人気企業の採用担当者インタビュー「人事のホンネ」2023シーズン第6弾、ミツカングループの後編です。江戸時代からの老舗ですが、創業以来「変革と挑戦」が伝統とか。最終面接はプレゼンが恒例で、ここで本気度の差が見えるといいます。(編集長・木之本敬介)
(前編はこちら)
■グループディスカッション
──書類選考の後はグループディスカッション(GD)ですね。WEBでのGDは難しいと、やめた会社もあります。
2021年卒ではGDを見送って動画選考に置き換えましたが、2022年卒採用はWEBで復活しました。WEBインターンシップでグループワークをしてみて、できると判断しました。
WEBでのGDは学生の顔を一度に見られるので、表情や集中しているかどうかがすごくよく分かりました。対面で人事が目の前にいると学生も話しづらいと思いますが、WEBだとこちらは画面オフにするので、時間が経つうちに緊張が解けて素が出てきました。
──どんな形式ですか。
7人で50分間、テーマは「文化祭の予算振り分け」でした。発表はなしで議論の様子を見て判断しました。
その場でZoomのチャットで個人宛に資料を送って、「今から読み込みをしてください。……では討議スタート」というやり方です。
■面接
──GDの次は個人面接ですね。
個人面接は1対1で30分です。学生に伝えきってほしいと思っているので、私が担当する面接では「何でもしゃべっていいよ」という時間を設けています。自己 PRでもいいし、他に頑張ったことでもいいし、「これだけは言いたいこと」を伝えてもらうようにしています。その深掘りと、ESに書いたガクチカの深堀り、この二つですね。最終面接は学生1人に対し、幹部複数名です。
──最終面接のポイントは?
公表はしていないのですが、学生にはバレているので言うと……、冒頭5分間で、テーマに沿ったプレゼンをしてもらいます。事前に資料もつくって、紙でも写真でも絵でも文字でも好きに使って構いません。対面面接では紙の資料をホワイトボードに貼ってプレゼンしていましたが、WEBでは資料を映してもらいました。それが冒頭5分間、残り25分間が面接です。
──プレゼンの狙いは?
15年ほど前に導入した担当者に聞くと、当時は面接官が現在の倍以上の人数がいて、学生が威圧感に押しつぶされてしゃべりきれなかったと。そこで、最初にプレゼンタイムを設けて言いたいことを話す時間をとるようにしたのが始まりです。毎年好評で、私もプレゼンして入社しました。
──学生は、言いたいことを言える半面、資料の準備が大変ですね。
準備が面倒だと思う人は辞退しますし、ミツカンに本当に入りたい人は本気でやるので、ここで差が出ます。
6~7割は学生時代に頑張ったことを二つ、三つ、ポイントを絞って話しますね。過去には「漢字一文字でしゃべります」という変わった例もありました。
ミツカングループ
「おいしさと健康の一致」めざす 求められる論理的思考
■社風
──創業217年の歴史をもつ老舗です。どんな社風ですか。
先輩社員が築いてきたものを受け継ぎながら変化させていかないといけないという重みはあります。「古い企業なので、新しいチャレンジがしにくいのでは?」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、まったくそんな社風ではなくて挑戦的な風土の会社です。セミナーや説明会では、変革と挑戦の歴史や今取り組んでいる新しい事業の説明など、ミツカンのことをより理解してもらえる話をしています。
──昔ながらのお酢の味を守っている会社というイメージだったので、採用HPに「挑戦」という言葉がたくさん出ていて驚きました。
そうなんです。200年超の歴史の中で明治維新、世界大戦など、いろんな荒波を乗り越えてきた企業なので、ただお酢を作っているだけじゃ乗り越えられなかったと思います。実際、ビール事業や酪農事業をやったり、銀行やハンバーガーショップを経営したり、まったく違う事業に挑戦した過去があります。
──今はどんな挑戦をしているのですか。
10年先の未来を考え、2018年11月に策定した「ミツカン未来ビジョン宣言」の実現に注力しています。企業理念の「2つの原点」である「買う身になって まごころこめて よい品を」「脚下照顧に基づく現状否認の実行」の考えのもと、創業から「変革と挑戦」を続けてきました。今後、世の中の環境変化はますます激しくなり、気候変動や人口爆発により、食料が不足する時代が訪れると言われています。「未来ビジョン」に沿って「人と社会と地球の健康を大切にする」「おいしさと健康の一致」の実現に向け、新しい食の未来をめざしていきたいと考えています。ただ、当社だけで実現できるものではなく、共感、共鳴していただける方を増やし、そういった皆様とともに、「生活共創価値」を作り上げていきたいと考えています。
――「おいしさと健康の一致」とは?
健康によいものであっても、おいしくなければ続けられないし、おいしいものでも健康によくないのであればよろしくない。実は、「おいしさ」と「健康」って両方を実現させるのは難しいことなんです。これを体現したのが「ZENB」(ゼンブ)というブランドです。
「ZENB」は、植物を可能な限りまるごと使い、おいしくてカラダにいい、「人と社会と地球の健康」に貢献する、ウェルビーイングな食生活を提案するブランドです。野菜や豆、穀物といった植物のおいしさと栄養を、可能な限りぜんぶ閉じ込め、動物性原料は使わず、添加物に頼らない味づくりで、素材そのもののおいしさをいかした商品です。ECサイトでの通販限定の商品で、当面の間は売上を上げることよりも、「ZENB」の価値をお客様にしっかりお伝えすることに注力しています。日本だけでなく、米国、英国でも展開し、「人と社会と地球の健康」に貢献する商品として、好評を得ています。
■働き方
──コロナで働き方が変わりました。今後はどうなるのでしょう。
生産部門を除く多くの部署が「7割テレワーク」の環境となり、どの部署もローテーションを組んで出社していました。社員はみんな「在宅でも意外と仕事ができる」と感じたと思います。本社や営業所ではコロナ前からコアタイムなしのスーパーフレックスタイム制を導入していてコロナになって急に整備することもなくスムーズでした。インフラ強化のため情報システム部はとても大変だったかと思いますが、このままテレワークが継続されると嬉しいです。
■やりがいと厳しさ
──ミツカンの仕事のやりがいと厳しさは?
やりがいは、若手のうちから仕事を任されて、自分で考え、意見を出しながら働けるところです。厳しい面をいうと、やりたいことを提案できる風通しのよさがある一方、上司から論理的思考で考えることや、説明責任を果たすことを求められます。
──健康に関わる責任も重いのでしょうね。
2004年から「やがて、いのちに変わるもの。」というグループビジョンスローガンを掲げています。このスローガンは、「食品は人のいのちの源であり、安全・安心で健康でおいしいものをお届けしたい」という私どもの気持ちを込めたもので、弊社商品ほとんどに記載しています。
■勤務地
──愛知県半田市の本社勤務が多いのでしょうか。
本社採用の場合、営業以外の職種は、東京、名古屋か、愛知県の半田本社になる確率が高いです。営業は全国各地の支店、営業所での勤務です。グループ会社採用の場合は、基本、全国各地の工場配属です。
──学生にとって、勤務地は大きな関心事ですよね。
内定後の面談ではほぼ100%勤務地の話になって、半田での暮らしとか、ジョブローテーションやライフプランについて聞かれます。総合職なので希望がかなわない場合があることはしっかり伝えています。ネックだと感じる学生もいるでしょうが、「どこでも行きます」と言ってくれる学生も多くいます。
──創業217年の歴史をもつ老舗です。どんな社風ですか。
先輩社員が築いてきたものを受け継ぎながら変化させていかないといけないという重みはあります。「古い企業なので、新しいチャレンジがしにくいのでは?」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、まったくそんな社風ではなくて挑戦的な風土の会社です。セミナーや説明会では、変革と挑戦の歴史や今取り組んでいる新しい事業の説明など、ミツカンのことをより理解してもらえる話をしています。
──昔ながらのお酢の味を守っている会社というイメージだったので、採用HPに「挑戦」という言葉がたくさん出ていて驚きました。
そうなんです。200年超の歴史の中で明治維新、世界大戦など、いろんな荒波を乗り越えてきた企業なので、ただお酢を作っているだけじゃ乗り越えられなかったと思います。実際、ビール事業や酪農事業をやったり、銀行やハンバーガーショップを経営したり、まったく違う事業に挑戦した過去があります。
──今はどんな挑戦をしているのですか。
10年先の未来を考え、2018年11月に策定した「ミツカン未来ビジョン宣言」の実現に注力しています。企業理念の「2つの原点」である「買う身になって まごころこめて よい品を」「脚下照顧に基づく現状否認の実行」の考えのもと、創業から「変革と挑戦」を続けてきました。今後、世の中の環境変化はますます激しくなり、気候変動や人口爆発により、食料が不足する時代が訪れると言われています。「未来ビジョン」に沿って「人と社会と地球の健康を大切にする」「おいしさと健康の一致」の実現に向け、新しい食の未来をめざしていきたいと考えています。ただ、当社だけで実現できるものではなく、共感、共鳴していただける方を増やし、そういった皆様とともに、「生活共創価値」を作り上げていきたいと考えています。
――「おいしさと健康の一致」とは?
健康によいものであっても、おいしくなければ続けられないし、おいしいものでも健康によくないのであればよろしくない。実は、「おいしさ」と「健康」って両方を実現させるのは難しいことなんです。これを体現したのが「ZENB」(ゼンブ)というブランドです。
「ZENB」は、植物を可能な限りまるごと使い、おいしくてカラダにいい、「人と社会と地球の健康」に貢献する、ウェルビーイングな食生活を提案するブランドです。野菜や豆、穀物といった植物のおいしさと栄養を、可能な限りぜんぶ閉じ込め、動物性原料は使わず、添加物に頼らない味づくりで、素材そのもののおいしさをいかした商品です。ECサイトでの通販限定の商品で、当面の間は売上を上げることよりも、「ZENB」の価値をお客様にしっかりお伝えすることに注力しています。日本だけでなく、米国、英国でも展開し、「人と社会と地球の健康」に貢献する商品として、好評を得ています。
■働き方
──コロナで働き方が変わりました。今後はどうなるのでしょう。
生産部門を除く多くの部署が「7割テレワーク」の環境となり、どの部署もローテーションを組んで出社していました。社員はみんな「在宅でも意外と仕事ができる」と感じたと思います。本社や営業所ではコロナ前からコアタイムなしのスーパーフレックスタイム制を導入していてコロナになって急に整備することもなくスムーズでした。インフラ強化のため情報システム部はとても大変だったかと思いますが、このままテレワークが継続されると嬉しいです。
■やりがいと厳しさ
──ミツカンの仕事のやりがいと厳しさは?
やりがいは、若手のうちから仕事を任されて、自分で考え、意見を出しながら働けるところです。厳しい面をいうと、やりたいことを提案できる風通しのよさがある一方、上司から論理的思考で考えることや、説明責任を果たすことを求められます。
──健康に関わる責任も重いのでしょうね。
2004年から「やがて、いのちに変わるもの。」というグループビジョンスローガンを掲げています。このスローガンは、「食品は人のいのちの源であり、安全・安心で健康でおいしいものをお届けしたい」という私どもの気持ちを込めたもので、弊社商品ほとんどに記載しています。
■勤務地
──愛知県半田市の本社勤務が多いのでしょうか。
本社採用の場合、営業以外の職種は、東京、名古屋か、愛知県の半田本社になる確率が高いです。営業は全国各地の支店、営業所での勤務です。グループ会社採用の場合は、基本、全国各地の工場配属です。
──学生にとって、勤務地は大きな関心事ですよね。
内定後の面談ではほぼ100%勤務地の話になって、半田での暮らしとか、ジョブローテーションやライフプランについて聞かれます。総合職なので希望がかなわない場合があることはしっかり伝えています。ネックだと感じる学生もいるでしょうが、「どこでも行きます」と言ってくれる学生も多くいます。
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2024/11/23 更新
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