人気企業の採用担当者直撃インタビュー「人事のホンネ」2020シーズンの第5弾、ミズノの後編です。東京五輪・パラリンピックに向けて注目度が高まるスポーツ関連業界。ただ多くの仕事は、そんな華やかなイメージとはギャップがあることも知っておいてほしいそうですよ。一方でスポーツの可能性は広がっています。(編集長・木之本敬介)
(前編はこちら)
■個人面接
──グループ面接の後は、いよいよ個人面接ですね。
2次は各部門長と人事部の社員2人対学生1人の個人面接で、時間は20分です。人事的な観点での質問は人事が聞きますが、その他は部門長に自由に質問してもらっています。
──部門長に質問内容をまかせる理由は?
人事が考えつかないような質問が飛ぶので、そこにどう対応するかを見るためです。突拍子もないことを聞くこともあるので学生は驚くようですね。変化球が飛んできます。
小学生のときのことを深く聞いたり、「嫌いな人のことを思い浮かべて、どうして嫌いなのか説明してください」といった質問もあったりしたようです。明らかに言葉に窮してしまう人もいる一方、さらりとかわす人もいます。「今のは上手にかわしたなあ」と評価が上がりますね。また、この学生がミズノで一緒に働いているイメージが持てるかどうかも部門長には判断してもらっています。
──面接でニュースや時事的なテーマについて聞きますか。
はい、よく聞きます。2次面接で最近の気になるニュースについて聞くことが多いですね。
やはり世の中への感度は大事なので、面接の中で確認しています。
──最終は役員面接ですか。
はい。人事部長、人事担当役員、ほかにもう1人人事担当以外の役員が担当します。時間は15分間くらいです。
──最終面接まで進んだらほとんど落ちない?
いえ、最終面接でもしっかり選考します。15分は短いですが、3人それぞれ見る視点が違います。人事部長は質問というよりも受け答えの中で、ロジカルに物事を捉えられているか、質問にきちんと答えているかを見ています。
──面接時の服装について何か指示していますか。
最終面接は普段の雰囲気や姿を見たいので、普段着で来てもらいます。そうはいってもきちんとした格好で来る人がいたり、半ズボンで来る人もいたり、さまざまです。ちなみに、半ズボンで来た人は受かりましたよ。
──半ズボン、アリですか! 「半ズボンで面接」は勇気がいります。
ええ、アリです。“普段着”なので(笑)。本人は「自分は本当に夏は半ズボンだから、こだわってきました」と言っていました。
ミズノ株式会社
安全靴、ナースウエア、車の部品…非スポーツ部門にも力
■求める人材
──「求める人物像」についてもう少し詳しく教えてください。
ミズノには創業110年の歴史があり、創業者や2代目、3代目の社長が「フェアプレー」「フレンドシップ」「ファイティング・スピリット」の「3つのF」を大事にしていました。「フェアプレー」は試合でも仕事でも公平性を大事にする、「フレンドシップ」は仕事をするうえでのチームワーク、「ファイティング・スピリット」は熱意、逆境に負けない精神です。そうした素養、経験があるかどうか、1次面接や2次面接で聞きます。人事部としては、この「3つのF」をベースに、その人ならではの個性や経験があれば、より魅力的に感じます。
――どんな学生がいましたか。
海外メディアのアルバイトスタッフをしていたり、アフリカの奥地でフィールドワークをしていたり、大学時代にはスポーツとは関係ないことに熱中していた学生もいます。
──応募者は体育会出身者が多いのでしょうか。
説明会でも「甲子園に出ていないとダメですか」「記録を持っていないとダメですか」とよく質問されますし、かなり誤解されてるんですが、「体育会出身者しかダメ」ということはなく、「絶対、大丈夫です」と答えています。
体育会出身者は内定者の4割ぐらいです。ただ、まったく運動をしたことがない人は少なくて、やはり学生時代に何かしらスポーツをしている人が多いですね。
──スポーツ経験はなくても、たとえば「イチローの打撃理論に関心があって」というような人は?
今のところ内定者の中にはいませんが、今後はそういう人も出てきてほしいですね。ミズノはスポーツや競技で育ってきた会社ですが、今は非スポーツ部門にも力を入れようとしています。スポーツシューズやスポーツ用品を開発するために培ってきた技術を、非スポーツ部門にも転用したいと考えています。
たとえば、工事現場の安全靴を軽くて蒸れにくいものにしたり、作業着や病院のナースウエアも開発したり。ゴルフクラブのシャフトに使ってきた軽くて丈夫なカーボン繊維の加工技術は車の部品に転用しています。そうしたモノづくりだけでなく、運動プログラムの企画・販売などソフトビジネスにも広がっているので、スポーツをしてきた人だけでなく、一般の生活者に明るい人材も必要になってきています。
他にも、行政からプールや体育館などの運営を請け負う指定管理ビジネスもあるので、スポーツ施設ビジネスに興味のある人にも来てほしいですね。
■社風
──ずばり、ミズノってどんな会社ですか。
働きやすい環境であったり、チャレンジを奨励する制度があったり、社員一人ひとりに優しい会社です。社員は、明るく元気で真面目な人が多いですね。
──2020年の東京オリンピック・パラリンピック、昨年はテレビドラマ「陸王」もヒットしましたが、世間の盛り上がりは採用に関係しますか。
学生から「オリンピックを控えているので」と聞くことは多かったですね。2019年はラグビーワールドカップ(W杯)、2020年はオリンピック・パラリンピック、2021年はワールドマスターズゲームズと「ゴールデン・スポーツイヤーズ」を控えているので、「何かしらの形でスポーツに携わりたい」という学生が多かったのだと思います。
――「陸王」の足袋はミズノがつくったとか。
『陸王』の足袋は少し前まで社内に飾ってありました。ドラマの反響はすごかったですね。
──社内的な盛り上がりは?
オリンピックについては来年から社内で取り組みが始まると思います。社内では、オリンピックや2021年のワールドマスターズゲームズに関連したイベントや新しい提案を公募して、少しずつ気運を高めようとしています。特にワールドマスターズゲームズは関西ですし、大会に参加する社員も出てくると思います。
──社内のクラブ活動が盛んだそうですね。
そうですね。多くの社員が何かしら楽しめる活動をしています。社内のクラブ活動を通じて、所属部署を越えて社員間のコミュニケーションが活発になり、仕事にも良い影響を与えています。
──「求める人物像」についてもう少し詳しく教えてください。
ミズノには創業110年の歴史があり、創業者や2代目、3代目の社長が「フェアプレー」「フレンドシップ」「ファイティング・スピリット」の「3つのF」を大事にしていました。「フェアプレー」は試合でも仕事でも公平性を大事にする、「フレンドシップ」は仕事をするうえでのチームワーク、「ファイティング・スピリット」は熱意、逆境に負けない精神です。そうした素養、経験があるかどうか、1次面接や2次面接で聞きます。人事部としては、この「3つのF」をベースに、その人ならではの個性や経験があれば、より魅力的に感じます。
――どんな学生がいましたか。
海外メディアのアルバイトスタッフをしていたり、アフリカの奥地でフィールドワークをしていたり、大学時代にはスポーツとは関係ないことに熱中していた学生もいます。
──応募者は体育会出身者が多いのでしょうか。
説明会でも「甲子園に出ていないとダメですか」「記録を持っていないとダメですか」とよく質問されますし、かなり誤解されてるんですが、「体育会出身者しかダメ」ということはなく、「絶対、大丈夫です」と答えています。
体育会出身者は内定者の4割ぐらいです。ただ、まったく運動をしたことがない人は少なくて、やはり学生時代に何かしらスポーツをしている人が多いですね。
──スポーツ経験はなくても、たとえば「イチローの打撃理論に関心があって」というような人は?
今のところ内定者の中にはいませんが、今後はそういう人も出てきてほしいですね。ミズノはスポーツや競技で育ってきた会社ですが、今は非スポーツ部門にも力を入れようとしています。スポーツシューズやスポーツ用品を開発するために培ってきた技術を、非スポーツ部門にも転用したいと考えています。
たとえば、工事現場の安全靴を軽くて蒸れにくいものにしたり、作業着や病院のナースウエアも開発したり。ゴルフクラブのシャフトに使ってきた軽くて丈夫なカーボン繊維の加工技術は車の部品に転用しています。そうしたモノづくりだけでなく、運動プログラムの企画・販売などソフトビジネスにも広がっているので、スポーツをしてきた人だけでなく、一般の生活者に明るい人材も必要になってきています。
他にも、行政からプールや体育館などの運営を請け負う指定管理ビジネスもあるので、スポーツ施設ビジネスに興味のある人にも来てほしいですね。
■社風
──ずばり、ミズノってどんな会社ですか。
働きやすい環境であったり、チャレンジを奨励する制度があったり、社員一人ひとりに優しい会社です。社員は、明るく元気で真面目な人が多いですね。
──2020年の東京オリンピック・パラリンピック、昨年はテレビドラマ「陸王」もヒットしましたが、世間の盛り上がりは採用に関係しますか。
学生から「オリンピックを控えているので」と聞くことは多かったですね。2019年はラグビーワールドカップ(W杯)、2020年はオリンピック・パラリンピック、2021年はワールドマスターズゲームズと「ゴールデン・スポーツイヤーズ」を控えているので、「何かしらの形でスポーツに携わりたい」という学生が多かったのだと思います。
――「陸王」の足袋はミズノがつくったとか。
『陸王』の足袋は少し前まで社内に飾ってありました。ドラマの反響はすごかったですね。
──社内的な盛り上がりは?
オリンピックについては来年から社内で取り組みが始まると思います。社内では、オリンピックや2021年のワールドマスターズゲームズに関連したイベントや新しい提案を公募して、少しずつ気運を高めようとしています。特にワールドマスターズゲームズは関西ですし、大会に参加する社員も出てくると思います。
──社内のクラブ活動が盛んだそうですね。
そうですね。多くの社員が何かしら楽しめる活動をしています。社内のクラブ活動を通じて、所属部署を越えて社員間のコミュニケーションが活発になり、仕事にも良い影響を与えています。
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2024/11/21 更新
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