
■2016採用スケジュール
――2015年新卒の採用スケジュールを教えてください。
ほかの外資系企業とほぼ同じスケジュールで採用しています。外資の中ではそんなに早くありません。
■WEBテストとES
――プレエントリー数はどのくらいですか。
数万です。その後はWEBエントリーですが、かなりボリュームのあるエントリーシート(ES)を出してもらいます。応募は数千単位で、その後WEBテストを行います。
――SPIのようなものですか。
いえ、違います。幹部候補生として入社する新卒採用の選考プロセスは、グローバルで統一されています。WEBテストもグローバルスタンダードで使わなければいけません。一つは、数学みたいな問題ですね。内容は日本語で、自宅のパソコンで受けられます。
――WEBテストではかなり人数を絞るのですか。
合格ラインは決めていますので、そこで結果として合格された方のESを人事総出で全部見ています。
――人事の方は何人ですか。
採用に関わっていない人もいるので、実際にESや面接に携わるのは6~7人です。ほぼ総出でです。ESで少し迷うケースは、必ず複数で合否判断をするようにしています。
――ESの質問項目はどんな内容ですか。
突飛な質問はないと思います。私どもは新卒採用の基準としてリーダーシップを見ますので、その人のコンピテンシー(行動特性)がわかるような質問をしています。たとえば大学時代にどんなことをしていたか、どんなことにチャレンジし力を尽くしてきたのか、また、ユニリーバ・ジャパンのこの職種をなぜ希望するのか、具体的に聞きます。
――ESの文字量はどれくらいですか。
ひとつの質問に対して200~400文字、だいたい2ページです。マーケティング職種では、それに加えて「アイデアシート」を書いてもらいます。たとえば、うちの主力商品である「リプトン」をもっとこういう層に売るためのプロモーションプランを考えてといったお題を出し、A4一枚の紙に書いてもらいます。手書きOKで郵送です。コピーするので立体仕上げや切り絵はダメ。それもESとセットで読ませてもらいます。
――絵を描いたりしてくる学生が多いのですか。
絵やビジュアルを使ったり、分析やロジカルに重きを置く人はデータを駆使してプランを作ったり、いろいろです。
――ポイントは志望動機と大学時代に打ち込んだことですね。
そうですね。ただ志望動機はESを出す時点ではそんなにはっきりしていないケースもあるので、一番はコンピテンシーを見ます。結果が失敗であれ成功であれ、どれだけ自分で考えて行動し、どんな経験を重ねているかをうかがいます。
――経験の内容を問うわけじゃない?
ESだけでなく面接でもそうなんですが、ある意味どんな経験でもいいんです。学生自身の好奇心ややりたいこと、アルバイトでもいいし、ゼミでも勉強でもサークルでもいい。「何でなければいけない」ということは一切ありません。ただ、その中で自分がどんなことを思い、どんな行動をして、どんな経験をしているのか、聞いていきます。
■求める学生
――こんな思いをもっている学生がほしい、ということはありますか。
思いは人それぞれみなさん違い、将来やりたいことも一人ひとり違う。それはいいことです。ただ、たとえば文化祭にサークルで参加して何かの企画をするとき、その人の持っている思いによって実際に行動は変わってくると思います。自分たちのサークルでは今回こういうことをしたい、達成したいと思ったとき、それを実現するために何をするか考えますよね。考えて行動して、大抵はほかの人と協力してやっていくと思います。面接では、そのご自身の経験をそのまま話して下されば良いのです。実際に自分が考えた深さ、やってみた試行錯誤の結果をそのまま話してほしいと思います。
――優秀な学生は、根ほり葉ほり聞かなくても話が自然に出てくると?
話上手な人もいるので一概には言えませんが、一般的にはそうだと思います。「これがやりたくて、自分のエネルギーをすごく使った」という経験を持っている学生は、自分が学生時代に何をしたか、自分でわかっていると思います。就活を意識しての行動の場合もあるでしょうが、それだけではなく打ち込んでいることがある学生が沢山います。そういうところを私たちは見ています。
――就活直前になって改めて「自分は何をしてきたかな」と考えるより、考えながら行動した人のほうがいいということですか。
何でもいいからトライして、やった後に考えてもいいんです。何かしら思いがあって行動に移したわけですから。
――応募してくる学生に特徴はありますか。
最近は本当に意識の高い学生の方が多くて、ほとんどの方が「サークルも、ゼミも、アルバイトも、留学も、ボランティアもしてます!」という感じです。よく学生から「留学してないとだめですか」と聞かれます。でも、留学したかしていないかは問題じゃない。その中で何をしたか、何を考えどう行動していたかが聞きたいポイント、知りたいポイントなんです。
…続きを読む※続きを読むためにはあさがくナビへの会員登録が必要です。