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(前編はこちら)
■面接
──面接はどんな形式ですか。
2022年卒から変えたのですが、1次から3次まですべて個人面接です。以前は1次がグループディスカッションと学生3人の集団面接でしたが、「WEBで3人は難しい」と判断しました。
職種によって若干異なりますが、1次が25分程度、2次は1対1で50分。最終は人事部長による対面面接で40分ほどです。
──それぞれの面接で見るポイントは?
各職種の求める人物像ごとに分けているので、ひとことで表現するのは難しいですが、たとえば、業務企画職については、資源環境事業から商社事業、再生可能エネルギー事業、海外住宅不動産事業と、活躍するフィールドが本当に広い職種なので、やはり何にでも興味関心を抱けるレンジの広さを持った人か、というポイントは見ています。住宅営業職と建築技術職はBtoCで接客する仕事ですから、対話力はもちろん、古典的かもしれませんが、身だしなみや清潔感は見ていますね。
■何の会社?
──住友林業は住宅メーカーだと思っていたのですが、今回調べてみて、木に関わる非常に幅広い事業を展開していると知って驚きました。社有林の面積が日本の国土の約800分の1、東京ドーム1万個分もあるというのもびっくりです。
びっくりしてもらってよかったです(笑)。ひとことで言うと「“木”で社会問題を解決する会社」なんです。貴重な自然資本である木を軸に、地球環境と社会を支える事業をグローバルに展開している企業です。
──学生にはどう説明しているのでしょう。
セミナー等ではあえてみなさんのイメージ通りの「住宅メーカーの顔」から入ります。そこから当社の歴史について時間をかけて説明します。約330年前に別子銅山(愛媛県新居浜市)開坑に伴う木材調達が事業の始まりであったこと、それが高じて周辺の森林を荒廃させてしまったこと、その経験から持続可能性の大切さを学び、大規模な植林を通じて森を再生させたこと、そしてこうした足跡が今日の経営理念につながっていること。事業を一つひとつ個別に説明するよりも当社の姿をよく理解してもらえているようです。
──いま注目のSDGs(持続可能な開発目標)に昔から取り組んできたと。
そうなんです。100年以上前から続けています。森林経営や流通、建設をセットで手がける会社は他にもありますが、ここまでの規模かつグローバルに展開している企業は、世界でも稀有ではないかと思います。
──採用で競合する業界は?
5年ほど前までは住宅会社を含む各メーカーと商社が多かったですが、最近増えているのはエネルギー系やインフラ系の業界ですね。鉄道会社とか電力・ガス会社など、社会基盤を本業で根底から支えるような会社です。最近当社では、緑化ならぬ「木化(もっか)事業」といって、商業施設などの中大規模建築物を木造で建てるビジネスを拡大させていますが、この影響もあってかゼネコンやディベロッパーとも競合します。…続きを読む