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――採用実績を教えてください。
2014年度春に入社したのは300人です。男性が6割の180人、女性が120人。大学院修了者は24人で8%、理系は47人で15.7%でした。
――2015年新卒採用の現状はいかがですか。
採用計画は去年より50人多い350人です。採用の門戸は常に開けています。いい学生がいれば積極的に採用していきたい。海外に留学した人や秋卒業の人のほか、公務員などから進路変更した学生が夏から就活を始めるため、会社説明会もいろんなタイプの学生のタイミングに合わせて毎月何らかの形で開き、ニトリを知ってもらう活動をしています。今でも毎日のようにエントリーがあります。秋採用では、20人くらい採用する予定です。就活は10月1日の内定式が一区切りなので、ニトリもそのようにしています。
――採用人数が増えていますね。今後も増やしていくのですか。
10年ほど前から300人規模で採用してきました。ニトリの未来を作るのは新入社員ですから、会社の業績や景気動向に左右されずに、ある程度大量に採って育てるやり方です。今後も引き続き350~400人規模の採用を続けると思います。
――エントリー数はどうでしょう?
2015年新卒採用でプレエントリーは12万人。本エントリーは2万5000人くらいですね。プレエントリーは2年前が8万2000人、2014年新卒が10万5000人と増えています。
■独自の「製造物流小売業」
――ニトリは製造から小売まで一貫してやっていますよね。
ニトリでは、独自の「製造物流小売業」というビジネスモデルを構築しています。ベースは、アメリカの進んだ流通業の成功モデルをもとに国内で流通革命を起こすために作った「チェーンストア理論」です。1960年代、日本の流通業はメーカー主導で、結果的に国民の求めるものが提供されていませんでした。生活を豊かにするためには、流通業が商品づくりをしてお客様と直接ふれあう中で商品を変えていく。作る・売る立場から、使う・買う立場で考え仕組化していく。こうしたやり方が「チェーンストア理論」です。さらにニトリの「世界の人々の暮らしを豊かにしていきたい」というロマンの実現のために、お客様の立場で現状否定をし続けた結果、現在では、海外数十カ国で製造やソーシング活動を行い、貿易・物流、そして品質管理、販売まで一貫した独自のビジネスモデルを構築するにいたっています。ただ、これはゴールではなくて、これからこのビジネスモデルはもっと進化し続けていきます。
――モノづくりというと理系のイメージです。理系の社員が担当するのですか。
素材開発など専門的なことを社内でやっているわけではありません。たとえば、わが社のヒット商品である機能素材の「Nクール」は帝人さんと組んでいます。ユニクロさんがヒートテックなどで東レさんと組んでいるのと同じ形です。企画、モノづくりなどは共同作業で一つの商品をコンセプトに基づいてつくっていきますが、科学の専門的なところは帝人さんの担当です。今後は、新素材などの領域に携わっていくことを含め、専門知識を持った理系の学生も採用していきたいですね。…続きを読む