ったことがありますか?」「残業が多いと思いますか?」など突っ込んだ質問をして○×で答えてもらいました。「自由に答えて」と言ってあるので、「辞めたいと思ったこと」に○を上げる人もいます。「どんな場面で?」とさらに突っ込んで聞きます。
──学生の反応は?
浅井 チャットで「そんなこと聞いちゃうんだ」「えーっ!」「(爆)」などと素直な反応があっていいですね。仕事紹介の動画をたくさんつくったのも伝える工夫です。
お伝えした通り、募集コースは4社合同で約100コースあるのですが、ほとんどのコースについてそれぞれ動画を人材募集する各部署と連携してつくりました。前年まではプレエントリーして初めて動画を見られたのですが、それだとソニーに興味がない人は見られません。等身大のソニーを伝えるために、すべての動画を採用ウェブサイト上で誰でも見られるようにしました。他社の人事の方には驚かれることもあります。
1番のコースに応募するとソニー株式会社、2番に応募する人はソニー・インタラクティブエンタテインメントと、応募時に自分がどの会社にエントリーするのか分かるようになっています。そこに動画がついていて、ポチっと押すとどんな仕事なのか見られます。
■2023年卒採用
──2023年卒採用の募集要項には「ジョブマッチング1期」から「3期」まであります。
浅井 1期は3月下旬以降、2期は5月中旬以降に情報開示を始め、学生と募集部署とのマッチングを行いました。3期は夏季選考で9月ごろに決まります。3期は帰国した留学生が応募しやすい時期でもあります。
──内々定はいつ出すのですか。
浅井 6月1日に内々定というスケジュールになります。
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