
■2019年卒採用
──2019年卒採用はいかがでしたか。
ここ2~3年とは違いました。過去5年ほどは、受験者が多く、合格者も多かった一方、辞退者も多く合格者の3割を超えていました。自治体を掛け持ち受験して他に行ってしまうのが原因です。神奈川県、埼玉県、千葉県、横浜市などは試験日が同じため、掛け持ちできませんが、国家公務員一般職や東京都、東京の特別区(23区)は別日程で受けられるため、そちらに流れてしまいました。
2019年卒採用では、2次試験の受験者が少なく、合格数も少なくなっています。公務員採用も「売り手市場」が進み、学生はいくつも掛け持ちしていたのが、受ける自治体を絞る人が増えたのではないかという印象を持っています。
──神奈川県の内定を辞退して民間企業に行く人はいますか。
面接のときに併願状況を必ず聞きますが、民間企業を受けている人は少なく、だいたい公務員との併願です。「今回の試験に落ちたらどうするの?」と聞くと「来年も受ける」、もしくは神奈川県の後に市町村を受ける人たちが多く、総じて公務員志望であると感じています。
民間の採用日程が早まったので、平成22~26年度(2011~2014年度)は4月に1次試験を実施する「早期チャレンジ」を行い、6月には内定を出していました。かなり良い人たちに合格を出せたんですが、採用時には半分くらいに減ってしまい、方法を変更しました。
――今は「秋季チャレンジ」を実施していますね。
翌平成27(2015)年度から始めました。民間企業志望だった人、海外留学から帰国した人、資格試験に挑戦していた人のほか、試験日に風邪をひいたとか、いろんな理由で就活、公務員受験を続けている人もいます。その人たちに受験してもらい、その結果、私たちが採用したかった人を採れればお互いにウィンウィンです。
時期は10月の第3週ごろです。平成30(2018)年度夏実施のⅠ種行政職の倍率は6倍ほどですが、秋季チャレンジはかなり高く15倍くらいです。
──民間の内定式が終わった後ですね。
今回の例だと、民間の内定をもらったけれど、先輩から「結婚・出産を経て長く働き続けにくい」と聞き、「公務員だったら長く働ける」と受けに来た人がいました。また、「民間でバリバリ働いているけれども、結婚・出産後は今の働き方はできないから」という人もいました。
■採用実績
──多様な職種がありますが、専門的な技術職ではない「Ⅰ種試験」行政職の採用実績を教えてください。
2019年卒の入庁者はまだ確定していませんが、夏の試験は合格者164人、秋季チャレンジは49人でした。
2018年卒の夏の試験は計198人合格して入庁は133 人、秋季は66人合格して入ったのは57人。計190人が2018年4月に入庁しました。理系・文系の区別はなく、院卒は8人です。理系学生は農業、土木、水産、建築などの技術職も受けます。
──女性は何人くらいですか。
190人のうち女性は83人、約44%です。行政職全体の女性の割合は約34%。全職員でもほぼ同様です。
ひと昔前の公務員のように、与えられた仕事を淡々とこなせばいい時代ではありません。自ら進んでやっていく意欲のある人なら男女は関係ありません。
ただ、1次の筆記試験に比べて面接は女性の比率が高くなる傾向があります。面接では意欲がなかなか出てこない男性が多いのに対し、女性はしっかりハキハキとしゃべる人が多い。言葉が多ければいいわけではありませんが、自分の考え方、公務員になったらやりたいことをきちんと話せる人がいいですね。
──190人のうち、神奈川県出身者は?
データはありませんが、神奈川出身もしくは神奈川の大学に通っていた人が多いですね。住所が神奈川県の人は119人います。神奈川県、東京都、東京の特別区の全部に合格した人が最後は何で選んでいるかというと、やはり住所だと思います。最終的には自分が住んでいるところで働きたい人が多いのだと思います。
国家公務員や会社員と違うのは、転居を伴うような転勤がないことです。東京都だとある島の勤務もありません。出産・育児を視野に入れた人や、神奈川で生まれ育って他県に行ったけれども将来的には故郷に落ち着きたい人が受けに来ます。
神奈川県は30歳まで受けられるので、年齢的に他を受けられなかった人も来ます。