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――2013年4月の入社実績を教えてください。
83名が入社しました。内訳は女子44名、男子が39名です。
――女性が多いですね。
組織構成上、男子比率をもう少し高めたい気持ちもあるのですが、公平に選考を行った結果として、女子が多い状態が常に続いています。
――「男子比率」ってあまり聞かない言葉ですね。
この会社は、新卒採用を始めてからずっと女性の多い会社です。1986年に男女雇用機会均等法が施行されましたが、当時入社した社員は「そのころ女性が男性と対等に活躍できる会社はほとんどなく、だからベネッセを選んだ」と言っていました。岡山の地方企業からスタートしたので、優秀な男子学生をひきつけるのが難しかったということもあると思います。昔は優秀な男子学生には金融やメーカーが人気で、無名の地方出版社(当時は福武書店)が優秀な人を採るにあたって、大卒女子学生は一つのターゲットでした。
最近は女子学生の方がエントリーが多いため、割合的に優秀な学生に遭遇する可能性が高くなっています。
――現役の社員数と男女比は?
社員数は2800名、6対4で女性が多いですが、特に女性を優遇しているわけではありません。女性も男性と同様に働けるよう支援する、男女の違いがない社風であることの方が大きいです。女性社員が多いので、育休・産休などの制度が充実しているイメージは確かにありますが、基本は積極的にキャリアを考えている女性社員を支援するスタンスです。
男性が多数の中で、女性をどう活用しようかを考える会社が多いと思いますが、ベネッセでは、女性活用という言葉はほとんど使いません。女性の方が多い中で、普通に社員の育成とか、社員のパワーの最大化を考えているだけです。あまり男女の意識がないのが特徴ですね。
――男性社員は肩身が狭くありませんか。
そんなことはありませんよ。男女に区別がない、それだけです。私は中途入社だったので、最初はギャップもありましたが、すぐに慣れました。会議やエレベーターでも女性が多数という状態が普通ですから。女性ばかりの飲み会に男性1人で参加なんてこともありますが、今はもう気になりません。
――採用した学生の人物像は?
選考のプロセスではいろんな学生が来ます。「まじめできっちりこつこつ」という優等生的な人が集まる会社、学級委員長タイプが多い会社だとよくいわれますが、一方で「求めている学生像」は少し違います。教育業界は今後変わっていかなければなりません。その変化をリードしていく人材がほしいんです。ビジネス志向でアグレッシブな人、困難を突破してそこから新しい物を作ってみたいというような人を求めています。学生時代からそういうことにチャレンジして実績をあげた、例えば外国で学校を建ててきた、塾経営をしている、など突き抜けた経験をしてきた学生を「挑戦者」という人物像に設定し、毎年若干名ではありますが、そういう学生を採用するために積極的な施策も打っています。…続きを読む